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リアリティ・マーブル。
リアリティ・マーブル。
術者の心象風景を現実に具現化する結界のこと。個と世界、空想と現実、内と外を入れ替え、現実世界を心の在り方で塗りつぶす[[魔術]]の最奥。<br>
本来は悪魔が持つ異界常識であるが、長い時間を経て心象風景を形にする魔術が確立され、上級術者の一部が固有結界に辿り着いた。<ref group="出" name="「月姫用語辞典-固有結界」『月姫読本』" /><br>
[[魔法]]に最も近い魔術とされ、[[魔術協会]]では禁呪のカテゴリーに入る。<ref group="出">「月姫用語辞典-固有結界」『月姫読本 Plus Period』p.179</ref>[[魔術師]]達にとって最大級の奥義であり、魔術の到達点のひとつともいわれる。<br>
魔術理論"世界卵"を使い、殻の部分はそのままに内外、つまり現実と心象風景を入れ替える。理論の名にもなっている世界卵とは、この卵に閉じ込められた世界を指す。<ref group="出">「固有結界」『Fate/complete material III World material.』p.45</ref>
空想具現化の亜種とも扱われる。空想具現化は自然に限って思うままに改変できる一方で、固有結界は自然以外も対象になる代わりに、術者の心象風景以外には変えられない。<ref group="出" name="「月姫用語辞典-固有結界」『月姫読本』">「月姫用語辞典-固有結界」『月姫読本』</ref>同じ固有結界でも術者の心境の変化で光景が変わることはある。
固有結界は現実に出来た「染み」であり、世界に対する「異物」ないし「矛盾」。<br>
[[魔法]]に最も近い[[魔術]]とされ、[[魔術協会]]では禁呪のカテゴリーに入り、魔術師たちにとっては最大級の奥義であり、魔術の到達点のひとつとも言われる。<br>
自然の延長である精霊の手によるものでもない限り、異界は世界に排除される為、固有結界の維持には莫大な魔力を要し、数分しか持続しない。<ref group="出" name="「月姫用語辞典-固有結界」『月姫読本』" />『[[MELTY BLOOD]]』によれば、[[死徒二十七祖]]クラスの[[死徒]]でも数時間が限界。<br>
一方で、「持って生まれた肉体と外界との遮断」は概念的に最も無理がないことを利用し、結界の範囲を自らの体内に限定するという手法をとることで、長時間の展開も可能である。<ref group="出" name="「月姫用語辞典-固有結界」『月姫読本』" />
== 固有結界一覧 ==
== 固有結界リスト ==
各固有結界の能力の詳細は、術者であるそれぞれのキャラクターのページにて。
各固有結界の能力の詳細は、術者であるそれぞれのキャラクターのページにて。
:名称は「[http://www.typemoon.org/etc/rank/rank2/rank2-0.html 第2回人気投票]」で、効果は「[http://www.typemoon.org/etc/rank/rank4/chara4-4.htm 第4回人気投票]」で明かされた。発現中に使う魔術全てにスクウェアが掛かり、効果を倍加させる。さつきルートでの真ロアならば発動できる様だ。
:名称は「[http://www.typemoon.org/etc/rank/rank2/rank2-0.html 第2回人気投票]」で、効果は「[http://www.typemoon.org/etc/rank/rank4/chara4-4.htm 第4回人気投票]」で明かされた。発現中に使う魔術全てにスクウェアが掛かり、効果を倍加させる。さつきルートでの真ロアならば発動できる様だ。
:『MELTY BLOOD Actress Again』のラストアーク「空洞航路・十七転生」では、発動時に「オーバーロード・ゲマトリア」という台詞がある。どうやら数秘紋を固有結界で強化しているらしい。
:『MELTY BLOOD Actress Again』のラストアーク「空洞航路・十七転生」では、発動時に「オーバーロード・ゲマトリア」という台詞がある。どうやら数秘紋を固有結界で強化しているらしい。
;枯渇庭園
;枯渇庭園
;獣王の巣
;獣王の巣
:術者:[[ネロ・カオス]]
:術者:[[ネロ・カオス]]
:混沌の固有結界。ネロ本人の体でもある。
:混沌の固有結界。ネロ本人の体でもある。666の生命の因子が混濁し渦を巻く混沌の世界。
:666の生命の因子が混濁し渦を巻く混沌の世界。<br>内部の生命因子を[[使い魔]]の如く使役する。その形状は現界の瞬間に決定しているため、何が出るかはネロ本人にもわからない。しかし、幻想種や小動物といった強弱、種類など、ある程度の決定はできる。
:内部の生命因子を[[使い魔]]の如く使役する。その形状は現界の瞬間に決定しているため、何が出るかはネロ本人にもわからない。幻想種や小動物といった強弱、種類など、ある程度の決定はできる。
:666という数はあくまで「因子」であり、それをもって小規模な生命の系統樹を再現しているため、現れる生物の「種類」は666という数以上のもっと多数にわたる。獣たちで武装している、とも言われるが、獣はネロと同意であり同位。本来従者である使い魔が、ネロと同格、ネロ=使い魔、という存在にもなっている。
:666という数はあくまで「因子」であり、それをもって小規模な生命の系統樹を再現しているため、現れる生物の「種類」は666という数以上のもっと多数にわたる。獣たちで武装している、とも言われるが、獣はネロと同意であり同位。本来従者である使い魔が、ネロと同格、ネロ=使い魔、という存在にもなっている。
:体内の獣たちが常に全方向を見張っているような状態にあるため死角というものが存在せず、不意打ちは通用しない。
:体内の獣たちが常に全方向を見張っているような状態にあるため死角というものが存在せず、不意打ちは通用しない。
:衛宮の家伝である「時間操作」の魔術を戦闘用に応用したもの。
:衛宮の家伝である「時間操作」の魔術を戦闘用に応用したもの。
:本来儀式が煩雑で大掛かりである魔術であるのだが、「固有結界の体内展開を時間操作に応用し、自分の体内の時間経過速度のみを操作する」ことで、たった二小節の詠唱で発動を可能とし、戦闘時に用いている。
:本来儀式が煩雑で大掛かりである魔術であるのだが、「固有結界の体内展開を時間操作に応用し、自分の体内の時間経過速度のみを操作する」ことで、たった二小節の詠唱で発動を可能とし、戦闘時に用いている。
:問言は「time alter 〇〇 accel(加速)またはstagnate(停滞)」。〇〇には倍率を示す単語が入る。
:呪文は「time alter 〇〇 accel(加速)またはstagnate(停滞)」。〇〇には倍率を示す単語が入る。
:なお、固有時制御を解除した後に世界からの「修正力」が働くため、反動によって身体に相当の負担がかかる。この弱点のせいで、通常は2倍速(ダブルアクセル)か3倍速(トリプルアクセル)程度の使用にとどめている。「全て遠き理想郷」を体に埋め込んだ時には4倍速(スクエアアクセル)まで使用したが、それ以上の加速が可能かどうかは不明。
:術の性質上、解除時に体内と体外に時間差ができ、体内の時間を体外のそれに合わせる為、身体に相当の負担がかかる。通常、加速は2倍、停滞は3倍までに留めているが、「全て遠き理想郷」を体に埋め込んだ時には4倍速まで使用した。
:『Fate/stay night』にアーチャーがキャスターが固有時制御を使っているのではないかと疑う場面があることから固有結界では無いと思われていた。
:『Fate/stay night』にアーチャーがキャスターが固有時制御を使っているのではないかと疑う場面があることから固有結界では無いと思われていた。
:『Fate/Zero』で時間操作は固有結界の一種であり、これを体内に限定することで発動を簡単にしたものが固有時制御とされた。アニメ版及び漫画版ではより単純に固有時制御は固有結界の体内展開であると述べられている。
:『Fate/Zero』で時間操作は固有結界の一種であり、これを体内に限定することで発動を簡単にしたものが固有時制御とされた。アニメ版及び漫画版ではより単純に固有時制御は固有結界の体内展開であると述べられている。
;SE.RA.PH(セラフ)
;SE.RA.PH(セラフ)
:術者:[[ムーンセル・オートマトン]]
:術者:[[ムーンセル・オートマトン]]
:霊子虚構世界。ムーンセル内に作られた、聖杯戦争の舞台となる仮想現実世界。ムーンセル・オートマトンが有する規格外の計算処理能力を利用して作られた世界であり、[[レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ|レオ]]の説明によれば、「予選の学校と同様に、本戦の学園、アリーナ、そして、マスター同士が雌雄を決する決戦場。これらも全て、聖杯がその桁外れな魔力を元に作り出した、個別の固有結界なのです」とのこと。
:霊子虚構世界。ムーンセル内に作られた、聖杯戦争の舞台となる仮想現実世界。ムーンセル・オートマトンが有する規格外の計算処理能力を利用して作られた世界であり、[[レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ]]の説明によれば、「予選の学校と同様に、本戦の学園、アリーナ、そして、マスター同士が雌雄を決する決戦場。これらも全て、聖杯がその桁外れな魔力を元に作り出した、個別の固有結界なのです」とのこと。
;無限の道場(タイガー・魔方陣)
;無限の道場(タイガー・魔方陣)
;名無しの森
;名無しの森
:術者:[[ナーサリー・ライム]]、[[ありす]]
:術者:[[ナーサリー・ライム]]、[[ありす]]
:『Fate/EXTRA』では2人が詠唱することで発動していた。『Fate/EXTRA Last Encore』ではありすの固有結界とされている。
:『Fate/EXTRA』では2人が詠唱することで発動していた。『Fate/EXTRA Last Encore』ではありすの固有結界とされている。<ref group="出">「[https://fate-extra-lastencore.com/keyword/07.html WORLD/WORD | TVアニメ『Fate/EXTRA Last Encore』公式サイト]」</ref>
;BBチャンネル出張版
;BBチャンネル出張版
:術者:[[BB (Grand Order)]]、[[BB/GO]]
:術者:[[BB (Grand Order)]]、[[BB/GO]]
;無貌の月
:術者:[[BB (水着)]]
;禁断なる狂宴(メタボ・ピグレッツ)
;禁断なる狂宴(メタボ・ピグレッツ)
;穢れを漱げ、青く美しきナイル(スネフェル・イオテル・ナイル)
;穢れを漱げ、青く美しきナイル(スネフェル・イオテル・ナイル)
:術者:[[ニトクリス〔アサシン〕]]
:術者:[[ニトクリス〔アサシン〕]]
;宙駆ける星の穂先(ディアトレコーン・アステール・ロンケーイ)
;宙駆ける星の穂先(ディアトレコーン・アステール・ロンケーイ)
:術者:[[アキレウス]]
:術者:[[アキレウス]]
:魔術原理的にはほぼ「招き蕩う黄金劇場」と同一の固有結界と似て非なる大魔術。
:魔術原理的にはほぼ「招き蕩う黄金劇場」と同一。
;白鷺城の百鬼八天堂様(はくろじょうのひゃっきはちてんどうさま)
;白鷺城の百鬼八天堂様(はくろじょうのひゃっきはちてんどうさま)
:術者:[[刑部姫]]
:術者:[[刑部姫]]
===その他===
===その他===
== メモ ==
== メモ ==
*固有結界は継承できる。この為、『[[トラぶる花札道中記]]』ではイリヤがタイガの固有結界を奪おうと目論んでいた。
*固有結界は継承できる。この為、『[[トラぶる花札道中記]]』ではイリヤがタイガの固有結界を奪おうと目論んでいた。
**『Fate/Zero material』によると衛宮家の魔術は「世界によって干渉されない固有結界の内側において時間の流れを加速あるいは停滞させる」というもので、固有結界の継承の例として挙げられることもある。
**衛宮家の魔術は「世界によって干渉されない固有結界の内側において時間の流れを加速あるいは停滞させる」というもので、固有結界の継承の例として挙げられることもある。<ref group="出">「Fate/Zero用語辞典-衛宮矩賢」『Fate/Zero material』p.93</ref>
*『[[Fate/Zero]]』にて、未遠川に出現した巨大海魔を、ライダーが固有結界「王の軍勢」に取り込むというシーンがある。その際、「王の軍勢」の内部での戦いは描写されず、残った登場人物達で巨大海魔の対策を練る、という描かれ方をした。<br>この時、「王の軍勢」の中に入ったライダーと巨大海魔は、その場から消失している。障壁のようなものが出現して固有結界の範囲を区切っているということはなく、まるで世界から消失したかのような描写がされている。<br>展開した「王の軍勢」内部からは外界を認識できなくなる。また同様に、外界から結界の内部を認識・干渉できなくなる模様。ただしマスターとサーヴァント間のパスは繋がったままであり、完全に断絶したわけでもないらしい(位相のずれた固有結界内部での戦闘による魔力変動がなんとなく感じ取れる模様)。<br>これが「王の軍勢」に固有の現象なのか、固有結界全般に当てはまるのかは不明。
*『[[Fate/Zero]]』にて、未遠川に出現した巨大海魔を、ライダーが固有結界「王の軍勢」に取り込むというシーンがある。その際、「王の軍勢」の内部での戦いは描写されず、残った登場人物達で巨大海魔の対策を練る、という描かれ方をした。<br>この時、「王の軍勢」の中に入ったライダーと巨大海魔は、その場から消失している。障壁のようなものが出現して固有結界の範囲を区切っているということはなく、まるで世界から消失したかのような描写がされている。<br>展開した「王の軍勢」内部からは外界を認識できなくなる。また同様に、外界から結界の内部を認識・干渉できなくなる模様。ただしマスターとサーヴァント間のパスは繋がったままであり、完全に断絶したわけでもないらしい(位相のずれた固有結界内部での戦闘による魔力変動がなんとなく感じ取れる模様)。<br>これが「王の軍勢」に固有の現象なのか、固有結界全般に当てはまるのかは不明。
**固有結界内部の術者と外部の術者のパスが繋がったままの描写としてはこの他にもUBWでの遠坂凛と衛宮士郎の例がある。
**固有結界内部の術者と外部の術者のパスが繋がったままの描写としてはこの他にもUBWでの遠坂凛と衛宮士郎の例がある。
*現在までに、固有結界の使い手同士が固有結界の展開合戦を行ったストーリーは語られておらず、固有結界が展開された後に他の固有結界が展開できるかは不明。
*固有結界に固有結界をぶつけた例は余り出ていない。ムーンセルの固有結界であるアリーナで、他の固有結界が展開できていることから上書き可能と思しい。
**『[[Fate/EXTRA CCC]]』では、[[無銘|アーチャー]]ルートのとある箇所で、二人のアーチャーが戦う場面があり、全く同じ『無限の剣製』をぶつけ合う事ができる。結果は、先に発動した方は無効になり、後に発動した方が一方的に効力を発揮する(上書き)。ただゲームシステム上こうなってはいるが、文章などで説明されたわけではないので、公式設定かというと微妙なところ。
*[[アルクェイド・ブリュンスタッド]]に固有結界を使用した場合の効果は「何をエネルギーとして結界を張っているのか」によって変わり、例えば宇宙人が固有結界を張ればアルクェイドは完全にエネルギー供給を絶たれるかもかもしれないらしい。但し、白レン程度の夢結界では、アルクェイドが本気になってバックアップを請求すれば空間ごと吹き飛ばされるという。<ref group="出">『TYPE-MOON Fes. オフィシャル パンフレット』</ref>
*[[アルクェイド・ブリュンスタッド|アルクェイド]]に固有結界を使用した場合の効果は「何をエネルギーとして結界を張っているのか」によって変わり、例えば宇宙人が固有結界を張ればアルクェイドは完全にエネルギー供給を絶たれるかもかもしれないらしい。但し、白レン程度の夢結界では、アルクェイドが本気になってバックアップを請求すれば空間ごと吹き飛ばされるという。
*『[[歌月十夜]]』によると、[[朱い月のブリュンスタッド]]が滅んだ後、[[真祖]]を生み出す固有結界が残っている。
== 話題まとめ ==
== 話題まとめ ==
*サークル「7th Expansion」のゲーム『ひぐらしのなく頃に』において、「固有結界」はパロディとして度々用いられている。圧倒的文章量による超絶で高速な口頭技術により自らの世界を展開し、相手の思考・場の空気を飲み込むといったもの。要するにマシンガントーク。そのためヒヤリングはかなり苦労するが、頑張って内容を聞いても大抵ロクな内容ではなかったりする。この術法を駆るものの一人は「口先の[[魔術|魔術師]]」と呼ばれるとか何とか。<br>なお、このパロディはTYPE-MOONの許可を得ている。(他にも[[シエル]]をオマージュしたキャラである知恵留美子など、ネタは複数ある)
*サークル「7th Expansion」のゲーム『ひぐらしのなく頃に』において、「固有結界」はパロディとして度々用いられている。圧倒的文章量による超絶で高速な口頭技術により自らの世界を展開し、相手の思考・場の空気を飲み込むといったもの。要するにマシンガントーク。そのためヒヤリングはかなり苦労するが、頑張って内容を聞いても大抵ロクな内容ではなかったりする。この術法を駆るものの一人は「口先の魔術師」と呼ばれるとか何とか。<br>なお、このパロディはTYPE-MOONの許可を得ている。他にも[[シエル]]をオマージュしたキャラである知恵留美子など、ネタは複数ある。
*奈須氏曰く、「Zeroの登場人物が悲惨な目に逢い続けたのは、虚淵氏の固有結界によって登場人物の幸運が一律ランクダウンしているから」とのこと。ただし、『[[Fate/stay night|stay night]]』で生存が約束されている者はこの結界の地形効果から逃れることが出来た(虚淵氏の作品としては「良心的」らしい)。
*奈須氏曰く「ゼロでは虚淵玄の固有結界『地獄極楽おとし』が働いている為、登場人物はみな一律で幸運度がワンランク下がって」いる。虚淵氏は「冬木市にはきのこ時空も発生しているので、なんとか生き延びられる人は生き延びられ」ると応えている。<ref group="出">「うろぶち、きのこのFate/Zero一問一答」『ALL OVER/Zero』p.23-24</ref>
== 脚注 ==
== 脚注 ==