差分
編集の要約なし
:それは「純粋にして最高の原理」である神の意志から、物質的な世界へと人間がこぼれ落ちる際、段階を追って不完全になっていくためである。その考えに至ったアヴィケブロンは、世界のすべてを煩わしく思い、無用な会話や人付き合いを避けるため仮面を身に付けるようになった。
:それは「純粋にして最高の原理」である神の意志から、物質的な世界へと人間がこぼれ落ちる際、段階を追って不完全になっていくためである。その考えに至ったアヴィケブロンは、世界のすべてを煩わしく思い、無用な会話や人付き合いを避けるため仮面を身に付けるようになった。
:そんな彼が目指したのは、「原初の人類を創造した、神の御業の再現」。この世のすべての悲しみを払い、地上に楽園をもたらす存在を創る。かつて、神が原初の人類「アダム」を創造したように。人間嫌いの厭世家であったアヴィケブロンは彼なりに世界を、そして人類を救済しようとしていたのだ。
:そんな彼が目指したのは、「原初の人類を創造した、神の御業の再現」。この世のすべての悲しみを払い、地上に楽園をもたらす存在を創る。かつて、神が原初の人類「アダム」を創造したように。人間嫌いの厭世家であったアヴィケブロンは彼なりに世界を、そして人類を救済しようとしていたのだ。
:『Apocrypha』においては、彼にとって自らを尊敬するマスターと共に戦うのは決して悪くはない気分だった。しかし、それでも人生の全てを投げ打った己の希望が、手の届く所にあるという誘惑には逆らえなかった。「アダム」を生誕させるべくアヴィケブロンは何もかも犠牲にし、遂には自分のマスターをも手に掛けた。そしてその選択の代償として、彼は自らの生命を差し出し、アダムの糧となって消えることを選んだ。しかし、アダムは倒され、彼の夢は心半ばで潰える事となった。
:『Apocrypha』においては、彼にとって自らを尊敬するマスターと共に戦うのは決して悪くはない気分だった。しかし、それでも人生の全てを投げ打った己の希望が、手の届く所にあるという誘惑には逆らえなかった。「アダム」を生誕させるべくアヴィケブロンは何もかも犠牲にし、遂には自分のマスターをも手に掛けた。そしてその選択の代償として、彼は自らの生命を差し出し、アダムの糧となって消えることを選んだ。しかしアダムは倒され、彼の夢は心半ばで潰える事となった。
;能力
;能力
:魔術基盤の一つであるカバラを紡ぎ「ゴーレム」を鋳造することに特化した[[魔術師]]。
:魔術基盤の一つであるカバラを紡ぎ「ゴーレム」を鋳造することに特化した[[魔術師]]。
:十一世紀の哲学者、詩人、そして魔術の一ジャンルである「カバラ」を扱うカバリスト。カバラの基盤を作ったと伝えられている。
:十一世紀の哲学者、詩人、そして魔術の一ジャンルである「カバラ」を扱うカバリスト。カバラの基盤を作ったと伝えられている。
:彼は病弱で病を患うことが多く、中でも皮膚病が重かった。そのためか厭世的・悲観的であったと伝えられている。
:彼は病弱で病を患うことが多く、中でも皮膚病が重かった。そのためか厭世的・悲観的であったと伝えられている。
:史実においてアヴィケブロンはその哲学的な思想をアラビアからヨーロッパに伝えたとされ、言うなればルネッサンスの文化を生み出すことに助力したとも言える。
:史実においてアヴィケブロンはその哲学的な思想をアラビアからヨーロッパに伝えたとされ、言うなればルネッサンスの文化を生み出すことに助力したとも言える。
:また、ヘブライ語の『受け取る』という言葉から「カバラ」という魔術基盤を生み出し、魔術師の世界に大きな影響を与えた。
:また、ヘブライ語の『受け取る』という言葉から「カバラ」という魔術基盤を生み出し、魔術師の世界に大きな影響を与えた。
:伝説では身の回りの家事をさせるため、女性型のゴーレムをも鋳造したという。
:伝説では身の回りの家事をさせるため、女性型のゴーレムをも鋳造したという。
== 登場作品と役柄 ==
== 登場作品と役柄 ==
== メモ ==
== メモ ==
*小説版で新規に追加されたサーヴァントの一人。……なのだが、他のサーヴァントとは少し事情が異なる。<br>実は彼の設定は企画段階から検討されていたらしく、担当したのは[[ゲオルギウス]]を制作した三輪清宗氏。設定こそ作られたものの、企画段階で没になったため「マテリアル」にも記載されなかった。<br>だが小説化の際、魔術師ですらない[[ウィリアム・シェイクスピア|赤のキャスター]]の対比にもなる真っ当な魔術師の英霊を欲した東出氏によって、復活した。
*小説版で新規に追加されたサーヴァントの一人だが、他のサーヴァントとは少し事情が異なる。<br>実はアヴィケブロンの設定は企画段階から検討されていたらしく、担当したのは[[ゲオルギウス]]を制作した三輪清宗氏。設定こそ作られたものの、企画段階で没になったため「マテリアル」にも記載されなかった。<br>だが小説化の際、魔術師ですらない[[ウィリアム・シェイクスピア|シェイクスピア]]の対比にもなる真っ当な魔術師の英霊を欲した東出氏によって、復活した。
*アヴィケブロンは詩の才能もあり、「ケテル・マルクト」なる詩集も書いた。この名前は宝具に使われている。
*アヴィケブロンは詩の才能もあり、「ケテル・マルクト」なる詩集も書いた。この名前は宝具に使われている。
*彼は生涯病弱な人物であったとされる。全身を隠した衣装は、人間嫌いな厭世家ということだけではなく、そういった事情を示しているのだと思われる。
*彼は生涯病弱な人物であったとされる。全身を隠した衣装は、人間嫌いな厭世家ということだけではなく、そういった事情を示しているのだと思われる。
== 話題まとめ ==
== 話題まとめ ==
;逸話
;逸話
*アヴィケブロンは世にも珍しい女性型のゴーレムを召使いとして作成したという伝説があり、 この話を聞いた王が彼を罰しようと呼びつけた時、 王の目の前でこれを分解し、再び組み立てたという。<br>Fateでもこの逸話は採用されており、家事をさせるために'''実際に造った'''らしい。どんなゴーレムだったのだろうか……。
*アヴィケブロンは世にも珍しい女性型のゴーレムを召使いとして作成したという伝説があり、 この話を聞いた王が彼を罰しようと呼びつけた時、 王の目の前でこれを分解し、再び組み立てたという。<br>Fateでもこの逸話は採用されており、家事をさせるために'''実際に造った'''らしい。どんなゴーレムだったのだろうか……。
**『Capsule material』のさーばんと解説では日本のフィギュアを参考に美少女型ゴーレムにも挑戦しているとシロウが語っていた。先生何してるんですか。
**『Capsule material』のさーばんと解説では日本のフィギュアを参考に美少女型ゴーレムにも挑戦しているとシロウが語っていた。先生何してるんですか。
*彼の著書「生命の泉」は、教師と弟子の対話形式で語られ、全体的に厭世的なニュアンスが強いといわれる。5つの論文から成り立っており、質料と形相に関する形而上的な哲学体系を描き出したことで、「質料と形相」という別名で呼ばれることすらある。<br>アラビヤ語で書かれた著作であるが、原典は失われ、現存する最古の本はヨハネス・ヒスバヌスによるラテン語版で、後にそうそうたる神学者達から引用されることになる。<br>他に、「アナク」なるヘブライ語文法の著書もあり、その一部が現存している。
*彼の著書「生命の泉」は、教師と弟子の対話形式で語られ、全体的に厭世的なニュアンスが強いといわれる。5つの論文から成り立っており、質料と形相に関する形而上的な哲学体系を描き出したことで、「質料と形相」という別名で呼ばれることすらある。<br>アラビヤ語で書かれた著作であるが、原典は失われ、現存する最古の本はヨハネス・ヒスバヌスによるラテン語版で、後にそうそうたる神学者達から引用されることになる。<br>他に、「アナク」なるヘブライ語文法の著書もあり、その一部が現存している。
*真名が本名の「ソロモン・ベン・ユダ・イブン・ガビーロール」ではなく「アヴィケブロン」を採用したのは、読者に古代イスラエル王の[[ソロモン]]と混同されることを恐れたためだとか。
*真名が本名の「ソロモン・ベン・ユダ・イブン・ガビーロール」ではなく「アヴィケブロン」を採用したのは、読者に古代イスラエル王の[[ソロモン]]と混同されることを恐れたためだとか。