衛宮切嗣
2013年9月28日 (土) 22:43時点における219.107.24.195 (トーク)による版
衛宮切嗣
- 読み:えみや きりつぐ
- 誕生日:11月11日/血液型:AB型
- 身長:175cm/体重:67kg
- イメージカラー:灰色
- 特技:射撃、破壊工作
- 好きなもの:効率/苦手なもの:家族愛
- 天敵:セイバー
- CV:小山力也(幼少期:入野自由)
衛宮家五代目継承者。衛宮士郎の養父。第四次聖杯戦争におけるセイバーのマスター。
- 略歴
- かつては封印指定を受けた魔術師の父・衛宮矩賢と共に、魔術協会から潜伏しながらの生活をしていた。母親についてはその逃避行の最中に死亡している。
潜伏地・アリマゴ島において研究サンプルが漏れ出す事故が発生する。その際、羅患した幼馴染の少女・シャーレイが、苦しみから彼に自分を殺してくれと頼む。しかし彼は幼さ故の未熟さも手伝い、恐怖からそれを拒絶して、大人に助けを求めようとする。
その結果として島は地獄と化し、彼は「一人を殺せなかったために大勢を殺す」という、強烈なトラウマを刻み込まれる。原因となった父がまた同じ事を繰り返すであろうことを予見した彼は、今度こそ、その手で父を殺害する。
その後、父を狙っていたナタリア・カミンスキーと共に島を脱し、そのままナタリアの元でハンターとしての腕を磨き、傭兵のような生活を送る。仕事の途中、ナタリア一人と他の大勢の命を天秤にかけねばならない場面に直面した彼は、再び非情な決断を強いられる。
ナタリアの死後は独立し、フリーランスの魔術師として活動。
「魔術師殺し」の戦歴をアインツベルンに買われ、共同で第四次聖杯戦争に参加。開戦以前にアイリスフィールと夫婦になり、娘のイリヤスフィールを設けている。
発掘された聖剣の鞘を触媒にセイバーを召喚。触媒である「全て遠き理想郷」は代理マスターとして戦地に送り込んだアイリに預けていた。
戦争の終結後、現場で唯一生き残っていた少年を発見。瀕死だった彼を「全て遠き理想郷」を体に埋め込むことで救い、脱出する。士郎を養子に迎えた後も、「世界旅行」と称して屋敷を離れて、最愛の娘を迎えにアインツベルンを幾度も訪れたが、アハト翁の妨害に遭い、娘と再会することは叶わなかった。
聖杯戦争終結から五年後、士郎に看取られながら聖杯の呪いにより短い生涯を終える。享年三十四。
- 人物
- 魔術師としての彼を言葉で表すならば異端であり外道。
戦闘に赴く場合は幾重にも張り巡らせた策・謀略と罠で「絶対に勝てる状況」を作ってから。戦いにおいても確実に相手を葬ることを第一とし、そのためなら狙撃、毒殺、公衆の面前での爆殺、人質作戦、だまし討ちなど徹底して手段を問わない。
目標を達することでより多くの命が救えると判断したならば無関係の人間を利用し、巻き添えにすることすらためらわず、自分を一個の戦闘機械としてみている。
「戦場こそ地獄」「流血は悪」という信条を持ち、人類という種全体が抱える「闘争」全てを終わらせるための奇跡を望んで聖杯戦争に挑む。その信条ゆえ英雄を軽蔑しているが、これはかつて「正義の味方」に憧れたが故の反動とも言える。
戦闘機械として振舞う一方、娘・イリヤスフィールのことは溺愛しており、イリヤの前では親バカなお父さんの顔を見せる。だが聖杯戦争の渦中では、その人間性の矛盾に幾度と無く苦しむことになる。
相棒である久宇舞弥は自分の右腕であり、「衛宮切嗣という機械を完全に動作させるための補助機械」として育ててきた。
魔術師としてだけでなくガンマンとしても異端であり、第四次聖杯戦争で使った銃を見ても「コストが高すぎる」「重すぎる」「スコープが銃本体より大きい」「照準が付けにくい」「連射ができない」など、「一般人」の戦場での実用性には致命的な欠陥を抱えたゲテモノ揃いである。
しかしこれらは全て、尋常な戦場にあらず条理の外にある魔術師を殺すための「魔術師殺し」衛宮切嗣としての装備であり、同時に彼の魔術礼装たる「起源弾」を最大に引き出すための「魔術師」衛宮切嗣の装備でもある。
相手がどのような魔術を使うかも解らない状況での遭遇戦が多いであろう聖杯戦争で、「機動力」を損なわず「狙撃」「制圧射撃」「大口径弾使用による標的の沈黙」を行う事を想定すれば彼の銃のチョイスは非常に理に敵うものである。
第四次聖杯戦争を経てからは冷酷な戦闘機械としての顔は影を潜め、病院で初めて切嗣と会話した士郎から見た切嗣の第一印象は「とにかくうだつのあがらない、頼りなさそうなヤツ」であった。晩年は背広姿ではなく着物姿でいることも多く、穏やかな若隠居のような存在であった。
- 能力
- 「魔術師殺し」と呼ばれる傭兵じみた魔術師。魔術属性は「火」と「土」の二重属性であり、それぞれの属性に関連した起源、「切断」と「結合」を有する。
魔術を「研究する目的」ではなく「手段であり道具」と見ている異端の魔術師であり、礼装に銃火器を用いる希有な存在。
通常火器としてワルサーWA2000(AN/PVS04暗視スコープとスペクターIR熱感知スコープを装着)及びキャリコM950、魔術礼装としてトンプソン・コンテンダーと魔弾「起源弾」を用いる。
なお、魔術刻印継承前に父を殺した彼だが、衛宮家が伝えた刻印をちゃんと持っている。ただし、協会が貴重な要所を回収した後の二割にも満たないものでしかない。
これはナタリアによる交渉のおかげで、刻印は彼の背中に刻まれている。
- 固有時制御
衛宮の家伝である「時間操作」の魔術を戦闘用に応用したもの。
本来儀式が煩雑で大掛かりである魔術であるのだが、「固有結界の体内展開を時間操作に応用し、自分の体内の時間経過速度のみを操作する」ことで、たった二小節の詠唱で発動を可能とし、戦闘時に用いている。
問言は「time alter 〇〇 accel(加速)またはstagnate(停滞)」。〇〇には倍率を示す単語が入る。
なお、固有時制御を解除した後に世界からの「修正力」が働くため、反動によって身体に相当の負担がかかる。この弱点のせいで、通常は2倍速(ダブルアクセル)か3倍速(トリプルアクセル)程度の使用にとどめている。「全て遠き理想郷」を体に埋め込んだ時には4倍速(スクエアアクセル)※まで使用したが、それ以上の加速が可能かどうかは不明。
※4倍加速時のルビを「square accel」と表記しているが、これは誤りであると思われる。スクエア(square)は「四角、平方(=2乗)」などの意味があるが、「4倍」という意味は(少なくとも我々の世界では)含まれていない。正しくは「クアドラプル(quadruple)」であろう。
書籍版の重刷及び星海社文庫版で訂正されているかどうかは不明。Fate/Zeroアニメ版では「スクエア」のままであった。
- 起源弾
自らの第十二肋骨で作られた礼装魔弾。
自らの起源「切断」と「結合」の複合属性(「切って」「嗣ぐ」=切嗣。修復ではなく、紐を切って結び直すようなモノ。そこには結び目が生まれるように、不可逆の変化を意味する)を、相手に発現させる。
この弾丸で穿たれた傷は即座に「結合」され、血が出ることもなくまるで古傷のように変化する。ただ、「結合」であって「修復」ではないため、「結合」されたところの元の機能は失われてしまう。
この銃弾は相手が魔術で干渉したときに真価を発揮する。弾丸の効果は魔術回路にまで及び、魔術回路は「切断」「結合」される。結果、魔術回路に走っていた魔力は暴走し、術者自身を傷つける。
その仕様上相手が強力な魔術を使っていればいるほど殺傷力が上がる(奈須氏の説明によると、RPG的に喩えれば、相手の保有するMP数値がそのまま肉体へのダメージ数値になるようなもの、とのこと)。
彼は前もって挑発や陽動を行うことで、相手に最大限の魔力で起源弾を防御させ、その効果を最大に引き出す戦術を用いてきた。
魔術的な防御を誘うため、口径には.30-06スプリングフィールド(大口径のライフル弾。個人装備で防ぐには、グレードⅣクラスの防弾装備が必須)を用いて物理手段による防御を封じている。
逃げ道を一本残しておきながら、そこに予測不能かつ致命的な罠をおくこのやり口は作中でも「悪辣」と評され、対魔術師兵装としては最高の性能を誇る。
材料が材料なだけに、弾数は66発しか作られていない。この内、切嗣は第四次聖杯戦争までに37発を消費。1発の浪費もなく、起源弾によって37人の魔術師を完全破壊してきた。
- トンプソン・コンテンダー
起源弾を発射するための銃。非常にシンプルな構造で、バレルといくつかのパーツの交換だけで拳銃弾からライフル弾まで様々な弾種を使用できるのが特徴。
コンテンダー(競技者)の名の通り、本来は競技スポーツ用の拳銃。威力・命中精度ともに優れるライフル弾を使用できることで人気を博した。
装弾数は1発のみ、排莢機構も無し、と実戦には向かない銃だが、拳銃として携行できる最大火力を求めて切嗣はこの銃を採用した。
なお、実在のトンプソン・コンテンダーは.30-06スプリングフィールド弾には対応していない。銃器的な意味でも魔術的な意味でも改造を施した特別製なのだろう。
(本編の一部描写には「コンテンダー・カスタム」と表記されている箇所もある)。ちなみに第四次聖杯戦争の後に発売されたコンテンダーの強化モデルである「アンコール」は.30-06弾を装填できる。
登場作品と役柄
- Fate/stay night
- 士郎の養父。かつて聖杯戦争に参加した魔術師で、士郎にとっては憧れであり、生き方を決定づけた人。
- Fate/Zero
- 聖杯戦争の参加者。
- フェイト/タイガーころしあむ アッパー
- 虎聖杯の中で目覚めた切嗣。目の前には死んだはずのアイリスフィールが。どうもこのアイリ、切嗣の知るアイリとはどこかが違うようだが……?
- Fateゼロカフェ~Fate/Zero Cafeに集う英霊達~
- 妻アイリと娘イリヤを溺愛し、舞弥とは普通に師弟関係で、セイバーのことはやっぱり無視し続ける。聖杯戦争らしい聖杯戦争が行われていない平和な世界であるにもかかわらず、銃器や爆発物を持ち歩く物騒な客。
- Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
- Fate本編とは異なる並行世界の存在。ちゃんとイリヤの父親をしているが、出番はとても少ない。そして登場するたびに顔の大部分がフキダシやコマの端、ライティングやアングルの都合などで隠れている。
人間関係
- 衛宮矩賢
- 父親。
- シャーレイ
- 衛宮家に仕えた家政婦の少女。事故で死亡する。
- ナタリア・カミンスキー
- 賞金稼ぎもしくは情報屋で生計を立てるフリーの魔術師。
天涯孤独となった切嗣にとっては母親にも近い存在であったようだ。切嗣に賞金稼ぎのノウハウを教えたり魔術道具を与えたりしていた。起源弾を製作したのも彼女。
- アイリスフィール・フォン・アインツベルン
- 妻。
- イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
- 娘。
- 久宇舞弥
- 助手であり相棒。
- セイバー
- 第四次聖杯戦争で契約していたサーヴァント。
目指した場所は同じながらも、行動指針は真逆で、結局相容れることはなかった。
- 言峰綺礼
- 最大の強敵。
名台詞
Fate/stay night
- 「―――うん。初めに言っておくとね、僕は魔法使いなんだ。」
- 病院で幼少期の士郎が切嗣に引き取られることを選んだ時に切嗣が「うちに来る前に一つ教えなくちゃいけない」と言った後に発した言葉。
「魔法使い」という表現は少々盛っているが「魔術師」ではあるのであながち間違いでもないのだが…この時はコミュニケーションの為のジョークと取るべきか。士郎はあまり覚えていなかったが、切嗣にとって士郎を引き取ると決まったこの日の事は思い出深い出来事だったようで、よく士郎に語って聞かせていたという。
- 「僕はね、正義の味方になりたかったんだ」
- 晩年、士郎に語った言葉。
かつて「正義の味方」「英雄」に誰よりもあこがれていた切嗣だったが――。
そして、切嗣の憧れは、士郎の胸に根付くことになる。それは父にとっての救いであり、子にとっては呪いに近しいものとなってしまった。
- 「誰かを助けるという事は、誰かを助けないという事。
正義の味方っていうのは、とんでもないエゴイストなんだ」 - 晩年に正義の味方への強い憧れを見せる士郎に切嗣はこう言い聞かせる。「親しい少数より多くの他人」を秤にかけて常に多数を取るという信念を貫いてきた切嗣であったが、その度に深い絶望と無力感を味わってきた彼は士郎に同じ道を歩ませたくはなかった。
- 「そうか。ああ――安心した」
- ある月の綺麗な夜。引き取った士郎の持つ異常性、自分に過剰な憧れを抱く彼が自分と同じように後悔しか残らない正義の味方への道を歩むのでないか不安を持っていた切嗣だったが、彼との語らいの中で、彼が自分と違って初心を見失わない正義の味方になる希望を見出し、この言葉とともに息を引き取った。
この夜の出来事は切嗣にとって最後の救いであり呪いでもあり、そして士郎にとっても呪いであり救いでもある。
Fate/Zero
- 「誰よりも激しい生き方ばかりを選んできたくせに、この男の人生には、ただの一度も“情熱”がない。
こいつは――きっと、危険なヤツだ」 - 言峰綺礼の経歴を見て評した言葉。この評価は正しく、最終決戦で激戦を繰り広げた。
- 「……あんな馬鹿に、世界は一度征服されかかったのか?」
- いきなり真名を名乗ったライダー (第四次)の第一印象。
征服王の豪快かつ奔放すぎる性格には、さすがに呆れていた。
- 「いいや。そこのサーヴァントには話すことなど何もない。
栄光だの名誉だの、そんなものを嬉々としてもてはやす殺人者には、何を語り聞かせても無駄だ」 - アイリはなんとか切嗣とセイバーの仲を取り持とうとするが、にべもなく切嗣は無視を続ける。
- 「なのに人類はどれだけ死体の山を積み上げようと、その真実に気付かない。
いつの時代も、勇猛果敢な英雄サマが、華やかな武勇譚で人々の目を眩ませてきたからだ。
血を流すことの邪悪さを認めようともしない馬鹿どもが余計な意地を張るせいで、人間の本質は、石器時代から一歩も前に進んじゃいない!」 - 切嗣が英霊そのものを軽蔑していることの独白。セイバーは戦場にも誇りが、決して侵してはならない法と理念があると信じるが、戦争そのものが地獄と、巻き込まれ、蹂躙される民からすれば騎士道など一切関係の無いと見ている切嗣からすれば、セイバーの信条は到底許容しがたいものであった。それが、かつて自分が憧れた姿であればあるほど。
- 「今の世界、今の人間の在りようでは、どう巡ったところで戦いは避けられない。
最後には必要悪としての殺し合いが要求される。
だったら最大の効率と最小の浪費で、最短のうちに処理をつけるのが最善の方法だ。
それを卑劣と蔑むなら、悪辣と詰るなら、ああ大いに結構だとも。
正義で世界は救えない。そんなものに僕はまったく興味ない」 - 彼の本質を端的に表す台詞。誰も取りこぼすことなくすべてを救う「正義の味方」「英雄」に誰よりもあこがれた切嗣。しかし、その理想を追えば追うほど、それは不可能であるという現実を思い知らされてきた。その結果が、今の切嗣の在り方だった。
- 「終わらぬ連鎖を、終わらせる。それを果たし得るのが聖杯だ」
「世界の改変、人の魂の変革を、奇跡を以って成し遂げる。僕がこの冬木で流す血を、人類最後の流血にしてみせる。
そのために、たとえこの世全ての悪を担うことになろうとも――構わないさ。それで世界が救えるなら、僕は喜んで引き受ける」 - セイバーの体現する正義や騎士道を否定しつつも、今の自分のやり方でも悪や憎しみの連鎖による戦いの連鎖もまた延々と続く。それをわかってなお止められない切嗣が切望する聖杯の奇跡。――しかしただの喩えとして口にしたその言葉が、真に何を意味するのか、この時の切嗣には知るよしもなかった。
- 「あんたは――僕の、本当の家族だ」
- ナタリアとの最後の通信で。
その思い、その言葉は強く、そして儚く。少年は「愛しい家族」より「顔も見知らぬ大勢の人」を選ぶ。
- 「ふざけるな……ふざけるなッ! 馬鹿野郎ッ!!」
- ナタリアを手にかけ、吼える切嗣。正義の代償。理想の代価。
この呪いと怒りを、切嗣は受け入れる。これが、少年の日の終わり――
フェイト/タイガーころしあむ アッパー
- 「ああ、ついに娘に反抗期が来ちまった!殺すとかきっついなぁもう!」
- 平行世界の娘に「キリツグ殺す」と言われてショックを受ける。イリヤ本人は至って本気で「殺す」と言っているようだが、切嗣は反抗期だと思い込んでいた。
流石に本気の殺意を反抗期レベルのものに勘違いされてプライドが傷ついたのか、イリヤはジャーマンスープレックス等の荒技を切嗣にお見舞いしている。
- 「わっ、大河ちゃん?!
やぁ、すっかり女っぽくなったなぁ。相変わらず剣道やってるのかい?」 - 大河と再会した時のセリフ。何やらほっこりした顔グラと合わせて完全に親戚のおじさん状態である。
甘やかしていたというのは本当だったようだ。
とびたて!トラぶる花札大作戦
- 「セイバーのヤツ、やればできるじゃないか……容赦なく弱点をつくあの冷酷さ……いい……」
- 「ちょっと見直しちゃうな……
普段もあれぐらいド外道なら、楽しい戦場ジョークを言い合ったり、二人でランサーをいたぶったりできるんだけどな……」 - 怯えるランスロットを問い詰めるセイバーを確認してのコメント。やりたかった楽しい戦場ジョークの内容が気になるところ。
その他の作品
- 「ずいぶん、かわいらしい格好だな」
- 「アーネンエルベ狂想曲」にて。セイバーに令呪の行使以外で話しかけたのは、これがシリーズ初。直後に話しかけた事を後悔している。なお、アーネンエルベから立ち去る時にアーチャーとすれ違うが、切嗣を見たアーチャーはぎょっとした表情を見せていた。
メモ
- 一人称は「僕」。こんな恐ろしいオッサンがボクって……
- 直接の死因は「この世全ての悪」の呪い。聖杯に選ばれながらも拒絶したために、第四次聖杯戦争終結後も呪われ続けた。
- 「魔術師殺し」として活動した期間は意外に短い。享年から逆算するとアインツベルンに迎えられたのが20歳ごろ、ナタリアと一緒に仕事をするようになったのが10代前半、死別して独り立ちしたのが10代後半と思われるため、その期間は数年程度であり、以後は第四次聖杯戦争まで活動を控えていた。
つまりその数年間に「起源弾」で葬った魔術師だけで37人、もちろんその他にも魔術師たちを魔術師らしからぬ手段で殺害してきたことになる。
さらにその合間に世界各地の紛争に武力介入している。 - その信念もあって、呼び出すサーヴァントは自分に扱いやすい「魔術師」か「暗殺者」クラスを所望していた。それが真逆のセイバーだったのは皮肉としか言い様がない。
さらにいえば、彼の望んだ「騎士道にこだわらず、情も捨てて戦えるサーヴァント」に信念の継承を試みた彼が該当するのもまた皮肉と言える。 - セイバーと性格的に相容れなかった一方で、彼女にかけられた呪いを解くためにランサー陣営を最優先に襲撃したり、「約束された勝利の剣」の被害が周辺に及ばないよう配慮したり、カスタムV-MAXを手配したりとその能力を活かすことには余念が無かった。
マスターとしての手腕は確かであり、セイバーもその点は認めていた。 - 彼と契約していた時のセイバーは幸運がDランクと、理不尽なほど低下している。反面、騎乗スキルはAランクに向上してマシンも扱えるようになっており、彼のマスター適正の傾向が窺える。
- セイバーを無視する態度はシリーズを通して徹底しており、「タイころアッパー」でセイバーと再会した時も彼女の存在を無視した。
- セイバーを無視していたのは、栄誉を重んじる騎士道など、戦いに関する価値観が違い過ぎるから。
アイリの考察によると「アーサー王が実は女性だった」という事実に対して憤ったのもある模様。
男性であると期待していたら伝説との食い違いに失望した、ということではなく、王の重荷を一人の少女に背負わせた周囲の人間たちとそれを受け入れたセイバーの生き方を許容できなかったため。
後に士郎も同じ様に怒り、セイバーと衝突したが、彼は言うだけ無駄と諦めて口にしなかった。 - それに加えて、第四次当時の切嗣に精神的余裕が少なかったこともある。「守るものがない」ことがかつての彼の強みの一つでもあったのに、アインツベルンで『家族』を得てしまったことで精神的に弱くなっていた。
そのうえ、「厄介な敵」言峰綺礼に狙われることで、セイバーとの妥協や説得すら受け入れられないほど追い詰められていた。 - ただ、完全に無視できていた訳ではなく、セイバーから「若き日の本当の貴方は、『正義の味方』になりたかったはずだ」と指摘された時はセイバーの方に振り返って険しい表情を見せている。
- セイバーを無視していたのは、栄誉を重んじる騎士道など、戦いに関する価値観が違い過ぎるから。
- 魔術回路を励起させると術者の体温に独特の変化パターンが表れることを発見しており、体温の探知に魔術を用いないことで、魔術師相手に完全な不意討ちや策敵を可能にする応用戦術を編み出した。
ワルサー狙撃銃に、携行性を損なうのを承知で熱感知スコープを取り付けているのはこのためである。 - 「人生のあらゆる局面で女性を惹きつけ、なおかつその悉くを不幸な末路に追いやってしまう」というジンクスを有している。その魔手から逃れられたのは藤村大河ただ一人。
- 大河を可愛がっていたのは初恋の女性に似た雰囲気があったためらしい。
- Fate/Zero著者・虚淵氏によれば、「正義の味方」としての格は同姓の英霊より大いに劣るとのこと。
- 切嗣は多数を守るという理想を追求していった結果正義の味方を諦め、士郎(アーチャー)は正義の味方になるために多数を守る理想を追求していった。ただし、どちらも自分の情を入れない点で共通している。
- 第四次聖杯戦争終了後から死亡するまでの間に大聖杯の位置を探り当てており、次の聖杯戦争が行われる時(六十年後)までに大聖杯を破壊しようと仕掛けを施していた。目算では、三十〜四十年もあれば破壊できるだけの魔力の「瘤」ができるという。
ただし、第五次は第四次の十年後という、切嗣の予想外に短い期間の後に起こってしまったため、この仕掛けが機能することなく次の聖杯戦争は起こってしまった。
さらに、桜ルートでは凛と桜の死闘によって洞窟が破壊されたため、この仕掛けは無意味となった。 - 士郎に「魔術回路を逐一作り直す」「強化魔術」という非効率な魔術を教えたのはワザと。本心では魔術を教えたくなかったが、強さを求める士郎を納得させるために、成果の出ない方法を教えた。
しかし士郎はこの使い物にならない魔術の訓練を5年以上も続け、ある未来においては自分だけの境地に辿り着いてしまうこととなる。 - 愛銃がトンプソン・コンテンダーになったのは、虚淵氏の強い要望によるもの。『stay night』発売当時、彼の礼装が銃だったことを知った氏が、「魔術師の銃」に相応しい変り種かつ破格の大火力、そして映画『ハード・ターゲット』での活躍が印象的だったこの銃を推したのが事の発端。
『Zero』を書くきっかけになった銃という氏の言の通り、劇中でこの銃の設定と威力はくどいほど力を入れて描写されている。 - 「切嗣」という名前をつけたのは原作者奈須氏だが、この名から「起源弾」の効果を考えたのは『Zero』作者の虚淵氏。
- 切嗣の死後、コンテンダーと「起源弾」がどうなったかは不明。Fateルートにおいて、士郎とセイバーが家中を探し尽くしたが武器らしいものが見つかる事はなかった。
- 手先が器用で銃の整備などは手早くこなせるのだが、精密機器の修理が実は苦手である。これは「起源弾」の説明にある通り、切嗣の起源が「切断」と「結合」=「不可逆の変質」であるため。
僅かな構造の変質さえ致命的となる精密機器は、彼が手を加えれば加える程、直るどころか逆に壊れていってしまうのである。また、彼の起源とはまるで無関係だがとは荷物の整理なども苦手なようで、士郎曰く「さんざん散らかしながら」無理やり詰め込むといった有様だったという。 - ナタリアの影響で煙草を愛飲していたが、アインツベルンに婿入りして以後は、森の奥の城の生活なので吸いなれた銘柄が手に入らなくなったということと、アイリ、イリヤに対する気遣いから、禁煙していた。
だが、第四次開始時に昔の自分を取り戻すための一環として、再び吸うようになる。 - イリヤには裏切ったと誤解されたまま亡くなったが、切嗣本人はイリヤの事を溺愛している。もしイリヤに恋人が出来たら、容赦なく排除するらしい。それは例え士郎でも例外では無いとか。
- 見た目と性格に反して味覚はかなりのジャンクフード舌で、blu-rayBOXⅡの特典ドラマCDの中で食事を作ってくれる士郎に「和食ばかりでなくたまにはハンバーグとかも…」などと発言しておりそれを士郎に叱咤されるなどなかなか意外な一面を見せている。
アインツベルンの宮廷料理に慣れきった彼には、むしろジャンクフードの殺伐とした味が心地よいのかもしれない。- 第四時聖杯戦争中に某ハンバーガーチェーンの食事を摂った際の感想は「なにより作業の手を止めず、機械的に口に運ぶだけで栄養補給が出来るのが素晴らしい」(要約)。
どこぞのダメ執行者を彷彿とさせる独白である。
- 第四時聖杯戦争中に某ハンバーガーチェーンの食事を摂った際の感想は「なにより作業の手を止めず、機械的に口に運ぶだけで栄養補給が出来るのが素晴らしい」(要約)。
- 彼に付き従った2人の女性が、2人とも「元々人間性がなく(失って)、切嗣に出会って感情が芽生えて(殻を得て)」おり、かつ「切嗣を全肯定してくれる」女性である事については興味深い。
それは元々彼女達が持っていた性質なのか、それとも切嗣が求めた性質なのだろうか。
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