アトラム・ガリアスタ
- スペル:Atrum Galliasta
- CV:福島 潤
Fate/stay nightに登場する魔術師。
TVアニメ版「unlimited blade works」にキャスターのマスターとして参加する。
- 略歴
- 中東に居を構える魔術師一族のトップ。石油王としての側面もあり、金銭的には何不自由ない生活を送っている。
- その財力ゆえに家格はあるが、さらに箔を付ける為の実績を欲し、聖杯戦争に参加しようとする。
- だが、召喚したキャスターが「竜を行使する宝具」ではなく「契約を破棄する宝具」を持っていたことから失望し、更には魔術師としての格の違いを見せつけられる。
- ついには彼女を謀殺して新たなサーヴァントを召喚しようと画策するも、キャスターに見限られて契約を破棄され、殺害された。
- 人物
- 石油王の息子。西欧とアラブ系の混血で、年齢は二十代中盤。外見はさわやかな印象を与える金髪の中東風美青年。
- 一見すると気さくで人当たりがいいが、その性根は小心で冷酷。召喚したサーヴァントに不満があるからと当たり散らしたり、「魔術師のサーヴァント」に魔術の腕で劣等感を覚える等、人格に問題も多い。
- 魔術の技量は二流。しかし魔術師としての精神性は完成している。
- ガリアスタの魔術は、百年ほど前に先祖が金で魔術を買い、特権階級の嗜みとして息子たちに残したもの。アトラムはその魔術の有用性を認め、石油資源に代わるものとして人体を用いて燃料とする工房を研究していた。平然と生贄を用いるが、人命を軽視しているわけではなく、金で買えるものを自分と同じ“人間”と捉えていないだけである。
- 能力
- 動物を生贄として魔力の結晶を生成する鉱石/代償魔術のエキスパート。その根底にあるのは原始的なアラブの呪術。
- 科学技術にも理解があるようで、魔術工房には科学設備がいくつも導入されており、第五次聖杯戦争当時(2004年頃)にはまだ珍しかったタブレットなども使われている。
- より現代的かつ効率のよいシステムにすべく本人が全霊をかけて設計した錬成工房は、本来なら三日三晩の詠唱を含め一ヶ月かかるマナの結晶の精製を、6人の子供を生贄に一瞬で行った。しかし神代の魔術師であるキャスターから見れば非効率に過ぎる「三流のすること」「命の無駄遣い」「収支の合わない工房」な仕掛けであり、アトラムから見れば何も無い場所から無詠唱でアトラムの作った結晶より大きな結晶を生み出して見せ、設備の停止を求められてしまった。
- 魔術師としてのレベルは、ケイネスとアルバが100、凛が20~30、士郎が10~20として、アトラムは20程度とのこと。
アトラム・ガリアスタ (EXTRA)
ムーンセルの聖杯戦争において、キャスターのマスターとなる。
『EXTRA』では登場しないキャラであったが、『EXTELLA』の世界線においては、本編開始前に行われた月の聖杯戦争にて主人公の四回戦の対戦相手として登場していたことが「竹箒日記」にて語られた。
- 略歴
- ネロをパートナーに選択した場合の主人公の第四回戦の対戦相手。
- 四回戦のモラトリアム中、キャスターを主人公のもとに向かわせて色仕掛けをさせ、情を移させることで戦いを優位に進めようとした。また、自分は自分で独自のルートから主人公の情報を探るも、主人公の情報が何一つとして入手できず困惑する。
- 決戦で主人公に敗北した後、キャスターを生け贄にして消去される自分の体を保ちつつ逃走を謀るも、ファイヤーウォールから逃げた先でユリウス、ないしムーンセルによって処理される末路を辿った。
- 人物
- 『EXTRA』での彼は世界から石油資源が枯渇したのか『stay night』のアトラムより余裕も油断もないが、それを除けば基本的な性格は変わらない。
- フェミニストを自称するが、その実、女性を道具としてしか見ておらず、キャスターを尊重すると言いながらも見下している。
- 能力
- 「生命を殺して生命を生かす」代償魔術の使い手。
登場作品と役柄
- Fate/stay night
- TVアニメ版「unlimited blade works」にて、キャスターのマスターとして登場。
- ちびちゅき!
- 所属不明。南の島にホテルを建てたいBBによって有り金を毟り取られることに。
- ロード・エルメロイⅡ世の事件簿
- 「Case.双貌塔イゼルマ」に登場。事件の裏で謀略を巡らす。
人間関係
冬木の聖杯戦争
- キャスター
- サーヴァント。宝具が自分の望むものとは違うもので失望した事をきっかけに、魔術の技量に劣等感を抱く等どんどん関係が拗れていく。
- 言峰綺礼
- キャスターを始末するマスターを手配してもらうべく渡りをつけようとする。
- ケイネス・エルメロイ・アーチボルト
- 10年前に時計塔から参戦した魔術師として知っており、「自分はエルメロイとは違う」と豪語する。
- ……が、実際には彼とまったく同じ間違いを犯した挙げ句、戦争開始前に死亡というより悲惨な結果に終わった。
- ロード・エルメロイⅡ世
- 双貌塔イゼルマの事件を機に知己を得、第五次聖杯戦争の直前までたびたびノーリッジの研究室に押しかけては雑談や一方的な自慢話を楽しんでいた模様。
月の聖杯戦争
- キャスター
- サーヴァント。尊重すると言いながらも実際は見下しており、敗北した際は自分を生かすために彼女を犠牲にして逃走しようとした。彼女の方もそんな性格の彼を心底嫌っていたらしい。
- 主人公 (EXTRA)
- 独自の秘匿回線で地上にアクセス、データを収集するが一切の情報がなく、困惑する。
名台詞
Fate/stay night [Unlimited Blade Works]
- 「やはり材料は新鮮なのに限る」
- 目の前でカプセルに収められた六人の子供が赤い液体へと変貌していくのを見ながら。やはり典型的な魔術師の例に違わない歪んだ人格の持ち主である。
- 「……裏切りの、魔女め」
- キャスターの術により暗闇の迷宮を明りの魔術も使えず魔術師として屈辱であろうライターで照らし逃げまどう幻覚に囚われる。
- 最後にキャスターが血の滴る短剣を以てほくそ笑む壁画を背後に、上記の言葉を吐き捨て脂汗と苦悶の表情の中体を燃やされ果てた。
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿
- 「どうだい? 自分の恋敵ごと城を焼き払ったという魔女の火にも匹敵すると自負しているのだがね」
- 一族に連なる魔術師たちを動員した天候を操る儀式魔術の雷撃によってイゼルマへの宣戦布告を果たした後、自らの魔術を魔女メディアのものに喩え自画自賛する。
- 後に本人と出会ってその自負も木端微塵に打ち砕かれることになるのだが。
メモ
- 存在はしていたが長らく詳細が語られなかった「第五次聖杯戦争でキャスターを召喚したマスター」。
- ただし、登場するにあたって原作ゲームでの描写とは大きく設定が変更されている。
- これといって特徴の無い中年男→出自・魔術はわりと独特な青年
- 令呪でキャスターの使えるマナを自分以下に制限する→行われず
- 煽って下らない目的に令呪を浪費させる→結果はともかく、「裏切りの短刀を自分に使わせない」「自害させる」という使い方はそこまで下らない訳ではない
- 原作とのキャラの違いについては竹箒日記で触れられており
#14のアトラムは監督に「五分だけの追加でキャスターのマスターの話をいれたい」と振られたので
「よーし、パパ一からアレンジしちゃうぞー。なに、ゲーム版では中肉中背の中年とか書かれていた?
うん、それはきっと幻なんだ。気にしてはいけない。キミ、啓蒙をもっと高めたまえよ……脳内に瞳を作りたまえよ……そう……一緒にヤーナムで交信しなさいよ……」
とばかりに調子にのったら、その、なんだ。見ての通りの惨状になってしまってな……。
とのこと。
- ただし、登場するにあたって原作ゲームでの描写とは大きく設定が変更されている。
- ファンからの通称は「石油王」。〇〇王ということで語呂が良かったからだろうか。なんだかどこぞの赤ザコの「工場長」と似たような響きを感じる。
- マナの塊を精製するという魔術を自慢しているが、『Fate/Labyrinth』では力をかなり制限された状態の沙条愛歌が特に道具や生贄を使わずにやってのけている。もっともこの時の愛歌の能力は本人の言によれば「色位の下の方」、つまり「最高位の魔術師の中では下の方」というもの。必ずしもアトラムの能力が低いというわけではないのかもしれない。
- その後一問一答においてケイネスやアルバと比較した際に「ぶっちぎりで弱い」と明言されており、前述のように魔術師のレベルとしては作中の士郎や凛と大して変わらない数値を与えられているため、少なくとも一流どころと比較すると大きく劣る模様。
- 目の付け所自体は悪くなかったようで、『Fate/strange Fake』では彼が組んだシステムはスクラディオ・ファミリーの手に渡って効率を改善され、最終的に25,000人弱の人間を生け贄に使った結果、神代の英雄を数ヶ月連続で全力稼働させられる程の膨大な量の魔力結晶を作る事に成功した。
- この時の説明によると、この魔力結晶は魔力を蓄えた電池のようなものであり、魔術を行使する際に、その魔力を外部から加えるという形で利用するものであるとのこと。通常の使い方では魔術師やサーヴァントの体内魔力を底上げしたり、急回復させたりするようなことはできないらしい。
- アニメに突然登場した一話限りのチョイ役……と思いきや、『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』への出演や『Fate/Grand Order』のカード柄に登場するという予想外の優遇ぶりに驚いた人間も多かった。
- 『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』の作者である三田によると、アトラムの台詞は全面的に奈須きのこ氏の監修のもとに執筆しており、(橙子は一発でOKだったのに対し)実に細やかな直しが大量に入っていた事をTwitterで明かした。
- 後に『Fate/Grand Order』に登場したイアソンに外見の印象から内面まで非常に似ている。これではキャスターの印象が最悪なのも当然である。
- 『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』では、彼は本来第五次聖杯戦争に臨むため竜血を受けた菩提樹の葉を触媒に用いるつもりだったと語られている。しかし、肝心の触媒は別の魔術に使用されて焼失してしまっていたのでその計画が実行される事は無かった。尤も、召喚に成功したとしても両者の理念が正反対に等しいため、関係は上手くいかなかった可能性が高い。
- 遊び半分で参加した前回のエルメロイと比較して真剣に勝ちに行くと称してはいたものの、「協会で新参の家に箔を付ける」のが参加動機であり、「遊び半分で参加した」当人も「武勲という泊の一つでも着ける」為に参加しており、根本的には全く同じ動機で、しかも、ある事が切欠でサーヴァントとの関係がこじれた挙句、最終的に破滅したところも似てたりしている。
- 『EXTELLA』において設定のみではあるが登場していた彼だが、彼のパートナーは何故かお狐様であったという……。相性も性格もあまり噛み合わなそうな両者だが、名仲人と称されるムーンセルはいかにしてこの二名をくっつけるに至ったのだろうか?
- 尤も、後にそのお狐様は消滅寸前の自分を救ってくれたパートナーと巡り合い、逆に彼女を身代わりにして逃げ出そうとしたアトラムは悲惨な最期を遂げることとなる。葛木宗一郎と出会えた若奥様、そんな彼女を殺そうとしたら自分だけが死ぬ羽目となった第五次聖杯戦争の彼自身、という状況とそっくりである。