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| ===[[異聞帯]]=== | | ===[[異聞帯]]=== |
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− | ==概要==
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− | ロストベルト。過った選択、過った繁栄による敗者の歴史。歴史の残滓。
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− | “不要なもの”として中断され、並行世界論にすら切り捨てられた“行き止まりの人類史”。異なる歴史を歩んできた人類の年表。一時の点ではなく、帯として現在まで続いたもの。異聞帯のサーヴァントは存在するが、このサーヴァントは汎人類史のサーヴァントとは比べ物にもならない強さを持つ。
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− | 特異点を『正しい歴史が間違ったもの』ならば、異聞帯は『何も間違ってはいない』世界。言うなれば、汎人類史とは異なる歴史でありながら、特異点のように狂った世界ではない領域である。だが異聞帯は[[並行世界]]ですらない。本来なら百年で打ち切られる歴史が、現在まで続いてしまった世界。いわば『汎人類史に敗北した歴史』が地球上に突如として現れた。[[特異点]]とは違い、現代の今の時間軸に7つの異常地帯が浮かび上がっている。テクスチャの上書きであるため、点ではなく帯。最早転換点は過ぎ去り、異聞帯は歴史を紡いでいる。多くの知られざる異聞史の中からより強力なもの、汎人類史を押しつぶせるほどの可能性を持ったものが、侵略兵器として用いられた。異聞帯という人類史による地球そのものを攻撃し、ダ・ヴィンチやクリプターはこれを濾過異聞史現象と呼ぶ。
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− | 宇宙からの侵略が始まり、三ヶ月ものの間は汎人類史の人類は抵抗という名の長い戦いを繰り広げた。
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− | しかし隣国を牽制・監視する手段に長けていれど宇宙からやってくる侵略者には何のプランを持ち合わせてないために、あらゆる抵抗は無意味に終わり、最後まで侵略に抵抗していた合衆国は消滅してしまった。
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− | かくして地球は完全に漂白された惑星と化し、一握りの生存者の目の前に映るのは、かつての面影の欠片もない、何もかもが一新された白い荒野が広がっていただけである。
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− | 逆転の目も、生存の目もなく、あらゆる活動はなんの成果も現さないという、正しく絶望的な状況を生存者は受け入れてしまったが、[[デイヴィット・ブルーブック]]はその上で過去の記録を漁ろうと行動していた。<br>
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− | 空想樹が根付いた後、その異聞帯を発展させるのは異聞帯の王ではなく、クリプターの役目。
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− | [[キリシュタリア・ヴォーダイム]]は人間に支配者の座を追われた神々の復讐と例えている。<br>
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− | [[コヤンスカヤ]]は「異聞帯はいつかは破綻する」「すべては『異星の神』が降臨するまでの暇つぶし」と評している。
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− | === 濾過異聞子現象 ===
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− | <ruby><rb>異聞帯</rb><rt>ロストベルト</RT></RUBY>という人類史による、地球そのものへの攻撃。<br>
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− | 多くの知られざる異聞史の中からより強力なもの、汎人類史を押しつぶせるほどの可能性を持ったものが、侵略兵器として用いられた。<br>
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− | 地球は完全に漂白された惑星と化し、一握りの生存者の目の前に映るのは、かつての面影の欠片もない、何もかもが一新された白い荒野が広がり、自然も文明も生きる者たちも、すべて消え失せ、削ぎ落された。<br>
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− | 窒素、酸素、アルゴン、二酸化炭素などの大気成分は基準値をクリアし、大気中のマナも21世紀のものとほぼ同じ濃度。人体に有害な物質は検知されない。
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− | 宇宙からの侵略が始まり、三ヶ月ものの間は汎人類史の人類は抵抗という名の長い戦いを繰り広げた。<br>
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− | しかし隣国を牽制・監視する手段に長けていれど宇宙からやってくる侵略者には何のプランを持ち合わせてないために、あらゆる抵抗は無意味に終わり、最後まで侵略に抵抗していた合衆国は消滅してしまった。<br>
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− | ダ・ヴィンチやクリプターはこれを濾過異聞史現象と呼ぶ。
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− | 空想樹を打ち込み、異聞帯の書き換えを行う濾過異聞史現象を執り行うが、発芽には90日という時間を必要とする。<br>
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− | 異聞帯の安定と空想樹の成長は同義であり、異聞帯のサーヴァントとの契約よその継続に全力を注ぐことが鍵となっている。<br>
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− | クリプターは自分が担当する異聞帯の領域拡大を目的とするが、互いの異聞帯の境界が衝突した場合、より強い人理を築き上げた異聞帯が脆弱な異聞帯を飲み込んでいく。<br>
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− | だが、その衝突以外の対決、他のクリプターの異聞帯内への干渉は御法度であり、異聞帯にカルデアが現れた場合、その異聞帯の王が対応するべき事である。<br>
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− | 最終的に、クリプターは一つの異聞帯を選ばなければならず、あるクリプターが担当する異聞帯の領域拡大を放棄しても、そのうち他の異聞帯に侵略される。
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− | 地球は白紙化し、異聞帯を除いて生命のない星へと成り果てたが、稀に『白紙化に取り残された』地域、建物、生命が存在する。<br>
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− | 建物は全て白く漂白されており、消しゴムで消されたような不自然な欠落部分がある。その姿は砂丘のただ中に立つ近代美術のモニュメントのよう。生命の痕跡は一切なく、生き物の死骸などの死の跡すら存在しない<ref group = "注">その為、廃墟でありながら清潔感がある。</ref>。<br>
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− | [[人理継続保障機関フィニス・カルデア|カルデア]]はこれを『残留物』と呼称した。
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− | ===空想樹===
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− | 異聞帯の要。惑星を初期化し、新たな神話を作り上げる。地脈から<ruby><rb>魔力</rb><rt>マナ</RT></RUBY>を吸い上げる。発芽には90日という時間を必要とする。<br>
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− | 濾過異聞史現象を成立させている要石で、空想の樹なくして、現実への侵攻はありえない。空想樹があれば異聞帯が消滅する事はない。<br>
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− | カルデアにとっての最大の排除対象。時間経過で成長し何れ完全に根付いてしまう為に後回しにするのは危険<ref group = "注">[[ナポレオン]]曰く樹はでかきなって根付く程に、伐採作業は難しくなるのが道理。</ref>。
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− | シャドウ・ボーダーに搭載されているペーパームーンの羅針盤に現れていない『異物』で、ペーパームーンは異聞帯を『地球の地形』として判定して観測しているが、空想樹だけは除外している。
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− | 起動後は膨大な魔力量を持ち、神代クラス、真エーテルに近しい。星の人理が巻き戻り、神の下に帰還していく<ref group = "注">[[レオナルド・ダ・ヴィンチ]]が「大げさではなく、このままだと世界がひっくり返る」と言うほど。</ref>。<br>
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− | 成長すると、種子を吐き出して射出するようになる。これは育成が良好な証拠で、異聞帯の王との関係が良好という事でもある。
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− | ====空想樹の種子====
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− | 空想樹の種子。空中から奇妙な大型の形状で飛来する。[[ナポレオン]]曰く、神獣スフィンクスの顔と同程度には硬そうだとか。<br>
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− | 攻撃本能や凶暴性がかなり際立った存在で、機械的ではないので魔術的な存在ではない。笑ったりはする。<br>
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− | [[マシュ・キリエライト]]が「異聞帯特有の幻想種で、神話や伝承に記されるものではなく、独自の生態系を構築するタイプの魔獣」と予想した際に、[[フォウ]]が否定した。
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− | ====空想樹一覧====
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− | ;空想樹オロチ
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− | :ロシア領の異聞帯に根付いている空想樹。異聞帯の中心に存在する。
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− | :だが[[イヴァン雷帝|ロシアの異聞帯の王]]が自身の力での領土拡大を望むゆえか、完全には根付いていない。
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− | ;空想樹ソンブレロ
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− | :北欧異聞帯の空想樹。世界の礎たる世界樹。
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− | ;アトラスの世界樹
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− | :ギリシャ異聞帯の空想樹。既に完成しており、その根は地球の表層の八割を覆い尽くしている。他の異聞帯の空想樹を切除してもアトラスの世界樹がある限り汎人類史の復権はできない。
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− | :『アトラスの世界樹』というのは大神ゼウスが名付けた。天を支える空想樹と称される。
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− | ;無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング(Lostbelt No.2)
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− | :副題:消えぬ炎の快男児<br>異聞深度:B+<br>年代:BC.1000
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− | :[[オフェリア・ファムルソローネ]]の担当地区である北欧の異聞帯。北欧神代が終わらずに続いている、何一つ無駄のない冷酷で残酷な世界。唯一の神に支配された純然なる神の地。
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− | :異聞帯の王は[[スカサハ=スカディ]]。海神ニョルズと結ばれる運命は果たされず、オーディンと結ばれることもなく、誰とも結ばれずに狂ったラグナロクを唯一生き延びた神。子と認めた、炎の日々を生き延びた北欧のものを愛し、神の視点を以て北欧に残った人類を庇護しておる。
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− | :汎人類史の人理が抵抗として召喚した[[サーヴァント]]は[[ナポレオン]]、[[ブリュンヒルデ]]、[[シトナイ]]。[[ナポレオン]]は集落の人々や氷雪の城に単身突撃するなどして情報収集し、[[主人公 (Grand Order)|主人公]]と合流した。[[ナポレオン]]と同時期に召喚された[[シトナイ]]は[[スカサハ=スカディ]]にすぐに見つかってしまい、氷雪の城の深くにある地下牢に捕らえられていた。[[ブリュンヒルデ]]はガルフピッゲン山の山頂の炎の館に封じられていた。
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− | :分岐点は紀元前1000年頃。神々と巨人の最終戦争が起きたにも関わらず、神代が終わらなかった。スカディが誰とも結ばれていないなど汎人類史の北欧神話とは違う流れを辿り、神代北欧が終わるはずの紀元前1000年頃の状況がゆったりと続いている。神代級の神秘が残されており、文明は発展せず、人間は神を崇め、山嶺を巨人が闊歩している。一面の銀世界で、気温は摂氏3度。だが風は冷たくなく、空は清々しい程の快晴。夜になると気温は零下数十度まで落ちると思われる。魔力濃度はロシアよりも高い。
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− | :世界地図で言えばロシアの国境から先、スカンジナビア半島全域を嵐の壁が覆っている。空想樹は外からは視認できたが、異聞帯内部からは見えず、余人の手の届かない場所で成長を続けており、土壌が良いためか種子を吐き出し射出するまでに成長している<ref group = "注">種子自体は枯死してしまった。</ref>。空想樹が育ちきれば、人類や自然も息を吹き替えす可能性はある。この空想樹が育ち切ると、[[キリシュタリア・ヴォーダイム]]の異聞帯を吸い尽くす可能性があった。汎人類史の地図上と比べると、海が山となったり、湖が雪原となっていたりする。雪や氷の下には海や湖があるとされる。
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− | :氷雪に覆われた白い凍った山嶺が長く続いており、山嶺の半ばから北部にかけて、木々がない場所に青色の火炎が浮かんでいる。青い炎は自然現象としては不自然な魔術的な効果によるものとされ、燃焼する物質がないように見えるのに炎が浮かび、僅かたりとも延焼せずに炎が固体の様に山の上に乗っている。低温下でしか発生しない氷雪と、高温そのものである火炎が同居し、独特で美しくも神秘な光景を生み出している。木々は針葉樹の形をした氷で、無数に突き立っている。このような環境であるため、多くの生物は生息できないが、巨人は沢山棲息している。汎人類史ではスウェーデンの南部のヴェッテルン湖の上には雪に覆われた山間部がある。
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− | :北部山脈に揺らめく炎の正体は、火の国こと火炎領域ムスペルヘイムから落ちた火。
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− | :炎の山と氷の山が隣り合っている土地の高所、炎と氷の境界地には草木や花が生えている花園が存在する。これは比較的、炎に近い高所である為に氷や雪が溶けた水、温かな空気、氷や雪が溶けたことで露出した土などのお陰で草木が生育できる状態になっている。此処にはどんな病気も治し、特に熱に良く効くとされる薬草が生えている。ただし、巨人種が歩いたり寝たりしている。この場所は集落では昔話として伝わっている。
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− | :空にはあまりにも大きすぎる太陽が宇宙空間の手前に浮かんでいる<ref group = "注">北欧やゲルマンの伝承には「太陽の様に見えるが、太陽ではないもの」という話はない。</ref>。サイズは汎人類史の記録にも存在しないほど。<ref group = "注">通常よりも巨大だが、実際に太陽が膨張するのは数十億年後。仮に異聞帯が環境を変質させ、宇宙に存在する太陽を赤色恒星へ変えたのであれば、雪や氷どころか地表は砂漠になり、[[主人公 (Grand Order)]はまず生存できない環境となっている</ref>。この偽なる太陽の正体は神々によって具象化された火炎領域ムスペルヘイムであり、即ち[[スルト]]の肉体。それを大神オーディンによって封印されたもの。[[スルト]]が融合した[[シグルド]]の霊核を[[ブリュンヒルデ]]が破壊した事で[[スルト]]の魂が解放され、大神の牢獄を外側から解き放たれると、ぐねぐねと胎動を始め、炎によって形成された濁流が蠢き、偽なる太陽を穴として[[スルト]]の肉体が落ちた。この落ちる刹那、異聞帯各地に棲まう巨人種の全ては一斉に空を見上げて咆哮し、女王からもたらされた支配の枷である顔を覆っていた無謀の仮面礼装が砕け散った。それにより仮面の消滅と共に巨人種たちは真に覚醒し、人類には理解できない言語で終焉をもたらす王の名を讃えた。
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− | :旧ヨートゥンハイメン山地に存在するガルフピッゲン山は、北欧異聞帯でも延々と連なった雪と氷の三例の果てで一本道。山頂には燃焼の対象物がないまま空間に固定された魔術の炎の壁が取り囲む、氷の建造物が存在する。これは[[ブリュンヒルデ]]が封じられていた“炎の館”の神話の再演、見立てによる類感魔術を用いた大規模魔術儀式による結界。オーディンの結界を模した館。この館の近くによるだけで高熱が届き、空気が熱くなる。何処かに灼熱のルーンが刻まれているとされる。雪や炎の魔力でサーヴァントの感覚は鈍ってしまう。炎の中にはムスペル巨人種が鎖で足が繋がれた状態で複数体が番犬代わりにされている。内部には[[ブリュンヒルデ]]が封じ込められていた。
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− | :旧スカゲラク海峡は汎人類史では海上だが、異聞帯では凍り付き、降雪した山と見紛う状態の領域になっている。オスロからガルフピッゲン山までは延々と続く氷の山嶺だったため、ヨートゥンハイメンのあたりと比べると比較的気温は高く、暖かい。
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− | :北欧異聞帯の全体と山嶺の半分を覆う純白の氷雪は<ref group = "注">汎人類史のノルウェーは一部を除くと、北欧は豪雪地帯ではない。</ref>、[[スカサハ=スカディ]]の魔力で作られたもので、魔力で生み出したもの。相当な魔術師でなければ判別できない微小な単位の魔力を纏い、魔力が分子レベルで絡みついており、[[スカサハ=スカディ]]は氷雪は自身の一部のようなものであるが故に、その上での出来事をすべてを識っている。手に取る様に見る事ができる。音を聞くことも出来、あらゆる息遣い、鳴き声、羽ばたき、吹き荒ぶ風、葉と葉の重なり合う響きまで聞き取れる。止まっていれば感知を誤魔化せるが、動き出すと感知されてしまう。この氷雪が邪魔をして単純な魔力探知すらできず、霊脈の感知もできない<ref group = "注">これが一因となって、北欧異聞帯ではサーヴァントを常時召喚する事が困難。</ref>。氷雪の魔力が完全にマナと人類史の双方をコントロールしている可能性もある。さらに遠距離通信にも障害が発生し、数キロ圏内に接近しなければ通信は出来ない。魔力は静的でとても落ち着いており、そこにあるのが自然な様に穏やかで、一定の魔力のまま凪いでいる。感覚的には優しいと表現できる。
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− | :[[スカサハ=スカディ]]はオスロ・フィヨルド北部、汎人類史ではオスロだった場所にある雪と氷で出来た城に住んでいる。この城は北欧異聞帯でも最大の建造物<ref group = "注">そもそも建物自体が少ない。</ref>。一目見ただけ柄高貴な者のための城だと分かる、支配者に相応しい外観。王が座るためだけに造られた城。実在する神がおわす一種の神殿。人に恩恵を与えるものではなく、[[スカサハ=スカディ]]の為の城<ref group = "注">[[スカサハ=スカディ]]曰く、オーディンは人の来訪については考えて城を与えたりはしない。</ref>。要塞としての機能は考えられておらず、外観の荘厳さを優先して設計されたものと思われる。汎人類であれば近代以降のヨーロッパ様式の城郭を思わせる建築意匠を行われている。[[スカサハ=スカディ]]が魔力を以て編み上げたもので、北欧に降り積もる雪を固めたもの。そのために城そのものが魔力を発し<ref group = "注">城の中にいる事は、[[スカサハ=スカディ]]の胎の中に立っているようなものとされる。</ref>、雪原よりも濃い魔力が渦巻いており、城全域に意識を失ってしまう程の濃厚な[[スカサハ=スカディ]]の魔力が充満しており、通常の生態系の生物であれば即死しかねない<ref group = "注">[[マシュ・キリエライト]]曰く、第七特異点を思わせる大気の魔力。</ref>。魔力によって感知の類は困難になり、隣にいるサーヴァントの気配すら感じられない。城の内部は礼装がなければ霜だらけになるほどの寒さで、常人は魔術的な防御が切れると寒くて死んでしまう。美しいが人は住めない。人間たちの憧れでありながら、決して人間の手が届かない魔女の城。[[スカサハ=スカディ]]曰く、この城は自分の趣味ではない<ref group = "注">逆に[[コヤンスカヤ]]は城のデザインや材質は好み。</ref>。巨大な主塔に繋がる大橋が一つだけあり、渡ろうとすると御使いや巨人種が山ほど寄ってくる。城の地下には主塔に続く地下通路があり、上のホールらしき広い空間ににあがる階段が存在する。地下通路は警備は緩いが氷獣が棲み着いている。ホールには氷で出来た玉座がある。ホールの床は開いて、地下から仮面を被って鎖で拘束されたムスペル巨人種がせり上がってくる。地下通路には巨人種は居なかったため、思ったより面白い構造になっている模様。地下牢は鍵が神鉄で出来ていて、蝋燭からベッド、鉄球付きの足枷まですべて氷で出来ている。主人公たちが閉じ込められた地下牢より更に深いところに[[シトナイ]]が閉じ込められた地下牢がある。
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− | :シャドウ・ボーダーから観測できる範囲には汎人類なら存在するはずの都市や町が一切ない。神様と御使いが作った第1から第100までの村・集落が存在しており、それぞれの集落の人口は約100人。広範囲にわたって木製の壁に囲まれており、家の数は50戸未満。牧畜として羊を飼っている。農耕を主体としており、内部の農耕地で小麦、果実の木々など作物を育てている。池には魚がいる。花壇で花を育てている。食糧危機という程ではないが、決して豊富とも言えない。暖かさは上述した花園にも引けを取らず、雪と氷と炎が広がる異聞帯でも人類が生活できるようになっている。第23集落と第67集落を比べると、ディティールは異なっているが基本的な構造は何もかも同じ<ref group = "注">数字にすると80%の一致。</ref>。唯一の出入り口である大きな扉は独特の雰囲気の意匠で、大人が何人も集まって引かないと開かない重さ。閂が閉まっている<ref group = "注">サーヴァントの膂力で押せば、閂ごと砕いて開ける程度。</ref>。大扉を基点として集落を[[スカサハ=スカディ]]が施した巨人種や獣、魔術的な存在を弾き、冷気を避ける結界で覆われているが<ref group = "注">デミ・サーヴァントであるマシュにも少しとはいえ負荷がかかる。</ref>、氷雪に混ざる魔力と結界の性質が似ている事により、集落の中に入るまで結界にマシュは気付けなかった。後に『カルデアの者』を名乗る人物によって、柵と扉にルーン以外の神代の域に達した魔術で新しく、大盾や堅牢の要塞と称されるあらゆる外敵から身を守るための強力な結界を付与された。この大扉は集落から出るための出口で、定めの日に大人が外に出るための場所。集落の近くにはぽつぽつとだが巨人がいる。
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− | :集落の外には出てはいけない決まりで、外に出られるのは神様のしもべとして定められた御使いだけ。他の集落とはやり取りはないため客の類は来たことがない。13歳近くになると、暖炉のある自分の家を与えられる。この集落に住めるのは子供と子供を育てる間の大人だけで、子共を産んで10歳まで育てた25歳、14歳から15歳の間に子供を作れなかった者は一年に一度の定めの日に地面に両膝をついて深く頭を垂れて、十を三つ数えると御使いが空から現れ、大扉を開く儀式を行う。その後、開いた扉から間引き・巨人への生贄のために集落を出て、やって来る巨人に喰われるか潰されて死亡する<ref group = "注">そのため、基本的には子供を持たない15歳以上の人間、25歳以上の成人は存在しない。</ref>。御使いは定めの日以外には御使いは人間を生贄にする事が出来ず、人間が自分で扉を開けてもいけない。</ref>。ヴァルハラに行くためには、愛された証として子供達が半年かけて育てた特別な花の花束がないとヴァルハラに行けない、御使いが見ていてくれるとヴァルハラに行けると神様が決めている。定めの日にやってくる御使いはルーンを授け、ルーンによる癒しで病気を治してくれる。定めの日は汚い言葉を使ってはいけない日。定めの日の前日では大人は準備で忙しくなるため、食事の用意や熱の治療は子供たちが自分で行わなければならない。第23集落は汎人類史でいうヴェッテルン湖の北西にあるヴェーネルン湖の場所にある。[[ナポレオン]]が作った拠点も各地に点在しており<ref group = "注">御使いを追い払った集落から徴集、もとい預かったもので細々と野営している。</ref>、毛布や焚火などの野営の設備が整っている。
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− | :大きく分けて三種の霊長が存在している<ref group = "注">ここで言う霊長とは高度な文明な知性体や文明の保持者などの意味ではなく、生命力や支配力を指している。</ref>。一つ目は強靭きわまる捕食者の巨人種、ヨトゥン種、ベルグリシ種、ムスペル種などが存在する。二つ目は集落外では生存できない人類。人類に対する上位者である御使いと神。氷の獣は人類よりは強者だが、巨人の従属存在で自由意志を持たない。通常の生物は希少でほとんど存在せず、極稀に存在する炎と氷の中間地点の温暖箇所の花園にのみ、辛うじて動植物が生きている。犬などといったものはずいぶん昔に全て消し飛んでいる。
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− | :北欧異聞帯においては人類は万物の霊長ではなく、最底辺の生き物。3000年の間、総人口は固定されておりおよそ1万人で、欲を加速させる貨幣制度や国家の概念が存在しないため、悪竜現象が発生するほどの大欲を抱く者はいない<ref group = "注">これにより、少なくとも英雄[[シグルド]]は北欧異聞帯では生まれず、倒すべき悪竜もいないため英雄に成り得ない。</ref>。人間は適応変異は起こしてはいない。文明も魔術も発展しておらず、機械装置や通信装置、巨人除けの護符すら持たず、集落の外で生き抜く力すらないため戦力にはならない。服装は2018年のものとは異なるプリミティブな衣服を着ている。言語はスウェーデン語だが訛りがきつく、少しだけ聞き取りずらい。食文化は蜂蜜酒や麺麭、第23集落では伝統の味として魚のスープが食されている<ref group = "注">マシュ曰く「優しい味の、胸の奥まで温かくなるスープ」。</ref>。人間をみんな神様の子供とし、神様の事をみんなの『お母さん』とする。自身を産み落とした者を母や父と呼称せず、親の概念がないために親御が何かも理解できない<ref group = "注">ゴルドルフ曰く、親の概念がない文化圏があるとは聞いたことがない。一種の新興宗教ならば話は別だが、プリミティブな衣服からしてそのような事はない。</ref>。村長や町長といった権力者、責任者もいない。婚姻や恋人の概念もない。スキーは存在する。寿命が定められているにも関わらず、それを笑顔で受け止め、怒りも恐れも感じない。外の世界は存在しないに等しい状態で彼らにとっては狭い集落の中で好きな場所に居る事を自由だと認識しているため、外の広い世界を見たいと、自由を得たいと考えすらしない。集落の池には魚がいた為、動物よりも水棲生物の方が見慣れている可能性がある。人は時に驚くべき力を発揮し、神に叛逆し、巨人を欺き、竜さえ殺して見せるが存在だが、この異聞帯では家畜と同等の存在。本来ならば絶滅するはず人数で、増えもせずに無意味な幸せを過ごし、最期にやってくる無慈悲な苦しみを待っている。長くても25歳で必ず死ぬため、お年寄りというのは昔話の中の存在となっており、基本集落から誰も出ないために、「お客さま」も昔話の中の存在となっている<ref group = "注">昔話では、お客さまが来た時はゆっくりとくつろいでもらうもの、という風に昔話では言われている。</ref>。
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− | :永きに渡って平穏が満ちており、悪意らしきものはなく、互いに争う者は一人もいない。獣が獲物を喰らう事はあるが、そこまで。人も獣も徒に争わず、憎しみ合わない。あったとしても、狼一匹が吠える程度。組織だった対抗勢力も存在しない。恒久の平穏の具現の一つ。一見は平穏だが、ロシアにも引けを取らない過酷な状況。
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− | :一柱とはいえ旧き善き神性の神が残っている稀有にして重要な異聞帯。キリシュタリアの理想に近しいため、神の支配地という意味では格好の実験場と呼べる。
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− | :この異聞帯の行く末は、ヴォーダイムの異聞帯に関わるとされ、キリシュタリアは北欧こそが最後に残る異聞帯かもしれないと評価している。[[コヤンスカヤ]]は永遠の水曜日と称している。
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− | ;人智総合真国 SIN(Lostbelt No.3)
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− | :副題:紅の月下美人<br>異聞深度:E<br>年代:BC.0210
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− | :[[芥ヒナコ]]の担当地区であるロストベルト。
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− | :他の異聞帯と異なり、領域拡大に適さない。
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− | :異聞帯の王は[[芥ヒナコ]]が溜息を吐き、ポーカーフェイスを保てなくなるほどの野放図か剛胆な英傑。[[スカサハ=スカディ]]からは論外と言われている。
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− | ;創世滅亡輪廻 ■■・■■■■■■ (Lostbelt No.4)
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− | :[[スカンジナビア・ペペロンチーノ]]の担当地区であるロストベルト。[[アルターエゴ]]が付いている。
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− | :『四角』があるらしいが、デイビットの所感によるとアキレス腱であるようだ。[[スカサハ=スカディ]]はペペロンチーノ自体は嫌いではないが、話に聞いた限りでは異聞帯は好かないとのこと。
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− | ;星間都市山脈 ■■■■■■(Lostbelt No.5)
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− | :[[キリシュタリア・ヴォーダイム]]の担当地区のギリシャ世界のロストベルト。汎人類史より栄えているとされている。最大の異聞帯。
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− | :ギリシャの巨いなるモノ達が居るとされる。都市もあるようだが、ヴォーダイム自身の力で攻略しており、三体もの神霊を仕えているのがその証拠。海神が失われ、海に汎人類史の英霊が何騎か現れている。[[カイニス]]の発言によるとアルテミスが居る模様。
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− | :ギリシャ世界であり、[[グレゴリー・ラスプーチン]]は「オリュンポス」と言っていたが、シャドウ・ボーダーの観測ではギリシャに異聞帯の反応はない。
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− | ;■■円卓領域 ■■■■■・■・■■(Lostbelt No.6)
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− | :[[ベリル・ガット]]の担当地区であるロストベルト。原始的であり「有り得たかもしれない人類史」とは到底思えない模様。そもそも消えかけており、維持をするのが精一杯。
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− | ;■■樹海■■ ■■■・■■■■■(Lostbelt No.7)
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− | :[[デイビット・ゼム・ヴォイド]]の担当地区であるロストベルト。原始的であり「有り得たかもしれない人類史」とは到底思えない模様。
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