殺生院キアラ

2013年8月2日 (金) 22:08時点における222.228.85.103 (トーク)による版

殺生院キアラ

  • 読み:せっしょういん きあら
  • 誕生日:6月4日/血液型:型
  • 身長:166cm/体重:53kg?
  • スリーサイズ:B96/W58/H86
  • CV:田中理恵
略歴
本名は殺生院祈荒。月の裏側に召喚されたマスターの1人。二十代後半の日本人。穏やかな眼差しと清楚な佇まいが特徴の尼僧である。月の聖杯戦争には「人々を救うという自身の欲望のため」に参加したと公言している。
BBに逆らわない限り命は保証する」という約定を彼女と交わしており、そのため生徒会に参加することはないが、月の裏側からの脱出のためサクラ迷宮の踏破を目指す主人公達を部外者としての立場を保ちつつもサポートする。
その実態は自身の快楽のためには他人を省みない破戒僧であり、悦楽を追及するあまりに神になることを目指してムーンセルを手に入れようとしていた。
地上にて細々と長らえていた真言立川詠天流の宗主の娘として生まれたが、生来病弱だったため14歳までほぼ寝たきりでいた。
戒律に囚われ、自分の事を「可哀想」と言うだけで救おうともしなかった周囲の人々の姿から、書物にある清い人間像も消え失せた。そして「もしや人間と呼べるものは、もうこの世にはいないのではないか?いたとしても自分唯一人なのではないか」という思いに憑かれることとなる。
14歳のとき信者から霊子ハッキングを教えられ、外界を知ったことからみるみるうちに病気は快癒する(元々キアラの病気は外界では普通に治せるものであったらしい)。その後閉鎖的だった詠天流を改革し、ネット経由で信者を急激に増やしていった。
しかしそれに伴い行方不明者や死者が激増、そして異変に気付いた父親を存在レベルで完全否定した彼女は、名目として「女はであるにもかかわらず、女と一体になろうとする」「悟りそのものを否定する」という立川流の禁忌を二つ犯したかどで破門される。
その翌日、彼女は父親の髑髏本尊を持ち去って「師の術具を奪う」ことで最後の禁忌を破り、信者同士を殺し合わせ、自分以外は全て死者となった教団を立ち去った。
その後、彼女は立川流の理念に基づいて信者を救ったが、彼女を慕った信者は次々と自殺したという。更に電脳史上最大の禁忌といわれるコードキャスト・万色悠滞を開発したことで西欧財閥に指名手配された。
第五章終盤、主人公に自らを追わせるなど不可解な行動をとり、隙を突かれてメルトリリスに殺害される。だが………
人物
物静かかつ蟲惑的な女性。物腰が柔らかく、自身のサーヴァントであるキャスターの毒舌を窘めるなど理性的な性格をしている。
ただ、普段は楚々としているが時折耳年増なのか、聞いたことを(主に性的な意味で)あらぬ方向へ想像を働かせてしまったり、真面目な話の途中で(主に性的な意味で)興奮して主人公やキャスターに呆れられるなどの言動も目立ち、「けっこうアレかもしれない」と主人公に評価されている。
一見すると聖職者然とした彼女だが、その正体は『CCC』の事件の黒幕であり、BBのプログラムを改変し、彼女の「主人公を消滅の未来から救う」という目的に「人類の欲望の解放による破滅」という破綻した意識を植え付けた張本人。
「自分が気持ちよくなる」ためだけにムーンセルを乗っ取り、神になろうとする。自身の欲を追求した結果人類が滅びたとしてもかまわないと考えており、自分の欲のために人を救う、あるいは滅ぼすことにためらいを持たない。
月の裏側でマスター達の魂と2体のアルターエゴ、そして桜・BBを吸収し「魔人」となって主人公に立ち塞がる。
その人格は人間として破綻しきっており、他人を虫同然と見做し、己の快楽のための道具として扱うことに何の抵抗もない。しかしその上で、全ての人間を真に「愛している」ことが彼女の特筆すべき異常性である。…が、CCCルートで彼女との闘いの後、ある行動を取るとキアラの「愛」に対する歪んだ捉え方の根底にあるものや、また、彼女の暴走(迷走)していた「愛」の終着点を見付ける事が出来る。
能力
最悪の破戒僧だが法力は本物であり、旧校舎まで侵入してきたリップをダキニ天法で撃退するという実力を見せた。またウィザードとしての実力も天才的で、SGを摘出する目的でも使える、五停心観等の精神医療用のコードキャストを究め、それらを発展させ電脳体への侵入を可能にする万色悠滞を開発した。
物語の最終局面で「魔人」となるが、主人公 (EXTRA)が言うにはムーンセルにやってきた段階ですでに「人」ではなくなっていたらしい(後述)。
「魔人」になってからは姿が変貌し、頭部に2本の巨大な角や蝶のような羽を生やし、周囲には彼女に取り込まれた多くの人間の魂が怨霊のような姿で現れ、背後には巨大な髑髏が現れる。
若いころは病弱であったが、外界の進んだ医療技術により健康になってからは詠天流の武術を会得しており、魔人となってからは神話礼装を解放したサーヴァントですら捉える事ができない神速の連撃「四念回峰行」を使用する。
終盤ではムーンセルを介する事で文字通り、任意的な物であるが「全能」の力を手に入れており、「この世において人間が彼女に勝てる道理など無い」とキャスター (CCC・青)は語る。
しかし、BBや、アルターエゴ達を取り込んだ事で唯一「全能の力」を行使出来ない(『桜』達が抵抗するため)存在である主人公に対し、その事に気づかぬまま挑んだ事が原因で敗北した(気づいていたなら、闘わずに主人公を違う空間に飛ばし、その空間を潰していたという)。なお、本来の身体は既に死亡(おそらくは他殺)しているらしい事が倒された時に本人の口から語られる。

宝具

この世、全ての欲(アンリマユ/CCC)
魔人化した彼女の宝具。人類すべての欲望を受け止める大地母神に変生した彼女は、同時に人類すべての欲望の生け贄でもある。
その在り方は、かつて人間の悪性を証明するために悪魔と罵られ、生け贄に祭り上げられたある人工魔に類似する。
ただし、自ら望んでそのような存在になった点で彼とは大きく異なる。
人類全ての欲望のはけ口となった彼女は、コードキャスト・万色悠滞により人々の魂を自身の身体に招き入れ、何十億という快楽の渦を作り上げる。
この快楽の渦は知性あるものを融かし、その『人生』を一瞬で昇華させる。わずか一瞬の、しかし永遠の極楽浄土の誕生である。
この快楽の渦はどれほど知性構造が異なっていようと、知性あるものには例外なく作用する。地球限定の宝具ではない。
アンデルセンは「最低最悪の宝具」と評している。
ゲーム内では現HP・MPの99%ダメージを与える。ただし、これは「全能を振るうことができない相手」である主人公(のサーヴァント)に対しての効果であり、この制限が無かった場合の効果は不明。

登場作品と役柄

Fate/EXTRA
臥藤のセリフ中に名前だけ登場。当初気付いたプレイヤーはどれほどいただろうか。
Fate/EXTRA CCC
一連の事件の黒幕。

人間関係

キャスター (CCC・青)
召喚したサーヴァント。戦闘ではサポート役に徹する(つまりマスターとサーヴァントの役割が通常と逆になっている)。戦闘では支援しか出来ないが、何故そんな彼が彼女のサーヴァントとして「選ばれた」かは、CCCルートの主人公の行動次第で明らかになる。
主人公 (EXTRA)
月の裏側で出会ったマスター。彼あるいは彼女のことを気に入っているようで、しばしば助言をしたり、コードキャストを譲渡したりして協力する。ルート(進め方)によっては最終的に彼女の目的である人類の滅亡を防ぎ、桜とBBを助けようとする主人公と戦うことになる。
キャスター (EXTRA・青)
彼女の宗派である真言立川流のご本尊と、同一視される。彼女の本性を最も早く見抜いており、主人公には彼女の事を「理解するべき価値は全くない」と警告していた。また最終決戦前、彼女が黒幕であることを事前に見抜いており、「やはり現われましたか殺生院」と彼女達の偽装を看破していた。

名台詞

「人に三魂七魄あり。すなわち十種の神宝なり。汝、己が仏性を悟らんとするなら、内なる悪を見据え、もって涅槃に至るべし。オン アビラウンケン ソワカ」
パッションリップが校舎に侵入した際、ダキニ天法を用いて追い返した。その時の真言(マントラ)。セイバーはこのキアラの手腕を見て、彼女の実力がハッカーではなくメイガスの域にあると発言した。なおキャスターは「懐かしのダキニ天法」と語っている。どうやら彼女も同じようなものを使用できるか、使用するのを近くで見たことがあるらしい。ご本尊なのだから当然か。
「アンデルセン。(主人公の名前)さんは真剣にジナコさんを案じているのです。」
「それをなんですか。もっと酷い目にあわないか、さらなる裏目を引かないか、などと期待するなんて……。」
「……ああ、本当に辛い話です。あらがえばあらがうほど嵌まっていく……」
「底なし沼に飲まれた美男子(美少女)の苦悩は、禁断の蜜のよう―――私も、ずぶりと溺れてしまいたい―――」
真面目にアンデルセンを諌めてくれたと思いきや、段々頬を染めてアレな妄想に浸り始めるキアラ。あまりの酷さにアンデルセンすら言葉を失い、フォローに回っている。
なお、アンデルセンは「主人公を題材にしたら面白そう」と言っただけで、もっと苦しめとかは言っていない。つまりその部分はキアラの(もっと主人公の悩ましい姿を見たいという)本音である。
ダメだこの性職者(おんな)、早くなんとかしないと……
「間違っても合意いたしませんっ。裸で走り回る為に魔力を使うなど。貴方の宝具はストーリーキングですか。」
執筆に詰まった際のアンデルセンの奇行の話を聞き「過度な仕事は押し付けない」と誓った後、「依頼がないのはないで寂しい」「ちょうど大長編のプロットを構想中」と言われたキアラの裸の王様と露出狂をかけた切り返し…ではなく、ただの事故。
素早く駄洒落で切り返したと思った主人公とアンデルセンは驚いて黙ってしまったが、本人は問題発言をしたと勘違いして照れていた。そして直後にアンデルセンから「上手いがつまらない」との評を頂戴する。
「さあ? 強いて言うなら愛のため、でしょうか。 私は私の愛のために、人という人をみんな溶かしてしまいたいようなのです。」
黒幕としての正体が明らかになった直後、なぜ人類を滅ぼそうとするのかと桜に問われ、事も無げにこう答えた。
垣間見える魔の本性。
「―――いいえ。
 まだ理解が及んでいませんのね。
 神になるのは結果論です。
 私はただ、自分の欲望に忠実なだけ。
 私はすべての人間に愛されたいのです。
 地上すべての人間の、快楽の受け皿になりたいのです。
 まだ生きているすべての生き物の欲望のはけ口になりたいのです。

 そう―――
 何万何億という人間を使って、最大の快楽を得たいのです。

 ―――ほら。
 そのためには、神になるしかないでしょう?」
人を超え神になろうとするなど愚かだ、と味方サーヴァントに対する答え。この答えに四者一様に絶句していた。
これが人間の欲望の窮て。
「和光同塵、真如波羅蜜。慈悲です、戯れといたしましょう」
戦闘開始時のセリフ。
和光同塵とは仏や菩薩が教化を受け入れることの出来ない人を救うために本来の姿を隠し人間界へ現れること。
真如とは真理、波羅蜜とは覚りに至る行、あるいは覚りの完成した状態。
済度の時です。生きとし生ける者、全ての苦痛を招きましょう
―――ああぁ、あ―――あ―――!!!――

衆生(シュジョウ)、無辺(ムヘン)、誓願(セイガン)度、歓喜(カンキ)、離垢(リク)、明地(ミョウチ)、焔(エン)、難勝(ナンショウ)、現前(ゲンゼン)、遠行(オンギョウ)、不動(フドウ)、善想(ゼンソウ)、法雲(ホウウン)
十万億土の彼方を焦がし、共に浄土に参りましょうや―――!
最終宝具、発動。
すべてをその欲望によって構成された闇黒に飲み込む。「魔性菩薩」の業。
菩薩の四弘誓願の一つ衆生無辺誓願度と、菩薩の十地の逆順回し。

メモ

  • 彼女の劇中での役割は『CCC』版の「この世すべての悪」。桜(BB)を侵食し、現世に誕生することですべてを飲み込もうとする。一見すると楚々とした天女を思わせるが、実態はあらゆる「欲」にまみれた真っ黒な存在である。但し「この世すべての悪」は他者の手により本人の意志とは関係なくそうさせられていたのに対し「自分自身の純然たる欲望で自主的にそうなる事を選択した」という大きな違いがある。
  • 現状、TYPE-MOON作品で最も経験豊富な人物。相手の性別が異性か同性かを問わず、過去かなりの数の人間と関係を持ったことがあると思われる。既存作品の中でも比較的経験豊富と考えられる、男性代表のギルガメッシュ、女性代表のカレンの経験も、彼女には及ぶべくもないだろう。しかしそれは心理的にはある理由から処女である事を暴露されたとあるサーヴァントの心理「処女=恥ずかしい」「経験者=すごい」と同じ原理による、ただの見栄を満たす為の行為でしかなかったようである。実際、その矛盾を作中で指摘した者がいた。
  • 今までのTYPE-MOON作品に登場した聖職者にまともな奴がいなかったため、多くのファンがその登場時から彼女を疑った(但し今回の場合は、前作でとある人物の発言から彼女の本性に概ねの見当を付けていた、というプレイヤーも少なからず居たものと思われる)。だが下手したらCERO:Z判定されてもおかしくない演出の宝具をはじめ、彼女の想像を上回る常軌の逸し方に予想はしていても驚愕したファンも多いだろう。
  • ギルガメッシュからは「多数の幸福の為に人の世を救おうという愚者」と「己の欲の在り方に苦悩しながらついには自らの業を良しとし答えを求め続けた馬鹿者」の両端が和合した者と評された。だが彼女の言う「救い」は究極の自己愛に基づく物、己の欲に苦悩など感じたことはなく誰よりも欲望に忠実、しかしその欲望の真の根源に当の彼女自身その最期の瞬間まで気付けなかった…といった具合に彼女の本性は英雄王にすら計り知れないものであり、この推測は全くの的外れであった。
    英雄王赤っ恥。まぁ彼の見立てや推測が外れるのはいつものことである。
    • 一応、この例示の象徴である2も「自分の人生に価値を見出せないから他者に依存する」という点はキアラと同じと言える。が、いずれも自分という物の存在を認められず否定に走るが故の彼らと、自分を第一に考えている彼女とは決定的にスタンスが異なる。
  • 彼女が扱うコードキャストは作中で言及されているようにかなり特殊で、旧校舎に出現したリップを迎撃する際に使用した術式を見て主人公のサーヴァントは、あれはもはや「霊子ハッカー(ウィザード)」ではなく「魔術師(メイガス)」の域にあると称した。
    EXTRA世界における「メイガス」とは旧時代の魔術師を指す言葉で、世界的な魔力枯渇に陥った現在では衰退した存在である。
    両者にどれほどの差異があるかは不明だが、キアラが用いる術式が極めて特異かつ優れていることはうかがい知れる。
  • 生まれ育った教団は山深い文明を一切拒絶する土地に存在し、所謂「山育ち」である。
    その証拠に、魔人となる前の時点でも、崩壊寸前とは言え神霊を元に造られ通常のサーヴァントより桁外れに強いパッションリップを素手で殺すというとんでもないことをしている。
    またアンデルセンの特性上戦闘は彼女が行うしかないため、行く手を阻んだサーヴァントやエネミーは全て彼女が倒したということになる。
    アンデルセンのサポートはあっただろうが、なんとも恐ろしい話である。…が、彼女が言うには「地上で身体を殺された」らしいので、そんな桁外れの戦闘能力を有する彼女を手にかけた何者かがリアル(現実世界)に存在しているという事になる。二重の意味で何とも恐ろしい話である。
  • 容姿、雰囲気ともに「エロス」を体現したかのようなキアラ。そのスリーサイズは歴代最高峰だったリーゼリットすら上回る魅惑のボディ。
  • 前作である「EXTRA」の段階から、その存在が示唆されており、臥藤門司が言及しているシーンがある。当時の時点から構想はあったのだろうか。
  • CCC用語辞典によると、二十世紀に流行した、とある創作神話における邪神の在り方に近く、変生した彼女はこの域に達しながら、些細なミスによって神の座から転落した。
  • 他のキャラクターと同じく、声優が熱演している。特に叫び声はそれを聞けるシチュエーションも含めて必聴&必見。ヘッドフォン着用のプレイヤーは注意されたし。
  • 主人公が夢見ていた予選での日々にて初めて姿を現す。しかしその時の名前があろうことか藤村大河であった。勿論本物の藤村大河ではなく、主人公もどことなく違和感を抱いていたわけだが、自己紹介をした時に一体どれほどのプレイヤーが「そこまでにしておけよ藤村」と心の中で呟いたことだろう。
    • ちなみに彼女と大河の身長体重はほぼ同じである(体重については確証はないが)。両者の身体を見比べてしまうと、やはり大河の「B90以上」という初期設定は仮の域をでないものと思い知らされる。
  • 中盤、主人公達は本選で月の裏側に引きずり込まれたことが発覚するが彼女は序盤、予選で黒い触手に引きずり込まれたと証言している、しかし予選ではBBはまだ出現していないため嘘をついているという事になってしまう。おそらく主人公の夢見ていた予選を覗いていた、あるいは侵入していたと思われる。
  • 本来の予定は「自意識を開放して人間にした桜を陥落する」というものだったが、「保健室に数ヶ月も閉じこもった若い二人を応援したくなった」なんて理由であっさり予定を変更している。
  • 彼女に関する仏教用語に「他化自在天」というものが作中で登場している。これは欲界(欲望に囚われた生物が住む世界)の六欲天における最高位、あるいは天上界の第六天を指す。この天は他人の変現する楽事をかけて自由に己が快楽とする、つまり他人の楽しみを自らの楽しみにすることができる世界である。裏を返せば快楽を他人に依存しているとも言え、その特性は殺生院キアラの歪んだ天性そのもの。
    神の座へと辿り着き、魔人と化したキアラの存在は、欲界の主である第六天魔王波旬に近いものと思われる。波旬(天魔波旬)は、仏教の開祖釈迦が悟りを開く際の瞑想を妨げるために現れた魔神マーラ・パーピーヤスの漢訳の一つであり、他には魔羅と訳されることがある。
  • ムーンセルに訪れた現在でも真言立川詠天流の導師だと語っているが、破戒僧ゆえに信仰心なぞ欠片も持ち合わせていない。あろうことかご本尊を「負け犬」呼ばわりする始末。
  • キアラ役の声優・田中理恵は、「劇場版 空の境界」にて巫条霧絵役を演じている。
    なお、ドラマCDにおける巫条霧絵役は伊藤美紀であり、彼女はFateシリーズにおいて藤村大河を演じている。これはいったい、なんの因果か……。
  • 設定においては、同情するばかりで何もしてくれなかった周囲の人間に失望した事が彼女の人格形成の核になっているという事ではあるが、ただひとりだけは彼女に具体的なかたちで手を差し伸べてくれ、その結果彼女は一命を取り留めており、その点整合性として若干の矛盾がある。その信者の事はこれ以上公式に描写はないが、また彼女がこの件に感謝も自己の人間観に対する矛盾も感じるような描写もない事から、主人公の「ムーンセルに来る前から彼女は人間ではなくなっていた~」というくだりは、あるいはこの部分を揶揄した事なのかもしれない。
  • 終盤キアラの生い立ちや心理を主人公が「見る」場面があるが、その中に彼女が嫌いなものは「つまらない(平凡な、当たり前な、普通の)人生」というくだりがある。…後の展開からするに、まさにその中にこそ真に彼女が心底欲したものがあったという事であり、それに気付かず「自分に合わない」欲望を積極的に吸収し続けた結果自分自身が真に欲したものによってその身を滅ぼしてしまうのは、何とも強烈なアイロニーを感じさせる結末である。

話題まとめ

TYPE-MOON世界最強?
  • 作中においては主人公に敗れたものの、その能力は次元違いでキャスター (CCC・青)は「全能の力」と称しており、あらゆる事を可能にする彼女に勝てる者はもはや存在しないと明言している。また「この世、全ての欲」は知性さえあれば地球外の生命体にも作用すると説明されている為にORT朱い月のブリュンスタッドといったアリストテレスにすら適応される可能性が高いので一部のファンの間では彼女こそがTYPE-MOON世界最強の存在なのではないかと囁かれている。
    • 「人」に近い性質を持つ生命体であれば勝ち目はまず無いが、悟りを開いた覚者やら神霊やら、元々生命体とは言い難い物体に作用するかは不明。
  • 霊長の守護者を始め、ガイアやアラヤが顕現させた抑止力は自由意志を持たない。いわば欲望を出そうにも自我が無いに等しい状態なので、「全能の神」となったキアラが地上に顕現すれば、抑止力との血で血を洗うラグナロクの始まりと思われる。
    • 地上の全人類が欲望の果てに滅びようが星自身には無関係なので、ガイアが機能しない可能性が高い。そのため、アラヤのみで彼女を制止せねばならなくなるだろう。
    • ただ、前述のように主人公に全能の力を振るえない事に気付かず敗北しているので、この時点で抑止力が働いたと解釈する事もできなくはない。
      もっとも主人公は人間ではなく自我に目覚めたNPCであるため、抑止力が働いたとは考えにくいが。
通常ルートにおける彼女の生存の可能性について
  • 第5章、主人公に追いかけられたいという欲望からサクラ迷宮に入り、メルトリリスに殺される。だが、これはCCCにおける真のルートでは自らの死を偽装し主人公達を欺くための演技であったことが判明している。問題は他のルートで彼女はどうなったか、ということである。
    件の偽装に使われたのはCCCルートで主人公達に見逃されたパッションリップなのだから、リップを偽装に使えない彼女が他のルートで生存している筈がない、という主張が存在する。
    だが彼女は事が起こる前、二階の教室でNPC達と不審な接触を行っている。更に別にリップでなければ身代わりとして使うことができない訳でもないだろうから、彼らの誰かを身代わりとして使った可能性は充分にある。
    おまけに彼女と接触していたNPC達はどこを探しても最初から出会うことも出来ず、事が終わった後も見つけることができないのがこの疑念に拍車をかけている。
    またこれはゲームシステム的な問題になるが、CCCルートは一回でも選択肢を誤れば、途中から通常のルートに変更されてしまう。この性質のため、彼女がメルトリリスに止めを刺しに本性を現した後、ノーマルルートに進んだことでフェードアウトしてしまう展開も起こりうる。
    そこから考察するに、彼女がメルトリリスとの戦いの直後まで生存していた事は確定事項と思われる。
    また主人公がムーンセル中枢に侵入した時、通常ルートでもCCCルートでも「来訪者002」と呼称されるが、その前の「来訪者001」こそが彼女であるとも推測できる。
    しかし、どちらのルートでも経緯は違えどムーンセルの初期化が行われるので、彼女の消滅もまた確定事項と思われる。
    • なぜ通常ルートで横から手を出さなかったのかは不明。ここが通常ルートで、彼女が第五章で死亡したとされる最大の根拠とされる。事件がほぼすべて彼女の筋書き通り進んでいたことから考えても彼女の狡猾さは明らかなのに、同時に描かれた極度の快楽主義思考のせいで彼女の真実を見通すことが非常に難しくなっている。
      主人公がBBと戦い始めたため、BBが勝ってからムーンセルに接続しようと考えた可能性はある。あるいは自らの欲望から、BBの恋路の果てを見届けようとして機を逸したのかもしれない。なんにせよ現状真相は闇の中だが。
謎の宗派
キアラが(一応)信仰する真言立川流は実在した真言密教の宗派で、その教義とは性交を通じて悟りを得るというものである。これだけだと非常にいかがわしい宗派に思えるが、元来、密教は人間が行う営み全てを肯定する宗教であり、特に新たな命を生み出す性交を神聖視する風潮がある(密教に限らず、性交を神聖視する宗教は洋の東西を問わず多数存在する)。
しかし、日本には密教の教義は部分的にしか伝わっておらず、他の仏教と同一視されてしまっている。
立川流では、特別に選ばれた髑髏を本尊とする為の儀式があるが、その儀式を行っている間は本尊の前で絶え間なく真言を唱えながら性交を続けなければならず、しかも儀式が完了する7年間ずっと行わなければならないという非常にハードな行である。
無論、ただ性交するのではなく本来は悟りを得る為の儀式であり、悟りを得られればもはや髑髏本尊は必要なくなってしまう。更に立川流は男女ともに悟りを得て仏になると説いており、この点において「女性は悟りを得られない」とした既存の宗派とは一線を課している。
ただし、これらの教義や儀式の内容は俗説の部分が大半を占めてしまっており、本来の教義は現在に至るまでほとんど伝わっていない。
と言うのも、立川流は他の宗派から弾圧されて経典のほぼ全てが焚書の憂き目にあっており、現在に伝わっている資料は弾圧した側の資料だけである(ぶっちゃけると、「かつて真言立川流という宗派があった」という事しか判っていない)。その資料にも多数の誤記が散見されており、この宗派の実像をますます不鮮明にしてしまっている。
一応、信頼できる部分のみを抜き出すと、成立したのは12世紀の初めで、真言密教と陰陽道を掛け合わせたものと言われている。全盛期を迎えたのは14世紀の半ば頃で、後醍醐天皇が立川流に帰依した事で大きな後ろ盾を獲得し、一時は真言密教の9割の僧侶が立川流に帰依したと言われている。
しかし、後醍醐天皇が建武の親政に失敗した事を切っ掛けに凋落の一途をたどり、遂には真言密教の総本山を称する高野山によって徹底的な弾圧が行われ、経典もあらかた焚書となってしまった。その後は細々と教義が伝えられたが、江戸時代の弾圧で完全に断絶したとされている。ただ、その独特の教義は日本の仏教界に大きな影響をあたえ、現在に至っているとされている。

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