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; 熱力学第二法則
 
; 熱力学第二法則
 
: エネルギーの移動の方向とエネルギーの質に関する法則。
 
: エネルギーの移動の方向とエネルギーの質に関する法則。
: 一言で言ってしまうなら「あるものがいきなり高温の部分と低温の部分に分かれたりしない」という理論であり、永久機関を否定する法則。
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: 一言で言ってしまうなら、コップに熱湯と冷水を混ぜて入れた場合、そのまま放っておけば均一な中間の温度のぬるま湯になるが、ぬるま湯をコップに入れて置いておいたとしても、何もせずにコップの湯が「右半分は熱湯に、左半分は冷水に分かれる」なんて事は起こらない、という法則。
 
; マックスウェルの悪魔
 
; マックスウェルの悪魔
: 上記のような法則はあるものの、熱と運動を同一視する熱力学上で考えると、「運動量の高い分子(高温)を左から右には移動させないようにして、運動量の低い分子(低温)を右から左には移動させないようにする悪魔」を想定することは可能になってしまう。<br/>これが、1860年代にジェームズ・クラーク・マックスウェルが提唱した「マックスウェルの悪魔」である。
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: 上記のような法則はあるものの、熱力学上温度とは「分子の運動の激しさ」である事を考えた場合、「自由に開け閉めできる窓がついた仕切りで左右に仕切られた容器」にぬるま湯を入れたとして、水のそれぞれの分子を見分ける事ができ、この窓を開け閉めできる"悪魔"がいたとしたら…?という思考実験で仮定された存在。
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: この悪魔が運動量の高い=熱を持っている水分子が右から左に行こうとする時は窓を開け、左から右へ行こうとするときは窓を閉める。運動量が低い=熱を持っていない水分子に対してはその逆、という一方通行を敷いた場合、水そのものに直接熱エネルギーを与えたりする等の仕事をせずにぬるま湯が熱湯と冷水に分かれていく事になるため、上記の熱力学第二法則が否定されてしまう。これが、1860年代にジェームズ・クラーク・マックスウェルが提唱した「マックスウェルの悪魔」である。
 
: この「悪魔」を打倒する為に多くの学者が研究を重ね、最終的には、「運動量の高低を見分けるための情報もエネルギーであり、一度観測した情報を再利用する為に消去する過程でエネルギーが必要になるため、永久機関は作れない」という結論が1980年代に出され、実質的にとどめを刺された。
 
: この「悪魔」を打倒する為に多くの学者が研究を重ね、最終的には、「運動量の高低を見分けるための情報もエネルギーであり、一度観測した情報を再利用する為に消去する過程でエネルギーが必要になるため、永久機関は作れない」という結論が1980年代に出され、実質的にとどめを刺された。
 
; 悪魔の証明
 
; 悪魔の証明