セイヴァー | |
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真名 | 覚者(ブッダ) |
性別 | 男性 |
誕生日 | 4月8日 |
特技 | 人類救済 |
好きな物 | 修行、対話、入滅 |
天敵 | 別の救世者 |
属性 | 秩序・中立[注 1] |
声優 | 田中秀幸(サウンドドラマ) |
イメージカラー | 緑 |
初登場作品 | Fate/EXTRA |
概要編集
- 略歴
- ムーンセルの聖杯戦争において、トワイス・H・ピースマンによって召喚される。
- 聖杯戦争終了後、熾天の玉座にて主人公を待ち構えるトワイス・H・ピースマンが従えるサーヴァント。
- 基本の7クラスには該当しない、特別なクラスのサーヴァント。
- ドラマCD版の質問コーナーに語られた設定によると厳密にはトワイスに直接召喚された訳ではなく、ムーンセルが再現したはいいものを聖杯戦争に参加する事はないだろうと放置されていたが、苦悩するトワイスの姿をたまたま見かけて自分から勝手に降りてきたと言うのが正しいらしい。
- 人物
- 読み方は似ているが、「セイヴァー/Savior=救世者」であって、「セイバー/Saber=剣士」ではない。
- クラス名である「救世者」の他、「覚者」「この世でただひとり、生の苦しみより解脱した解答者」「地上でただ一人、生命の真意に辿り着いたもの」と紹介される。自らの行いが悪であるとしていたトワイスの計画する世界救済に手を貸していたのは、トワイスの思想に共感したからではなく、トワイスという人間の心の行く末に慈悲を示していたため。
- 召喚にも条件があり、彼を召喚するには「善悪を問わず人類を救う理念に開眼している」ことが条件とされている。
- 能力
- サーヴァントとして召喚に応じた為、如来(真如[真理]から来たもの)ほどの力や権限は無い。
- ただしセイヴァーはサーヴァントとしては規格外の強さを誇り、キャスターがこれまで戦ってきたサーヴァントとは格が違うと称する。
- まず攻撃面は、スキル「カラリパヤット:EX」に裏打ちされた古代インド武術によって近接戦闘では無双を誇り、宝具「天輪聖王」によって遠距離も制圧する。
- 更に防御面では、英雄と反英雄の全パラメータをそれぞれ2、1ランク下げる「対英雄:B」と、物理や概念、次元間攻撃等によるダメージを自身のHP分削減し精神干渉を完全無効化する「菩提樹の悟り:EX」を保有する。
- つまり、彼が本来即死するダメージを与えてやっと効果がでる上に、それだけの威力をステータスが2ランク下がった状態で弾き出さねばならない、という出鱈目な防御性能を誇る。殺生院キアラの「この世、全ての欲」のような攻撃も、精神干渉を完全無効化する性質上通用しない。そして、長期戦にもつれ込むと宝具「一に還る転生」によって勝敗が決する。
- 菩提樹の悟りの影響か、ネロの原初の火による剣の一撃を素手で受け止める、『Last Encore』においてはそもそもガードすらせず剣による攻撃を防壁で止める等の描写がされている。
- 手加減していてもあまりの強さを誇るせいか、システム上サーヴァント同士の戦いで直接倒す必要の無いドラマCD版やコミックス版等のメディアミックスではマスターであるトワイスを直接攻撃してようやく勝利した程。アニメの『Last Encore』に至っては原作主人公陣営を倒した後はそのまま敗北する事無く別次元へ去っていくレベルであった。
- ちなみに方法としては以前から語られていたが、強すぎる英霊でさえも直接マスターを倒して勝利するという方法が実際なされたのは彼が初である。
ステータス編集
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
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セイヴァー | トワイス・H・ピースマン | A | A | C | B | B | A++ | カリスマ:A+ 対英雄:B |
菩提樹の悟り:EX カラリパヤット:EX |
宝具編集
- 一に還る転生(アミタ・アミターバ)
- ランク:EX
種別:対人宝具
レンジ:零
最大捕捉:1人 - セイヴァーの大宝具である究極の対個人宝具。下記の『天輪聖王(チャクラ・ヴァルティン)』の最大展開[出 1]。
- 人類創生の理に匹敵するエネルギーを人間一人に収束させ、その苦しみから解放するという最終解脱説法[出 2]。
- ブラフマー思想によるなら、全ての人間はブラフマーの転生であり、全ての人類は同一の個人であると言う事になる。この思想に立った場合、全人類は必ず成仏する。何故なら、全ての人間は究極的には覚者に転生するからである[出 1]。
- 要するにあらゆる衆生の苦しみを救う、「人間はみんな私になるのだ輪廻転生」[出 1]。
- 人類史が続けば続くほど、その版図が広がれば広がるほどダメージ数値は増していく[出 2]。生有る者、人であれば決して逆らえない大ダメージ[出 1]。理論上、地球人類ではこの攻撃に耐えられない[出 2]。ゲーム内で使用した際のダメージ数値は五十六億七千万[出 1]。
- 反面、人でありながら人では無い者には効果は薄く、その存在規模が人類の版図より上になってしまった個人も救えきれなくなる[出 2]。そのため、そもそも生きておらず、まだ生の苦しみ、四苦がない主人公 (EXTRA)は、耐え切れる可能性が微レ存なんだとか[出 1]。
- EXTRAの制作費が十倍ほどあったならば、ゲーム過程で悟り(信念)を開くと、この攻撃を乗り越えられる、という仕掛けにしたかったと語られている[出 1]。
- 当初の字コンテでは『天輪聖王』の光の輪が
時間 ごとに増えていき、最終的には七つに増大し、戦いが最高潮に達したところで真名開放による最終攻撃『一に還る転生』が発動し、光の輪がガコン、と音を立てて一つに合体して高速回転し、やがて大日如来が背負う後光っぽいものに変化し、プレイヤーサーヴァントに360度から光の柱が集結、ブラックホールを思わせる収束から大爆発する[出 3]。 - などを考えていたが、製作コストを考えない字コンテだったので当然の様にボツになり、奈須きのこも「この手のスペクタクルはアクションゲームでやってろって話」と述べていた。そのためどこまで当初の設定が反映されているか不明[出 3]。
- ゲーム中では背後の『天輪聖王』に灯った7つの光から出たエネルギーが上昇し上空の光の渦のようなものと融合、無数のビームを上空から降り注がせた後、対象と光の渦が一つの光の柱で繋がり、その後光の渦から巨大なビームが放射されるといった演出になっている。
- ドラマCD版では色々と設定が追加された。この宝具が人間以外にはどの程度効くかどうかは曖昧だったが「どんな生命体でも耐えられない」というセリフがトワイスや主人公の考察から語られている。「あらゆる命を解脱させる事により、あらゆる生存効果を無効化して成仏させる」という完全無欠の即死宝具。更に発動時には対象の身動きすらも封じるので自力による回避はほぼ不可能。
- またマテリアルで没になったと語られていた「主人公に宝具が当たったが、彼はNPCであるがゆえに生の苦悩や実感が乏しく無効化される」というイベントがドラマCDでは描写される事となった。
- 『EXTRA』ゲーム中では、対セイヴァー戦で一定ターン内に決着がつかないと展開される「絶対ゲームオーバー攻撃」。ダメージ+特殊効果の表記無しでリトライ画面に飛ばされるため発動した時点でGAME OVERが確定、あらゆるHPも防御も蘇生SKILLも通じない。
- 天輪聖王(チャクラ・ヴァルティン)
- セイヴァーの小宝具。本来徒手空拳で戦う覚者が持つ、相手を倒すための武具。転輪聖王は古代インドヴェーダ時代における理想の王の事[出 3]。
- この宝具は飛び道具で攻撃を行う。覚者の背にある曼荼羅のようなこの宝具に順番に7つの光が灯り、全てが揃うと『一に還る転生』が発動する[出 3]。
- 『天輪聖王』はセイヴァーの上空に展開される7kmの
光輪 。ゆっくりと回転しながら、輪の中にいるサーヴァントに光の矢を放つ。全天方位型・移動砲台、光の輪をレールと見立てて、その上で砲台が移動しているような、とされている。時間 ごとに光の輪は増えていき、最終的には七つに増大。この七つの輪は聖王が持つ七つの宝と同義。その姿は虹を思わせ、戦いが最高潮に達したところで真名開放による最終攻撃『一に還る転生』が発動し、光の輪がガコン、と音を立てて一つに合体して高速回転し、やがて大日如来が背負う後光っぽいものに変化し、プレイヤーサーヴァントに360度から光の柱が集結、ブラックホールを思わせる収束から大爆発する[出 3]。 - などを考えていたが、製作コストを考えない字コンテだったので当然の様にボツになり、奈須きのこも「この手のスペクタクルはアクションゲームでやってろって話」と述べていた。そのためどこまで当初の設定が反映されているか不明[出 3]。
- ゲーム中の戦闘では7kmの光輪や相手を攻撃し続けるビーム砲台といった要素はない(やろうと思えば出来るのかは不明)が、通常攻撃時や『一に還る転生』発動時にビームが多数放たれたりなど名残と思わしき描写は残っている。
- このようにゲーム中では没になった宝具だが、「Fate/EXTRA Last Encore」にてセイヴァーの宝具として登場し、作中にもたびたびステージの上空から金色の光輪が稼働しているのが確認できる。
- 1000年後での聖杯戦争においてセイヴァーは既にこの宇宙から立ち去ったが、その宝具は今もトワイスの指示通りにムーンセルを破壊する為の「剪定機構」として稼働しており[出 4][出 5]、中枢を破壊することで全ての平行世界の観測の停止を実行しようとして、それを阻止しようとする主人公の前に現れる最後の敵として立ちふさがった[出 4]。大輪と小輪とに分かれており、大輪はSE.RA.PHを囲み、破壊しようとしている直径70kmのリング。小輪は熾天の檻だけを囲む直径7㎞のリング。小輪はトワイスとムーンセル中枢への到達を阻む迎撃宝具であり、武の王・転輪聖王が持つとされる七つの具足を模したバンカーバスターを有する[出 5]。聖輪の集中砲火を切り抜けたとしても、ムーンセル中枢を覆う黒いドームに阻まれてしまう。しかし、その黒いドームは聖輪によって作られたものであり、聖輪を止めることができれば一時的に停止する[出 4]。
- 描写としては上空に展開される巨大な光輪という点が再現されているほか、上空からの光弾のほかにも砲台を分離して横から敵を追尾する光線を放つ、具足を模したバンカーバスターを落下させ巨大な弾として爆撃を行うなどの描写がなされた。[出 6][出 4]。
- その威力はバンカーバスターの一撃でネロに最後のとどめを刺し、集中砲火の閃光はガウェインの『転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)』に最終的には敗れたものの拮抗する程の火力を誇る[出 6][出 4]。
- 耐久面でもずば抜けており、上記の『転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)』が直撃してダメージを受けてもなお健在で砲撃が可能。ネロの追撃による全力攻撃によってようやく破壊されるほど頑丈である[出 4]。
- 「Fate/EXTRA Material」では箇所によって「天輪聖王」と「転輪聖王」の表記ブレがあったが、『Fate/EXTRA Last Encore』では「天輪聖王」となっている[注 2][出 7]。
- 法話集において覚者こと釈迦、即ちシッダールタ太子が生誕した際、父であるシュッドーダナ王が国一番の占い師であり仙人であるアシダ仙人を呼び付け、自らの子であるシッダールタ太子の将来を占ってもらったとされている。
- その際、太子の顔を見たアシダ仙人は涙を流し、何故泣くのかを王が問いかけると「太子は世俗に生きるならば世界の全てを支配しうる王の中の王、天輪聖王になられるでしょう。しかし修業の道を歩むならば真理に目覚め、世の中の人々を救う教えを授ける仏陀(目覚めし人)となるでしょう。私はこの齢故に、太子が仏陀になられた時はもうこの世に居りません、世の真理に目覚めた彼の人の教えを聞くことが出来ないのが、残念でならないのです」と答えた。
- これはアシダ仙人の予言と言われるもので、宝具の名称はここから来ていると思われる。
使用技編集
Fate/EXTRA編集
- 空虚
- 手から閃光を放ち、敵に魔力ダメージを与える。
- 中道
- 3ターンの間、ATTACKにHP吸収効果を付与する。
- 三味
- 3ターンの間、GUARDにMP吸収効果を付与する。
- 苦諦
- 3ターンの間、BREAKにスタン効果を付与する。
- 集諦
- 通常攻撃、スキルを問わず、敵の攻撃に対し、カウンターで筋力ダメージを与える。
- 攻撃に対するカウンターなので、GUARDや補助スキルに対しては発動しない。
真名:覚者編集
覚者 。救世主のサーヴァント。覚者とは悟りに至ったものを示す。- このサーヴァントを獲得するマスターは、善悪はどうあれ『人類を救う』理念を開眼している。
- 最も有名な覚者である釈尊は、自ら悟って覚者となった。彼は生きながらあらゆる苦悩から解放された。
- この『覚者になる教え』が仏教である。
- しかし仏教では「これを学べば救われる」とは一言も言っていない。
- 仏教とは釈尊が覚者に至った理念であり、釈尊は「この教えだけが仏への道である」とは述べていない。
- 覚者になる方法は人それぞれにある。
- 仏教において、人はみな仏になる可能性を秘めているとされ、人間は最終的にみな悟りに至る。
- 善も悪も有情も無情も、すべてその過程にすぎない。
- セイヴァーがサーヴァントとして召喚に応じたのは、マスターの苦悩があまりにも見捨てがたく、また罪深かったから。
- “この魂には一切の救いがない。ならばせめて、彼が願った人類の結末まで、ともに有り続けましょう───”
- セイヴァーはマスターに力を貸したのではなく、戦いの王に慈悲を示したに過ぎない。
- その誕生から死去まで戦争と向き合い続けた人間。
- 戦争を憎みながらも否定しきれず、苦行を歩み続けた男の最期を看取る、沙羅雙樹の花のように。
登場作品と役柄編集
Fateシリーズ編集
- Fate/EXTRA
- 聖杯戦争最後の敵。
- Fate/EXTRA Last Encore
- まさかの第1話アバンから登場。挑みかかるネロをほとんど動かず敗北まで追い込むなど圧倒的な力を見せつけ、この作品にて数々の影響を及ぼす鍵となった。
- セイヴァー本人は最終局面で既にこの宇宙から去り、トワイスに残した「転輪聖王」が主人公達の最後の壁として立ちふさがる。
- Fate/Grand Order
- 玄奘三蔵の台詞にて言及される他、「五行山・釈迦如来掌」の宝具演出により一瞬だけ登場。また作中で明言されてはいないが「星の三蔵ちゃん、天竺へ行く」でも「御仏」はセイヴァーである可能性が高く、このシナリオ中にて彼が牛魔王を従わせ哪吒を遣わせたりと物語の裏でいくらか関わっている事を示唆されている。ちなみにこのシナリオにて初めて「釈迦如来」という名称が実際に明言された。
その他編集
人間関係編集
Fate/EXTRA編集
- トワイス・H・ピースマン
- マスター。彼を救済する為にサーヴァントとして呼び出しに応じる。
- ゲーム版ではマスターとサーヴァントという関係性とは思えないほど互いに会話する描写すらなかったが、ドラマCD版ではトワイスの指示に応じて従うなどマスターとサーヴァントという関係性が表現されている。
- 最後は彼の最後を見届けながら共にいずこへと還っていった。
Fate/Grand Order編集
- 玄奘三蔵
- 前世での弟子にして最終目的地、天竺にて彼女達を待つ者。度々彼女の口から敬う存在として名前が出る他、彼女の宝具である五行山・釈迦如来掌にて力を貸したり宝具演出で姿を見せたりと関わりは深い。
- また先述の通り「星の三蔵ちゃん、天竺へ行く」で語られている「御仏」として裏で何かしらの行動をしていたのだが、それを行った理由は牛魔王や哪吒の言葉でしか言及されておらず、実際彼自身が「玄奘三蔵が人類史の救済に向かう」という行動にどう思っているかは不明のままである、が今回のシナリオ自体が仏でありながら救済に向かう事を悩む彼女に対する救済の試練の一つともとれる。
- 哪吒
- 御仏の使者、あるいは三蔵自身が御仏を求めたが故に探す為のレンズのような存在。
- 牛魔王
- 願いを叶えることを条件に今回の玄奘三蔵の旅に協力させた。しかしその願いは羅刹女の薬品臭い料理をどうにかしてくれという意外な願いだったのだが解決できたのかは不明。実際彼と彼女の問答は非常に興味深くはあるが…。
生前 編集
- マーラ
- 彼が菩提樹の元で悟りに至る瞑想の時に妨害しに襲ってきた因縁深い宿敵。
- マーラの誘惑をものともせず退ける事で彼は遂に悟りを開いたとされる。この時のエピソードを「降魔成道」という。
名台詞編集
- 「――それが、人類が悟りを得て真如へと至る道であるならば。
我は衆生を救済すべく、刃 を持ちてそれを導かん」 - 「命あるものは必ず滅びる。衆生は苦しみの輪廻にいる。
生存の強さをもって悟りへの道を拓こうとした彼もまた、心に神を宿している。
道は1つではない。人の善悪に価値がないように、人の認識では、世界の在り方 は変わらない。
血塗られた戦いの王よ。涅槃にて共に世の末を見届けましょう。それが貴方の、最期の救いだ」 - 台詞は以上の二つだけ。戦闘中も喋らない(代わりにトワイスが喋る)ため、ゲーム版では音声がない。
- その台詞は人としての生死や善悪を超越した彼の思想を体現しており、悩み苦しみながら戦争をいう人類への救いの手段を選ばざるを得なかったトワイスへの慈悲の思いに溢れている。
- 「転輪は時を告げる。あらゆる衆生、あらゆる苦悩は我に還れ。大いなる悟りの下、人類はここに一つとなる。」
- 「
一に還る転生 (アミタ・アミターバ)」 - 宝具発動の口上。ゲーム版ではトワイスが述べていたが、ドラマCD版[出 8]では彼本人が述べ、宝具名は二重に聞こえるという演出がなされた。
- 「いたずらに武威を示す必要はないのです。あなたが如何なる力を帯びようとも、私は恐れない。私は禅定にあり続け、時が満ちるのをただ待つのみ」
- ドラマCDで追加された台詞、サーヴァントでありながら戦いと言う思想に捕らわれない彼の信念が感じられる。その言葉通り彼は敵に対しても全力で戦う事はしなかった
- 「華々しく猛る情熱の皇帝よ、その炎、今一度、解脱の時だ」
- 最後の対戦相手となったネロに語る言葉、意外にも彼がトワイス以外の特定の人物に対して語り掛ける事自体作中ではほぼ無かったりするので極めて珍しい。
メモ編集
- 作中では真名が明言されておらず『Fate/EXTRA material』でようやく「覚者(ブッダ)」と確定した。
- リアルに誤解が多いがブッダ(仏陀)は個人名ではなく「悟りを開いた者の称号」といったもの。つまり冬木の聖杯戦争におけるハサン・サッバーハのように「覚者の称号を持つ何者か」であって、仏陀そのものは別の世界にも存在するとされ特定の個人名までは特定していない。ただし宗教にもよるが仏教において悟りを得た最高の聖人は阿羅漢という称号で呼ばれ仏陀を単純に称号として使うことはあまりない。
- 宝具におけるアミターバとは阿弥陀仏のサンスクリット名であるが、宝具に使い手以外の個人名を使うのはいくつか例があり、殺生院キアラ〔アルターエゴ〕の宝具名にも「アミダ・アミデュラ」という名称がついてる事から恐らく救いの仏というイメージを阿弥陀仏の名を使う事で表現しているのだろう。[注 3]
- ただし容姿やトワイスなどからされる紹介、使用スキルなどから、基本となるモチーフはほぼ間違いなく「釈迦(ゴータマ・シッダールタ)」であると推察でき、多くの仏教の宗派では基本的に仏陀≒釈迦として扱われているので個人名は出さないが言外に…という宗教的な配慮がされているのだろう。[注 4]。
- ちなみにインド神話と関連深いヴェーダでは釈迦は、ラーマやクリシュナと同じくヴィシュヌのアヴァターラとされているが、インドの宗教の伝統を否定した側面もある仏教はヒンドゥー教等のインド宗教では良いイメージを持たれてるとは言えず、実際釈迦のアヴァターラとしての役目も「偉大なるヴェーダ聖典を悪人から遠ざけるために、敢えて偽の宗教である仏教を広め、人々を混乱させるために出現した」とされヴィシュヌのアヴァターラとされる釈迦という設定は必ずしも好意的な設定であるとは言いにくく、宗教的にも非常にデリケートな面を持つという点に注意すべきである。
- リアルに誤解が多いがブッダ(仏陀)は個人名ではなく「悟りを開いた者の称号」といったもの。つまり冬木の聖杯戦争におけるハサン・サッバーハのように「覚者の称号を持つ何者か」であって、仏陀そのものは別の世界にも存在するとされ特定の個人名までは特定していない。ただし宗教にもよるが仏教において悟りを得た最高の聖人は阿羅漢という称号で呼ばれ仏陀を単純に称号として使うことはあまりない。
- このサーヴァントを獲得するマスターは、善悪はどうあれ『人類を救う』理念に開眼している。
- 「対英雄」や「菩提樹の悟り:EX」は極めて強力なスキルだが、主人公のサーヴァントは反英雄や神性を持つサーヴァントが多く、運よくこのスキルを軽減出来る条件が揃っている。
- 歴代二人目となる『カリスマ:A+』の持ち主。
それまでは英雄王ギルガメッシュしか該当者のいなかったランクだけに、セイヴァーの突出したカリスマ性が見て取れる。
もっともセイヴァーは全世界に広まる大宗教の一つであると同時にその開祖でもあり、数多の人々を信仰の下に救ってきた救世主にして、現代社会において多大なる影響を現在進行形で与えている偉人である。そのため『カリスマ:A+』という評価はむしろ妥当といえるだろう。 - トワイスが消滅しても特にダメージを受けた様子すら無く任意で帰っているが、これは玉藻の前がムーンセルの強制消去に耐えていたように「大元の存在が規格外であるが故に耐性があること」が理由の模様。
- 全く正反対の人物に見えるが「マスターの行き着く果てに慈悲を示し、間違っていると知りながら仕えていた」というサーヴァントとしての在り方はアンデルセンと同じ。
- 前述した通り「この世でただひとり、生の苦しみより解脱した解答者」「地上でただ一人、生命の真意に辿り着いたもの」だとトワイスが説明している。
ただしTYPE-MOONの世界ではどうなのか不明だが、一般常識として釈迦は自分が最初の仏陀であることも最後の仏陀であることも明白に否定している上、5000人以上の弟子に「私と同じ悟りに達した[注 5]」と言っているので、その点から言って上記のトワイスの理解は明白におかしい。『手塚治虫のブッダ』ではそんな扱いだが……。- そもそも仏陀が複数いるという概念の無かった頃の初期の原始仏教や、ある種の流派の大乗仏教[注 6]には、釈迦を久遠の過去に悟りを開き、一切の仏を自身の化身とする根源的な仏とする見解もあるため、「釈迦如来唯一人を仏陀として認定する」というトワイスの意見は別に間違いではない。
- 釈迦が認めた弟子達はいずれの宗派においても、「煩悩の滅尽」という点では釈迦と等しいものの、その「一切を知る智慧」においては師である釈迦には遥かに及ばないとされる。
- ある種の密教宗派の世界観では[注 7]、生前の釈迦は大日如来の応身(教えを広める為に現世に現れる化身)として扱われ、入滅後には大日如来と同一の存在(報身)として扱われる。大日如来とは、一切万象と同一である汎神論的な如来。
- ちなみに玉藻の前の大本の大本である天照大神も型月においては大日如来とされている。つまり彼女とセイヴァーも非常に遠いが元は同一の関係性でもある。両者共トワイスに仕えていた辺り彼は不思議な縁がある様だ。
- 嫌いなものに「毒茸」とあるが、これは釈迦がスーカラマッタヴァという茸の入った料理(ただしどのような料理だったかは諸説ある)を食べた際、その毒に当たってしまったことが原因と思われる。
- 『EXTRA』のサーヴァントでは唯一CVが設定されていなかったが、サウンドドラマ版では原作者である奈須きのこ氏などの要望を元に田中秀幸氏が担当することになった。
- 『Fate/Grand Order』で言及・示された仏の力として「時間軸に縛られない(これ自体は規模の大きい神霊なら大体無視できると金色白面の際に語られていた)」「他者の記憶を封じる」「世界の端と称された掌で仏敵を押しつぶす」「筋力Eの弟子に力の極一部を貸す事でランクBの対城・対軍宝具を使用させる」と今まで語られた以上に多くの強大な力を持つことが語られた。また「五行山・釈迦如来掌」の宝具の説明や逸話からして恐らく本来は彼自身が同じ技を使用できる、というかこっちの方がオリジナルだろう。
- 「釈迦の掌」には様々な意味があるが、世界の端となれば『西遊記』の孫悟空の逸話が有名と言える。「孫悟空はかの觔斗雲で飛行し世界の端に来たと思い、そこにあった世界の柱に落書きをしたが、戻ってみるとその落書きは釈迦の指に描かれており、結局は釈迦の掌から抜け出せていなかった」という逸話である。ちなみに觔斗雲の移動距離は宙返りすると10万8000里=6万500km移動すると描かれている。ちなみに地球一周は4万Km、あながち世界の端という表現も間違いでは無い。
- 同じく「菩薩」として悟り仏に至った玄奘三蔵曰く「仏は人類の存亡について、それすらも大きなうねりの一つとして認識しており決して関与しない」という事が語られた。
- その為、人類史を修復する為に英霊達が多く集うカルデアでも召喚は非常に厳しいと思われる。以前から『Fate/Grand Order』への登場が疑問視されていた中でのこの情報だが、同時にシナリオ中に名と存在が示唆される・宝具の演出とは言え姿を見せる等の描写もあり、トワイスの前例があるように個人を救済するために動く可能性もまだ残っているため、彼が登場するかは仏のみぞ知る。
- その正体から他作品でもっとも登場させにくいサーヴァントの一人とも称される。サーヴァントでありながら他作品では表現や活躍がさせにくく、出しにくいとされるサーヴァントはペイルライダーやマックスウェル等が居るが、このキャラの場合は宗教的側面という別の方向性で出すのが困難なタイプである。その為他作品で登場出来たのも何でもありな「ちびちゅき」や「コハエース」、FGOで玄奘三蔵の宝具で少しばかり登場しただけである。
- その為原作でラスボスを張ってたとはいえ、登場出来ないかもしれないとファンからですら半信半疑であったアニメでの登場に多くの人が驚いた。しかし本編に出すのが精いっぱいなせいか、アニメの広告、PV、グッズなどの関連商品などでも第一話から登場しているにも関わらず、一切姿を出さない徹底ぶりであった。
- なお出しにくいのは確かではあるが、ペイルライダーやマックスウェルなどと比べればまだ容易な方である(なんだかんだで覚者がゲームやアニメに登場しているのも恐らくそのため)。まあそもそもこの二名はアニメ化もまだであり、片方は作品の完結すらしてないので単純に出るチャンスが未だに訪れて無いと思われるが。
- 他作品での直接登場こそ無いものの、その存在が何かしらの影響を与えている事例はいくつか存在する。…中には、彼の意思とは全く関係無いところで遺骨(実際の真偽はともかく)がドーピングの材料として使用されるという迷惑この上ないケースもあるが。
- 『一に還る転生』のダメージ値の五十六億七千万は、釈迦の入滅から五十六億七千万年後に弥勒が次の仏陀として現れるという伝承[出 9]に由来すると思われる。[注 8]
- 元ネタである仏教において、如来に届いていない菩薩さえ遥かに強大である。たとえば観世音菩薩は千変万化の力を持ち、無上の力を持つ者は、勢至菩薩の知恵によって支えられているという。
話題まとめ編集
- 本来の強さについて
- 『EXTRA』当時から、英霊としては破格の存在であるにも関わらず実際の強さはさほどでもなく、また敗北後も黒いノイズに侵食される事もなく還っていることから、セイヴァーは本気を出していない、もしくは余力を残しているのではないか?と推測する人は多かった。
サーヴァントとして召喚に応じた際に課した制約によって、神霊をも超える本来の規模より遥かに小さい英霊としての力を発揮するに留めているが、英霊としての力もそれまでのサーヴァントを上回る力を有するらしい。- サーヴァントとして制約を課した英霊としても『カラリパヤット:EX』があるのに終始座禅を組んで一歩も動かず、その格闘能力を披露しない等、かなり手加減をした戦いではあった模様。
- 格闘能力については、冗談半分だが「なんとかできるのはプラトン(氷室の天地版)ぐらい」とのこと。……なお、このプラトンの格闘技は、「人類で最も人間心理に通じているため、いかなる攻撃も避けてしまい、ただ歩いて殴るだけで相手は防御もできずやられる」というレベルの代物。つくづく、手加減をしてくれたことが有り難い。
- 少々商業的で身も蓋もない言い方をすると、『EXTRA』は続編の『CCC』と違い予算は少な目で制作された為、3Dモーションがガードやアタック、スキルや敗北時の前倒れにおいてまで腕と上半身位しか動かず座禅戦闘オンリーだったのは予算の都合だった可能性もある。
- その戦闘スタイルは誰が呼んだか舐めプならぬ慈悲プと称される。実際手加減していても勝てると思いながら戦う状態なのが舐めプなのに対し、そもそも勝つこと自体を目的としてない覚者に対しては舐めプと言う表現は当てはまらないだろう。
- サーヴァントとして制約を課した英霊としても『カラリパヤット:EX』があるのに終始座禅を組んで一歩も動かず、その格闘能力を披露しない等、かなり手加減をした戦いではあった模様。
- EXクラスの「カラリパヤット」に加え、筋力や耐久などのステータスも高水準ということで意外と武闘派なセイヴァーだが、生前の釈迦も王族時代に学んだ数々の武芸において才能豊かな人物であったと言われている。
弓術の腕前は他に並ぶものがいなかったと言われるほどに優れていたと伝えられており、馬術においては聡明駿馬なカンタカが釈迦の愛馬で、彼の出家を助けた話が特に有名である。さらには右手で象を持ち上げる釈迦の姿を描いた彫刻画が残っていることから、肉体的に相当恵まれていたことが伺える。
尤も、彼は生前釈迦族の王子であり、カースト制度におけるクシャトリア(武門、王族)階級の出身である為、武技に優れているのも当然といえる。
- キャラクターデザインなど
- 初期のデザインコンセプトは「半分植物」。
- 装飾品を身に付けていることや如来特有の螺髪姿をしていないことから、本作の釈迦は仏の区分の内「菩薩」での現界を果たしているものと推測される。
これはセイヴァーに関する記述からも読み取れる。「菩薩」は釈迦の修行時代を描いているため、悟りを開き仏陀となった「如来」よりも以前の姿である。 - コハエースに登場した際にはラフなプリントTシャツ姿と救世主にはあまり似つかわしくない格好をしているが、こちらはおそらくマンガ『聖☆おにいさん』のブッダが元ネタあるいは参考にしていると思われる。『聖☆おにいさん』は東京都立川を舞台としたブッダとイエス(キリスト)の日常コメディ作品であり、宗教を取り扱った作品において高い知名度と人気を誇る。セイヴァーが型月ファンから愛称として「立川の聖人」と呼ばれることがあるのはこの作品に由来している。
脚注編集
注釈編集
- ↑ おそらくは中庸の誤記。
- ↑ チャクラ・ヴァルティンの宝具名は天輪聖王だが、その元になった覚者は転輪聖王という別の可能性も持っており、この転輪聖王は七つの宝具を持つとされる。それにちなんだ七つの「慈悲の一撃」である。
- ↑ 余談だが阿弥陀仏が修行開始時に持っていた名は
法蔵 (ダルマーカラ)である。 - ↑ 事実、ビジュアルファンブックにおいてキャラクター原案の武内氏が「『手塚治虫のブッダ』を買ってきて一気読みした」とほぼ確定的なコメントをしている。
- ↑ ただし、全知者たる仏陀になったという意味ではなく、すべての煩悩を滅ぼした阿羅漢になったという意味と取るのがどの宗派でも常識。
- ↑ 日蓮を崇拝する宗派や、その母胎となった天台宗など「法華経」を重んじる宗派。
- ↑ 弘法大師・空海の系統につらなる密教グループ。
- ↑ 人口に比例すると言われているが、これはデマである。そもそも『Fate/EXTRA』が発売された2010年の時点での世界人口は68.8億人であり、56.7億人は1990年代の世界人口である。
出典編集
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 「Fate/EXTRA用語辞典-一に還る転生」『Fate/EXTRA material』p.156。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 『Fate/EXTRA material』p.18。
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 「Fate/EXTRA用語辞典-天輪聖王」『Fate/EXTRA material』p.198。
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 『Fate/EXTRA Last Encore』第13話「喝采の薔薇」
- ↑ 5.0 5.1 『Fate/EXTRA Last Encore』 WORLD/WORD 「LAST」。
- ↑ 6.0 6.1 『Fate/EXTRA Last Encore』第1話「今は旧き辺獄の底」。
- ↑ 「今は旧き辺獄の底 アバン/SE.RA.PH最上層・アンジェリカケージ」『Fate/EXTRA Last Encore 原案シナリオ集「Last Encore Your Score」』p.11
- ↑ 『Sound Drama Fate/EXTRA』第4章「熾天は天降りて」Disc5 #1
- ↑ 「弥勒菩薩」 - 日本大百科全書(ニッポニカ)(執筆者:定方 晟)