概要編集
ウィザードの使うコードキャスト、サーヴァントのスキルや宝具とはカテゴリーの異なる特殊能力[注 1]。事象の変動、時間流の操作、国造りといった「世界を創造しうる」レベルの力。通常のスキルは「このような理屈でこういう事が出来る」というものなのに対し、権能は「ただ、そうする権利があるのでそうする」だけのものである[出 1]。そういったスケールの大きさから全知全能の発現と例えられるだけに、魔術を上回る神秘を有している[出 2]。現代からおよそ6000年以上前の「神代」と呼ばれる時代に神霊が振るっていた、物理法則が存在する前の世界の法たる力だったが、神秘の力が徐々に弱まり、人類の文明レベルが向上して世界の法が物理法則へと移行したため、西暦以降には神霊共々過去の時代に引退している[出 1]。上記のうち特に「国造り」、無や万物創造を司る力に至っては「大権能」と呼ばれ、サーヴァントでは絶対に行使出来ず、最古の英霊たるギルガメッシュの理解の範疇をも超える。
英霊の宝具で行使出来る権能に相当する能力の代表的な例に、ギルガメッシュが使うEXランクの宝具「天地乖離す開闢の星」による時空流の発生がある。またランサーが使うBランクの宝具「刺し穿つ死棘の槍」が権能一歩手前として挙げられる[出 3]。
アルクェイド・ブリュンスタッドも地球の触覚として権能を持ち、それは月ならテラフォーミング、地球なら必ず相手より一段階上の性能になるという形で現れる[出 4]。
更にムーンセルを呑み込んだBBは生と死を生み出し、命を循環させる権能をスキル「百獣母胎」として手に入れた。それを最大限に活かしたのが宝具「C.C.C」である。その能力は、ムーンセルのNPCが「今のBBは宇宙の法すら改変が可能」と評する程である。
BBごとムーンセルを取り込んだ殺生院キアラは自分を全生物に捧げて手に入れた官能で成長する権能を持ち、宝具「この世、すべての欲」として結実した[出 5]。[注 2]
この通り、権能は2030年でも神霊クラスのサーヴァントらが使う形で見られるが、この時代で権能を振るうことは自己の崩壊を伴う[出 1]。ムーンセルの中でさえ、神話礼装によってBBの振るう「バビロンの妖婦」の権能に対抗出来るまでになった主人公のサーヴァント達は、たった一度の変身でもかなりのリスクを背負っている。具体的に言えば、サーヴァント数十体を収容可能で、BBの干渉からマスターを守れる程のリソースが残っていた旧校舎さえダウンしかねない程の、霊格の階梯の違いから来る凄まじい負荷がかかる。
関連用語編集
メモ編集
- 良く言及されるようになったのは『Fate/EXTRA CCC』からだが、『月姫』の頃から登場はしている。
- 『Fate/Grand Order』では神霊そのものや神霊の関係者達が多数登場してストーリーにも深く関わり、特に神霊の登場人物が多い『絶対魔獣戦線 バビロニア』では権能について度々語られている。
- メルトリリス、パッションリップらアルターエゴ達の宝具も元になった神霊の権能をベースに造られている。
- 神話礼装ならBBのように神の権能を振るう相手にも対抗出来るが、それも「バビロンの妖婦」としての権能、「十の王冠」や「黄金の杯」まで。「原初の女神」としての大権能「百獣母胎」に対しては成す術が無い。
- 現代で神の権能に相当する力を有するムーンセルを完全制御するには本来兆単位のレベルが必要だそうだが、聖者のモノクルで確認出来るBB自身のレベルは50である。
神代の神々と比べると、個体能力が絶対的に不足していると言える。 - "EX"や"★"等、作中にも登場した表記で3桁以上の規格外のレベルを表現すること自体は可能だが、敢えて彼女のレベルが50にしかしていないのは、主人公を救う為には残された時間が少なく、必要なレベルまで悠長に上げる訳にはいかないという事情故か。
- 現代で神の権能に相当する力を有するムーンセルを完全制御するには本来兆単位のレベルが必要だそうだが、聖者のモノクルで確認出来るBB自身のレベルは50である。