概要
国籍、ジャンルを超えて魔術師達が立ち上げた、名目上は自衛の為の団体。魔術を管理し、隠匿し、その発展を使命とする。
外敵(教会、自分たち以外の魔術団体、禁忌に触れる人間を罰する怪異)に対抗するための武力と、魔術の更なる発展(衰退ともいう)のための研究機関を持ち、魔術犯罪の防止法律を敷く。[出 1]
一般社会で魔術がらみの事件を起こしたものは処刑されるが、「正義」、「道徳」ではなく、「神秘の漏洩」を防ぐことがその最大の目的。
アトラス院は特に徹底されているが、魔術師は己の研究を公表することはなく、魔術師同士の研究の交流などというものはない(交流などというものがあるとすれば、それは世俗的な権力闘争くらいである)。隣り合った研究室を持つ魔術師同士が、互いが何を研究しているのか知らないなんてことは当たり前。
魔術の研究は一人でするものであり、協会による束縛を嫌う魔術師も勿論いるが、大半の教本と、魔術の実践に適した歪みを抱えている霊地は、協会が押さえている。魔術を学ぶには最高の環境であり、自分の研究こそが最優先の魔術師にとって、それらの魅力は何物にも代え難い。名目上、支配者ではないことを標榜する協会は辞めることは自由だが、そんなことを考える魔術師はそうそういない(封印指定でも受ければしかたないが)。
ジャンルは問わないとする一方、呪術は学問ではないと蔑視しており、中東圏に大きく遅れをとっている[出 2]。
聖堂教会とは表向きは不可侵であるが、裏では記録に残さないことを条件に現在も殺し合いが続いている。また、中東圏の魔術基盤、及び大陸(中国)の思想魔術とは互いに相容れず、やはり不可侵を装っている[出 1]。
『ALL AROUND TYPE-MOON』によれば時計塔は秋葉原支部を有している。北米にも支部があるが、協会のエージェントの数はとても少ない。
時計塔
三大部門の一角。現在は魔術協会総本部とされる。
詳細は「時計塔」を参照。
アトラス院
三大部門の一角。別名「巨人の穴倉」。
詳細は「アトラス院」を参照。
彷徨海
三大部門の一角。別名「移動石柩」。北欧を根城とする原協会で、その名の通り海上を彷徨い移動する山脈の形をしているという。
詳細は「彷徨海」を参照。
その他
詳細不明。確たる説明がないが、下部組織・支部のようなものと思われるもの
- プラハの協会(錬金術師が所属しており、アトラス院とは仲が悪い)[出 3]
- シュポンハイム修道院(次期院長にコルネリウス・アルバを予定していた)
- トゥーレ協会(ルーン文字のオリジナルを魔術基盤の衰退すら気に留めずに死蔵し続けている)
- カリフォルニアのコンベンション(現代科学を下敷きにした魔術論文が発表されている。実際の魔術とは関係の薄いオカルトや神秘学の範疇が多いが、原子力を題材にしたり電子書籍を販売したりと先進的)
封印指定
学術的に到達不可能な領域に至った魔術師に、魔術協会が一代限りで送る称号であり通達。
一生涯の幽閉を意味し、これを受けた魔術師は大半が協会から離反する。野に下った魔術師は大きく分けて「隠者」と「賢者」の二種に分けられる。
魔術を隠匿し、血族のみに伝え学ばせる「隠者」。
領地に引き篭もり、全力を以って魔術を極めようとする「賢者」。
隠者には余程の才能でなければ追っ手はかからず、賢者にしても神秘の隠匿が成されている内は成果が出るまで放置される。
『Fate/EXTRA』の世界では国際協定404の別名であり、西欧財閥が指定する。
Fate/EXTRAにおける魔術協会
『Fate/EXTRA』の世界では神秘の崩壊によってかつての繁栄は見る影もなく、西欧財閥に「危険思想を持った反社会的集団」として処分された。「貴族」と呼ばれた者たちも悉く滅んでいるが、レジスタンスに参加する者、逆に西欧財閥に取り入る者に分かれ魔術師そのものはまだ存在している。
Fate/Grand Orderにおける魔術協会
人理保障機関カルデアを天文科のロードであるアニムスフィア家が仕切っているが、魔術協会そのものは特に前面には出てこない。
第一部四章の舞台は1888年のロンドンなので、その関係上、当時の「時計塔」が登場するが、マキリ・ゾォルケン、パラケルスス、バベッジらの襲撃を受けて壊滅している。
ただし、そもそも時計塔の人材はロンドンに集中していないことに加え、ロンドンにいた上位陣も襲撃から早々に逃亡しているため、人類史に影響を与えるほどの被害を受けているわけではないという。[出 4]
また、地下には様々な厄ネタが封印されているのは上記の設定の通りだが、その中でも一際危険なモノとして登場した悪魔(「第六架空元素」と言いかけていたのでほぼ確定と言ってもよいと思われる)はファヴニールに匹敵するほどの脅威とされており、危険性が伺える。
第一部五章ではアメリカ以外の主要国家が全て滅んでいるため魔術協会自体が存在しないという。
第一部六章では、人理焼却によって焼き尽くされた現代のアトラス院が登場している。
人理修復が果たされたあと、カルデアに人理焼却の真相を調査するように命じたが、魔術協会から派遣された第一次が到着次第、人事の再編が行われ、そこら中の学部から、名だたる魔術師がどっと押し寄せてくる。
第二部では人理漂白によって時計塔とは連絡が取れなくなり、アトラス院も同じく消息不明ながらシオンが漂白への対処の為に脱出して彷徨海に行き、彷徨海は現地メンバーは引き蘢っているものの訪れたカルデア残党とシオンがエントランスの敷地を利用して「ノウム・カルデア」を再編成し、漂白への対処に当たっている。
メモ
- 土地(霊地)を持っている魔術師であれば、封印指定などとは関わりなく最初から、協会には所属しないという道を選ぶ場合もある(『Fate』に登場するアインツベルンの一門や、『魔法使いの夜』に登場する久遠寺有珠、当時の蒼崎青子など)。
ただし、協会の目的は「神秘の漏洩の防止」であるので、協会に所属していなくても魔術師として最低限のルールは存在する。例え外部の魔術師でも、神秘を漏洩するようなことがあれば、協会は刺客を送り込む。 - 亜種聖杯戦争が存在する『Fate/Apocrypha』世界では他の世界とは違い、本来降霊科の下位組織であるはずの召喚科がサーヴァントに関連する召喚技術等を全て集約した学科として極めて重要視されている。
- 2010年エイプリルフール企画「Tmitter」では、封印指定執行者であるバゼットに指示を与えるらしき立場にある「ミリョーネカリオン」という存在について言及されている。また封印指定総与「ミリョネカリオン」と封印指定を発令するという天文台「カリオン」は名前が重複しているが、どちらも関係は定かで無い。
脚注
注釈