キャスター (フラグメンツ)
- 真名:ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス
- 身長:183cm / 体重:65kg
- 出典:史実
- 地域:欧州
- 属性:混沌・善 / カテゴリ:人
- 性別:男性
- サーヴァント階位:第六位
- CV:三木眞一郎
- 略歴
- 『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』では、『Prototype』の世界で行われた八年前の聖杯戦争において1991年2月に美沙夜の父によって召喚され、玲瓏館邸を「神殿」に作り変え、鉄壁の守りを敷く。その後、マスター間の約定によりライダー陣営と同盟を締結するが、同日夜、バーサーカーの襲撃と時間を同じくして現れた沙条愛歌と邂逅を果たす。そして根源接続者である彼女への興味、自らの目的を達成するのに強者に付いた方が賢明であるという合理的な判断に加え、自分どころか神々すら凌ぐ輝きを放つ彼女の器に魅せられ、玲瓏館のサーヴァントとして動きながら愛歌の下につく道を選んだ。
- 複合神殿でのライダーとの決戦の際には、愛歌の命を受けてセイバーのサポートを行い、彼を勝利に導く。ライダー陣営にキャスターが敵対したことで、同盟の契約違反と見なされた美沙夜の父は強制(ギアス)のペナルティにより死亡。キャスターは愛歌を主とし、さらなる暗躍を続けるが…。
- 人物
- 白色のローブを纏った、女性と見紛いかねない長髪の美青年。一人称は「私」。
- 理知的で物静かな学者肌の魔術師。気性は温和で戦闘を好まない。口元には微笑みを浮かべることも多い。冷静沈着の姿勢を崩さず、人や年若い相手に対して教え導くことに喜びを感じる人物で、美沙夜の父や幼い美沙夜にも真摯に接する。
- また効果や効率を重んじすぎる魔術師の中で一風「変わった人柄」であり、魔術に風情や情感を覚え、人の情愛は何よりも尊いものであると説く。
- あまねく現代の魔術師たちは自らの教えを継ぐ弟子たちの裔とみなし、自らの子のように親しみを持って接し、男女関係なく等しく慈しむ。その聖人のような高潔さに美沙夜の父や美沙夜からは全幅の信頼を向けられる。
- 無限の可能性を持つ彼ら彼女らが未来であり、可能性の積み重ねはやがて世界の真実である根源にも辿り着くと信じてやまない。個人と家系、血統を重んじる典型的な魔術師からすれば彼の言葉は狂気の沙汰にも等しいが、彼は自分の信念を曲げるつもりはない。
- 根源に辿り着こうとした理由は「遍く人々の安寧」の為であり、ただ愛し子を救いたいというだけであるが、彼もまた「魔術師」の一人であり、根源への到達には手段を選ばない。彼が目指す根源そのものと接続した人物と出会えば、突然曲げるつもりのない信条の全てを捨て去って非道に堕ちてしまう。
- 『フラグメンツ』ではそれを示すかのように姿隠しを見破られているのに不気味な人影の姿で美沙夜の前に現れ、彼女に透明で冷ややかな氷のようだと思わせている。また姿を現した後も、美沙夜は彼と話していると偶に「気圧されている」と感じる時があった。
- そして美沙夜が出会った当初に覚えた不安は、玲瓏館を裏切って愛歌の元に付くという形で現実となり、美沙夜を彼女に売って遠距離から呪詛を掛けられるよう細工を行う等の非道を重ね、根源に辿り着こうとしたが、愛歌がビーストを用いて人理定礎の破壊、即ち人々の安寧とは全く真逆な目的を目論んだ際は愕然としていた。
- 聖杯にかける願いは「根源からの到達」を目的としていたが、『Grand Order』では贖罪を求めていた。しかしそういった人間性から、ギャグ時空では「よかれと思って」行動した結果、思わぬところで騒動の種をばら撒いてしまうことも。
- 能力
- 伝説的な錬金術師にして、「土」「水」「火」「風」「空」の五つの属性を併せ持つアベレージ・ワンの魔術師。宝石魔術を操る。
- 五大元素を使用した遠距離魔術攻撃を通常は使用する。魔術師使用時、使用する元素に対応した大きな宝石のような形をしたエレメンタルがパラケルススの周囲に浮かぶ。
- 玲瓏館邸を「神殿」に作り変え、数十の結界と呪詛の罠、各方角に独立した防御機構として「エレメンタル」を一体ずつ配置し、気配遮断を持つアサシンや突破力に優れたバーサーカーの侵入すら阻む強固な陣を敷いている。平時は空中での神殿の警戒を行い、キャスター戦闘時にはこれらを使役して魔力供給と術の強化、支援などを行わせる。また魔力を込めた宝石やホムンクルス、三騎士の白兵攻撃にも対処できる金剛石の盾、エーテル塊の欠片など、短時間で高度な魔術品を製造できる。その道具作成スキルは「規格外」ランクであり、賢者の石(エリクシール)の精製すらも可能。
- 「エレメンタル」はキャスターの作り出した五大属性の元素塊、各属性を凝縮した人工霊。魔力を蓄積するプールとして使用する事や、防御にも攻撃にも応用できるが、パラケルススは主に研究の素材や儀式魔術の触媒として用いる。
- 本人曰く「争いはさほど好きにはなれない」とのことだが、あらゆる元素変換を極め、大魔術級の威力を持った複数属性の魔術を同時に操り、なおかつそのコントロールも卓越している。
ステータス
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
キャスター | 玲瓏館の当主 | D | E | C | A | B | A+ | 陣地作成:? 道具作成:? |
高速詠唱:? | 巻頭ステータス表の所持スキルは 「高速詠唱など」となっており、 これ以外にもスキルはあると思われる。 |
主人公 (Grand Order) | D | E | C | A | B | A+ | 陣地作成:A 道具作成:EX |
高速詠唱:A エレメンタル:A+ 賢者の石:A |
宝具
- 元素使いの魔剣(ソード・オブ・パラケルスス)
- ランク:A+
種別:対軍宝具
レンジ:1~99
最大補足:300人 - 刀身の全てを超々高密度の“賢者の石”で構成された魔術礼装。パラケルススの魔剣であり、アゾット剣の原典。
- 宝具本来の効果は魔術の増幅・補助・強化だが、この剣を用いて直接対象を攻撃するのではなく、刀身の魔力によって瞬時に儀式魔術を行使し、五つの元素を触媒に用いることで、一時的に神代の真エーテルを擬似構成し、放出する。
- 実体化する擬似的な真エーテル(偽)はほんの僅かな一欠けらではあるものの、恐るべき威力で周囲を砕く。威力には自負があるものの、サーヴァント2騎以上をまとめて相手取って使用すべきと考えている。
- 更に、単純な破壊とは異なる真の機能を有している。この剣を構成している賢者の石はフォトニック結晶、霊子演算器としての能力であり、星の聖剣の斬撃すら取り込むが、セイバーの『約束された勝利の剣』によって手にした右腕ごと消えてしまった。
- 『Fate/Grand Order』では敵全体を攻撃し、攻撃力を3ターンの間低下させる効果になっている。
- Arts属性かつパラケルススが「高速詠唱」持ちなので連発を狙いやすいためか、似たような条件の『破戒すべき全ての符』のように他多数の宝具より威力が低く設定されている。宝具強化クエストが実装されているが、強化した上でもまだ低め。
真名:ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス
- ヴァン・ホーエンハイム。十六世紀におけるルネサンス期の人物。
「パラケルスス」の名で広く知られる医師にして錬金術師。「四元素(五元素)の再発見」 「三原質の再発見」を始めとして数多の功績と書物とを残した。
- 生前は「遍く人々を、愛し子を救うために成すべきことを成す」として、魔術師でありながらその研究成果を世間に広め、医療の発達に貢献し、人類史と魔術史の双方に名を残した。
- 近現代に於いて錬金術として広く魔術師たちに伝えられている魔術基盤という意味では、それを世界に深く刻み付けた先達の一人という可能性はある。
- 時計塔に近しい人物であったものの、アトラス院や彷徨海とも例外的に交流を行い、互いの研究を発展させたという。なぜ彼が歴史に名を残したかといえば、本来秘匿するべきであるはずの神秘の奥義を「人々へと広める」傾向があったのだ。
- 再三に渡る時計塔からの制止を無視し、学説として魔術研究の一端を一般社会へ向けて発表し続け、最期は賢者の石を増産してばらまこうとしたところをそれを疎んだ他の魔術師の手によって粛清されてしまう。
関連
- 四元素と三原質
- 錬金術における理論。「四元素」は風、土、水、火を、「三原質」は硫黄、塩、水銀を指している。
- ホムンクルス
- 人造人間。錬金術において、人の精と幾つかの要素を以って育てられる、子宮を用いない生命の誕生法によって生まれる者達。
- エレメンタル
- 四大元素を象徴する超自然の存在。水はウンディーネ、風はシルフ、火はサラマンダー、土はノームが司っていると言われている。
- パラケルススの使役するソレは超自然の存在ではなく、各属性の力を凝集させた人工霊。現実を超克するものではあるが、幻想種ではない。地、水、火、風、そして空(エーテル)の五大属性の元素塊。
- 魔力を蓄積するプールとして使用する事も、防御にも攻撃にも応用でき、研究の素材や儀式魔術の触媒として用いている。
- 賢者の石
- 錬金術における至高の物質。卑金属を金に変え、癒すことのできない病や傷をも瞬く間に治す性質を持つ。人間を不老不死にさせる霊薬と同一のものとされることも。
- 効果は「宝具が封印された状況で一時的に宝具を解放可能」「死亡した人間を動く死体として蘇生」という規格外のものとなっている。
登場作品と役柄
- Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ
- キャスターのサーヴァントとして登場。
- Fate/Grand Order
- 〔キャスター〕キャラクターデザイン:中原 / 設定作成:桜井光 / レア度:☆3
- 第四特異点解禁に伴い実装。
人間関係
蒼銀のフラグメンツ
- 美沙夜の父
- マスター。偉大なる先人として尊敬され、彼自身も一個の人間として敬愛さえ感じ友と認めていた。
- しかし敵として出会った愛歌へと裏切り、後にライダー陣営と交わした同盟の契約を利用して謀殺する。
- 玲瓏館美沙夜
- 自分の教えを受け取った数多の子らの裔。魔術師としての器を認め、信頼の証として真名を明かし、アゾット剣を贈る。
- だが根源接続者である愛歌への忠誠に比べればその感情も些末なもので、信頼を寄せていた彼女を裏切り愛歌が呪詛を仕込むのに協力する。
- ライダー
- 同盟を結んだサーヴァント。
- 沙条愛歌
- 突然、空間転移で神殿内部に現れた少女。愛歌から「ペットはもう間に合っているから、友達になろう」と持ち掛けられ、彼女の特異性に強い興味を持つ。
- その後、彼女の異常とすら言える才能と器に敬服して、この世の万物を統べる絶対者と認めて彼女の元に付き美沙夜と己のマスターを売る。
- セイバー
- 愛歌のサーヴァント。美沙夜がバーサーカーから救われた際は純粋に「高潔な英霊」と呼んでいた。だが、愛歌と内通するようになってからは将来的にも彼の存在が邪魔になるため、「忌々しきセイバー」と呼んで嫌悪している。
- 愛歌の命令でライダーとの激闘で傷を負った彼の治療を行い、聖剣の輝きに興味を持つ。
- アサシン
- 同じ君主に仕える同士。
- ……なのだが、「触れられる相手なら誰でも良い」と考えて愛歌の本質を理解しない彼女に苛立ちを覚え、とある「贈り物」をプレゼントする。
- 來野巽
- 死亡した彼を賢者の石で動く死体(リビングデッド)にし、アサシンに「贈り物」としてプレゼントしている。
Fate/Grand Order
- マキリ・ゾォルケン
- 第四章にて共に人理を焼却しようとした仲間。
- 生前からの知己でもあり、高潔で尊い思いを有した理想主義者の魔術師として尊敬していた。友だちになりたい相手。
- そのため、二十一世紀時点での彼を見た場合は同一人物だとは思わないし、思えないという。
- 主人公 (Grand Order)
- 第四章で敵対した相手。
- 後にサーヴァントとして召喚された際には、『蒼銀のフラグメンツ』の記憶もあるのか、後悔を抱きながらも友人になりたいと願う。
- ジャック・ザ・リッパー (Apocrypha)
- 第四章にて彼女と共に行動し、主人公達と敵対する。
- 彼女の本質を知った上でそれを哀れみつつも「彼らは貴方のおかあさんかもしれませんよ」と悪辣な嗾け方をする。
- 沖田総司
- イベント『セイバーウォーズ』にてコンビを組んだ相手。
- いつも通り丁寧な対応だが、「人斬りしか能のない貴方にはこれしかない」と言ってることは容赦ない。
- 言われた沖田の方も彼を森宗意軒と同じく「大義を建前とした鬼畜ド外道」と評している。
- ナーサリーライム
- イベント『チョコレート・レディの空騒ぎ』にて、主人公を助けるついでに彼女の無垢なる願いも叶えようとする。
- もっとも、「食べ過ぎると虫歯になる」という大切なことは伝えなかったのだが。(パラケルススは医者としても有名であり、虫歯についてもよく知っているはずである)
- ガイウス・ユリウス・カエサル
- イベント『ダ・ヴィンチと七人の贋作英霊』にて、贋作を利用するべくタッグを組み、主人公達に内緒で贋作者に接触を試みる。
- この上なく胡散臭い組み合わせであるが、勿論互いに信頼などというものは無く、後ろからアゾる気満々であった。
- ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ
- イベント『二代目はオルタちゃん』にて、直接登場はしないが彼女に例によって例のごとく「良かれと思って」断酒薬を作成して渡したらしい。
- その結果へべれけ女子会ズの恨みを買ってしまい、仕返しに襲撃されたようであるが。
生前
- レオナルド・ダ・ヴィンチ
- 生前の知己。魔術に対してさえ万能であったダ・ヴィンチを深く尊敬していたため、「友達になりたい」等とは畏れ多いと思っていた。
- 彼がいつから女性の体になったのかは覚えておらず、初めてあった際にどちらの体であったかも記憶にないという。
名台詞
蒼銀のフラグメンツ
- 「火の元素変換はごく単純な力業の魔術と考えられがちですが、
極めれば、きっと、いつか太陽のもたらす炎そのものにさえ届くかもしれない。
無論比喩ではありますが、そう考えてみるのも――素敵だとは思いませんか?」 - 美沙夜に語った講義で。
- 魔術師は魔術に夢見がちな感慨を抱くべきものではないと考えていた美沙夜は、偉大な魔術師が「素敵」という言葉を使ったのに大きな驚きを覚える。
- 「エーテルの窮極は、失われた神代の秘儀に通じると私は考えているのです。
遥か古代、カルデアの賢者たちが到達した正しき星辰の輝きを、私は手にしたい。
それは宇宙に充ち満ちて瞬く窮極の光であって、
そして同時に、この星の光でもあるのでしょう」 - 美沙夜に語ったエーテル論。
- エレメンタル、錬金術、魔術基盤、それに星の光。彼は自分が生きていた時代より神秘が格段に薄まっている事を痛ましく思いながらも、サーヴァントとしての役目を全うしようと考えている。
- 美沙夜は「些か大言壮語(ボンバトゥス)が過ぎる気もするけど」と感じながらも、好感を抱くに足る真摯な回答を繰り返す彼に対する評価を更に上げていく。
- 「いつの時代も王とは厄介なものであると思っていましたが、どうやら、少しばかり評価を改めねばならないようですね。王を見出すかの如き王も、世に在る」
「魔術の器は魔術師が見抜くもの。王の器は、王が見抜くものなのでしょう。かの大魔術師 ほどの人物であるならば、例外もあるのでしょうが」 - 自分が見抜けなかった美沙夜の「王の器」を見抜いたライダーへの素直な称賛。同時に美沙夜の評価もさらに上がり、「かつて自分が成し遂げられなかった事さえも彼女なら」と期待を寄せる。
- だがその直後、美沙夜どころか、全ての魔術師の頂点に立つ根源接続者がキャスターの目の前に現れる……。
- 「いいえ。世界のすべては貴方のものです。
その貴方がお決めになった事柄であれば、私の情などに何の意味がありましょう」
「我が主、万物を統べるべく生まれ落ちたる、根源接続者よ。
真なる星の光充ちた遥か過去の神々でさえ、貴方の輝きには敵うべくもない」
「──沙条愛歌さま」 - 交わされた最悪の契約。自分を信じて眠りについた美沙夜を尊き生贄として定め、一瞬憂いを帯びたが、そのような感傷は根源とそれに通じる少女のもたらす輝きに比べれば取るに足らない物だった。
- 「良いですか、小さなお嬢さん。若き魔術師にして、未だ幼き王よ」
「過去もそうでした」
「現代も変わらない」
「──魔術師に、真の意味での友人などいませんよ」 - 全てが終わり、呆然とする美沙夜に。愛しい教え子の小さな不注意を注意するように、自身の裏切りと彼女に掛けられた死の呪いを肯定する。
- ひどく透明で冷ややかな声と、穏やかさを漂わせながら感情が感じられない不気味な様子は、美沙夜が初めて彼と出会った際に感じた「氷の魔」そのものであった。
- 同時に、魔術師として卓越した技量と智識を有したがゆえに、愛歌に屈してしまった自身の諦念ともとれる。
- 「やっと、分かりました。高潔の騎士であるはずの貴方を前にして、大逆の悪を成したこの私の首が、未だ、胴と離れることなく据えられている理由が。
私は不思議に思っていたのです。この極東の都をオジマンディアスの暴威から救い、敵対するマスターの娘さえバーサーカーの凶刃から助けてみせた貴方が、何故…」
「何故、私を殺し、根源の女王 にその聖剣を向けないのか」
──亡国の騎士王よ。
──貴方はきっと、正義の味方ではないのでしょうね。 - ライダー陣営に大打撃を与え、手傷を負ったセイバーを治療しながら、聖杯を求める動機を聞いて。
- やはりというか彼自身も自分を悪と認識しているようである。そして、自分のように魅入られていないのに正しい行いをしないセイバーを遠回しに責めているようにも感じられる。
- 「こんなものが、我ら七騎の願いの果てか!」
- 愛歌に聖杯の真実を明かされて。想像を遥かに超える残酷な内容にその顔を驚愕で歪めた。己の心得違いを悟るも、気付くのが遅すぎた……。
- 「否。これが涙であるものか。人の尊厳を喰らう悪鬼は、涙など流さない」
- セイバーに泣いている事を指摘された際に。犯した大罪と拭えない後悔。それを隠し悪逆としてセイバーと対峙する。
Fate/Grand Order
- 「召喚により参上致しました。どうか、このパラケルススと友達になりましょう」
- 召喚時。友好的な言葉だが、「友人」について上記のようなことを言っているため胡散臭いことこの上ない。「どうか」と言っているあたり、本人にも自覚はありそうだが。
- 「私が嫌う事……? ええ。裏切りは、許されぬ大逆です」
- マイルームでの発言。フラグメンツにおいても彼は美沙夜を裏切ったのだが――。
- 「我が悪逆の行いを知った時……貴方は、私を許しはしないでしょうね」
「私は悪逆を成した者。故に……私は、許されてはならない。誰かと触れ合う事も……決して」
「美沙夜、貴方を裏切りながら、新たなマスターに仕える私を……貴方は……許さないでしょうね」 - 絆レベル2、3、5の台詞。目的のために裏切った美沙夜に対する後ろめたさは多少あったようである。
- 「真なるエーテルを導かん――我が妄念、我が想いのかたち。――『
元素使いの魔剣 』」 - 宝具開放。五大元素が渦巻き、精製された原初のエーテルが眼前の敵を破壊する。
- 「もしもの時は……これをお飲みください……。古くから伝わる霊草で……、胃は守られます……」
- 『チョコレート・レディの空騒ぎ』にて。
某料理下手 の作るチョコを食うであろう主人公に対して、かの英雄王の宝物庫にある「胃を整える霊草」を提供してくれた。無論、「飲めば味覚は完全に失われる」事も伝えた。
メモ
- 「ヴァン・ホーエンハイム」は略した名前で、本名「テオフラストゥス・フィリップス・アウレオールス・ボンバストゥス・フォン・ ホーエンハイム」。
- 「パラケルスス」という通り名の由来に関する説は2つ存在し、「古代ローマの高名な医者・ケルススを凌ぐ」という意味を込めて自称した、または「ホーエンハイム」をラテン語化したと言われている。
- 『Fate/stay night』でも活躍したアイテムであるアゾット剣の本質的な意味での製作者にして所有者。
- 作中でも美沙夜にアゾット剣を渡すことで自身の真名を示唆している。
- 「魔術師だが一般人にも有名」というTYPE-MOONの世界設定的には矛盾しかねない人物。と思いきや、魔術師でありながら世間に広く知識を広めたために他の魔術師に謀殺された、という解釈を取ることでその部分をクリアしている。
- 意外なことに、「甘い物が大好物」という趣味を持つ。『Fate/Grand Order』2016年サマーイベントの礼装イラストでも怪しげなかき氷を嬉しそうに作っていた。
- なお史実では、砂糖についてノストラダムスと論争したことで知られている。砂糖の薬効を賞賛するノストラダムスに対し、「砂糖は分解すると塩と硫黄(文字通りの意味ではなく、錬金術的な意味での基本元素)になるから摂りすぎると血液と内臓を損なう」と主張したとされている。『Fate/Grand Order』2016年バレンタインイベントの言動を見るに、本人も甘い物の食べ過ぎで虫歯か肥満でもやらかしたのであろうか。
- 「根源の象徴である愛歌のためなら如何なる非道でも行う」という魔術師としての面と、「正義の何たるかを知り正しい判断ができる」という英雄としての面の二面性を持つ。そのためか、自分は愛歌に尽くすが、愛歌を誤解したり逆に肯定したりすると怒るという、「魂が捻くれた」性格である。
- 無論、れっきとした「魔術師」なので「根源への到達」と言う、キャスターとしては恐ろしくまともな目的を持つサーヴァント。尤も、その理由は「魔術師としては」二流だったりするが。
- 時期が近い『Fate/Apocrypha』に登場した、同じく「キャスター」で生粋の魔術師だったアヴィケブロンがあんな事をしでかしたので、登場した時から読者の間で不安は大きかった。その後美沙夜との交流で払拭されたかと思いきや、不安は最悪のカタチで的中した……。
話題まとめ
- 史実のヴァン・ホーエンハイム
- TYPE-MOONのヴァン・ホーエンハイムは穏やかな紳士だが、史実のヴァン・ホーエンハイムはかなり傲慢でへそ曲がりな人物だったらしい。
- 自分に賛同しない学者達には「犬が後ろ足を上げるだけの価値も無い奴」と罵倒し、自分が「医学界のルター」と賞賛されると「私をあんな下らぬ異端者と一緒にするな」と言ったという。腐敗した医者と薬剤師の関係を暴露したり、既得権益にしがみつく人々を批判した彼の態度は血気盛んな学生達をひきつけ、市民の中にも支持者がいたが、この周りに毒を吐きまくる性格で度々裁判沙汰を引き起こし、敵も非常に多かったという。
- これらのことが示すように、彼も毎度お馴染み、英霊性格変更がされていると思われる。とはいえ、セイバーやアサシンへの対応を見る限りへそ曲がりな点は変わっていないようだが……。
- なお彼の弟子の1人オプリヌスは師について「学者としては天才、しかし人間としては三流」というコメントを書き残している。
- フラグメンツにおいては自身の魂が捻じれもなお、愛歌によってビーストの生贄にされた子供達と己の所業を悔いた為、「悪の魔法使いとしては」三流なのかもしれない。
- 「P」
- 『Fate/Grand Order』第四章にて登場した際、コードネームとして頭文字の「P」を名乗って行動していた。2015年のエイプリルフール企画でも愛歌のマネージャー兼プロデューサーをしていたことや女性サーヴァントとコンビになることが多いことから、『THE iDOLM@STER』に倣って「P(プロデューサー)」「パラケルススP」「外道P」等の愛称?で呼ばれることも。
- もっとも、上記の愛歌以外の「プロデュース」は、根本的な欠点を指摘する為に外道極まりない行いをしたり、都合良く動かす為に人格を歪めるような唆し方をしたり、もっと直接的に欠点を言い立てたり、本人の為に言うべきことを黙っていたりとロクなことをしていない。