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==概要==
 
==概要==
パラレルワールドとも呼ばれており、ある世界から分岐し、それに並行して存在する別の世界。<br>SF、または物理学の世界、ひいてはフィクションの世界で良く用いられる。<br>TYPE-MOON世界上において並行世界への干渉は、魔術の域を超えた魔法として認知されている。<br>「平行世界」という異なる表記もよく見られる。
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パラレルワールドとも呼ばれており、ある世界から分岐し、それに並行して存在する別の世界。SF、または物理学の世界、ひいてはフィクションの世界で良く用いられる。<br>TYPE-MOON世界上において並行世界への干渉は、魔術の域を超えた魔法として認知されている。<「平行世界」という異なる表記もよく見られる。
    
==並行世界(Parallel World)==
 
==並行世界(Parallel World)==
:いわゆる'''「別の可能性を描いた世界」'''を指す。<br>世界はひとつではなく合わせ鏡のように無数に展開しており、だからこそ未来は一つきりではない。<br>つまり、あり得たかもしれない結末、切り捨ててしまった関係、気づく事さえなかった選択、といった“イフ”を意味しており、“変動する未来のある世界”を指している。
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いわゆる'''「別の可能性を描いた世界」'''を指す。世界はひとつではなく合わせ鏡のように無数に展開しており、だからこそ未来は一つきりではない。<br>つまり、あり得たかもしれない結末、切り捨ててしまった関係、気づく事さえなかった選択、といった“イフ”を意味しており、“変動する未来のある世界”を指している。
 
===編纂事象と剪定事象===
 
===編纂事象と剪定事象===
:『TYPE-MOON』作品における並行世界の運営概念。<br>並行世界は「多少の差異はあっても未来は同じになる大幹の並行世界群」である編纂事象と、「完全に別世界になり、いずれ滅びる枝葉の並行世界」である剪定事象に振り分けられるというもの<ref group = "出" name = "『Fate/AccelZeroOrder』プロローグ" >『Fate/AccelZeroOrder』プロローグより。</ref>。
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:『TYPE-MOON』作品における並行世界の運営概念。
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:並行世界は「多少の差異はあっても未来は同じになる大幹の並行世界群」である編纂事象と、「完全に別世界になり、いずれ滅びる枝葉の並行世界」である剪定事象に振り分けられるというもの<ref group = "出" name = "『Fate/AccelZeroOrder』プロローグ" >『Fate/AccelZeroOrder』プロローグより。</ref>。
    
:単純に例えると、編纂事象は正史のメインルート、剪定事象はバッドエンドルートである事が多いが、剪定事象は単に『メインルートから外れすぎて特化した結果、多くの分岐可能性を失った世界』であって、必ずしもバッドというわけではない。善し悪しに分けるとなると、善い流れとは「安定した、今後もより多くの派生を生む可能性に満ちた流れ」であり、悪い流れは「先鋭しすぎたため、もう道を変えられない一本道の流れ」を指す<ref group = "出" name = "『Fate/EXTELLA matelial』113ページ">『Fate/EXTELLA matelial』113ページ「編纂事象と剪定事象」より。</ref>。
 
:単純に例えると、編纂事象は正史のメインルート、剪定事象はバッドエンドルートである事が多いが、剪定事象は単に『メインルートから外れすぎて特化した結果、多くの分岐可能性を失った世界』であって、必ずしもバッドというわけではない。善し悪しに分けるとなると、善い流れとは「安定した、今後もより多くの派生を生む可能性に満ちた流れ」であり、悪い流れは「先鋭しすぎたため、もう道を変えられない一本道の流れ」を指す<ref group = "出" name = "『Fate/EXTELLA matelial』113ページ">『Fate/EXTELLA matelial』113ページ「編纂事象と剪定事象」より。</ref>。
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:孤独な世界、今の世界と異なる姿、そういった間違ってしまった世界の端末を増やすために使うエネルギーは、この次元には存在しない。並行世界は雪だるまのように増え続け、やがては次元の容量を超えてしまう。大雑把な目算であるが、地球の文明レベルであれば、それがこのまま百年も続ければこの太陽系は破裂してしまう<ref group = "出" name = "『Fate/EXTELLA』未明篇"/>。
 
:孤独な世界、今の世界と異なる姿、そういった間違ってしまった世界の端末を増やすために使うエネルギーは、この次元には存在しない。並行世界は雪だるまのように増え続け、やがては次元の容量を超えてしまう。大雑把な目算であるが、地球の文明レベルであれば、それがこのまま百年も続ければこの太陽系は破裂してしまう<ref group = "出" name = "『Fate/EXTELLA』未明篇"/>。
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:それを防ぐために、世界がある程度進むと可能性の統計をとり、“次の世代の運営”に無理のない結末だけを存続させる。要は百年単位で「ここまで」と集計を取り、“少なくとも、あと百年は続けられる”と保証された世界にだけ可能性を許し、不要と判断した世界の並行世界、その未来を閉ざす方法を行っている。これによって人間は生存し、繁栄し、太陽系は情報量によって飽和する事なく、向こう一億年は今の方式で存続できる<ref group = "出" name = "『Fate/EXTELLA』未明篇"/>。
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:それを防ぐために、世界がある程度進むと可能性の統計をとり、“次の世代の運営”に無理のない結末だけを存続させる。要は百年単位で「ここまで」と集計を取り、“少なくとも、あと百年は続けられる”と保証された世界にだけ可能性を許し、不要と判断した世界の並行世界、その未来を閉ざす方法を行っている。これによって人間は生存し、繁栄し、太陽系は情報量によって飽和する事なく、向こう一億年は今の方式で存続できる<ref group = "出" name = "『Fate/EXTELLA』未明篇"/>。これを魔術世界では『剪定事象』と呼び、この機能があることで「我々の宇宙は今も問題なく広がっている」と魔術協会は考えられている<ref group = "出" name="Lostbelt No.1 第15節">『永久凍土帝国 アナスタシア』第15節「皇女アナスタシア」より。</ref>。
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:あまたに存在する並行世界に文明のズレはないが、いき過ぎた崩壊、いき過ぎた進化をとげた世界に並行世界は存在せず、もう結末が決定してしまった袋小路(デッドエンド)のようなものと化する。大樹に置き換えるのならば、幹である中心部分は成長を続けられるが、枝葉は育ってもいずれ限界を迎えてしまい、大幹を保つために伐採されてしまうのである<ref group = "出" name = "『Fate/EXTELLA』未明篇"/>。
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:基本、並行世界があると仮定した場合、そこでの文明・ライフスタイルはみんな同じものであり、『皆コースが同じ』である以上『基本世界』とは少ししか差異はないが、何か突拍子のない展開・天変地異や技術のブレイクスルーによってたまにコースから外れる歴史、そういった『コースを外れるほどの変化』を迎えた世界は、この宇宙では『違うもの』として削除される<ref group = "出" name="Lostbelt No.1 第15節"/>。別視点で見ると、あまたに存在する並行世界に文明のズレはないが、いき過ぎた崩壊、いき過ぎた進化をとげた世界に並行世界は存在せず、もう結末が決定してしまった袋小路(デッドエンド)のようなものと化する。大樹に置き換えるのならば、幹である中心部分は成長を続けられるが、枝葉は育ってもいずれ限界を迎えてしまい、大幹を保つために伐採されてしまうのである<ref group = "出" name = "『Fate/EXTELLA』未明篇"/>。
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:剪定事象の中には編纂事象にあるどんな世界よりも先に進み、希望と幸福に満ちた理想世界もあったが、「それだけでもう完成し、終わるもの」である為、理想世界の条件が確定した段階で「剪定」されてしまう。まだ誰も知りえない未来のために宇宙が膨張する以上、分かりきった結末のためにエネルギーを使うことはない<ref group = "出" name = "『Fate/EXTELLA matelial』113ページ" />。
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:剪定事象の中には編纂事象にあるどんな世界よりも先に進み、希望と幸福に満ちた理想世界もあったが、「それだけでもう完成し、終わるもの」である為、理想世界の条件が確定した段階で「剪定」されてしまう<ref group = "出" name = "『Fate/EXTELLA matelial』113ページ" />。樹を育てる時、不要な枝を切り落とすように、基本軸である『幹』から離れすぎた世界はたとえ理想郷であろうと「打ち切り」になる。もう何をしても滅亡が決定したもの、どれほど発展していようと進化が止まったもの、といった『先の展望が見えた』世界を続けていくほどこの宇宙は寛容ではなく<ref group = "出" name="Lostbelt No.1 第15節"/>、まだ誰も知りえない未来のために宇宙が膨張する以上、分かりきった結末のためにエネルギーを使うことはない<ref group = "出" name = "『Fate/EXTELLA matelial』113ページ" />。
    
===人理定礎===
 
===人理定礎===
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:差異点としては些細だが、示唆された設定の節々に『strange Fake』に連結するであろう可能性が仄めかされている。
 
:差異点としては些細だが、示唆された設定の節々に『strange Fake』に連結するであろう可能性が仄めかされている。
 
;[[Fate/Zero]]
 
;[[Fate/Zero]]
:'''『stay nightと条件は同じだけど微妙に違う世界』'''<ref group = "出" name = "『Fate/strage Fake』第1巻">『Fate/strage Fake』第1巻 解説より。</ref>。
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:'''『stay nightと条件は同じだけど微妙に違う世界』'''<ref group = "出" name = "『Fate/strage Fake 第1巻』">『Fate/strage Fake 第1巻』「解説」より。</ref>。
 
:『stay night』の10年前に行われた第四次聖杯戦争を描いているが、パラレルワールドとして扱われている。
 
:『stay night』の10年前に行われた第四次聖杯戦争を描いているが、パラレルワールドとして扱われている。
 
;[[Fate/EXTRA]]
 
;[[Fate/EXTRA]]
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::[[主人公 (EXTRA)|主人公]]が赤ん坊になった事を除けば、全体的にゆるふわのルート。
 
::[[主人公 (EXTRA)|主人公]]が赤ん坊になった事を除けば、全体的にゆるふわのルート。
 
;[[Fate/Apocrypha]]
 
;[[Fate/Apocrypha]]
:'''『途中までは同じだけど今は完全に別の世界』'''<ref group = "出" name = "『Fate/strage Fake』第1巻" />。
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:'''『途中までは同じだけど今は完全に別の世界』'''<ref group = "出" name = "『Fate/strage Fake 第1巻』" />。
 
:第三次聖杯戦争において[[アインツベルン]]が[[アンリマユ|復讐者]]ではなく[[天草四郎時貞|裁定者]]を召喚し、ナチスドイツのユグドミレニア一族によって冬木の大聖杯が強奪された世界。
 
:第三次聖杯戦争において[[アインツベルン]]が[[アンリマユ|復讐者]]ではなく[[天草四郎時貞|裁定者]]を召喚し、ナチスドイツのユグドミレニア一族によって冬木の大聖杯が強奪された世界。
 
:この世界では聖杯戦争が世界的に広まり、各地で行われるようになった上に大聖杯も汚染されていない。
 
:この世界では聖杯戦争が世界的に広まり、各地で行われるようになった上に大聖杯も汚染されていない。
 
:大聖杯にルール管理サーヴァント「[[ルーラー|裁定者]]」が召喚されるようになった。
 
:大聖杯にルール管理サーヴァント「[[ルーラー|裁定者]]」が召喚されるようになった。
 
;[[ロード・エルメロイⅡ世の事件簿]]
 
;[[ロード・エルメロイⅡ世の事件簿]]
:'''『完全に同じ世界。ただし三田誠スパイスにより大気濃度がちょい違う濃密魔術もの』'''<ref group = "出" name = "『Fate/strage Fake』第1巻" />。
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:'''『完全に同じ世界。ただし三田誠スパイスにより大気濃度がちょい違う濃密魔術もの』'''<ref group = "出" name = "『Fate/strage Fake 第1巻』" />。
 
:『stay night』の直前、第四次聖杯戦争から10年後~第五次聖杯戦争開始の少し前頃。
 
:『stay night』の直前、第四次聖杯戦争から10年後~第五次聖杯戦争開始の少し前頃。
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:宇宙開拓により月面都市が作られやがて月面国家が興った頃、地球はポールシフトに見舞われ、全人類は唐突に開拓・解明・繁殖などへの情熱を失っていった。
 
:宇宙開拓により月面都市が作られやがて月面国家が興った頃、地球はポールシフトに見舞われ、全人類は唐突に開拓・解明・繁殖などへの情熱を失っていった。
 
;[[Fate/strange Fake]]
 
;[[Fate/strange Fake]]
:'''『同じ条件、同じ結末を迎えていながら、なぜか完全に違う世界』'''<ref group = "出" name = "『Fate/strage Fake』第1巻" />。
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:'''『同じ条件、同じ結末を迎えていながら、なぜか完全に違う世界』'''<ref group = "出" name = "『Fate/strage Fake 第1巻』" />。
 
:『stay night』の第五次聖杯戦争が終結してから、数年後にアメリカで聖杯戦争が執り行われている。
 
:『stay night』の第五次聖杯戦争が終結してから、数年後にアメリカで聖杯戦争が執り行われている。
 
:最大の差異点の一つは、本作が例外的に英霊召喚と死徒二十七祖が同時に存在している'''『どっちもアリな世界』'''である事<ref group = "出" name = "竹箒日記2017/4/15" />。
 
:最大の差異点の一つは、本作が例外的に英霊召喚と死徒二十七祖が同時に存在している'''『どっちもアリな世界』'''である事<ref group = "出" name = "竹箒日記2017/4/15" />。
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