遠坂時臣
- 読み:とおさか ときおみ
- 誕生日:6月16日/血液型:O型
- 身長:177cm/体重:68kg
- イメージカラー:深紅
- 特技:チェス
- 好きなもの:ティータイム/苦手なもの:反則攻撃、不慮の事態
- 天敵:アイリスフィール
- CV:速水奨(Fate/Zero)/辻谷耕史(TVアニメFate/stay night)
第四次聖杯戦争時の遠坂当主。由緒正しき魔術師として根源到達を目指し、聖杯戦争に臨む。
- 略歴
- 遠坂家五代目継承者。
もともと魔術師としてはさほど才覚豊かな人物と言うわけではなく、歴代の遠坂の中でも凡庸な人物であった。しかし、その克己と自律は強固なもので、必要とされる数倍の修練と幾重もの備えをもって事に当たり、常に結果を出してきた。その結果、家訓「常に優雅たれ」に忠実な人物として、魔術師達からも一目置かれる存在となっている。
第四次聖杯戦争には監督役である言峰璃正とも通じ、アサシンのマスターである言峰綺礼を幕下に加えるなど幾重にも策謀を巡らせた上、英雄王をサーヴァントとして召喚し、満を持して臨む。
- 人物
- 揺ぎ無い信念と自負を持った「本物の貴族の生き残り」。
その克己と自律に支えられた実力・実績から確固たる自信に溢れた人物。だが、それゆえに己の行動が間違っているなどとは疑わない。くわえて、一族の遺伝的な呪いともいうべき、肝心なときに足元を疎かにする「遠坂うっかりエフェクト」もしっかり持ち合わせている。
魔術師としては珍しく家庭人としての描写もされており、余りに稀有な資質を生まれ持った二人の娘の未来を慮り、長くジレンマに苛まれた末下した決断は、その後『stay night』のクライマックスに繋がっていくことになる。
「正道の魔術師」として根源を渇望し、確固たる信念と価値観を持って「将来的に根源を求めて二家に分かれた遠坂の子孫たちが相い争うこととなり、そのどちらが勝者となって根源に至るならば、その末裔たちは幸福である」と傲慢かつ冷酷に断言する一方で、事実「愛情深い家人」でもあるという、TYPE-MOONの世界観からすると二律背反とも言える複雑な人物とされる。
自身のサーヴァントであるギルガメッシュに対し正しく臣下の礼は取っていたが、六騎のサーヴァントを殲滅させた後には大聖杯起動のために令呪で自害させるつもりでいた。
「英雄王」に心からの敬意を払っていたことは事実だったが、自身が召喚したサーヴァントについては「英雄王の写し身」、いわば肖像画や彫像などの偶像と同列の存在に過ぎないもの、ひいては己の道具であると見なしていた。この事実は後に師からの離反を決意した綺礼によってギルガメッシュに暴露される。
これによって時臣の采配の無粋さ・退屈さに飽いていたギルガメッシュに完全に見限られ、自ら与えたアゾット剣によって綺礼に刺殺されるという余りにあっけない最後を迎える。
さらに彼の遺体は綺礼によって雁夜と葵に悲劇的な最後を与えるための舞台道具として使われてしまった。
登場作品と役柄
- Fate/stay night
- オープニングの凛の回想に登場。最後の言葉を遺していく。
- Fate/Zero
- 開戦前から策謀を巡らし、前半戦では綺礼に情報収集をさせながら自身はひたすら遠坂邸に伏す。
- とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦
- あらゆる場面で、とにかく「優雅さ」に拘る。だがサーヴァントと弟子から玩具扱いされている事に気づいていない。
- Fateゼロカフェ~Fate/Zero Cafeに集う英霊達~
- 優雅にド天然。常々、葵や凛との幸せ家族っぷりを雁夜に見せつける。
勝手に遊び歩く英雄王と連絡を取るためだけに、携帯電話の使い方を覚えるという快挙を成し遂げた。
人間関係
- 言峰璃正
- 同盟者。聖杯戦争の監督役として本来中立の立場でありながら、裏では通じていた。
- 言峰綺礼
- 魔術の弟子にして幕下。通信器越しに指示を与え、情報収集させる。
多大な信頼を寄せるも最後には裏切らてしまう。 - アーチャー
- 契約したサーヴァント。使い魔とはいえ「貴い者」として臣下の礼を取る。
- 間桐雁夜
- 桜を間桐の養子に出した事で深く恨まれる。
名台詞
Fate/Zero
- 「……勝ったぞ綺礼。この戦い、我々の勝利だ……」
- 原作では璃正の台詞だったが、アニメ版では時臣に変更された。ギルガメッシュ召喚時の強烈な死亡フラグ。
余りにもあからさまなフラグだったため、時臣のセリフで最も知名度の高いものとなってしまった。
- 「フフ、君にはファクシミリのほうが便利にでも見えるかね?
これなら電気も使わないし、故障もない。情報漏洩の心配も皆無だ。
なにも新しい技術に頼らなくても、われわれ魔術師はそれに劣らず便利な道具を、とうの昔に手に入れている」 - 遠坂の遠隔通信魔術についての解説から。
インクや宝石のコストパフォーマンスに気付いていないのが遠坂家らしい。というか、きっとFAX使えないだけです。だって、凛の親だし。
余談だが、時臣のように手間や圧倒的なコストパフォーマンスの差がありながらも科学技術や機械ではなく魔術の神秘に頼ろうとする魔術師は多い。
- 「そうだ。首尾よくアレを呼び出したなら、その時点で我々の勝利は確定する。
喜びは皆で分かち合いたい」 - 手配していた聖遺物が到着し、ギルガメッシュ召喚の準備が整った際に。
確かに最強のカードではあるが、この後、時臣は奔放な英雄王に振り回され続けることになる。
TYPE-MOON Fes BDBOX特典CD
- 「落ち着け、落ち着くのだトッキー。
私は遠坂の家長。 世界が滅びても私だけは、全優雅でなくてはならん。
なに大丈夫だ、信頼していた弟子に後ろから心臓一突きされた事に比べればなんとか耐えられる、耐えられるとも」 - 凛が丈の短いスカートで飛んだり跳ねたりしてると知りワインを噴くほど動揺するトッキ―。
- 「それに! 視点を変えれば、あれはあれで慎ましいではないか。
先ほどのカレン嬢など、そもそもスカートを穿いていなかった。
あれに比べれば、うちの娘は貞淑すぎると言っても過言ではないっ」 - 唇を噛みしめ血の涙を流しながら己を納得させようと苦悩する紳士の姿が、そこにはあった。
- 「私はこれでも紳士だ。一夫多妻制にも理解はある。
あれはあれで、出来るのなら、誰でもやるべきだ。 私だってしてみたかった」 - 「だが、それが我が娘たちとなると話は別だ。凛だけでなく桜も。
ということは、一人では不満と言うことだな。それが私には解せない。
一体! 私の娘の、どこが!不満だと言うのかね!」 - 士郎が凛と桜(あとセイバー)の恋人だと聞き士郎に真意を問う。ただの親馬鹿だった。
とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦
- 「お褒めに与り光栄です英雄王。遠坂が積み上げし才能は、かならずや我が娘たちにも引き継がれましょう。特に凛とか」
- 色物としての才能は魔術の腕より上かもしれん末代まで磨き上げるがよい、と言われてこの対応である。天然?
見事に受け継がれましたね、遠坂うっかりエフェクト。
メモ
- 作中での実戦描写が少ないためその実力の程が推測しづらい人物だが、原案の奈須きのこ氏によれば「切嗣以外のマスターでケイネスに太刀打ちできるのは時臣だけ」とのこと。ちなみにドラマCDの方では、「神業」と表現されるような超絶技巧も披露している。
- 時臣自身は根源に到達した後も帰ってくる気満々のようだが、これは『魔法使いの夜』などで明らかになっているTYPE-MOONの世界観(原案である奈須きのこ氏の設定)とは矛盾すると思われる。
- 娘の凛が「クォーターである」と明言されているため、その父親である時臣にはハーフである可能性がある。
- 時臣が葵へ求婚したのは間桐臓硯と同じく禅城の母体を求めたが故であり、やはりその本質はどこまでも魔術師である。
とはいえ、葵が二人の子を産み「魔術師としての時臣」にとっては用済みになった後も、時臣は良い家人であろうと努め、夫婦仲・親子仲は非常に良好であった。葵は魔術師としての歪みを抱える時臣をその冷酷さごと盲愛していたが、幸か不幸か、娘二人は父親のそういった面を知らずに育つこととなる。- 成長した凛が今の性格なのは、魔術の本格的な修行に入る前に時臣と死別し、時臣の魔術師としての顔を知らずに済んだから、という要因もある。
なお、時臣が生存した場合の凛は、「成長に伴って父親の冷酷さを理解し反発、魔術そのものを忌避するようになる」か、「父親同様に魔術師らしい魔術師になる(きのこ曰く冷酷な魔女。虚淵によるとイメージ的にはソラウみたいなやられ役)」らしい。 - 但し、本来魔術刻印が馴染み易い第二次性徴までには後継者としての修行を終えているのが理想である魔術師の名家においては、「凛のあの年齢ならば父親の魔術師としての側面は嫌でも見ざるを得ない」。そもそも後付ではあるが、理由としてはかなり苦しいものがある。
- 成長した凛が今の性格なのは、魔術の本格的な修行に入る前に時臣と死別し、時臣の魔術師としての顔を知らずに済んだから、という要因もある。
- 桜を養子に出したのは、長女の凛を当主とした場合、二女の桜はその稀有な資質のために一般人にもなり切れず、魔術協会や怪異に脅かされ続ける未来しかないと思ったが故の親心からである。
もっとも、時臣自身は間桐家の養子縁組を「桜を一人前の魔術師にする魔道の名門にして盟友のありがたい話」と思っていたが、実際には桜の扱いは「間桐家の魔術師を生み出す胎盤」でしかなかった。- 海魔戦での雁夜とのやり取りで見せる時臣の「TYPE-MOON世界での正道な魔術師としての顔」は、原案の奈須きのこお気に入りのシーンらしく、『本来なら自分が書くべきことだった』とまで言っている。
- なお『Fate/Zero アニメビジュアルガイドII』にて、上記のシーンが演じられたアニメ14話の誌上コメンタリーでは……東出「ここで王道の五大属性を跡継ぎに選ぶ辺りがやっぱり時臣ですよね。稀有な属性の桜を選ぶっていう博打を打てないという」奈須「虚数という稀有でオンリーワンな能力より、五大属性というオールマイティな能力のほうが強いと判断しちゃった。いや、実に正しいんだけど。遊びが足りない。愉悦が足りない。そしてなにより中二力が足りない」などとあんまりな言われようである。
- 作中、言峰とギルガメッシュの裏切りに気付かずに死んだり、臓硯の企みに気付かずに桜を養子に出すなどが原因で見る目が無いと判断される時がある。
しかし、言峰と初対面した際に彼の空虚さを感じ取ったり、数いる英霊の中からギルガメッシュを事前に最強クラスのサーヴァントである事を判断して召喚するなど、一定の推察力はあるのは伺える。 - 娘の凛は「ギルガメッシュと最高に相性がいい」と公式にコメントされているというのに、同じく金のかかる父親の方は見限られてしまった。うっかり屋と慢心王という面では共通するものがあるのだが。
- ギルガメッシュ本人は当初は臣下と振る舞う彼に対し、アレはアレでこの時代にしては稀少な男とそれなりに評価していた。が、采配や目的などが原因で「つまらない男」と徐々に評価を下げていくも臣下の礼に免じてその方針に従っているという状態になってしまった。
上記の底意についてはむしろ、「見所がある」として一定の評価を下している。しかし、「つまらない男」から格上げされるには時機を逸し、造反を留まらせるには内容がアレだった。
- ギルガメッシュ本人は当初は臣下と振る舞う彼に対し、アレはアレでこの時代にしては稀少な男とそれなりに評価していた。が、采配や目的などが原因で「つまらない男」と徐々に評価を下げていくも臣下の礼に免じてその方針に従っているという状態になってしまった。
- 平行世界の第三次聖杯戦争で、遠坂はユグドミレニアに敗れ霊脈と密接に繋がっていた大聖杯を奪われてしまった。
なので遠坂は素直に聖杯を諦め、冬木市で別のアプローチを探っているという。時臣も聖杯戦争がなければ生きている可能性がある。 - 『stay night』での凛曰く、「十分長生きしたって言うか、天寿は全うした」。凛が強がっていたという仮定を加味しても、SN時点ではかなり高齢な父親を想定していたことが伺える。
- PS2版『Fate/stay night』及びTVアニメ版『Fate/stay night』に登場していたキャラクターのキャストが変更されていない『Fate/Zero』のアニメにおいて、唯一キャストが変更されたのが時臣である。これは、TVアニメ版SNで時臣を演じた辻谷耕史氏が声優ではなく音響監督として参加したついでに少ししか喋らない時臣を演じた(正式にキャスティングされたわけではなかった)ことが原因と推測される。
- 『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』の世界では彼がどうなっているのか、語られていないために不明。ただしケイネスとロード・エルメロイII世の関係のように、彼もまた何らかの形で落命していると思われる。
- 雁夜によれば、学生時代の時臣は生徒会長をやっていたという。(超時空トラぶる花札大作戦)
話題まとめ
- プロットの都合
- 魔術師としてもマスターとしても聖杯戦争にピリオドを打つはずだった人物とされ、時臣の戦略を引き継いだ綺礼が事実上の優勝者となったことからも、その方針が確かなものであったことが窺える。
彼の戦略自体は万全であったのだが、しかし『Fate/Zero』をエンターテイメント作品としての観点で見た場合には、時臣の戦略通りに進展してしまっては物語が何の山場も無く終わってしまい、作品として何の面白味もない。このため、時臣は終始想定外の事態に悩まされ、大した成果も残せないままに退場となってしまった。
ある意味「プロットの都合」の被害者と言えるかもしれないとは、『Zero』筆者である虚淵氏の言。
- 物語の時系列としては、第五次の綺礼は第四次の時臣の戦略を踏襲し、諜報用と決戦用のサーヴァント二騎による二段構えで臨んだ――ということとなるが、作品の執筆の時系列からすれば『Zero』での時臣の戦略は、『stay night』での綺礼の戦略のオマージュということになる。
- 作戦自体は有効で必勝の戦法ではあるのだが、セカンドオーナーの鑑である筈の彼が、「魔術をこれ見よがしに行使しつつ霊地の質を下げかねない害虫のようなキャスター一派の悪行に積極的に対処しない」という齟齬が生じた。
- キャスター組の蛮行に気付いた時点で対処を即断し、ルール変更で他の参加者全員にキャスターを狙うよう仕向けるなど作戦の進行に差し支えない範囲で積極的な対処は取り、追い詰められるのを狙ってではあるがトドメもアーチャーに殺らせるつもりではあった。が、キャスターの狼藉の奇天烈さは時臣の対処を飛び越えていたため大海魔の出現を許し、時臣の沽券は完膚無く踏みにじられることとなる。
- 作戦自体は有効で必勝の戦法ではあるのだが、セカンドオーナーの鑑である筈の彼が、「魔術をこれ見よがしに行使しつつ霊地の質を下げかねない害虫のようなキャスター一派の悪行に積極的に対処しない」という齟齬が生じた。
- 時臣が弟子に与えたアゾット剣が持ち行く因果は、『stay night』の時点でたっぷり仕込まれている。
- Zero時点での遠坂家の財政状態について
- 時臣の代での遠坂家は『stay night』とは違い、「工房に宝石が溢れている」「海外に別邸を構えている」など、その資金の潤沢振りが伺える。当時の遠坂家の収入源は主に二つあり、
- 一般人相手の土地貸付(テナント料収入):彼は先代共々商才に恵まれた人物であり、冬木市のセカンドオーナーとして霊脈の要衝として押さえていた土地を貸し付け、行き届いた霊脈管理によって悪運・災難・霊障の類から守られた事業はことごとく成功し、莫大なテナント料を手にしていた。一般人相手の商売でこれだけ成功を収めた例は、魔術師全体で見ても数少ないらしい。
- が、凛に受け継がれるはずだったそれらの財産は、彼女が成人するまでの僅かな期間に、後見人である綺礼のまったくずさんな管理によって、重要な土地が殆ど人手に渡ってしまうこととなる。清貧を重んじる神父ならではの価値観によって行われたことであり、この件に関しては綺礼に悪意があったわけでは(一応)ない。綺礼が色々な意味で凛の天敵であるということを表すエピソードの一つ。
- 魔術式の特許料:彼は魔術協会に「魔術を簡略化する魔術式」の特許を登録しており、それは死後も特許料は凛の大事な資金源となっている。その需要は徐々に落ち込んできているが、それでも『stay night』の頃でも年に数千万単位の収入らしいので、時臣が存命であった頃は更に高額な収入源であったろうことが伺える。
- とは言え、遠坂家の魔術系統は使い捨ての宝石一つウン十万円からという超絶金食い宝石魔術であるため、支出も収入に見合うだけの額であったようだ。
ちなみに、Zeroアニメでの遠坂家の魔術工房は『stay night』でのそれを踏まえて美術設定されており、備品の数を見比べてみると時臣の死後の遠坂家の財政変化が伺える。やはり凛の資金難は一生ついて回ることのようである。
- 魔術師としての思考回路
- 理想に殉じる自分と同様に、誰しも理想や誇りがあるはずと考える性格であり、綺礼はおろか切嗣や雁夜についてすら、魔術の修行をしたのは正当な目的があってのことだろう、と推察している。
綺礼は時臣のこういった傾向を見て、「父(璃正)と同類」「理想だけしか見えていない者に、理想を持てずに迷う苦しみなど理解できる道理がない」という評価を下している。
- この一連の時臣の思考傾向からすれば、雁夜が一度魔術継承を拒んだのは「怠慢」、一度拒んだ魔術継承を再び望んだのは「醜悪」であるとしか映らず、切嗣の方もその目的が「金銭」にあると思い込んだ。それ以外の事情には考えも及ばない、魔術師としての生き方のみにしか価値を見いだせない人物である。
- 「才覚豊かではない」と評されてはいるが、あくまで遠坂の血筋の中ではという話。魔術師としては間違いなく非凡な人物であり、凛の十年後の活躍、綺礼の短期での魔術習得から(本人の才能もしくは修練の度合いが桁違いだったため評価しにくいが)魔術の師としても優秀だったと思われる。
- ケイネスとも共通するが、その「魔術師らしさ」が確固たる自信と同時に「魔術師の常識」(≒自身の価値観)の枠外にある要素や行動を想定しきれない・しない傲岸さを生み、「隠れた己の失態や敗因たり得るものに気付けない」、「自身の間違いを考慮できない」という人間性とつながっている。切嗣をはじめ魔術師としてイレギュラーな存在が集った聖杯戦争において、ある意味、「正道の魔術師らしさ」こそが彼らの最大の敗因だったのかもしれない。
- もっとも、時臣最大の想定外「綺礼とギルガメッシュの離反」をあの条件で時臣に見抜けというのはかなり無茶な話ではあるのだが。
- Fateの舞台装置
- Fateメインヒロイン3人の内の2人の実父であり、桜を間桐へ養子に出した張本人であり、ギルガメッシュを現代に召喚した初代マスターであり、言峰綺礼を聖杯戦争と結びつけた魔術の師であり、凛にアーチャーを召喚させることになった宝石を遺した人物であり……と、『Fate/stay night』の物語に与えた影響は細かく挙げだすとキリがなく、時臣の存在(設定)なくしてFateは始まらないレベル。
その様はTYPE-MOONファンから「ラスボスメーカー」「Fateの舞台装置」と評(揶揄)されるほど。
逆に言えば、『Fate/Zero』において、「時臣の物語」は必要でも、「時臣の活躍」は必ずしも必要ではないのかも知れない。