バーサーカー
- 真名:フローレンス・ナイチンゲール
- 身長:165cm / 体重:52kg
- 出典:史実
- 地域:欧州
- 属性:秩序・善 / カテゴリ:人
- 性別:女性
- CV:沢城みゆき
- 略歴
- 『Fate/Grand Order』では実装に先駆けてイベント「監獄塔に復讐鬼は哭く」にて真名を明かされない状態で先行登場。名前を含めた記憶を失くしており、アヴェンジャーによって「メルセデス」と名付けられる。
- だが彼女の正体はシャトー・ディフにおける本来の第七の「裁きの間」の支配者で、最終的に主人公の前に死霊と共に立ちはだかることとなる。
- 第一部五章では西暦1783年の北アメリカで砲弾を食らって負傷した主人公の手足を切断しようとするが、マシュに止められてしまう。
- 負傷者を治療しつつケルト兵を相手に暴れており、患者を置き去りにする事を拒否していたが、時代の修正という根本治療を行う為、主人公達との協力を決める。
- 第一部終章では冠位時間神殿に召喚され、他のサーヴァント達と共にⅤの座を統括する兵装舎ハルファスと交戦する。
- 人物
- 奉仕と献身を信条とし、たったひとりの軍隊ともいうべき不屈性を持った信念の女。『Grand Order』での現界に際しては、その精神性とクラススキルの狂化:EXが相まって、(恐らく)生前と異なり「人の話を全然聞かない」状態になっている。
- 落ち着いた表情と丁寧な口調で話すものの、それらの言葉はすべて「自分に向けて」の言葉であるため、意思疎通は困難であり、患者の「治療」を優先して行動するため、戦場でも単身突撃するほか、患者を背負ったまま戦闘を行う、切断による治療法を迫る、言う事を聞かなければ拳銃による威嚇射撃も辞さない等、過激な行動が目立つ。
- 加えて、どのサーヴァントであろうとも絶対に挫けることなく、告げるべき言葉を継げる強靭な精神を有しており、口にする言葉に一切の嘘偽りはなく、他の人物が抱えた「病んでいる」部分を治療するために容赦なく暴く。しかし、妄想や美的感覚に関しては治療の専門外とのこと。彼女が嫌いなのものは「治せない病気」と「治ろうとしない患者」。これは、患者が治ろうとする気力がなければ治療を始めることが出来ない為。
- 自分が傷つきながらも、患者がいる限り、傷を癒す暇はなく、そして癒されることはない。命を救うためならば、たとえ命を失うことになってもかなわない、あまりに純粋な信念と凄まじいまでの姿勢は「狂気と恐怖」とさえ評されており、世界から患者がいなくなるまではいかなる傷も受け止めていく在り方は、「破綻しながらも美しい」と評されている。
- 記憶を失った「メルセデス」としての登場時は、バーサーカーとしての姿とは似ても似つかない淑やかで心優しい女性だった。
- 能力
- 素手とペッパーボックスピストルという拳銃を使用した白兵戦によって戦闘を行う。
- 職業柄「病んでいる」部分に対する直感力が非常に高く、肉体面のみならず精神面の問題をも的確に見抜く。
ステータス
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
バーサーカー | 主人公 (Grand Order) | B+ | A+ | B+ | D+ | A+ | D | 狂化:EX | 鋼の看護:A 人体理解:A 天使の叫び:EX |
宝具
- 我はすべて毒あるもの、害あるものを絶つ(ナイチンゲール・プレッジ)
- ランク:C
種別:対軍宝具
レンジ:0~40
最大捕捉:100人 - 戦場を駆け、死と立ち向かったナイチンゲールの精神性が昇華され、更には彼女自身の逸話から近現代にかけて成立した「傷病者を助ける白衣の天使」という看護師の概念さえもが結びついたもの。
- ナイチンゲールによく似た「白衣の女神」の巨大な上半身が幻として出現し、剣を振り下ろす。効果範囲のあらゆる毒性と攻撃性は無効化される。つまり、一時的に武装や宝具の効果が失われる。毒(サーヴァントであればあらゆるステータス異常も)は消え失せ、剣は手から落ち、銃は弾を吐き出さず、爆弾は化学反応せず、魔術は組みあがらず、宝具は真名解放されない。強制的に作り出される絶対安全圏。回復効果も兼ねており、任意の対象の体力や魔力が大幅に回復する。
- 『Fate/Grand Order』では、敵全体の宝具威力を1ターン低下させ、味方全体の回復+弱体化解除を行う。
- 演出上は上記のような物騒な外見だが、見た目に反して攻撃効果はない。
真名:ナイチンゲール
- フローレンス・ナイチンゲール。十九~二十世紀のイギリスにおける実在の人物。
クリミアの天使、小陸軍省といった異名を持つ女性。裕福な紳士階級生まれで社交界の華とされながら、若き日の彼女は当時の時代では卑賎な職業とされていた看護婦(看護師)となることを希望した。
- 医師と看護の知識と技術を得た後、ロンドン・ハーリー街の委員で監督として看護体制改革に着手。私財を用いて近代的な設備を作り、看護師たちの状況改善にも努めた。
その後、知己であった戦時大臣シドニー・ハーバートの頼みを受けて大英帝国陸軍病院看護婦総監督としてクリミア戦争へと従事するが、彼女が見た光景は、まさに地獄と言うべきものだった。
医師や看護への不理解から来る不衛生や多数の前時代的な規則が横行し、地獄の様相と化した戦時医療の改革を務めるべく、彼女は奮起する。
- 一時期は「戦時医院での死亡率が跳ね上がった」ものの活動を続け、清潔な衛生と正しい看護を徹底し、惜しみなく私財をなげうって物資を揃え、40%近かった死亡率を5%までに抑制させる成果を導いた。
- ロンドンの新聞各紙は、彼女こそ戦場に舞い降りた天使そのものであると讃え、女王の時代に現れた女性英雄に人々は熱狂した。数多の喝采があったが、彼女は微笑まなかった。自分は天使などではなく、ただ、人を助けるだけにあると。
- その後も彼女は活動を続け、戦時医療及び陸軍衛生の大改革に着手。ヴィクトリア女王さえをも味方として引き込み、改革を進めていった。
彼女の生涯は名も知れぬ誰かの為に捧げ、没するまで独身で過ごしたという。
- 改革のために医院の記録分析を進めた行為は、統計学の先駆としても知られている。
関連
- 小陸軍省
- ナイチンゲールに付けられた異名の一つ。
- 当時の劣悪な看護環境を改善するために、陸軍の関係者はおろか、大英帝国の君主であろうとも告げるべき言葉を告げていた。
- 彼女が持つ『たったひとりの軍隊』とでも言うべき不屈性と苛烈さから、畏敬と恐怖と揶揄の念を込めて付けられた。
登場作品と役柄
- キャラクターデザイン:高橋慶太郎 / 設定作成:桜井光 / レア度:☆5
- 第五特異点解禁に伴い実装。
- ちびちゅき!
- 養護担当。相変わらずのスパルタっぷりで病気や怪我に対応している。
人間関係
Fate/Grand Order
- 巌窟王 エドモン・ダンテス
- 彼が「傲慢」の裁きの間の支配者となったことで、彼女は本来の役割と共に記憶を失った。
- そして監獄塔を彷徨っていたところを遭遇して、彼に「メルセデス」という名前を与えられる。
- 後に戦闘となり、相性の点では彼に有効ではあったが、巌窟王に「おまえの刃は優しすぎた」と言われ、敗れ去った。
- ……なお、本来の記憶を持つ彼女から見た場合は「精神を負傷した看護対象者」とにべもなく、後述する狂人ズと同じ扱いである。
- 『ちびちゅき!』で熱中症になった彼にメルセデス呼ばわりされた際には脳天に氷塊を叩き付けた。
- ラーマ
- 第五章で心臓を手酷く破損した彼を治療するべく、運搬装具「ラーマバッグ」を作って連れ歩く。
- 彼からのいろいろな意見に関しては基本的に無視し、治療の為の最善を尽くそうとする。
- シータ
- 第五章でアルカトラズ刑務所で出会った少女。ラーマからの依頼で、彼を引き合わせる為に行動していた。
- 最愛の人を救う為に躊躇無く命を投げ出す行為に感じ入ったのか、「出会えて幸福でした、ミセス・シータ」と敬意を表した。
- トーマス・エジソン
- 第五章でかなり早い段階から精神的に異常があると勘づいており、後に鉄拳制裁した後治療し、諭す。
- ……「そんなだからテスラに勝てない」と最大級のトラウマを指摘して、危うく精神的に殺しかかってしまっていたが。ちなみに、二人にはワーカホリックという共通点がある。
- メイヴ
- 第五章で敵対する相手だが、「その邪悪さは生まれつきの物で、健康優良児そのもの」とバッサリ言い捨て、露骨に無視する。
- ベンジャミン・ラッシュ
- 第五章で軍医としての彼を酷使し、言うことを聞かないと拳銃で脅してても正しい治療をさせようとする。
- 本編では端役だが、歴史上ではトマス・ジェファーソンとジョン・アダムズを引き合わせ、独立宣言にも署名している偉人である。
- モードレッド
- イベント「星の三蔵ちゃん、天竺へ」での娘役。彼女から「ブレーキの壊れたダンプカー」と称される。
- なお、この二つ名は某有名プロレスラーに付けられたあだ名である。
- アルトリア・ペンドラゴン〔ランサーオルタ〕
- イベント「星の三蔵ちゃん、天竺へ」での夫役。仲は悪くないのだが、彼女からは主に食事面で苦手意識を持たれている。
- アイリスフィール〔天の衣〕
- 期間限定イベント『ネロ祭再び』で医療班として共演。
- 治療魔術について何をどう勘違いしたのか「外科手術の経験がある医者」と判断した。
- カリギュラ、ファントム・オブ・ジ・オペラ、ジル・ド・レェ(キャスター)
- 精神を負傷した看護対象者。
生前
- シドニー・ハーバート
- 知己。クリミア戦争当時の陸軍大臣で、彼の要請によりナイチンゲールは従軍看護婦として戦場へ向かう。
- ヴィクトリア女王
- 後援者。ナイチンゲールの活動を知り、高く評価する。ナイチンゲールからの報告を直接自分へ届けるようハーバートに命じるなど、政治的に後押しした。
名台詞
Fate/Grand Order
- 「私が来たからには、どうか安心なさい。全ての命を救いましょう。
全ての命を奪ってでも――私は必ずそうします」 - 召喚時。彼女の精神性の一端が垣間見える台詞。
- 「魔術による治療行為? 何を言っているのですあなたは、医療行為にオカルトなど必要ありません。全くもう、変な人ね…」
「聖杯? 何を言っているのです…ああですが、手を洗うためのボウルは必要ですね、大切な事です。いつでも手は清潔に」 - マイルーム会話。神秘やオカルトには一切理解を示さず、ただ現実的な手段で彼女は医療を行う。
- とはいえ、そう言う彼女自身がその魔術と聖杯による産物なのだが。
- 「清潔!」
「消毒!」
「殺菌!」
「緊急治療!」 - 攻撃時並びに、EXアタック時の台詞。こんな事を言いながら相手を殴ったり拳銃で撃ったりするので、物騒なことこの上ない。
- 「すべての毒あるもの、害あるものを絶ち、我が力の限り、人々の幸福を導かん…!
『我はすべて毒あるもの、害あるものを絶つ』――!」 - 宝具解放。白衣の女神により強制的に作り出される絶対安全圏。
- 「天使とは、美しい花を撒く者で無く、苦悩する誰かの為に戦う者よ」
- 戦闘終了時。白衣の天使と呼称されたことに対する、生前の彼女自身の言葉から。彼女の名前である「フローレンス(花の女神フローラに由来する)」にもかかっているのであろうか。
- 「患者ナンバー99、重症。右腕の負傷は激しく、切断が望ましい。」
「ここも……駄目でしょうね。左大腿破損。生きているのが奇跡的です。やはり切断しかないでしょう。」
「左脇腹が抉れていますが、これは負傷した臓器を摘出して、縫合すれば問題ないはず。」
「大丈夫です。それでも生きられます。少なくとも、他の負傷者よりは遥かにマシです」
「あと二百年もすれば、高性能の義手も出てきます。……気長すぎますか。」
「さて、では切断のお時間です」 - 第五章、初登場時のセリフ。初っ端から痛烈な発言の連発で、主人公 とプレイヤーを驚かせた。医療とは、時に問答無用である。
- 「この銃とその治療、どっちが最新ですか? 二度言わせないで下さい」
- 第五章にて、誤った治療法の指摘に対して「でもそれが最新の治療法で……」というラッシュの返事に対する威嚇射撃つきの返答。
- もはや銀行強盗のような行為。「治療の為なら何でもする」という彼女の信念がそのまま形になったかのようである。
- 「離せ……! 私は知っている! こういう目をした長は、必ず全てを破滅に導く!」
「そうして最後に無責任にも宣うのだ! 「こんなはずではなかった 」と!」 - 第五章にて、トーマス・エジソンの目的・意志を聞いての激高。
- 過激な行動で主人公達を振り回してきたナイチンゲールだが、怒りを露わにしたのはこれが初めてである。
- 生前の彼女が体験した過酷な環境とそれに対する憤りが詰まった叫び。
- 「ケルトの戦士を粛清します。徹底的に。」
- 第五章にて、ラーマが戦線復帰し、「本来の治療行為」に戻れると喜ぶ。その治療内容。
- 背筋の凍る物言いだが、基本的に章を通して彼女のケルト側への対応は、要治療者以外は全て病原菌扱いである。
- 「ああ、このような場所に動物とは、何と不衛生なのでしょう……!」
「しかも複雑に入り混じって、ああ――まさに雑菌の温床です、消毒液を三倍用意します!」 - 第五章にて。相手が新型の魔獣であろうと最初に出る感想は菌の温床扱い。この感想にはある意味凄い、とラーマも驚いた。
- 「そんなだから――同じ天才発明家としてニコラ・テスラに敗北するのです、貴方は」
- 第五章にて、トーマス・エジソンにかけた血も涙もない一言。
- 祖国アメリカを救うために召喚されるも、自慢の物量戦でケルトの軍勢に負けていることを認められず、不毛な消耗戦を続けるエジソン。
- そんな彼を「病人」と断じたナイチンゲールは拳と銃弾と言葉で彼を説き伏せ、最後にとどめの一撃を言い放った。
- 自身の最大のトラウマに直撃したエジソンは卒倒して泡を吹いていたそうな……。
- 「貴方に重圧を掛けている訳ではありません。そこは勘違いされないようお願いします。」
「世界の崩壊を止める責務をただ一人に負わせるなど、本来は正気の沙汰ではないのです。」
「それはまさしく、絶望的な所業に他ならず。狂っていなければ耐えられない。」
「かつての私のように。……貴方はそうではない。」
「努力する必要はあります。しかし重荷を背負う必要はありません。」
「盤石の体制を整えても、兵士は死に、病人は発生する。」
「だから、気楽に決めてもいいのです」
「気楽に、そして誠実に――であれば、私たちはきっと大丈夫。」 - 第五章、全面戦争の前夜、戦力の割振りを任され悩む主人公に対しての気遣い、そして信頼。
- 心が潰されないように、そしてかつての自分のようにはならないように……。言葉によって主人公の心を癒す。
- 「――マスター。さあ、救命の時間です。傷は私が癒します。何もかも全て、元通りにします。」
「何度でも何度でも何度でも。理不尽を踏みにじり、絶望を踏破して。」
「その為に、私は全てを捧げましょう。」 - 第五章、クー・フーリン〔オルタ〕 との決戦にて。膝をつきそうな主人公達を立ち上がらせる声。
- どんな状況であっても不屈の精神で癒し続ける。主人公を、そして―――クー・フーリンを救うために。
- 「――いいえ! いいえ! 否、と幾千幾万と叫びましょう!」
「失われた命より、救われる命の方が多くなったとき、螺旋の闘争はいつか終焉を迎えるはず!」
「いや、迎えさせる。それこそがサーヴァントたる私の使命。」
「だから、この世界から退くがいい魔神。千度万回死のうが、私は諦めるものか!」 - 第五章にて、「
定命の者 は螺旋の如く戦い続けることが定められている」と言う魔神に対して。 - 人の命を奪う"病原菌"がいなくなる未来。そこに辿り着くまで、ナイチンゲールの戦いは終わらない。
- 「感謝は無用ですが、謹んで受け取ります。その代わりと言ってはなんですが……」
「どうか握手を」
「連れ添った患者が退院する時、こうやって手を握りあうのが、私の密かな楽しみだったのです。」 - 第五章、最後の別れにて。報酬は患者の元気な姿だけでいい。それだけでナイチンゲールは戦い続けることができる。
- なお「可愛いところがあるんだね」とからかうと「悪質な冗談」だと顔を赤らめる姿が見られる。
- 「あなたの道にも光がある事を祈ります。
アヴェンジャー……いえ……
―――――エドモン・ダンテス 。」 - 監獄塔における最期の言葉。自らを斃した巌窟王にすら、光あれと願う姿は天使のように。
- ちなみに出出しの「あなたの道にも光がある事を~」とほぼ同義の台詞を、第五章の別れ際にも主人公たちに向けて贈っている。
- 記憶の有無に関わらず口に出たこの言葉には、ナイチンゲール個人の想いが感じられる。
- 「全ての患者を私は救います。決して死者は出しません。救います。ええ。」
「たとえ死傷者をだそうとも 死者だけは出しません。安心、ですね」 - 『ネロ祭再び ~2016 Autumn~』にて。"死"傷者って言っちゃってる。
- 中にはオリンピアを勘違いして荒れ狂う人もいるだろうが……殺菌と消毒には少々
うるさい ナイチンゲールがいるから安心、です。
ちびちゅき!
- 「救護の場はまさに戦場です!体力第一なのですよ!!!」
「匍匐前進10往復です!!手は清潔に保つこと!!!」 - 体育祭で救護班を任されるが、地獄の特訓で体力のないサーヴァント達をノックアウトしてしまう。
メモ
- 宝具の名称の由来はナイチンゲール誓詞の一節「I will abstain from whatever is deleterious and mischievous」(我はすべて毒あるもの、害あるものを絶つ)より。読みの「ナイチンゲール・プレッジ(Nightingale Pledge)」も、ナイチンゲール誓詞の事。
- ちなみに、ナイチンゲール誓詞自体は、ナイチンゲールの作ではない。1893年アメリカ合衆国ミシガン州デトロイト市にあるハーパー病院のファランド看護学校にて、校長のリストラ・グレッター夫人を委員長とした委員会が作ったもの。
- 医師の誓いである「ヒポクラテスの誓い」に倣い、ナイチンゲールの偉業を讃えると共に、看護師の在り方の誓いとして作られた。よってナイチンゲール本人が知る由もないものなのだが、所謂伝承系の宝具の系列であると言えるだろう。
- ちなみに、ナイチンゲール誓詞自体は、ナイチンゲールの作ではない。1893年アメリカ合衆国ミシガン州デトロイト市にあるハーパー病院のファランド看護学校にて、校長のリストラ・グレッター夫人を委員長とした委員会が作ったもの。
- 殊に衛生には狂気的なほど執着する面が見られるが、これは戦時医院の患者の多くが直接的な傷病ではなく、院内の不衛生によって蔓延した感染症により命を落としたことに起因すると思われる。
- 当時のイギリス戦時病院での死亡率は、何と40%以上という代物で、戦場で致命傷を受けて死亡するより病院で死亡する事の方が多かった。
- 一方で自身の健康には非常に無頓着で、クリミア戦争では過労で倒れて入院した事もある。この傾向は生涯続き、家族に泣いて縋られても改めなかった。その結果、心身を披露で蝕まれていた彼女はクリミア戦争終結の翌年に心臓発作で倒れたのがトドメとなり、それ以降は死ぬまでほぼ寝たきりの状態を余儀なくされてしまう(その状態でも手紙や原稿の執筆に時間の大部分を割り当てていたが)。
- 老齢となってからは流石にかなり穏健な人物となったが、やはり自身を酷使する傾向は改善されていなかったようで、亡くなる数年前には完全に失明している。
- 看護師としての道を選んだことで破局を迎えたものの、真剣に結婚を考えるほどにまで愛した男性がいた。後に小陸軍省の異名がついた烈女相手にそこまで思わせたのだから、お相手の方も相当な傑物か人格者だったのかもしれない。
- 設定テキストでも含みのある言い方をされているが、史実の時点で、改革を推し進めるために「人の話を聞かない」エピソードには事欠かない人物である。現界した彼女の性格のどこまでが本来の精神性でどこまでが狂化EXの影響なのかは謎と言うほかなく、(他のクラスにあまり適性がなさそうな点を差し引いても)バーサーカーとして召喚されたのは妥当という声も。
- それらのエピソードを成立せしめた鋼鉄の精神性そのものが狂化EXとイコールである可能性も否定できない。
- 実は『Fate/EXTRA CCC』の敵の新サーヴァント候補に最後まで残っていた模様。
- 『Grand Order』で彼女が実装されたのは3月30日だが、偶然なのかこの日は彼女がその名を有名にしたクリミア戦争の終戦日である。
- 彼女の衣装は、19世紀末〜20世紀初頭にかけて(クリミア戦争当時)のイギリス陸軍のもの。この点から、彼女の真名については初登場の時点から有力な候補として推測されていた。
- 真名が明らかになる前、メルセデスの仮名で呼ばれていた頃は、自動車メーカーの連想から「ベンツさん」と呼ぶファンもいた。
- 第5章と監獄塔の時とで性格が違いすぎるとしばしば言われるが、巌窟王が「相性の点で有効」と言っていたことから、監獄塔の時もクラスはバーサーカーであったと思われる(アヴェンジャーはバーサーカーからの攻撃のみ被ダメ1.5倍)。
- 監獄塔での穏やかな性格は、本来では彼女を突き動かしている使命感を喪失しているからと思われる。巌窟王が彼女の事を「己を失って彷徨う女」と語っていたのは単に自分の名前すら忘れるほどの記憶喪失になったというだけでなく、彼女の精神を構築するはずの信念を失ってしまったが故に出た言葉だろう。
こういった事情ゆえか、監獄塔でのナイチンゲールは言葉づかいも淑女然としたものである。元々裕福なジェントリの家庭に生まれた彼女ゆえ、このような話し口調になることはさほど不思議ではない。
- 監獄塔での穏やかな性格は、本来では彼女を突き動かしている使命感を喪失しているからと思われる。巌窟王が彼女の事を「己を失って彷徨う女」と語っていたのは単に自分の名前すら忘れるほどの記憶喪失になったというだけでなく、彼女の精神を構築するはずの信念を失ってしまったが故に出た言葉だろう。
- 監獄塔での本来の役割は、『第七の裁きの間』傲慢の支配者であった模様。本来なら看護師の在るべき姿の体現者である彼女には非常に縁遠い概念だが、同時にバーサーカーらしく人の話を聞かないその姿がある種の『傲慢』なのも事実である。
- 公式では現状実際に対面した訳では無いが、彼女の看護師としての在り方からして、患者を生み出す死の病や感染症の体現であるペイルライダーとは特に相容れないと思われる。彼女にとってペイルライダーは滅ぼすべき存在その物であり、ペイルライダーにとっても自分と椿を引き離すのが目に見えている彼女は断固として拒絶すべき存在であろう。
話題まとめ
- クリミア戦争
- 彼女が「クリミアの天使」と呼ばれる由縁となった、クリミア半島などを舞台として行われた戦争。
- ロシア・オスマン帝国間で起きた争いにフランス・イギリスが介入したことで大規模かつ泥沼化した。
- 特派員などにより、クリミア戦争の前線における負傷者の扱いが如何に悲惨な状況となっているかがイギリス本国にも伝わり、ナイチンゲール自身も自ら看護婦として従軍する決意を固めることとなった。ちなみにロシアとオスマン帝国の直接対立の発端には、ナポレオン三世(有名なナポレオン一世の甥にあたる人物)が聖地管理権を獲得した動きが多分に影響している。ある意味ではクリミア戦争の発端となったこのナポレオン三世、クリミア戦争の後にソルフェリーノの戦いにもフランス軍を率いて戦い、混戦の結果両陣営に多くの負傷者を出した。この戦争にはナイチンゲール自身は関与してはいないが、後に赤十字社を創設するアンリ・デュナンがこの戦いの現場に遭遇しており、戦場の惨状に強い衝撃を受けたことがきっかけに赤十字運動へと繋がっていく。
- なお、クリミア戦争の結果、脆弱だったウィーン体制[1]は完全に崩壊し、第二次世界大戦が終結する1945年までヨーロッパでは戦乱が続く事になる。
リンク
脚注
- ↑ 1815年のウィーン会議で成立した体制で、ナポレオン戦争で混乱したヨーロッパを絶対王制の下で安定させる為に誕生した。