18行目: |
18行目: |
| | | |
| == 鈴ヶ森の丑御前 == | | == 鈴ヶ森の丑御前 == |
− | :うしごぜん。源頼光の兄弟で、北野天神、牛頭天王の申し子として生まれた鬼子。最終的には頼光の手で退治されたとされているもの。 | + | :うしごぜん。伝承では源頼光の兄弟で、北野天神、牛頭天王の申し子。牛頭天王の化身として生まれた鬼子。最終的には頼光の手で退治されたとされているもの。 |
| | | |
− | :その実態は源頼光自身。<br>丑御前は母の胎に三年三月の間留まった後、牛の年、丑の日、牛の時に生まれた。その力から鬼子として父親は娘を殺すように命じられたが、それを憐れんだ母によって大和国の寺に預けられた。<br>密かに育てられた丑御前は神の如き力のあるモノとなったが、彼女は父の名も、都で高名な武家の棟梁であることも知らなかった。 | + | :その実態は[[源頼光]]自らの内に封じられていたの異形としての側面。 。<br>丑御前は母の胎に三年三月の間留まった後、牛の年、丑の日、牛の時に生まれた。その力から鬼子として父親は娘を殺すように命じられたが、それを憐れんだ母によって大和国の寺に預けられた。<br>密かに育てられた丑御前は神の如き力のあるモノとなったが、彼女は父の名も、都で高名な武家の棟梁であることも知らなかった。 |
| | | |
− | :そんな中、一五歳の頃に都からの遣いが現れた。父が娘の持つ才能を惜しみ、新しく生まれた息子として、幽閉した娘を家に戻し、'''源頼光(みなもとのらいこう)'''の名を与えた。 | + | :そんな中、一五歳の頃に都からの遣いが現れた。父が娘の持つ才能を惜しみ、新しく生まれた息子として、幽閉した娘を家に戻し、'''[[源頼光|源頼光(みなもとのらいこう)]]'''の名を与えた。 |
| | | |
− | :頼光は源氏の棟梁になるにあたって、その異形の側面を切り離そうとするが、丑御前として暴走し、自害に及ぼうとしたが、金時によって失神させられ、無理くり深層の奥深くに封じる形となった。 | + | :実際は牛鬼の部分を疎んだ父の努力によって、頼光は源氏の棟梁になるにあたって、その異形の側面を切り離すため、牛鬼と頼光を分離させ、牛鬼だけを退治。これによって牛鬼は頼光の心の奥深くへと封印された。<br>……が、実際には、丑御前として暴走し、自害に及ぼうとしたが、涙ながらに説得した[[坂田金時|金時]]によって失神させられ、無理くり深層の奥深くに封じる形となった。 |
| | | |
− | :丑御前は頼光の神気が高まることで表面化したモノであり、人物像は頼光と同じだが、在り方が大いに異なっている。<br>頼光にはあった母性愛と慈愛がないので、狂気と破綻さがより顕著となっている。<br>「鬼哭酔夢魔京 羅生門」の事件を引き起こした元凶であり、「天魔御伽草子 鬼ヶ島」では全ての異形のためという名目で魔境を新たに産みだすが、実際は行き場のない自分のためだけにやっているに過ぎず、自分の力で生み出した鬼や妖魔を気晴らしのために「処分」している。 | + | :丑御前は[[源頼光|頼光]]の神気が高まることで表面化したモノであり、人物像は[[源頼光|頼光]]と同じだが、在り方が大いに異なっている。<br>[[源頼光|頼光]]にはあった母性愛と慈愛がないので、狂気と破綻さがより顕著となっている。<br>「鬼哭酔夢魔京 羅生門」の事件を引き起こした元凶であり、「天魔御伽草子 鬼ヶ島」では全ての異形のためという名目で魔境を新たに産みだすが、実際は行き場のない自分のためだけにやっているに過ぎず、自分の力で生み出した鬼や妖魔を気晴らしのために「処分」している。 |
| | | |
| ===関連=== | | ===関連=== |