「死界魔霧都市 ロンドン」の版間の差分

 
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==概要==
 
==概要==
第四特異点。産業革命を迎え人類が著しい発展を遂げた時代の十九世紀の西暦1888年の大英帝国の首都ロンドン。<br>
+
第四特異点。<ruby><rb>死界魔霧都市</rb><rt>ミストシティ</rt></ruby>。産業革命を迎え人類が著しい発展を遂げた時代の十九世紀の西暦1888年の大英帝国の首都ロンドン。<br>
 
時代は文明の発展と隆盛を起こし、人類史が大きな飛躍を遂げた「産業革命」が決定的な人類史のターニングポイント。消費文明の観点からも、この時期に現代への足掛かりを得た。<br>
 
時代は文明の発展と隆盛を起こし、人類史が大きな飛躍を遂げた「産業革命」が決定的な人類史のターニングポイント。消費文明の観点からも、この時期に現代への足掛かりを得た。<br>
 
七つの特異点の中では最も現代に近い。この特異点は第一から第三特異点は範囲が広範だったが、この特異点は首都ロンドンに特定されている。
 
七つの特異点の中では最も現代に近い。この特異点は第一から第三特異点は範囲が広範だったが、この特異点は首都ロンドンに特定されている。
  
聖杯を動力として動く巨大蒸気機関「アングルボダ」が「魔霧」を発生させ、魔霧でロンドン中を覆っている。<br>
+
聖杯を動力として動く巨大蒸気機関「アングルボダ」が「魔霧」を発生させ、魔霧でロンドン中を覆っている。世紀末の都市は全く視界が効かない程の濃霧に覆われており、人体に有害な程の濃度の魔力を含んでいる。<br>
世紀末の都市は全く視界が効かない程の濃霧に覆われており、人体に有害な程の濃度の魔力を含んだ霧の中ではホムンクルスや機械人形が動き回っている。
+
霧の中ではホムンクルスや魔術式の<ruby><rb>自動人形</rb><rt>オートマタ</rt></ruby>や<ruby><rb>不明の怪機械</rb><rt>ヘルタースケルター</rt></ruby>が動き回っている。基本的には扉や窓を破壊したりはせず、建物には侵入しない。自動人形には一部この時代の機械が使われている。<br>
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事象がズレており、この年代の少し前に発売されたはずの小説「ジキル博士とハイド氏」が出版されてなかったり、本来存在している時間がもっと過去のはずのヘンリー・ジキルが存命だったりしている。魔霧の死者も、二十世紀に起こる事件がずれ込んでいるのかもしれない、とロマンは予想している。
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魔霧による犠牲者が出た後に生存者は屋内に避難したらしく、ロンドン市民は建物内に閉じ籠っている。午後二時でも往来は全くの無人で、馬車も歩行者もいない。犠牲者の姿すら見えず、まるで廃墟の様な状態。建物は全ての戸や窓が閉められている。既に完全に廃墟と化している地区もあり、イーストエンドはほぼ全滅している。ジキルのアパルトメントがあるシティエリアの端は比較的に穏やか。<br>
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魔霧が発生した初日にはまだ新聞が発行されており、切り裂きジャックの事が報道されていた。<ruby><rb>ロンドン警察庁</rb><rt>スコットランドヤード</rt></ruby>や政府は事態を把握出来ていない。それどころか実質的に政府機能は麻痺している。外からの救援は魔霧に阻まれているため、ロンドンは孤立状態にある。ロンドン警察庁は籠城状態だったが、ジャック・ザ・リッパーに襲撃され皆殺しにされた。襲撃された際、ロンドン全域にロンドン警察庁からの救援の電信が発信された。スコットランドヤード内部には魔霧計画に必要な触媒が保管されており、時計塔が座す大英帝国だけはあって魔術的に厳重な封印を施されていた。
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==登場人物==
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===味方側===
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;[[ヘンリー・ジキル&ハイド〔アサシン〕|ヘンリー・ジキル]]
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:生前の状態で登場。主人公たちが到着する以前から魔霧の調査やロンドンのパトロールを行っていた。
 +
:正式な魔術師ではないものの、霊薬調合の心得や聖杯戦争に関する知識があり、奥の手として特製の霊薬を打ち込んでハイドへと変貌できる。変貌すると奇妙な魔力反応が突然発生する。物理的変容は凄い負荷がかかるため長時間は保たない。
 +
:魔霧に魔力が含まれている事を突き止めたが如何にも出来ずにいたモードレッドと出会い、協力関係を構築し、実働を彼女に任せ調査と解析を担当していた。
 +
:その後接触した主人公たちも彼の住むアパルトメントを拠点とし、召喚サークルを彼の部屋に構築した。なお彼の部屋にはお気に入りの個人用ソファや、低温保存の必要な薬品やシードルを冷やすための冷蔵庫等が設置されている。
 +
:時計塔の書庫の扉を守る防衛戦ではハイドになって戦った。
 +
:特異点の修復と共に本来の時間へと帰還した。
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 +
;[[ヴィクター・フランケンシュタイン (孫)]]
 +
:ジキルの協力者の一人。無線で連絡を取り合っていたが、主人公がやってきた日の朝に連絡が途絶えた。
 +
:計画への参加を最後まで拒んだためにメフィストフェレスの宝具『微睡む爆弾』で爆殺された。
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 +
;[[フランケンシュタイン]]
 +
:フランケンシュタイン博士が作り出した人造人間。フランケンシュタイン博士の孫の家の奥の部屋にあった棺に入っていた。
 +
:いわゆる生前の状態であり、身体組成は霊体ではない。
 +
:チャールズ・バベッジと会って話したことがあり、バベッジの気配の様なものを辿り、ヘルタースケルターを操っている魔力を辿ることが出来る。
 +
 
 +
;[[モードレッド]]
 +
:魔霧から現界したはぐれサーヴァント。父の愛したブリテンを穢していいのは自分だけで、自分以外がブリテンの地を穢す事を許さない、という理由でロンディニウムを守る為に戦っている。
 +
:主人公たちが到着する以前から魔霧の調査やロンドンのパトロールを行っていた。
 +
:アングルボダから聖杯を取り出した後に現れたソロモン王を名乗るモノとの戦いで唯一生き延びた。その後、特異点の修復により退去した。
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 +
;[[ハンス・クリスチャン・アンデルセン]]
 +
:魔霧から現界したはぐれサーヴァント。
 +
:ソーホーエリアの古書店に裏口から忍び込み、ジキルに無線で魔本に関する情報を提供した。戦闘能力は皆無なので主人公たちが来るまで古書店の二階の部屋で隣室にいる魔本から隠れながら古書店の小説を一シリーズ20冊近く、稀覯本を読み漁っていた。
 +
:ナーサリー・ライムの名前を呼ぶことでサーヴァントとして完全に現界させて倒せる状態にした。
 +
:ジキルのアパルトメントの書斎に陣取っている。
 +
:ソロモンを名乗るモノに消滅させられたサーヴァントの中で唯一生き残り、ソロモンのモードレッドを狙った一撃を防いだ。黒幕の謎の一端を明かし、ソロモンに殺された。
 +
 
 +
;[[ウィリアム・シェイクスピア]]
 +
:魔霧から現界したはぐれサーヴァント。
 +
:現界した瞬間を主人公たちが見ていたため、パラケルススが回収するよりも先んじてカルデア側に接触されて仲間になり、ジキルのアパルトメントの書斎に陣取っている。
 +
:アングルボダから聖杯を取り出した後に駆け付けたが、現れたソロモン王を名乗るモノに他のサーヴァント諸共消滅させられた。
 +
 
 +
;[[坂田金時]]
 +
:ニコラ・テスラの雷電を触媒に魔霧が召喚したサーヴァント。人の英霊。
 +
:ロンドンを滅ぼそうとするテスラの前に現れ、玉藻と一時的に手を組んで活性魔霧の中でニコラ・テスラと戦い、宝具『黄金衝撃』で彼の活性魔霧を全部引き剥がした。
 +
:だが金時自身も魔霧に魔力を吸われながらの戦闘であったため、主人公一行が駆けつけた際には既に疲労困憊であり、主人公らに後を託して玉藻とその場に残った。
 +
:主人公らがアングルボダから聖杯を取り出した後に駆け付けたが、現れたソロモン王を名乗るモノに他のサーヴァント諸共消滅させられた。
 +
 
 +
;[[玉藻の前]]
 +
:魔霧に召喚されたサーヴァント。坂田金時の召喚にくっ付いてきた<ref group = "注">金時曰くタダノリ。</ref>ロンドンでのハネムーンの予行演習を行うために金時の召喚についてきたらしい。
 +
:坂田金時と協力してニコラ・テスラと戦い、呪術で魔霧を抑えるなど、金時を援護した。戦闘後は主人公らに後を託して金時とその場に残った。
 +
:主人公らがアングルボダから聖杯を取り出した後に駆け付けたが、現れたソロモン王を名乗るモノに他のサーヴァント諸共消滅させられた。
 +
 
 +
===敵対者===
 +
;[[ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス]]
 +
:魔霧計画を主導する者の一人。魔術師「P」と呼ばれている。
 +
:計画に必要な触媒を求めてロンドン警察庁をジャック・ザ・リッパーと共に襲撃した。
 +
:魔霧から現界したシェイクスピアを回収しようとして主人公たちと再遭遇、戦闘を行った末に敗北して消滅した。
 +
 
 +
;[[チャールズ・バベッジ]]
 +
:魔霧計画の首魁の一人。魔霧から現界したはぐれサーヴァント。魔術師「B」と呼ばれている。
 +
:アングルボダの介入により操られ、主人公たちと戦った。
 +
:高名な碩学で、史実では数十年前に死亡している筈だが何故か健在であり、王立協会にも論文を寄稿している。去年や今年の新聞にも発明品が載っている。
 +
 
 +
;[[間桐臓硯|マキリ・ゾォルケン]]
 +
:魔霧計画の最初の主導者。黒幕。魔術師「M」と呼ばれている。
 +
:他の二人である「P」「B」とは違い、少なくとも彼はこの時代の人間である。
 +
:第四の特異点を完全破壊するために魔霧による英国全土の浸食を目論んでいる。
 +
:魔神柱バルバトスに変身し、アングルボダの元へやってきた主人公たちと戦ったが敗北し、人間体に戻った後に最後の一手として狂化に似たスキルが付与されたニコラ・テスラを召喚した。
 +
:英霊召喚の呪文には狂化をもたらす一文を追加されており、詠唱自体も一部だけで完全な呪文ではなかったが、魔霧が魔法陣や残りの呪文の肩代わりをした。
 +
:呪文を唱えた直後に、モードレッドに斬り殺された。
 +
 
 +
;[[メフィストフェレス]]
 +
:魔霧計画側に属するサーヴァント。
 +
:計画への参加を最後まで拒んだフランケンシュタイン博士を爆殺した。その後、駆け付けた主人公たちに倒され消滅した。
 +
 
 +
;[[ジャック・ザ・リッパー (Apocrypha)|ジャック・ザ・リッパー]]
 +
:魔霧から現界したサーヴァント。魔霧計画側に属している。外を出歩く女性たちを霧に紛れて襲っている。
 +
:魔霧とは別に宝具『暗黒霧都』で周囲に霧を発生させており、2種類の霧の合わせ技で非常に厄介。
 +
:主人公や一足先に召喚され事態の打開に動いていたモードレッドを「情報抹消」のスキルとともに翻弄した。
 +
:籠城状態だったロンドン警察庁を襲撃して皆殺しにした。パラケルススに「母かも知れない」と唆されて主人公たちと戦闘を行い、敗北して消滅した。
 +
 
 +
;[[ニコラ・テスラ]]
 +
:マキリ・ゾォルケンの英霊召喚の詠唱により魔霧から召喚されたサーヴァント。ロンドンに充分な量の魔霧が満ちた後に英霊召喚された。
 +
:本来は魔霧から現界したサーヴァントは自動的に敵となる訳ではないが、狂化をもたらす一文により僅かに狂化スキルに似た効果がが付与されている。完全なバーサーカーという訳ではないが、自我と行動が抑制されている。
 +
:自動的に魔霧に接触するよう行動し、行動完遂を妨害する者には反撃する。本人は世界を滅ぼす事を望んでおらず、走らず徒歩で移動しており、ある程度は抵抗している模様。
 +
:アングルボダで増幅した聖杯の魔力である魔霧を彼に集中されており、神代の領域の力を手にしている。その威力は、召喚の際の爆発的な魔力だけで主人公たちは全員吹き飛ばされ瓦礫の下敷きになるほど。
 +
:彼が自動的に周囲へもたらす強力な雷電は、瞬時に魔霧を活性化させる性質がある。そのためテスラはサーヴァントですら寄せ付けない活性魔霧を纏っている。
 +
:魔霧はモードレッドの『我が麗しき父への叛逆』では一時的に割ることしかできず、地上にてテスラの雷電を触媒に召喚された金時の『黄金衝撃』によって全部引き剥がされた。
 +
:そしてバッキンガム宮殿上空に向かっていたところを、追いついた主人公たちと再度戦闘になり倒された。
  
[[間桐臓硯|マキリ・ゾォルケン]]、[[ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス|パラケルスス]]、[[チャールズ・バベッジ|バベッジ]]らが「魔霧計画」という計画を行っており、最後の一手としてマキリ・ゾォルケンが狂化に似たスキルが付与された[[ニコラ・テスラ]]を召喚し、テスラに魔霧の集積地帯に雷電を放たせて魔霧を活性化させることでブリテン島の壊滅、ひいては人理の破壊を起こそうとした。<br>
+
;[[アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕 (ランサー)]]
この時のニコラ・テスラはサーヴァントですら寄せ付けない活性魔霧を纏っていた。
+
:魔霧から現界したサーヴァント。マキリ・ゾォルケンの呪文詠唱の影響と魔霧からの現界という特殊性により、暴走状態で召喚された。バーサーカーに似た盲目的な敵意と魔力を放つ。
 +
:バッキンガム宮殿上空に集積した魔霧が集まり、残った魔霧の殆どを吸収しながら現界したため膨大な魔力を持つ。魔霧の中でも分かるほどの膨大な高密度の魔力反応が感知された。
 +
:ニコラ・テスラを倒した主人公たちの前に現れて戦うが撃破される。
  
アングルボダの魔術炉心には染み付いた執念、呪いがかかっており、[[幕間の物語]]「開闢の理」では霧の中から土地に焼き付いた亡霊が現れ、更にまだ生きていた炉心によって大聖杯を作った者の妄念<ref group = "注">停止した機械には憎しみは宿らない。</ref>がA級サーヴァントクラスのエネミーとして出現した。
+
;[[ゲーティア|ソロモン]]
 +
:人理焼却の黒幕。ソロモンを名乗るモノ。[[グランドキャスター]]を自称している。
 +
:無尽蔵とも言える魔力量。存在するだけで領域を圧し潰す支配力。神にも等しいと評される程の絶大な力を持つ。レイシフトに似た空間を歪ませて出現する事が出来る。存在するだけでシバが安定せず音声しか拾えない。ソロモンの力場によってレイシフトのアンカーが届かない。
 +
:主人公らがアングルボダから聖杯を取り出した所に気まぐれで現れ、魔神柱を四本だけ使って戦闘を行い、居合わせた金時、玉藻、モードレッドなどの強力なサーヴァントらを圧倒し消滅させる。
 +
:しかし主人公にはトドメを刺す事をせず、七つの特異点を全て消去すればカルデアを自らの解決すべき案件と認めると告げ、その場を去っていった。だがこの接触の際に主人公には呪いがかけられており、後に彼の魂は『監獄塔』に囚われることとなった。
 +
:コミカライズ版『-turas réalta-』では、[[封鎖終局四海 オケアノス|第三特異点]]で先んじて姿を現していたためか、この特異点においては姿を現さなかった。
 +
:『Fate/Grand Order Arcade』においても姿を現さなかったが、そちらは[[ビーストⅥ/S|そもそもの元凶が別であった]]ためである。
  
当時の「時計塔」が登場するが、[[間桐臓硯|マキリ・ゾォルケン]]、[[ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス|パラケルスス]]、[[チャールズ・バベッジ|バベッジ]]らの襲撃を受けて壊滅している。
+
===その他===
ただし、そもそも時計塔の人材はロンドンに集中していないことに加え、ロンドンにいた上位陣も襲撃から早々に逃亡しているため、人類史に影響を与えるほどの被害を受けているわけではないという。
+
;[[ナーサリー・ライム]]
 +
:ソーホーエリアに魔霧からはぐれサーヴァントとして召喚された。
 +
:ナーサリー・ライムはマスターの精神を映し出すサーヴァントであるため、マスターを持たない状態での現界によって不完全な魔本となっていた。
 +
:魔本の状態では実体がなく、サーヴァントになろうとしている魔力の塊でしかない。存在自体が固有結界であることにより攻撃が一切通じておらず、無敵に等しい耐久力を発揮した。
 +
:当初は魔本のまま彷徨い、屋内に立てこもる市民を襲って醒めない眠りに落としており、その被害はソーホーエリアの半数にまで及んでいた。
 +
:人々を襲って眠らせていたのは、夢を見させることでその夢の顕現として疑似サーヴァントとしての実体を得ようとしたためで、つまりはマスターを求めての行動であった。(この方法で実体化するにはソーホーの全ての人を眠らせる必要があった)
 +
:アンデルセンに名前を呼ばれると共にサーヴァントとして完全に現界。再度の戦闘の末、消滅した。
  
円卓の騎士モードレッドに窮地を救われた主人公達は、この特異点の調査をしているという彼女に協力することになる。
+
;[[バルバトス]]
 +
:[[間桐臓硯|マキリ・ゾォルケン]]が変身した[[魔神柱]]。
 +
:『Fate/Grand Order Arcade』においても登場するが、『魔』と『霧』の2本に分かれているうえ一方には顎らしきものが表出していた。それにより「[[魔獣赫|魔神柱ではない別の存在]]ではないか」とこの時点で予想するプレイヤーも見られた。
  
なお、第六特異点につながる伏線が張られていたことが後にとある人物により語られた。
+
==関連人物==
 +
;[[シャーロック・ホームズ]]
 +
:[[神聖円卓領域 キャメロット|第六特異点]]において、時計塔での資料の配置等を黒幕らに露呈しないよう先んじて行っており、主人公に陰ながら助力していたことが彼の口から明かされる。
 +
:また、バベッジがアングルボダにより操られる前に接触しており、その際に「人理焼却事件」解明の依頼を彼から受けていた。
  
 
==用語==
 
==用語==
;アングルボダ
+
;巨大蒸気機関アングルボダ
:ロンドンの大聖杯。聖杯を動力として「魔霧」を発生させる巨大蒸気機関。
+
:ロンドンの大聖杯。聖杯を動力として「魔霧」を発生させる巨大蒸気機関。冬木の大聖杯に似た、巨大な魔術炉。
 +
:「アングルボダ」とは北欧神話の神性で、ロキとの間にフェンリルや世界蛇、死の女神を生み出した女巨人の名前。
 +
:聖杯を組み込んだことで、発生させる魔霧に英霊召喚の機能が付与されている。魔霧の中でも強く感じ取れるほどの魔力量を持つ。
 +
:アングルボダの魔術炉心には染み付いた執念、呪いがかかっており、[[ギルガメッシュ]]の[[幕間の物語]]「開闢の理」では霧の中から土地に焼き付いた亡霊が現れ、更にまだ生きていた炉心によって大聖杯を作った者の妄念<ref group = "注">停止した機械には憎しみは宿らない。</ref>がA級サーヴァントクラスのエネミーとして出現した。
 +
:シティの地下、<ruby><rb>地下鉄</rb><rt>アンダーグラウンド</rt></ruby>の更に深い奥底に存在している。
 +
:最終的には暴走状態に移行し、都市に充満した魔霧を真に活性化させるに足る強力な英霊を現界させた。
  
 
;魔霧
 
;魔霧
:アングルボダが発生させた霧。高い濃度の魔力を含んでおり、まるで大気に魔力が充満しているかのようで、大気の組成そのものと魔力が結び付いたいるクラスの濃度で、生体に対して有害なレベル。
+
:巨大蒸気機関アングルボダが発生させた魔力の霧。
:全く視界が効かない程の濃度でロンドンを覆っている。
+
:高い濃度の魔力を含んでおり、まるで大気に魔力が充満しているかのようで、大気の組成そのものと魔力が結び付いているクラスの濃度。生体に対して有害で、普通の人間なら深く吸い込むと命に関わる<ref group = "注">何らかの由来で魔術的な耐性を有している、魔術師や怪物、サーヴァントや幻想種などの場合は害は無い。</ref>。
 +
:霧が薄い場所ならマスクなどで覆えば死ぬ事はないが、濃い場所だとマスクをしていても吸い込んだだけで通常の生物は魔力に侵される。素質や体質にもよるが酷い場合では一時間ほどで死んでしまう。
 +
:またこの霧の魔力が魔力反応感知の邪魔になり、サーヴァントの感知能力を狂わせ、カルデアの各種観測を阻む。対象が何者なのかを識別することが出来なくなっている。その影響は室内にも及ぶが、屋内には入り込まない性質がある。
 +
:アングルボダに聖杯が組み込まれたことで、魔霧の中からマスターを持たないはぐれサーヴァントが現界している。魔霧計画側は現界したサーヴァントを回収・確保して聖杯を使って魔霧の拡大のために働くように調整していた。
 +
:また、不完全な英霊召喚の呪文詠唱の魔法陣や残りの呪文を魔霧で肩代わりすることができるほか、ニコラ・テスラが自動的に周囲へもたらす強力な雷電は、瞬時に魔霧を活性化させる性質がある。
 +
:主人公たちがレイシフトする三日前から夜毎に生命を奪う程の霧が都市に満ちており、全く視界が効かない程の濃度でロンドンを覆っている。ジキルの試算ではこの霧の所為で数十万単位で死亡者が出ている。
 +
:アングルボダから聖杯を外され、最後はただの霧に戻った。
 +
 
 +
;不明の怪機械(ヘルタースケルター)
 +
:装甲に覆われた大型の蒸気式ロボット。[[チャールズ・バベッジ]]の宝具『絢爛なりし灰燼世界』で作り出される分身。天属性。
 +
:魔術的な仕組みや痕跡はないが、純粋な機械としても何だか良く分からず、蒸気機関を用いている以上のことは不明。
 +
:2015年には存在していない技術が用いられており、ロマン曰く「僕らの世界とは異なる道を歩み、進歩を遂げた超技術の産物」。
 +
:魔力で形成されてはいるが、技術体系は訳が分からなくとも構造そのものは機械。魔力で作られているだけで、「魔術と科学を併せて作られた機械」という訳ではない。
 +
:性能は高く、[[モードレッド]]が「今回の現界で楽しみながら戦えるのはこいつだけ」と発言するほど。一カ所に集まるとカルデアとの通信に障害が出るほどに魔力が歪む。
 +
:自立稼働しているように見えるが、実際には宝具の所有者であるバベッジが動かしていた。
 +
:[[トーマス・エジソン]]は[[北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム|第五特異点]]においてこのロボットの技術を勝手に流用し、更に「蒸気より電気」という考えで改造して機械化歩兵にしている。
 +
 
 +
;魔霧計画
 +
:第四の特異点を完全破壊するために魔霧による英国全土の浸食する計画。計画の主導者は「[[ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス|P]]」「[[チャールズ・バベッジ|B]]」「[[間桐臓硯|M]]」の三人。
 +
:[[ニコラ・テスラ]]に狂化に似たスキルを付与した状態で召喚し、魔霧の集積地帯のバッキンガム宮殿上空で雷電を放たせて魔霧を真なる活性状態にして全てを呑み込ませることで、ブリテン島の壊滅、ひいては人理の破壊を起こそうとした。
 +
:成功した場合、特異点の人理修復は不可能になり、人理の底は完全に破壊され、人類の歴史はこの時代で途絶える。この特異点を起点に以後の人類史は焼却されていく定めとなる。
 +
 
 +
;[[時計塔]]
 +
:この特異点における当時の「時計塔」が登場するが、「魔霧計画」首謀者らの襲撃を受けて壊滅している。
 +
:この特異点では珍しく建物が破壊されて大英博物館は瓦礫の廃墟と化しており、時計塔本拠への入り口は塞がっている。
 +
:時計塔本部についても念入りに破壊されており、部屋への入り口は何処も潰れていたり、瓦礫で埋まったりしている。生き残りの魔術師は誰一人おらず、黒幕らに送り込まれた戦力が崩壊後も残留している。
 +
:書庫では英霊召喚に関する情報が、散逸していてしかるべき部分まで一カ所に集められており、主人公たちの訪れを予期していたものが意図的に配置していた(これは後にホームズの仕業であることが語られている)。
 +
:なお、時計塔本部は滅ぼされ魔術師は全滅しているが、時計塔の人材はロンドンに集中していないことに加え、ロンドンにいた上位陣も襲撃から早々に逃亡しているため、人類史に影響を与えるほどの被害を受けているわけではないので人理精算には特に問題はないとのこと。
 +
 
 +
==メディアミックス==
 +
;コミック「Fate/Grand Order -<ruby><rb>mortalis:stella</rb><rt>モルターリス:ステラ</rt></ruby>-」
 +
*白峰氏による偶数章の本編コミカライズ。今後コミカライズが予定されている。
 +
;コミック「Fate/Grand Order -<ruby><rb>turas réalta</rb><rt>トゥルス・レアルタ</rt></ruby>-」
 +
*カワグチタケシ氏による本編のコミカライズ。奇数章のみのコミカライズのため、9巻にダイジェストとして特異点が修復された旨が語られている。
  
 
==メモ==
 
==メモ==
*シナリオ中の[[ハンス・クリスチャン・アンデルセン]]の台詞は全面的に奈須きのこが執筆している。
+
*シナリオ中の[[ハンス・クリスチャン・アンデルセン]]の台詞は全面的に奈須きのこ氏が執筆している。
 +
*コミカライズ版『-turas réalta-』での特異点修復後、藤丸が魔術の習得をロマニに相談し、断られるとともに諭されるやり取りについては、同時期に連載されていた武中英雄氏の[[伝承地底世界 アガルタ|亜種特異点Ⅱ]]コミカライズにおけるロマニとのやり取りを、引用・オマージュしたものとなっている。<ref group="出">[https://twitter.com/kawaguchisan/status/1291681280443076608 カワグチタケシ2020年8月7日19:23]</ref><ref group="出">『Fate/Grand Order -turas réalta- 9巻』奥付</ref>
 +
**なお、カドカワには正式に許可を取ったものの、肝心の作者である武中氏には担当のミスで連絡が行き届いていなかった。<ref group="出">[https://twitter.com/h_tknk/status/1293138591774699522 武中英雄2020年8月11日19:54]</ref>
  
 
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
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[[Category:地名]]
 
[[Category:地名]]
 
[[Category:Fate/Grand Order]]
 
[[Category:Fate/Grand Order]]
 +
[[Category:Fate/Grand Order Arcade]]

2024年4月6日 (土) 03:36時点における最新版

死界魔霧都市 ロンドン
副題 ロンディニウムの騎士
人理定礎値 A-
年代 AD.1888
シナリオ担当 桜井光
監修・加筆 奈須きのこ

概要編集

第四特異点。死界魔霧都市ミストシティ。産業革命を迎え人類が著しい発展を遂げた時代の十九世紀の西暦1888年の大英帝国の首都ロンドン。
時代は文明の発展と隆盛を起こし、人類史が大きな飛躍を遂げた「産業革命」が決定的な人類史のターニングポイント。消費文明の観点からも、この時期に現代への足掛かりを得た。
七つの特異点の中では最も現代に近い。この特異点は第一から第三特異点は範囲が広範だったが、この特異点は首都ロンドンに特定されている。

聖杯を動力として動く巨大蒸気機関「アングルボダ」が「魔霧」を発生させ、魔霧でロンドン中を覆っている。世紀末の都市は全く視界が効かない程の濃霧に覆われており、人体に有害な程の濃度の魔力を含んでいる。
霧の中ではホムンクルスや魔術式の自動人形オートマタ不明の怪機械ヘルタースケルターが動き回っている。基本的には扉や窓を破壊したりはせず、建物には侵入しない。自動人形には一部この時代の機械が使われている。
事象がズレており、この年代の少し前に発売されたはずの小説「ジキル博士とハイド氏」が出版されてなかったり、本来存在している時間がもっと過去のはずのヘンリー・ジキルが存命だったりしている。魔霧の死者も、二十世紀に起こる事件がずれ込んでいるのかもしれない、とロマンは予想している。

魔霧による犠牲者が出た後に生存者は屋内に避難したらしく、ロンドン市民は建物内に閉じ籠っている。午後二時でも往来は全くの無人で、馬車も歩行者もいない。犠牲者の姿すら見えず、まるで廃墟の様な状態。建物は全ての戸や窓が閉められている。既に完全に廃墟と化している地区もあり、イーストエンドはほぼ全滅している。ジキルのアパルトメントがあるシティエリアの端は比較的に穏やか。
魔霧が発生した初日にはまだ新聞が発行されており、切り裂きジャックの事が報道されていた。ロンドン警察庁スコットランドヤードや政府は事態を把握出来ていない。それどころか実質的に政府機能は麻痺している。外からの救援は魔霧に阻まれているため、ロンドンは孤立状態にある。ロンドン警察庁は籠城状態だったが、ジャック・ザ・リッパーに襲撃され皆殺しにされた。襲撃された際、ロンドン全域にロンドン警察庁からの救援の電信が発信された。スコットランドヤード内部には魔霧計画に必要な触媒が保管されており、時計塔が座す大英帝国だけはあって魔術的に厳重な封印を施されていた。

登場人物編集

味方側編集

ヘンリー・ジキル
生前の状態で登場。主人公たちが到着する以前から魔霧の調査やロンドンのパトロールを行っていた。
正式な魔術師ではないものの、霊薬調合の心得や聖杯戦争に関する知識があり、奥の手として特製の霊薬を打ち込んでハイドへと変貌できる。変貌すると奇妙な魔力反応が突然発生する。物理的変容は凄い負荷がかかるため長時間は保たない。
魔霧に魔力が含まれている事を突き止めたが如何にも出来ずにいたモードレッドと出会い、協力関係を構築し、実働を彼女に任せ調査と解析を担当していた。
その後接触した主人公たちも彼の住むアパルトメントを拠点とし、召喚サークルを彼の部屋に構築した。なお彼の部屋にはお気に入りの個人用ソファや、低温保存の必要な薬品やシードルを冷やすための冷蔵庫等が設置されている。
時計塔の書庫の扉を守る防衛戦ではハイドになって戦った。
特異点の修復と共に本来の時間へと帰還した。
ヴィクター・フランケンシュタイン (孫)
ジキルの協力者の一人。無線で連絡を取り合っていたが、主人公がやってきた日の朝に連絡が途絶えた。
計画への参加を最後まで拒んだためにメフィストフェレスの宝具『微睡む爆弾』で爆殺された。
フランケンシュタイン
フランケンシュタイン博士が作り出した人造人間。フランケンシュタイン博士の孫の家の奥の部屋にあった棺に入っていた。
いわゆる生前の状態であり、身体組成は霊体ではない。
チャールズ・バベッジと会って話したことがあり、バベッジの気配の様なものを辿り、ヘルタースケルターを操っている魔力を辿ることが出来る。
モードレッド
魔霧から現界したはぐれサーヴァント。父の愛したブリテンを穢していいのは自分だけで、自分以外がブリテンの地を穢す事を許さない、という理由でロンディニウムを守る為に戦っている。
主人公たちが到着する以前から魔霧の調査やロンドンのパトロールを行っていた。
アングルボダから聖杯を取り出した後に現れたソロモン王を名乗るモノとの戦いで唯一生き延びた。その後、特異点の修復により退去した。
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
魔霧から現界したはぐれサーヴァント。
ソーホーエリアの古書店に裏口から忍び込み、ジキルに無線で魔本に関する情報を提供した。戦闘能力は皆無なので主人公たちが来るまで古書店の二階の部屋で隣室にいる魔本から隠れながら古書店の小説を一シリーズ20冊近く、稀覯本を読み漁っていた。
ナーサリー・ライムの名前を呼ぶことでサーヴァントとして完全に現界させて倒せる状態にした。
ジキルのアパルトメントの書斎に陣取っている。
ソロモンを名乗るモノに消滅させられたサーヴァントの中で唯一生き残り、ソロモンのモードレッドを狙った一撃を防いだ。黒幕の謎の一端を明かし、ソロモンに殺された。
ウィリアム・シェイクスピア
魔霧から現界したはぐれサーヴァント。
現界した瞬間を主人公たちが見ていたため、パラケルススが回収するよりも先んじてカルデア側に接触されて仲間になり、ジキルのアパルトメントの書斎に陣取っている。
アングルボダから聖杯を取り出した後に駆け付けたが、現れたソロモン王を名乗るモノに他のサーヴァント諸共消滅させられた。
坂田金時
ニコラ・テスラの雷電を触媒に魔霧が召喚したサーヴァント。人の英霊。
ロンドンを滅ぼそうとするテスラの前に現れ、玉藻と一時的に手を組んで活性魔霧の中でニコラ・テスラと戦い、宝具『黄金衝撃』で彼の活性魔霧を全部引き剥がした。
だが金時自身も魔霧に魔力を吸われながらの戦闘であったため、主人公一行が駆けつけた際には既に疲労困憊であり、主人公らに後を託して玉藻とその場に残った。
主人公らがアングルボダから聖杯を取り出した後に駆け付けたが、現れたソロモン王を名乗るモノに他のサーヴァント諸共消滅させられた。
玉藻の前
魔霧に召喚されたサーヴァント。坂田金時の召喚にくっ付いてきた[注 1]ロンドンでのハネムーンの予行演習を行うために金時の召喚についてきたらしい。
坂田金時と協力してニコラ・テスラと戦い、呪術で魔霧を抑えるなど、金時を援護した。戦闘後は主人公らに後を託して金時とその場に残った。
主人公らがアングルボダから聖杯を取り出した後に駆け付けたが、現れたソロモン王を名乗るモノに他のサーヴァント諸共消滅させられた。

敵対者編集

ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス
魔霧計画を主導する者の一人。魔術師「P」と呼ばれている。
計画に必要な触媒を求めてロンドン警察庁をジャック・ザ・リッパーと共に襲撃した。
魔霧から現界したシェイクスピアを回収しようとして主人公たちと再遭遇、戦闘を行った末に敗北して消滅した。
チャールズ・バベッジ
魔霧計画の首魁の一人。魔霧から現界したはぐれサーヴァント。魔術師「B」と呼ばれている。
アングルボダの介入により操られ、主人公たちと戦った。
高名な碩学で、史実では数十年前に死亡している筈だが何故か健在であり、王立協会にも論文を寄稿している。去年や今年の新聞にも発明品が載っている。
マキリ・ゾォルケン
魔霧計画の最初の主導者。黒幕。魔術師「M」と呼ばれている。
他の二人である「P」「B」とは違い、少なくとも彼はこの時代の人間である。
第四の特異点を完全破壊するために魔霧による英国全土の浸食を目論んでいる。
魔神柱バルバトスに変身し、アングルボダの元へやってきた主人公たちと戦ったが敗北し、人間体に戻った後に最後の一手として狂化に似たスキルが付与されたニコラ・テスラを召喚した。
英霊召喚の呪文には狂化をもたらす一文を追加されており、詠唱自体も一部だけで完全な呪文ではなかったが、魔霧が魔法陣や残りの呪文の肩代わりをした。
呪文を唱えた直後に、モードレッドに斬り殺された。
メフィストフェレス
魔霧計画側に属するサーヴァント。
計画への参加を最後まで拒んだフランケンシュタイン博士を爆殺した。その後、駆け付けた主人公たちに倒され消滅した。
ジャック・ザ・リッパー
魔霧から現界したサーヴァント。魔霧計画側に属している。外を出歩く女性たちを霧に紛れて襲っている。
魔霧とは別に宝具『暗黒霧都』で周囲に霧を発生させており、2種類の霧の合わせ技で非常に厄介。
主人公や一足先に召喚され事態の打開に動いていたモードレッドを「情報抹消」のスキルとともに翻弄した。
籠城状態だったロンドン警察庁を襲撃して皆殺しにした。パラケルススに「母かも知れない」と唆されて主人公たちと戦闘を行い、敗北して消滅した。
ニコラ・テスラ
マキリ・ゾォルケンの英霊召喚の詠唱により魔霧から召喚されたサーヴァント。ロンドンに充分な量の魔霧が満ちた後に英霊召喚された。
本来は魔霧から現界したサーヴァントは自動的に敵となる訳ではないが、狂化をもたらす一文により僅かに狂化スキルに似た効果がが付与されている。完全なバーサーカーという訳ではないが、自我と行動が抑制されている。
自動的に魔霧に接触するよう行動し、行動完遂を妨害する者には反撃する。本人は世界を滅ぼす事を望んでおらず、走らず徒歩で移動しており、ある程度は抵抗している模様。
アングルボダで増幅した聖杯の魔力である魔霧を彼に集中されており、神代の領域の力を手にしている。その威力は、召喚の際の爆発的な魔力だけで主人公たちは全員吹き飛ばされ瓦礫の下敷きになるほど。
彼が自動的に周囲へもたらす強力な雷電は、瞬時に魔霧を活性化させる性質がある。そのためテスラはサーヴァントですら寄せ付けない活性魔霧を纏っている。
魔霧はモードレッドの『我が麗しき父への叛逆』では一時的に割ることしかできず、地上にてテスラの雷電を触媒に召喚された金時の『黄金衝撃』によって全部引き剥がされた。
そしてバッキンガム宮殿上空に向かっていたところを、追いついた主人公たちと再度戦闘になり倒された。
アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕 (ランサー)
魔霧から現界したサーヴァント。マキリ・ゾォルケンの呪文詠唱の影響と魔霧からの現界という特殊性により、暴走状態で召喚された。バーサーカーに似た盲目的な敵意と魔力を放つ。
バッキンガム宮殿上空に集積した魔霧が集まり、残った魔霧の殆どを吸収しながら現界したため膨大な魔力を持つ。魔霧の中でも分かるほどの膨大な高密度の魔力反応が感知された。
ニコラ・テスラを倒した主人公たちの前に現れて戦うが撃破される。
ソロモン
人理焼却の黒幕。ソロモンを名乗るモノ。グランドキャスターを自称している。
無尽蔵とも言える魔力量。存在するだけで領域を圧し潰す支配力。神にも等しいと評される程の絶大な力を持つ。レイシフトに似た空間を歪ませて出現する事が出来る。存在するだけでシバが安定せず音声しか拾えない。ソロモンの力場によってレイシフトのアンカーが届かない。
主人公らがアングルボダから聖杯を取り出した所に気まぐれで現れ、魔神柱を四本だけ使って戦闘を行い、居合わせた金時、玉藻、モードレッドなどの強力なサーヴァントらを圧倒し消滅させる。
しかし主人公にはトドメを刺す事をせず、七つの特異点を全て消去すればカルデアを自らの解決すべき案件と認めると告げ、その場を去っていった。だがこの接触の際に主人公には呪いがかけられており、後に彼の魂は『監獄塔』に囚われることとなった。
コミカライズ版『-turas réalta-』では、第三特異点で先んじて姿を現していたためか、この特異点においては姿を現さなかった。
『Fate/Grand Order Arcade』においても姿を現さなかったが、そちらはそもそもの元凶が別であったためである。

その他編集

ナーサリー・ライム
ソーホーエリアに魔霧からはぐれサーヴァントとして召喚された。
ナーサリー・ライムはマスターの精神を映し出すサーヴァントであるため、マスターを持たない状態での現界によって不完全な魔本となっていた。
魔本の状態では実体がなく、サーヴァントになろうとしている魔力の塊でしかない。存在自体が固有結界であることにより攻撃が一切通じておらず、無敵に等しい耐久力を発揮した。
当初は魔本のまま彷徨い、屋内に立てこもる市民を襲って醒めない眠りに落としており、その被害はソーホーエリアの半数にまで及んでいた。
人々を襲って眠らせていたのは、夢を見させることでその夢の顕現として疑似サーヴァントとしての実体を得ようとしたためで、つまりはマスターを求めての行動であった。(この方法で実体化するにはソーホーの全ての人を眠らせる必要があった)
アンデルセンに名前を呼ばれると共にサーヴァントとして完全に現界。再度の戦闘の末、消滅した。
バルバトス
マキリ・ゾォルケンが変身した魔神柱
『Fate/Grand Order Arcade』においても登場するが、『魔』と『霧』の2本に分かれているうえ一方には顎らしきものが表出していた。それにより「魔神柱ではない別の存在ではないか」とこの時点で予想するプレイヤーも見られた。

関連人物編集

シャーロック・ホームズ
第六特異点において、時計塔での資料の配置等を黒幕らに露呈しないよう先んじて行っており、主人公に陰ながら助力していたことが彼の口から明かされる。
また、バベッジがアングルボダにより操られる前に接触しており、その際に「人理焼却事件」解明の依頼を彼から受けていた。

用語編集

巨大蒸気機関アングルボダ
ロンドンの大聖杯。聖杯を動力として「魔霧」を発生させる巨大蒸気機関。冬木の大聖杯に似た、巨大な魔術炉。
「アングルボダ」とは北欧神話の神性で、ロキとの間にフェンリルや世界蛇、死の女神を生み出した女巨人の名前。
聖杯を組み込んだことで、発生させる魔霧に英霊召喚の機能が付与されている。魔霧の中でも強く感じ取れるほどの魔力量を持つ。
アングルボダの魔術炉心には染み付いた執念、呪いがかかっており、ギルガメッシュ幕間の物語「開闢の理」では霧の中から土地に焼き付いた亡霊が現れ、更にまだ生きていた炉心によって大聖杯を作った者の妄念[注 2]がA級サーヴァントクラスのエネミーとして出現した。
シティの地下、地下鉄アンダーグラウンドの更に深い奥底に存在している。
最終的には暴走状態に移行し、都市に充満した魔霧を真に活性化させるに足る強力な英霊を現界させた。
魔霧
巨大蒸気機関アングルボダが発生させた魔力の霧。
高い濃度の魔力を含んでおり、まるで大気に魔力が充満しているかのようで、大気の組成そのものと魔力が結び付いているクラスの濃度。生体に対して有害で、普通の人間なら深く吸い込むと命に関わる[注 3]
霧が薄い場所ならマスクなどで覆えば死ぬ事はないが、濃い場所だとマスクをしていても吸い込んだだけで通常の生物は魔力に侵される。素質や体質にもよるが酷い場合では一時間ほどで死んでしまう。
またこの霧の魔力が魔力反応感知の邪魔になり、サーヴァントの感知能力を狂わせ、カルデアの各種観測を阻む。対象が何者なのかを識別することが出来なくなっている。その影響は室内にも及ぶが、屋内には入り込まない性質がある。
アングルボダに聖杯が組み込まれたことで、魔霧の中からマスターを持たないはぐれサーヴァントが現界している。魔霧計画側は現界したサーヴァントを回収・確保して聖杯を使って魔霧の拡大のために働くように調整していた。
また、不完全な英霊召喚の呪文詠唱の魔法陣や残りの呪文を魔霧で肩代わりすることができるほか、ニコラ・テスラが自動的に周囲へもたらす強力な雷電は、瞬時に魔霧を活性化させる性質がある。
主人公たちがレイシフトする三日前から夜毎に生命を奪う程の霧が都市に満ちており、全く視界が効かない程の濃度でロンドンを覆っている。ジキルの試算ではこの霧の所為で数十万単位で死亡者が出ている。
アングルボダから聖杯を外され、最後はただの霧に戻った。
不明の怪機械(ヘルタースケルター)
装甲に覆われた大型の蒸気式ロボット。チャールズ・バベッジの宝具『絢爛なりし灰燼世界』で作り出される分身。天属性。
魔術的な仕組みや痕跡はないが、純粋な機械としても何だか良く分からず、蒸気機関を用いている以上のことは不明。
2015年には存在していない技術が用いられており、ロマン曰く「僕らの世界とは異なる道を歩み、進歩を遂げた超技術の産物」。
魔力で形成されてはいるが、技術体系は訳が分からなくとも構造そのものは機械。魔力で作られているだけで、「魔術と科学を併せて作られた機械」という訳ではない。
性能は高く、モードレッドが「今回の現界で楽しみながら戦えるのはこいつだけ」と発言するほど。一カ所に集まるとカルデアとの通信に障害が出るほどに魔力が歪む。
自立稼働しているように見えるが、実際には宝具の所有者であるバベッジが動かしていた。
トーマス・エジソン第五特異点においてこのロボットの技術を勝手に流用し、更に「蒸気より電気」という考えで改造して機械化歩兵にしている。
魔霧計画
第四の特異点を完全破壊するために魔霧による英国全土の浸食する計画。計画の主導者は「P」「B」「M」の三人。
ニコラ・テスラに狂化に似たスキルを付与した状態で召喚し、魔霧の集積地帯のバッキンガム宮殿上空で雷電を放たせて魔霧を真なる活性状態にして全てを呑み込ませることで、ブリテン島の壊滅、ひいては人理の破壊を起こそうとした。
成功した場合、特異点の人理修復は不可能になり、人理の底は完全に破壊され、人類の歴史はこの時代で途絶える。この特異点を起点に以後の人類史は焼却されていく定めとなる。
時計塔
この特異点における当時の「時計塔」が登場するが、「魔霧計画」首謀者らの襲撃を受けて壊滅している。
この特異点では珍しく建物が破壊されて大英博物館は瓦礫の廃墟と化しており、時計塔本拠への入り口は塞がっている。
時計塔本部についても念入りに破壊されており、部屋への入り口は何処も潰れていたり、瓦礫で埋まったりしている。生き残りの魔術師は誰一人おらず、黒幕らに送り込まれた戦力が崩壊後も残留している。
書庫では英霊召喚に関する情報が、散逸していてしかるべき部分まで一カ所に集められており、主人公たちの訪れを予期していたものが意図的に配置していた(これは後にホームズの仕業であることが語られている)。
なお、時計塔本部は滅ぼされ魔術師は全滅しているが、時計塔の人材はロンドンに集中していないことに加え、ロンドンにいた上位陣も襲撃から早々に逃亡しているため、人類史に影響を与えるほどの被害を受けているわけではないので人理精算には特に問題はないとのこと。

メディアミックス編集

コミック「Fate/Grand Order -mortalis:stellaモルターリス:ステラ-」
  • 白峰氏による偶数章の本編コミカライズ。今後コミカライズが予定されている。
コミック「Fate/Grand Order -turas réaltaトゥルス・レアルタ-」
  • カワグチタケシ氏による本編のコミカライズ。奇数章のみのコミカライズのため、9巻にダイジェストとして特異点が修復された旨が語られている。

メモ編集

  • シナリオ中のハンス・クリスチャン・アンデルセンの台詞は全面的に奈須きのこ氏が執筆している。
  • コミカライズ版『-turas réalta-』での特異点修復後、藤丸が魔術の習得をロマニに相談し、断られるとともに諭されるやり取りについては、同時期に連載されていた武中英雄氏の亜種特異点Ⅱコミカライズにおけるロマニとのやり取りを、引用・オマージュしたものとなっている。[出 1][出 2]
    • なお、カドカワには正式に許可を取ったものの、肝心の作者である武中氏には担当のミスで連絡が行き届いていなかった。[出 3]

脚注編集

注釈編集

  1. 金時曰くタダノリ。
  2. 停止した機械には憎しみは宿らない。
  3. 何らかの由来で魔術的な耐性を有している、魔術師や怪物、サーヴァントや幻想種などの場合は害は無い。

出典編集

  1. カワグチタケシ2020年8月7日19:23
  2. 『Fate/Grand Order -turas réalta- 9巻』奥付
  3. 武中英雄2020年8月11日19:54

リンク編集