フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア

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フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア

  • スペル:Fiore Forvedge Yggdmillennia
  • 年齢:19歳
  • 誕生日:7月12日/血液型:A型
  • 身長:162cm/体重:47kg
  • スリーサイズ:B84/W57/H82
  • イメージカラー:水色
  • 特技:素手のくるみ割り
  • 好きなもの:小動物全般/苦手なもの:小動物全般
  • 天敵:みすぼらしい犬
  • CV:赤﨑千夏

ユグドミレニア魔術師で、黒のアーチャーのマスター。
可憐な車椅子の少女。

略歴
ダーニックの後継者、つまりユグドミレニアの次期当主と目され、一族の中で最も有望視されている。ユグドミレニアのマスター達の中でも実質的なナンバー2に当り、ダーニックの補佐を行っていた。
聖杯大戦において「先端に青黒い血が付いた古びた矢」を触媒にアーチャーを召喚する。アーチャーを心から信頼しており、恋とも愛とも違う、どこか清廉で少しだけ歪んだ思いを抱きながら、主従というより教師と教え子のような関係で過ごしている。
彼女自身は時計塔で学友達と机を並べて普通に魔術を学び、魔術協会にも取り立てて不満があったわけでもなく、生来の温厚な性格と、協会とユグドミレニアの力の差から参戦することにはあまり乗り気ではなかったが、ダーニックに大聖杯の輝きを見せられ、「聖杯さえあれはお前の秘めた願いも叶う」と唆されたことで魔術協会との全面対決に身を投じることを決心する。
アサシンの起こした殺人事件の被害者に、かつて同じ学科に学んだペメトレキスという魔術師がいたことから彼女たちの存在に気づき、その動向を調べるべくシギショアラへと向かう。そこでアサシンと対峙していた獅子劫たちを見つけ、戦端を開く。
マスター同士の戦闘では独自の礼装を用いた多彩な攻撃で獅子劫を攻めたてるが、経験の差から戦局をひっくり返される。だが弟カウレスの助けによって難を逃れ、ミレニア城塞で決着をつける事を宣言し、その場は撤退。
黒と赤の戦闘が混迷を深める中、ダーニックから突然黒の陣営の指揮権を移譲され、彼がランサー諸共消滅させられると同時に、ユグドミレニアの当主として責任を負うこととなってしまった。
その後、ジークと交渉の末にホムンクルス達の解放を認め、ルーラー、獅子劫陣営と手を結び、同盟の中心人物の一人として大聖杯の奪還を目指す。
人物
外見通り穏やかで奥ゆかしく、例え敵であっても身分に関係なく礼を忘れない、凛とした貴人。
だが彼女の魔術回路は生まれついて変質しており、その影響によって両足が動かず、時に耐えがたい苦痛に襲われ、車椅子による生活を強いられている。彼女の魔術回路は両足に存在し、足を治療するためには魔術師としての生を棄てなければならない。だがフォルヴェッジ家の後継者として魔術を捨てることは許されず、聖杯にかける願いは『魔術回路をそのままに足を治療する』こと。
生まれ持ったハンデを跳ね除けようと死に物狂いでしてきた彼女の努力は、周囲の魔術師達からは「当たり前のこと」として受け入れられてしまったこともあり、自らの願いを浅ましいものと卑下している。
弟のカウレスとの仲は良好で、魔術師的な価値観を持たず不真面目な態度を見せる彼にお説教することも多いが、助力を受ければ素直に応じ、バーサーカーを死なせて嘆いていた時は後を追いかけてまで慰めようとするなど、「魔術師らしからぬ」顔を見せもする。
その人間らしい倫理観を持ちながら、魔術師としての道に固執する余りに心が悲鳴を上げてもそれを無視している。“卓越した魔術師”までならその矛盾を抱えたままでも耐えられたが、組織の長として非情な判断を迫られ続ければ破綻してしまう危険性が有り、アーチャーとカウレスはそれを危惧している。
幼い頃、父が降霊術を学ばせるために拾ってきた大人しい野良犬を熱心に世話をしていた。鈍臭い呑気な犬だったが、彼女は不自由な足のままで苦労しながら自分で洗い、愛用していた櫛で毛を梳かし、「魔術の実験台」ではなく「ペット」として可愛がっていた。だが一週間ほど経って、犬は父に「降霊術による憑依が失敗した場合」を再現する実験に使われ、肉体が暴走して彼女の目の前で惨たらしい死を遂げてしまう。
幼い頃から優秀だった彼女は最適解をこなし、その時は泣きもせず、吐くこともなく微笑んでいたが、二人で犬の墓を掘って埋めた際に悲しみに耐えきれず号泣していた。その後犬に関わるものは全て捨て、両親は彼女の変化に気づかなかったが、しばらくの間は肉を食べられなくなりカウレスが手を握り締めなければ一人で眠れなくなるなど犬の死はトラウマとなっていた。彼女が降霊術で失敗することが無かったのは、失敗して犬のようになることを恐れたのではなく、犬の死を思い出すことが恐ろしかったためで、この出来事はフィオレの心に亀裂のように残り続けている。
能力
専門外の魔術においてはおおむね不得手であるが、降霊術と人体工学において類稀な才能を見せ、独自のアレンジを加えて作り出した数々の接続強化型魔術礼装(ブロンズリンク・マニピュレーター)は三流の魔術師でも一流を仕留めると言われる程の剣呑な代物。
彼女自身も一流と呼ばれる魔術師を遥かに凌ぐ魔術回路と術の精密さを誇り、背中に装備した戦況に合わせて多段変形する金属腕を用いて、戦闘を行う。この金属腕は彼女の手足そのもので、普段はスーツケースの中に収納されているが、乗用車を軽々と引き裂くほどの怪力とどれほどの悪状況でもバランスを一切失わないほどの精密性を持つ。通常時は二本だが分割変形して現れた二本が足となり、重度の障害を負っている彼女のハンデを軽減している。
獅子劫の放った必滅の魔弾を難なく摘み取る「守護者の錫腕(ユーピター)」、防御結界など何の意味もないほどの威力を持った光弾を重機関銃のように射出する「戦火の鉄槌(マルス)」、クレイモア地雷のような拡散する攻撃を封殺する「轟然の鉛腕(ザトゥルン)」と多彩な機能を搭載されている。
自律制御の反応速度も相当な物で、エルメロイ姫君が連れている月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)を用いたメイド型ゴーレムに匹敵する反応速度を誇る。

登場作品と役柄

Fate

Fate/Apocrypha
「黒」のマスターとして登場。
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿
直接的には登場しないものの『case.魔眼蒐集列車』において、カウレスから魔術の道を捨てて一族から出奔したことが語られている。

人間関係

アーチャー
サーヴァント。彼に全幅の信頼を置いており、睡眠時などを除いたほとんどの時間を共に過ごしている。
カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニア
弟。魔術師らしくない振る舞いに姉として小言を言うこともあるが、見下してはおらず、普通に家族として接している。
ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア
「おじ様」と呼ぶ。
冷酷な彼でも次期後継者であるフィオレの事は尊重しており、指揮を任せる事もある。
ゴルド・ムジーク・ユグドミレニア
「ゴルドおじさま」と呼ぶ。基本的に丁寧に対応しているが、昼間から飲んだくれて寝るなど、ゴルドの余りにだらしない生活習慣に頭を痛めている。またゴルドがたまに無責任な発言や困ったことを言い出すので、その時は微笑みながら割とセメントな対応をとる。
ライダー
何かと振り回される困ったサーヴァント。ライダーの方からは好かれており、「フィオレちゃん」と呼ばれている。
ルーラー
まともに話すようになったのは同盟を組んでからだが、すぐに親しくなり、ルーラーにしては珍しく「フィオレ」とフランクな呼び方で呼んでいる。
また彼女とアーチャーを「理想的なマスターとサーヴァントの関係」として高く評価している。
獅子劫界離
一度命のやり取りをした仲だが、丁寧に「獅子劫様」と呼ぶ。
魔術使いである彼の事をゴルドのように軽視しておらず、彼がホムンクルス達との戦いで使った心臓手榴弾を解析し、彼がただの死霊魔術師ではないことを見抜いていた。決着をつける事を堂々と宣言しておきながら、手を組むことになる事に若干苦々しさを感じていたが後に同盟関係を結ぶ。

名台詞

「ええ。……アーチャー、
 貴方の切なる願いに比べれば私の望みなど、木っ端のようなものでしょう。
 浅ましい、そして恥ずかしい」
アーチャーと互いの望みを明かし合った際に。
フォルヴェッジ家の後継者として、また魔術師として自らの魔術回路を棄て去ることなどは出来ない。だが、正真正銘の自分の足で大地に立つ望みも捨てられない。
アーチャーから見れば当然と思える願いを、魔術師たれと育てられた彼女はただ恥じ入る。
「――立ち去りなさい、死霊魔術師。
 此処は遍く全て我ら千界樹ユグドミレニアの大地。踏み入った無礼は不問に処します。
 この警告を看過するようであれば、死という等価を以て、愚行の代償を支払っていただきます。」
獅子劫に向けて発した警告。
事前に獅子劫の人となりは知っていたため、彼が断わるのは承知の上。それでも口にしたのは命を取り合う覚悟を決めるためで、女帝の如き満面の笑みを浮かべて、死闘の開始を宣言する。
「――もう! 何て滅茶苦茶なの、この人!」
獅子劫の魔術師らしからぬ、乗用車を使った奇襲を受けて。一瞬、素の年頃の少女に戻ってしまった。
「“だって、ペットには愛情を持って接しなければならないでしょう?”」
幼い頃、実験用の犬の世話をする事をカウレスに尋ねられて。
不思議そうな顔で返し、懸命に犬の世話をするが、後に少女は魔術の残酷さを知る。
フィオレ「……あの。 遊びに行く訳ではないですからね?」
ライダー「分かってる分かってる! ……むぅ。マスターを連れていきたいナー」
ルーラー「 ライダー? 」
アサシンの探索任務に遊び気分で応じるライダーに。奔放なライダーをそれとなく咎めていたが、それでも聞かない彼への次なる声は絶対零度だった。
「ではゴルドおじ様、囮になって下さいますか?」
アサシンに対する囮作戦を手放しに称賛したゴルドに。微笑んでいるが、無責任なゴルドに怒っているのは明白である。

メモ

  • 薄幸の美少女
    ダーニックがトチ狂って死んだせいで、黒の陣営トップの座を背負い込まされ、ユグドミレニアの正式な当主となったはいいが激戦によって自陣はボロボロ。 セイバーランサーバーサーカーと前衛戦力を全て喪失し、城塞は半壊、後に残ったのは問題のある人物ばかり。
    後にジークやルーラー、獅子劫との交渉によって彼らを味方につけ、何とか体制を立て直したが、今度はライダーに振り回され、アサシンに殺されかけたりとやっぱり踏んだり蹴ったり。彼女自身の采配や行動方針は一つもミスが無いのに、不幸な目に遭い続けているのが余計に不憫。
  • 東出祐一郎氏の作品『ケモノガリ』に「完全被甲大鷲(フルメタルイーグル)」と呼ばれる、車椅子が変形したトンデモ兵器を武器とする「ある人物」がいたので、近衛氏から「彼女の車椅子も凝った設定にしますか」と言われたが、東出氏は「それは別の作品でもうやったから!」と即座に却下したらしい。
    だが、確かに「車椅子は」変形しなかったが、彼女にも凄いギミックが仕込まれることに……。
  • 性格が問題だらけな人物が多い、女性マスターの中では最も謙虚かつ穏やかな淑女で、良い意味で「女性的」
    彼女も市街地で鋼鉄の義手で暴れ回り、機関銃を撃ちまくったりはしているが、英霊をぶん殴ったり黒くなったり人間辞めちゃったりはしていないので殺傷能力を考えてもかなり良心的な方。
    ……というか他の女性が常識外れすぎなのかもしれない。
  • ちなみに彼女の特技に「素手のくるみ割り」とあるが、実際に素手のくるみ割りは、コツの問題とも言われることも多く、一般的にはくるみを二個持ち殻の固い溝の部分をもう片方の溝の横にある凹んだ部分に合わせて力を込めると割れ易いからだと言われている。尤も全てのくるみでそう出来る訳ではなく、殻皮の厚さが厚い程割るのが困難になる。......厚さに関係無く出来るのなら、かなりの握力だが。
    • 現在食用として主品種となっているクルミは品種改良により殻が薄く割りやすくなっていることもコツの問題と言われる一因。逆にオニグルミなどは一般人にとっては素手ではほぼ絶対に不可能である。
  • 魔道との決別とその葛藤
    幼い頃から魔術師として優れた資質を有しながらもその心が常に悲鳴を上げていた。最終的に自らの足と引き替えに魔道を諦めた姿勢は骨の髄まで魔術師である遠坂時臣から見れば正に誅を下すような行為である。だが、間桐雁夜が自分の家の魔術のおぞましさを嫌っていたのに対し、彼女と弟は魔術にはそれなりの愛着を抱いており、捨てるまでにもそれなりの葛藤があった。いわば、彼女は遠坂凛が辿っていた未来の可能性とも言うべき魔術師である。また、サーヴァントがアーチャーという点でも共通している。もっとも、父親の方は「退屈」なせいで見限られたのに対し、彼女は紆余曲折がありながらも良好な関係を築いた娘に近い。

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