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| [[聖杯戦争]]に際して召喚される特殊な[[使い魔]]。 | | [[聖杯戦争]]に際して召喚される特殊な[[使い魔]]。 |
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− | 使い魔としては最高ランクで、[[魔術]]よりも上にある。一般に使い魔という単語から連想される存在とは別格で、一線を画している存在。<br />その正体は[[抑止力|英霊]]、神話や伝説の中でなした功績が信仰を生み、その信仰をもって人間霊である彼らを精霊の領域にまで押し上げた人間サイドの守護者。<br />英霊を英霊たらしめるものは信仰、つまり人々の想念であるが故に、その真偽は関係なく、確かな知名度と信仰心さえ集まっていれば物語の中の人物であろうがかまわない。それ故、人間霊のような死亡時の姿ではなく、全盛期の姿で召喚される。<br />本来ならば、位が高すぎて人間が使役するには不可能な存在である。魔法使いであってもそれは同様のこと。<br />[[聖杯]]の力という補助を得て、初めてマスターとなることが出来る。また、英霊の側にも聖杯に用があり、それによって召喚に応じる。<br />聖杯は「降霊」されて現れる霊的な存在であるため、人間では触れることはできない。マスターが願いを叶えるためには、同じ霊体であるサーヴァントが必要となる。<br />[[プライミッツ・マーダー|ガイアの怪物]]を御するためには七騎の守護者が必要になるとされており、それになぞらえて召喚されるサーヴァントは七騎である。 | + | 使い魔としては最高ランクで、[[魔術]]よりも上にある。一般に使い魔という単語から連想される存在とは別格で、一線を画している存在。<br />その正体は[[抑止力|英霊]]、神話や伝説の中でなした功績が信仰を生み、その信仰をもって人間霊である彼らを精霊の領域にまで押し上げた人間サイドの守護者。 |
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| + | 英霊を英霊たらしめるものは信仰、つまり人々の想念であるが故に、その真偽は関係なく、確かな知名度と信仰心さえ集まっていれば物語の中の人物であろうがかまわない。それ故、人間霊のような死亡時の姿ではなく、全盛期の姿で召喚される。<br />本来ならば、位が高すぎて人間が使役するには不可能な存在である。魔法使いであってもそれは同様のこと。<br />[[聖杯]]の力という補助を得て、初めてマスターとなることが出来る。また、英霊の側にも聖杯に用があり、それによって召喚に応じる。 |
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| + | 聖杯は「降霊」されて現れる霊的な存在であるため、人間では触れることはできない。マスターが願いを叶えるためには、同じ霊体であるサーヴァントが必要となる。<br />[[プライミッツ・マーダー|ガイアの怪物]]を御するためには七騎の守護者が必要になるとされており、それになぞらえて召喚されるサーヴァントは七騎である。 |
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| == クラス == | | == クラス == |
− | 七騎のサーヴァントそれぞれに割り当てられる七つの「役割」。英霊を完全な形で召喚するのは聖杯の補助があっても容易ではなく、「役割に即した英霊の一面」というものに限定することでその負荷を抑えている。<br />クラスには大枠として基本の能力値や保有スキルといったクラス特性が生前の能力値とは別に後付けされるものとして存在し、どのような英霊なら該当するかの条件も加わって、そのクラスらしさのある能力のサーヴァントになっている。また逆に、生前有していた武装や能力も、クラスによっては発揮できなくなる可能性を持つ。<br />それぞれの能力値は英霊個々人の個性や現地での知名度によって上下があるため、同一のクラスであるからといって同一の数値にはならない。<br />また、マスターとの相性によっても能力値は増減するため、仮に同一の英霊が招かれても、マスターが違えば同一の数値にはならない。<br />一回の聖杯戦争で、同一のクラスのサーヴァントが二人現れるということはなく、必ず七つのクラスそれぞれに英霊が割り振られる。(※[[アサシン|異常な召喚]]や、[[ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト|同一の英霊を複数の側面から呼び出す]]魔術的特性を持つ場合は例外)<br />言ってしまえばRPG等における「クラス」「職業」「ジョブ」のこと。以下のようなものがある。 | + | 七騎のサーヴァントそれぞれに割り当てられる七つの「役割」。英霊を完全な形で召喚するのは聖杯の補助があっても容易ではなく、「役割に即した英霊の一面」というものに限定することでその負荷を抑えている。 |
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| + | クラスには大枠として基本の能力値や保有スキルといったクラス特性が生前の能力値とは別に後付けされるものとして存在し、どのような英霊なら該当するかの条件も加わって、そのクラスらしさのある能力のサーヴァントになっている。また逆に、生前有していた武装や能力も、クラスによっては発揮できなくなる可能性を持つ。 |
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| + | それぞれの能力値は英霊個々人の個性や現地での知名度によって上下があるため、同一のクラスであるからといって同一の数値にはならない。<br />また、マスターとの相性によっても能力値は増減するため、仮に同一の英霊が招かれても、マスターが違えば同一の数値にはならない。<br />一回の聖杯戦争で、同一のクラスのサーヴァントが二人現れるということはなく、必ず七つのクラスそれぞれに英霊が割り振られる。(※[[アサシン|異常な召喚]]や、[[ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト|同一の英霊を複数の側面から呼び出す]]魔術的特性を持つ場合は例外)<br />言ってしまえばRPG等における「クラス」「職業」「ジョブ」のこと。以下のようなものがある。 |
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| ;[[クラス (セイバー)|セイバー]] | | ;[[クラス (セイバー)|セイバー]] |
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| ;[[クラス (アサシン)|アサシン]] | | ;[[クラス (アサシン)|アサシン]] |
| ;[[クラス (エクストラ)|エクストラクラス]] | | ;[[クラス (エクストラ)|エクストラクラス]] |
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| 特に強力なクラスとされるセイバー、アーチャー、ランサーを総称して「三騎士」と呼ぶ。</br> | | 特に強力なクラスとされるセイバー、アーチャー、ランサーを総称して「三騎士」と呼ぶ。</br> |
| 冬木の聖杯戦争では、1回の聖杯戦争で7騎召喚され、1クラス1騎だが、 | | 冬木の聖杯戦争では、1回の聖杯戦争で7騎召喚され、1クラス1騎だが、 |
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| == システム == | | == システム == |
− | サーヴァントシステムの考案者は御三家のひとつ、[[間桐臓硯|マキリ・ゾォルケン]]。<br /> | + | サーヴァントシステムの考案者は御三家のひとつ、[[間桐臓硯|マキリ・ゾォルケン]]。<br />あらかじめ聖杯が用意した「七つの筐」に最高純度の魂を収める事により英霊をサーヴァントとして現界させている。 |
− | あらかじめ聖杯が用意した「七つの筐」に最高純度の魂を収める事により英霊をサーヴァントとして現界させている。<br />召喚された英霊にも聖杯に掛ける望みがあるため、そのままではマスターを無視して独自の行動をする可能性がある。そのため、召喚時に英霊には現界の条件として命令権([[令呪]])への服従を背負わせている。またマスターは、本来この時代の存在ではない英霊が現世に留まり続けるための、時間軸への寄り代であり、魔力の供給源でもある。これらの要素により、サーヴァントはマスターとの協力を余儀なくされている。<br />本来なら、英霊そのものではなく「英霊としての側面も混じってる」状態のモノは召喚されないはずだが、第3次を発端としてシステムに狂いが生じているため、現在は怨霊の類すら召喚可能。
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| + | 召喚された英霊にも聖杯に掛ける望みがあるため、そのままではマスターを無視して独自の行動をする可能性がある。そのため、召喚時に英霊には現界の条件として命令権([[令呪]])への服従を背負わせている。またマスターは、本来この時代の存在ではない英霊が現世に留まり続けるための、時間軸への寄り代であり、魔力の供給源でもある。これらの要素により、サーヴァントはマスターとの協力を余儀なくされている。<br />本来なら、英霊そのものではなく「英霊としての側面も混じってる」状態のモノは召喚されないはずだが、第3次を発端としてシステムに狂いが生じているため、現在は怨霊の類すら召喚可能。 |
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| === 召喚儀式 === | | === 召喚儀式 === |
− | 相応の霊脈に魔法陣を敷設し降霊の詠唱をすることにより、英霊にエーテルの肉体を与える。<br />といっても英霊を実際に招くのは聖杯であり、そう大掛かりな儀式は必要としない。場合によっては魔法陣や詠唱、魔術回路の励起が無くとも召喚が為される場合もある。<br />召喚の実行が可能なのは、基本的に令呪が与えられているマスターのみ。ただし、聖杯のシステムに介入できるほどの知識あるいは実力があれば、その限りではない。<br />召喚が可能となる時期については不明。理論上、大聖杯に魔力が満ちた段階での召喚となるが、作品として描かれた第四次、第五次共に、第三次で起こった影響や、過去数度にわたって聖杯に満ちた魔力が使われることなく聖杯戦争が終了していることから、本来想定されている聖杯戦争のシステムからは逸脱している部分が見られる。<br />アインツベルン陣営などは、聖杯に介入することで、本来冬木市でしかできないはずの召喚をドイツで行ったり、第五次では聖杯戦争開始の数ヶ月前からバーサーカーを召喚したりしている。<br />召喚がなされると、監督役の管理している「霊器盤」に情報が伝わる。<br />伝わるのは召喚されたサーヴァントのクラスのみであり、サーヴァントの真名をはじめとする詳細なステータスや、マスターに関する情報は伝わらない。<br />召喚されたサーヴァントの合計数は把握できるため、これをもって七騎のサーヴァントが出揃ったか否かを判断し、監督役は聖杯戦争の開催を宣言する(無論、形式上のものである)。 | + | 相応の霊脈に魔法陣を敷設し降霊の詠唱をすることにより、英霊にエーテルの肉体を与える。<br />といっても英霊を実際に招くのは聖杯であり、そう大掛かりな儀式は必要としない。場合によっては魔法陣や詠唱、魔術回路の励起が無くとも召喚が為される場合もある。<br />召喚の実行が可能なのは、基本的に令呪が与えられているマスターのみ。ただし、聖杯のシステムに介入できるほどの知識あるいは実力があれば、その限りではない。 |
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| + | 召喚が可能となる時期については不明。理論上、大聖杯に魔力が満ちた段階での召喚となるが、作品として描かれた第四次、第五次共に、第三次で起こった影響や、過去数度にわたって聖杯に満ちた魔力が使われることなく聖杯戦争が終了していることから、本来想定されている聖杯戦争のシステムからは逸脱している部分が見られる。<br />アインツベルン陣営などは、聖杯に介入することで、本来冬木市でしかできないはずの召喚をドイツで行ったり、第五次では聖杯戦争開始の数ヶ月前からバーサーカーを召喚したりしている。 |
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| + | 召喚がなされると、監督役の管理している「霊器盤」に情報が伝わる。<br />伝わるのは召喚されたサーヴァントのクラスのみであり、サーヴァントの真名をはじめとする詳細なステータスや、マスターに関する情報は伝わらない。<br />召喚されたサーヴァントの合計数は把握できるため、これをもって七騎のサーヴァントが出揃ったか否かを判断し、監督役は聖杯戦争の開催を宣言する(無論、形式上のものである)。 |
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| === 魔法陣 === | | === 魔法陣 === |
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| === 触媒 === | | === 触媒 === |
− | 触媒とは、サーヴァントとなる英霊を指定して召喚する場合に必要となる物品のことを言う。<br />聖杯は本来、そのマスターに相応しいサーヴァント(相性の良いサーヴァント)を招く。聖杯が選んだサーヴァントが召喚される。<br />これに対し、マスターが召喚の儀式の際、サーヴァントとなる英霊を指定して召喚しようとする場合、触媒を用いることでそれが可能になる。触媒は、その対象となった英霊とゆかりの深い品を必要とする。<br />触媒が英霊とゆかりの深い品であれば、マスターとの相性が悪い場合でも召喚ができる。(例:[[衛宮切嗣]]とセイバー)逆に、触媒が英霊とゆかりの浅いものである場合は、触媒とマスターとの相性、双方が考慮され決定される。<br />また、触媒が複数の英霊に対応した物の場合、その複数の中からマスターとの相性がよい英霊が召喚される。<br />なお、触媒によって指定できるのは招かれる英霊のみであり、その英霊が複数のクラス資格を持っていた場合、触媒によってクラスを指定することはできない(単一のクラス資格しか持っていない場合は考慮する必要はない。またバーサーカーに関しては前述のように詠唱によってクラスを決定出来る)。<br />本編中では、[[遠坂時臣]]が、[[ギルガメッシュ]]がアーチャーとして呼ばれたことを嘆く描写が見られる。<br />クラスの選定基準は不明だが、主に知名度やマスターとの相性で決定されるようだ。また、クラスに応じた「筐」はそれぞれ一つしかないため、既に特定のクラスの枠が埋まっている場合、後に召喚された英霊はそのクラスにつくことができないという制限もある。 | + | 触媒とは、サーヴァントとなる英霊を指定して召喚する場合に必要となる物品のことを言う。 |
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| + | 聖杯は本来、そのマスターに相応しいサーヴァント(相性の良いサーヴァント)を招く。聖杯が選んだサーヴァントが召喚される。<br />これに対し、マスターが召喚の儀式の際、サーヴァントとなる英霊を指定して召喚しようとする場合、触媒を用いることでそれが可能になる。触媒は、その対象となった英霊とゆかりの深い品を必要とする。<br />触媒が英霊とゆかりの深い品であれば、マスターとの相性が悪い場合でも召喚ができる。(例:[[衛宮切嗣]]とセイバー)逆に、触媒が英霊とゆかりの浅いものである場合は、触媒とマスターとの相性、双方が考慮され決定される。<br />また、触媒が複数の英霊に対応した物の場合、その複数の中からマスターとの相性がよい英霊が召喚される。 |
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| + | なお、触媒によって指定できるのは招かれる英霊のみであり、その英霊が複数のクラス資格を持っていた場合、触媒によってクラスを指定することはできない(単一のクラス資格しか持っていない場合は考慮する必要はない。またバーサーカーに関しては前述のように詠唱によってクラスを決定出来る)。<br />本編中では、[[遠坂時臣]]が、[[ギルガメッシュ]]がアーチャーとして呼ばれたことを嘆く描写が見られる。 |
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| + | クラスの選定基準は不明だが、主に知名度やマスターとの相性で決定されるようだ。また、クラスに応じた「筐」はそれぞれ一つしかないため、既に特定のクラスの枠が埋まっている場合、後に召喚された英霊はそのクラスにつくことができないという制限もある。 |
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| ==== 第三次 ==== | | ==== 第三次 ==== |
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| == 知名度と真名と強さ == | | == 知名度と真名と強さ == |
− | サーヴァントの能力には知名度による補正がかけられる。<br />召喚された地域において非常に知られていた場合、それだけの信仰心を集めることになり、より強力な力を出せるという結果に繋がる。<br />また逆に、伝承に記されている武装や能力があったとしても、召喚された地ではまるで知られていないようなマイナーなものであった場合、サーヴァントとしてはその能力を備えないといったペナルティともなりうる。<br />例:[[ランサー|ランサー (第五次)]]は、ゲッシュによってアルスターの戦士達が眠りにつく中、ただ一人その出自に起因する「不眠の加護」を持っていたため、それを免れた。しかし、サーヴァントとしてこのスキルは持っていない。<br />なお、この補正とは「英雄としての元の強さを再現出来る」と言う意味である。マスターからの魔力供給・令呪によるブースト・聖杯から与えられる知識とクラススキルを除けば、知名度の補正によって英霊が元となった英雄より強くなる事はない。<br /> | + | サーヴァントの能力には知名度による補正がかけられる。<br />召喚された地域において非常に知られていた場合、それだけの信仰心を集めることになり、より強力な力を出せるという結果に繋がる。 |
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| + | また逆に、伝承に記されている武装や能力があったとしても、召喚された地ではまるで知られていないようなマイナーなものであった場合、サーヴァントとしてはその能力を備えないといったペナルティともなりうる。<br />例:[[ランサー|ランサー (第五次)]]は、ゲッシュによってアルスターの戦士達が眠りにつく中、ただ一人その出自に起因する「不眠の加護」を持っていたため、それを免れた。しかし、サーヴァントとしてこのスキルは持っていない。 |
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| + | なお、この補正とは「英雄としての元の強さを再現出来る」と言う意味である。マスターからの魔力供給・令呪によるブースト・聖杯から与えられる知識とクラススキルを除けば、知名度の補正によって英霊が元となった英雄より強くなる事はない。<br /> |
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| 真名は召喚された者の真の名前、いわば「正体」。<br />基本的にこれは秘匿される。相手に正体が知れるということは、英霊の残した伝説・伝承が知られるということであり、その弱点につながる情報をさらすことにもなってしまうため。<br /> | | 真名は召喚された者の真の名前、いわば「正体」。<br />基本的にこれは秘匿される。相手に正体が知れるということは、英霊の残した伝説・伝承が知られるということであり、その弱点につながる情報をさらすことにもなってしまうため。<br /> |
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| ;[[宝具]] | | ;[[宝具]] |
| :彼らの持つ最終武装。生前の偉業を元に形を為した「物質化した奇跡」。 | | :彼らの持つ最終武装。生前の偉業を元に形を為した「物質化した奇跡」。 |
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