アサシン (Grand Order)
- 真名:“山の翁”
- 身長:220cm / 体重:不明
- 出典:中東
- 地域:中東
- 属性:秩序・悪 / 隠し属性:人
- 性別:???
- CV:中田譲治
- 略歴
- 『Fate/Grand Order』第六特異点『神聖円卓領域 キャメロット』で獅子王率いる円卓に対抗する為の戦力を欲した主人公らに、当代のハサンである呪腕のハサンが引き合わせるという形で姿を現した。
- 自身が課した試練を潜り抜け、力を貸すにふさわしい相手であることを示した主人公に幾つかの助言を与えた上でアトラス院を訪れてこれまでの特異点にも繋がる人理崩壊の根本的な謎や聖槍の秘密などについての知識を直接手に入れに行くよう助言し、その課題の完遂を条件に決戦の先陣を切ることを約束する。
- 最終盤の聖都攻略戦では交わした約束通り先陣を切り、聖都軍で最も手強い存在であるガウェインの足止めを担う。円卓最強である彼を本気の欠片すら見せずに軽くあしらい、自分の手助けが必要な場面は過ぎ去ったと見ると戦いを中断。敵であるはずのガウェインへ悔いを残さない行動を取るよう忠告を与えつつその場から静かに立ち去る。
- その後、右腕を失い瀕死の呪腕のハサンの前に現れ、魔神と化したトリスタンを一刀の下に切り捨てた。
- そして「右腕が魔神の腕でないなら呪腕のハサンのはずがない」と言う建て前で、任務を果たした彼を『生きながらも役目を果たした山の翁』として山の翁から解任。そして彼に生者として崩壊した時代を復興させる使命を与えた事を仄めかしつつ姿を消した。
- 第七特異点『絶対魔獣前線 バビロニア』では主人公に第六章での行いに対する礼として自力で第七特異点に現れ、ジウスドゥラという老人の名と姿で紀元前2655年のウルクの街に紛れ込み、主人公にいくつかの助言を与え導いた。
- その後、第七特異点最終盤にてついに正体を現し、墜落した冥界から脱出するために飛び立とうとするティアマトの翼を一撃で斬り落とし飛行手段を封じると同時に、ティアマト自身に死の概念を付加することで不死性を無効化。
- ティアマトの不死のロジックを破れず進退窮まっていた主人公達の最後の勝ち筋を拓いてみせた。
- 人物
- 大きな角の付いた髑髏の仮面と胸部に髑髏をあしらった装飾のある甲冑を身に纏った大男。
- 自分の意思では殺す相手を選ばず、『相手が「死ぬべき時を見失った」亡者と化した時にのみ、天主になりかわり救済を与える』という、人を殺すことについて非常に強い理念を持つ。一方的にオジマンディアスの首を落とし、ギフトで強化されたガウェインを軽くあしらい、更には神霊と化した獅子王すら倒せてもおかしくないとされる程の途轍もない力を持ちながら、人理が崩壊するのを黙って見ていたのは、「まだ天命によって討たれる時ではない」または「天命を下すのは自分ではない」からである。加えて、一度自身が手を掛けようとした相手が目前にいても、その相手が身の潔白を示す等して死の天命が過ぎ去ったと判断した場合、手を下す事無く立ち去ることもある。
- ハサン達に対しても同じような考え方であり、基本的に技量・精神のいずれかが衰えて山の翁の資格を失ったと判断した者に対してはいかなる事情があろうとも容赦なく首を落としにかかる。その一方で、事前に資格無しと処断していた呪腕のハサンに対しては世界のその後を鑑みて殺さずに立ち去る等、周りを全く顧みない人物でもない。
- また殺す気のない相手に対しては厳格ながらも基本的には寛大であり、多少失敬な事を言ったりしても怒らずに聞き流したりと器も大きい。
- 持っている知識・情報も非常に豊富で、獅子王の正体や目的を始め、第六特異点の砂漠地帯にアトラス院がある事や、そこで主人公らが協力者を得てやっと手に入れた情報も始めから知っていた。果てはホームズでさえまだ判っていなかったロマンの謎や正体すらも分かっていたようである。ただし、それらを安易に直接教えるような事はせず、あくまでも主人公達が直接出向いて自分達の目で確かめる事を重視して次にすべき事と場所だけを教えた。
- 基本的には他人に考えさせ、行動させ、体験させることで相手を導く様な形で他人と接している。それは情報や計画が不足なまま助力を乞いに来た主人公のみならず、決死の覚悟で頭を下げ、最後にはボロボロになりながらも使命を全うして首を差し出してきた呪腕のハサン、自分の罪や使命を周囲に隠していたベティヴィエール、果てはそれまで敵対して剣を交えていたガウェインに対してすら同じであった。
- 能力
- 「暗殺者を暗殺する」という破綻した役割に大義を与えるため、隠し武器・暗器ではなく、正面から戦う大剣を武器に選んでいる。かつて習得した残滓として大剣を選択した現在でも「気配遮断」のスキルをAランクで所持しているが、隠密行動判定を完全に成功させたとしても“これから殺す相手”には自分の存在を感知されてしまう。しかし第六章においては、『光輝の大複合神殿』の玉座にありて内部の事象を全て探知できるはずのオジマンディアスがまるで存在に気付けず、戦慄を感じて振り返った時には既にその首を刎ねられた後だったという、オジマンディアスをして「まさに神域の暗殺」と言わしめる暗殺を容易く行っている。
- 戦闘の際にはセイバーのように剣を用いて戦いつつ、外套を使って攻撃を受け流す。その技量は俵藤太をして「自身があと30~40年歳を取ってようやく一射届くかどうか、という武の極み」と言わしめる程の遥か高き領域にある。円卓の騎士の中でも屈指の実力を誇るガウェインですらも、まるで本気を見せていない状態であったにも関わらず太刀筋を見切るのが精一杯で、さらには「聖者の数字」によって強化された状態で放たれたガラティーンすらも容易く受け流す、規格外の実力を有する。また、首を刎ねた後にオジマンディアスが全力を以て攻撃を加えたが、これにも傷一つ受けずに神殿から立ち去っている。
- また、地球上の全生命が死に絶えない限り不死身であるティアマトの角翼を一撃で切断した時には、自身の「冠位」の霊基を代償にすることでティアマト自身の霊基パターンを変化させて死の概念を付与させ、その不死性を打ち消すという離れ業すらもやってのけた。
- 第六特異点においては他にも、カルデアのモニターにその姿や存在を捉えられない、主人公の反応を一瞬消失させカルデアの観測上死亡した状態にさせる、聖都の城壁の弓兵を尽く無力化しつつガウェインの「辺りを強制的に快晴にする」ギフトを無効化する程の大規模な砂嵐を一切の魔力を使わずに発生させる、静謐のハサンに取り憑いて試練として強制的に戦わせるなど、様々な異能を使用していた。
- 第七特異点ではティアマトを守るラフムとの戦いの際主人公のサポートサーヴァントとなってくれるが、「冠位」クラスを捨てた直後でも尚その強さや技量は健在であったようだ。
ステータス
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アサシン | 主人公 (Grand Order) | B | A | B | E | E | A | 対魔力:B 気配遮断:A 単独行動:B 境界にて:A |
戦闘続行:EX 信仰の加護:A+++ 晩鐘:EX |
宝具
- 死告天使(アズライール)
- ランク:C
種別:対人宝具
レンジ:1
最大捕捉:1人 - 何の変哲もない大剣。“山の翁”が生涯振るい続け、信じ続けた信仰が染みついている。
- 幽谷の境界を歩み続ける“山の翁”の剣は、全ての攻撃に即死効果を付与するという。その確率は低いものだが、どのような強敵であれ即死の危険性を与える。
- 幽谷にあるものは死に慣れ、同化しているため、即死耐性と魅了耐性を獲得する。
- また、ステータス欄にある宝具ランクがAであるのに対し、「死告天使」はCランクである。元々歴代ハサンを暗殺するための宝具であるため、初代ハサンとして活躍した時代の「ザバーニーヤ(Aランク)」が別に存在するのでは噂されている。
真名:“山の翁”
- “山の翁”。11~12世紀に活動していた人物で、イラン中西部のアラムート城砦を拠点に自らの教派を築いた暗殺教団「山の翁」の初代首領。その後も歴代のハサン・サッバーハ達の影にあり続けた存在。
- しかし他の18人のハサンたちも、教団の信徒たちもこの人物の正体を知らず、また実在したという証拠は何処にもなく、暗殺教団においてただひとりの目撃者もいないとされた。それもそのはず、この人物を見た者はその時点で命を終えている為だ。
- 暗殺教団がアサシンとして成立した後、『山の翁』という名前が称号に成り代わってから誕生した最初のハサン・サッバーハであり、『山の翁』の始まりであった彼は、同時に教団の腐敗を断罪する監視者としての人生を選んだ。
- 神の教えのもと正しい教団ではあるが、その行いは人としての悪である事は免れない。だからこそ、この人物は教団の腐敗、即ちトップである『山の翁』の堕落を許さなかった。
- 神の教えを守る者たちが人の欲に溺れる。それこそが、神への最大の冒涜となるからである。精神の堕落であれ技術の堕落であれ、衰退した『山の翁』の首を断つ事で罪の許しと、次の『山の翁』に託す希望となる。
- この髑髏を目にした時こそ、その人間の終わり。教団の教義を違えた愚か者に鉄槌が下された後、髑髏の剣士の姿を見た者はこの世から消え去るのだ。数々のアサシンを葬り去って来た彼は、暗殺教団が滅びるまでその闇に潜んでいたという。
- 命を保ったまま「アズライールの聖廟」という歴代のハサンしか知らない場所に住まい、彼らにハサンたる資格が無くなったときと判断した際に首を刎ねてきた。故に、歴代のハサンが生きて彼の霊廟を訪れることは「自身に翁の資格なし」と進言するようなものであり、また、生きてハサンの任を解かれた者は歴代で一人として存在しなかった。
- 生きた伝説にして、誰一人として目撃者のいない暗殺者の深淵。その代のハサン・サッバーハが道を違えた時に現れ、その首を断つという伝説の暗殺者。ハサンを殺すハサン。それがこの髑髏の剣士である。
登場作品と役柄
Fateシリーズ
- 〔アサシン〕キャラクターデザイン:Ryota-H / 設定作成:??? / レア度:☆5
- メインシナリオでは第六特異点で初登場し、その凄まじい力と圧倒的な存在感を以って主人公達を支援した。第七特異点にて一度限りではあるが、NPCとして使用可能。
- その後「“山の翁”ピックアップ召喚」の開催に伴い期間限定でガチャに追加。イベントガチャ限定サーヴァントであり、恒常的な入手手段は現状ない。
人間関係
- 呪腕のハサン
- 自分の後輩にあたるハサンの一人。
- 『Fate/Grand Order』の第六章では彼の要請に応える形で主人公らに力を貸し、最後にはハサンとしての資格を失った彼に新たな使命を授けた。
- 百貌のハサン
- 自分の後輩にあたるハサンの一人。
- 『Fate/Grand Order』のイベント「Fate/Accel Zero Order」では断末魔に「鐘の音が聞こえる」と言っていたので、彼らの最期にも現れたのかもしれない。
- 静謐のハサン
- 自分の後輩にあたるハサンの一人。
- 彼女が言っていた、「あの御方」というのが彼のことと思われる。
- 煙酔のハサン、震管のハサン、影剥のハサン
- 自分の後輩にあたるハサンたち。
Fate/Grand Order
- 主人公 (Grand Order)
- 「キングハサン」の名付け親。第六章においてハサン達と共に自らを訪ねて来た存在。
- 第七章最終盤では一時的に契約を結んだ。
- ロマニ・アーキマン
- シャーロック・ホームズと同じく素性や過去の経歴などを隠している彼に会話を見聞きされないようにカルデアからの通信を遮断した。ただ、彼の事を調べる事すら出来なかったホームズとは違い、彼の正体や謎について何か知っていたらしい。
- オジマンディアス
- 彼の神殿へ気づかれる事無く潜入し、首を刎ねた。神殿の力でオジマンディアスは死なずに済んだが、首が元に戻るまでは相当な日数がかかった。当の本人からもかなり警戒されていて、主人公一行にすぐに表立って支援しようとしなかった理由の一つにこの強大なハサンの存在がある程であり、既に向こうの協力を取り付けている事を知っていたら主人公一行の実力を試すまでもなくすぐにでも力を貸すつもりであったらしい。
- ガウェイン
- 主人公達の獅子王討伐に手を貸す約束をした際、先陣を切って彼と闘う事を宣言した。聖都軍の予想外の劣勢に立たされて出陣し、
転輪する勝利の剣 で連合軍を焼き尽くそうとした彼の前に立ちはだかり、正面から斬り合う。獅子王側に付いた円卓の騎士の中でも最強の存在とされる彼を相手に終始圧倒し続けるが、彼が自分の手で殺さねばならない存在でないと判断すると彼に自身との間にある途方も無い実力差を見せつけた上で攻撃を止め、彼に後悔しないよう王城へ向かうように忠告をして立ち去った。 - マーリン
- 自身と同じく冠位に属する存在。七章の終盤では共に姿を現した。マーリンからは「キング君」と呼ばれている。
名台詞
- 「神託は下った……!」
「聞くが良い。晩鐘は汝の名を指し示した。告死の羽―――首を断つか、『死告天使 』……!」 - 宝具発動。晩鐘を耳にし、告死の天使から逃れられる者はいない。
- 「何処だ」
「何処だ……!」
「何処だ!」 - 戦闘でのカード選択時。屍の山を築くために戦場を駆ける。
- 一方で渋い声で「何処だ」「何処だ」と言いながら戦っているため、徘徊老人みたいだと思われることも。2017年のエイプリルフールでサーヴァント説明文に「徘徊おじいちゃん」と書かれていたのはこれのせいかもしれない。
- 「働け」
- マイルーム会話その1。怠惰は罪である。とにかく働け。
- ちなみに史実のハサン・サッバーハもその勤勉さは記録に残っているほどで、一年はかかると言われた仕事をわずか40日で終わらせた逸話が存在する。
- 「汝は異教徒ではあるが、信じるに足る者のようだ。特に心が良い。何事にも動じぬ精神こそ、我らに必要なものだった」
- マイルーム会話「絆Lv4」。彼は狂信者であるが、真に心正しき者は異教徒であろうとも信ずるに値する。
- 「良い旅だ。良い思い出だ。良い、実に良い──―我が終わりだ。
この戦いの終わりに、今度こそ消えたいものだ、我が契約者よ」 - マイルーム会話「絆Lv5」。断罪のために生き続けなければならなかった暗殺者は、ここに自らが望む“旅の終わり”を見出した。
- 「嫌悪するもの? 怠惰、堕落、劣化哉」
- マイルーム会話「嫌いなこと」。教団のトップである『山の翁』の堕落を、骸骨の剣士は許さない。
- 神の教えを守る者たちが人の欲に溺れることが堕落であり、神への冒涜。そして堕落したハサンの首を断つのが、“山の翁”の役目である。
- 「聖杯などというものはない。妄想と狂信を混同してはならぬ」
- マイルーム会話「聖杯について」。彼の信じる教義に聖杯は存在せず。ゆえに願望器は戯言に過ぎない代物である。
- 「呪腕のか。悪魔の腕を取り付けてまで何を掴んだ? 己の愚かさか? では──首を出せ」
「静謐のか。毒に浸した肢体で何を護った? 野に咲く花すら護れぬ孤独か? 馬鹿め。──首を出せ」
「百貌のか。無数の知恵で何を積み上げた? 百の魂で一の真偽を奪い合う欲望か? 愚か者め。――首を出せ」 - 歴代ハサン所持時におけるマイルーム会話。後任達への余りにも辛口な評価の最後に必ず「首を出せ」と付け加える。とはいえ、後任達への生前や願いを踏まえて言ってるようにもとれる。
- 「―――魔術の徒よ。
そして、人ならざる者たちよ。
汝らの声は届いている。時代を救わんとする意義を、我が剣は認めている。
だが———我が廟に踏み入る者は、悉く死なねばならない。
死者として戦い、生をもぎ取るべし。その儀を以て、我が姿を晒す魔を赦す」 - 姿を見せず、気配も晒さず…どころか存在さえ感知させずに主人公達へと語りかけられた台詞。この台詞の前に主人公は彼の攻撃によって(しかもその攻撃はマシュによって防がれたにもかかわらず)一瞬生体反応が消失、すなわち「死亡」したこととなっていた。
- このすぐ後に静謐のハサンの意識を乗っ取り、霊基を強化したうえで主人公達に試練として差し向ける。
- 「……生をもぎ取れ、とは言ったが。どちらも取るとは、気の多い男よ。
だが結果だけをみると言ったのはこちらだ。過程の善し悪しは問わぬ。———解なりや。」 - 意識を乗っ取られた静謐のハサンを殺す事なく無力化し、与えられた試練を達成した事に対する台詞。最初は試練に則って主人公か静謐のハサンのどちらかが死ぬまで戦わせるつもりであったが、自身の勝利と静謐の生命の両方を勝ち取った主人公に感心し、このような形での試練の達成を認めた。この台詞の後、ついにその姿を主人公達の前に姿をあらわすことになる。
- 「無粋な発言は控えよ、魔術師。
汝らの召喚者、その蛮勇の値を損なおう」 - 「貴方は「冠位」のサーヴァントなのではないか」と問おうとしたロマンに対してカルデアとの通信を剣の一閃で文字通り「切断しながら」放った台詞。
- この時点で既に彼の正体について見当が付いていたらしい。
- 「―――良い。」
- 「好きに呼ぶがよい。
我が名はもとより無名。拘りも、取り決めもない。」 - "骸骨の偉い人"だの"キングハサン"だのと珍妙な呼ばれ方をしたことに対してのコメント。あれこれあだ名をつけられても特に気にしていない様子で、本人の器の大きさが窺える。
- 「呪腕よ。
一時の同胞とはいえ、己が運命を明かさなかったのか。
やはり貴様は何も変わってはおらぬ。諦観も早すぎる。
……面を挙げよ、呪腕。既に恥を晒した貴様に、上積みは赦されぬ。
この者たちと共に責務を果たせ。
それが成った時、貴様の首を断ち切ってやろう。」 - 呪腕のハサンが主人公達に己が死ぬという事を告げずに来たことを知って放たれた台詞。仲間である主人公達が自分の命を惜しんで援助を頼みに行くのを躊躇うことを恐れる余り、わざと自分が殺される事を黙っていた呪腕のハサンの行いを咎めている。
- 本来呪腕のハサンは当代のハサンとして責任を取る形で“山の翁”に首を刎ねられる筈であったが、結果的に主人公達と共にこの時代の修復を成し遂げるまで延期されることとなった。
- 「アトラス院に急ぐがよい。残された時間は少ない。
獅子王の槍が真の姿に戻る前に聖地を―――聖なるものを、返還するのだ」 - 呪腕のハサンに主人公達の補佐を命じたのちに告げた台詞。ベディヴィエールが隠し通していた彼自身とその銀腕の真実、そして獅子王の聖槍の正体と真の目的を既に見抜いていることが分かる。
- 「ハサン・サッバーハ。幽谷の淵より生者を連れに参上した。
天を見よ、粛清を驕る騎士よ。
―――その頭上に、日輪の陽はあるか」 - 外套の一振りでガウェインの斬撃を難なく防ぎ、何者かと問われての名乗り。
その鎧と髑髏を模した仮面もあって、さながら本物の死神の如き威容である。
- 「おかしな事を言う。呪腕のハサンめの首、たった今落としたところだ。
これなる骸の腕は呪腕のもの。であれば、それは呪腕の翁であろう。
貴様はすでに山の翁ではない。よって、我が剣にかかる道理もない。」 - 「……死をもって
免責 するのが我らの常。それを……
生きたまま任を終えるものがいようとはな。
誇るがいい。いたらぬ暗殺者なれど、我ら十九人の中でただひとり、翁の軛 から逃れたのだ。」 - 呪腕のハサンの決死の攻撃の結果受肉したシャイタンの首を一太刀で落とし、次に満身創痍の呪腕のハサンの首を落とすのか、と思いきや仕留めることなくこう宣告して姿を消した。
- 首を落とされることなく任を終えたという事実に呪腕のハサンは……。
- 「……死なくして命はなく、死あってこそ生きるに能う。そなたの言う永劫とは、歩みではなく眠りそのもの。
災害の獣、人類より生じた悪よ。回帰を望んだその慈愛こそ、汝を排斥した根底なり。」
「冠位など我には不要なれど、今この一刀に最強の証を宿さん。
獣に堕ちた神と言えど、原初の母であれば名乗らねばなるまい。
―――幽谷の淵より、暗き死を馳走しに参った。
山の翁、ハサン・サッバーハである。
晩鐘は汝の名を指し示した。その翼、天命のもとに剥奪せん―――!」 - 7章終盤にて。天変地異たる原初の神の前に立つは天運の果てを告げる死神。冠位を司る彼の一閃は不死の存在に等しいティアマトにさえも“死”を自覚させた。
- 「―――それは斬り甲斐がある。角一本を砕いただけでは、この剣も錆びるというもの。
カルデアの魔術師よ。暗殺者の助けは必要か?」
「冠位の銘 は原初の海への手向けとしたが、我が暗殺術に些かの衰えもなし。
契約者よ。告死の剣、存分に使うがよい。―――願わくば、末永くな。」 - 同上。魔神柱を超えるとされるティアマトの子供達を前にして、冠位を捨てて主人公との契約を交わす。ティアマトを討伐するにあたってはこれ以上ない程の援軍に主人公達(及びプレイヤー)は胸を熱くするのだった。
メモ
- 作中での名前の表記は「“山の翁”」となっているが、基本的に他者からこの名で呼ばれることはなく、主人公やマシュは「キングハサン」と渾名をつけている他、ハサン達は「初代様」、玄奘三蔵は「骸骨の偉い人」、マーリンは「キング君」と呼称している。
- 最も前述の通り本人は自身の呼び名に関しては頓着しておらず、どう呼ばれても大して気にはしてはいない。「キングハサンと呼んでもよい……」とのコメントも。
- 初登場時からそのあまりにもデタラメな強さと「ずっと在り続けている」という点から、最高のサーヴァントである七騎「グランドクラス」の一人であることが確実視されていた。
- なお、その点を指摘されかかった際には台詞の項の通り、「無粋」と話を途中で遮った。さらにその際カルデアからの通信(それも映像+音声のみを選択して)を文字通り「斬った」。物理的に干渉しえないものを切断する、更には基本的に不死の存在であったティアマトに死の概念を付与するという規格外な事をやってのけた。サーヴァントとして見ても化け物じみたとんでもない所業である。
- 「信仰の加護」はA+++。このスキルはランクが高すぎると人格に異変をきたすと言われているが、彼の場合はそのような節は見られない。影響がないのか、あるいは異変してこういった性格になったのか。今のところ詳細は不明である。
- また「信仰の加護」を持つ者に共通する、聖杯を望まないサーヴァントの一人。くわえて“山の翁”の場合はイスラム教徒なので、聖杯の存在自体を否定している。
- 竹箒日記によると、『Grand Order』におけるサーヴァントの中で一番初めに戦闘ボイスを作ったキャラで、収録自体は実装の二年ほど前に行われていた。[1]
- 『Grand Order』では出演表記が決定されている豪華声優陣の中に、事あるごとに出続けてTYPE-MOONでは定番となりつつある中田譲治氏が長らく表記されなかったが、第七章で“山の翁”がスポット参戦したことを皮切りに表記されることとなった。
- 余談だが、荒耶宗蓮と言峰綺礼、そして“山の翁”と、TYPE-MOONにおいて「世界三大宗教」に関わるキャラクターを演じるという快挙(?)を成し遂げたのであった。
- また、これまでの中田譲治氏演じたTYPE-MOON作品のキャラは中ボスだったり、ラスボスだったりとギャグ作品を除いては主人公とは敵対する人物が中心だったが、本作では初めて最初から味方であるキャラとなった。
- 性別が「???」となっているが、他の性別不明サーヴァントであるシュヴァリエ・デオン、アストルフォ、エルキドゥらとは違い『Grand Order』におけるゲームシステム上は男性として扱われている。
- 『Grand Order』で2017年のバレンタインイベントでお返しにくれる「アル・ブクール」は、作中でも述べられているように魔除けのお香であり、一般的には白檀を中心にした配合である。「山の翁」の伝承から類推されやすいが、ハシシではない。
- なお、イスラム圏においてはお香は非常にポピュラーな文化であり、客をもてなす際にも食事と並んでコースの一つとされる程である。