Fate/Apocrypha
著者、東出祐一郎。
イラスト、近衛乙嗣。
Fate/stay nightのスピンアウト小説。
"黒"のサーヴァント7騎 VS "赤"のサーヴァント7騎、計14騎+1騎で展開されていく物語となる。
元々は聖杯戦争を舞台にしたオンラインゲームとして『Fate/EXTRA』と同時期に企画された作品。
ゲーム企画はお蔵入りとなっていたが、2011年6月発売の「Fate/complete material IV Extra material」にて登場サーヴァントの設定が公開される。
余談だが武内崇によれば元々は『三国志大戦』のような色々な英雄を複数の作家に描いてもらうというところからスタートした企画だった。
2011年冬発売のTYPE-MOONエース Vol.7に、ジャック・ザ・リッパーと六導玲霞の短編小説「Fate/Apocrypha ACT1 unbirth」が掲載。この短編の内容は、設定を一部変更した上で小説本編に引き継がれている。
2012年7月7日、小説としての再始動が発表。
2012年冬発売のTYPE-MOONエース Vol.8で第一巻発売に先駆けてプロローグが掲載、2012年12月29日のコミックマーケット83にて「TYPE-MOON」の書籍ブランド「TYPE-MOON BOOKS」より第一巻が発行。
「Fate/complete material IV Extra material」にて公開されていたサーヴァントの内、坂田金時、武蔵坊弁慶、ダビデ、ゲオルギウスが没案となり、新規に追加された"赤"のセイバー、"赤"のライダー、"黒"のアーチャー、"黒"のキャスター、もう一人のルーラーと入れ替わっている。
なお、没となった四騎は後に『Fate/Grand Order』に登場している。
当初は全四巻の予定だったが、最終的には全五巻となり2014年冬に完結した。
2015年夏に「Fate/Apocrypha material」も発売されている。
2016年6月、月刊コンプエースにてコミカライズ版の連載が開始。著者は石田あきら氏。コミカライズにあたり、小説では殆ど描かれなかった赤のマスター達について東出氏による設定追加の上で描写が加えられている。
2017年にてアニメ化が決定された。
あらすじ
かつて、冬木と呼ばれる街で執り行われていた、七人の魔術師と英霊たちによる「聖杯戦争」。
しかし第二次世界大戦の混乱に乗じて、“とある魔術師“が聖杯を強奪する―。
数十年が経ち、その聖杯を象徴に掲げたユグドミレニア一族は、魔術協会からの離反、独立を宣言。
怒れる魔術協会は刺客を送り込むが、彼らが召喚したサーヴァントによって返り討ちに遭う。
――サーヴァントに対抗するにはサーヴァント。
「聖杯戦争」のシステムが変更され、七騎対七騎というかつてない規模の戦争が勃発。
かくして、ルーマニア・トゥリファスを舞台に空前絶後の規模の戦争――「聖杯大戦」が幕を開ける。
登場人物
ルーラー陣営
- ジーク
- 主人公。
ユグドミレニア一族により、アインツベルンの技術を流用して作り出されたホムンクルスの少年。
その中性的な容姿とは裏腹に、一人称は「俺」。
- ルーラー
- ヒロイン。
聖杯戦争を正しく導く存在。現代の人物であるフランス人の少女・レティシアに憑依・人格統合するという異例の現界を果たした。
黒の陣営
- ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア
- 様々な技術系統の魔術を吸収して発展してきたユグドミレニア一族の長。ランサーのマスター。
"八枚舌"のダーニックと呼ばれ、その政治的手腕によって、かつて時計塔最高峰の階位にまで上り詰めた。
第三次聖杯戦争にてナチスドイツ側の魔術師として参戦した彼は、軍の力すらも利用して御三家から大聖杯を奪い、約70年後に聖杯大戦を引き起こした。
- フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア
- ダーニックの後継者とされる魔術師。アーチャーのマスター。可憐な車椅子の少女。
外見通り穏やかな人物だが、降霊術と人体工学において類稀な才能を見せ、独自のアレンジを加えて作り出した数々の接続強化型魔術礼装(ブロンズリンク・マニピュレーター)は三流の魔術師でも一流を仕留めると言われる程の剣呑な代物。
一族の中でも有望視されているが、魔術回路の変質によって両足が動かず、時に耐えがたい苦痛に襲われ、車椅子による生活を強いられている
- カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニア
- フィオレの弟。姉とは違い、魔術師としては凡庸。バーサーカーのマスター。
己の非才さも、全てにおいて姉に遠く及ばないことも充分に弁えており、黒の陣営のマスターに選ばれてしまったことを渋々受け入れている。
一族の中では召喚術を扱っているが、ダーニックからはバーサーカー共々あまり期待されていない。魔術師には珍しく、パソコンなどの電気製品を厭わない現代派。
- ゴルド・ムジーク・ユグドミレニア
- 優れた錬金術師。セイバーのマスター。
かつてアインツベルンに並ぶと称された錬金術の名家・ムジーク家の後継者。没落してもなお血筋に固執する頑迷な人物で、盟主であるダーニックを除く同胞達にも高圧的に振舞う。
- セレニケ・アイスコル・ユグドミレニア
- 黒魔術の使い手にしてライダーのマスター。怜悧な美貌を持つ残忍な女魔術師。
知的な雰囲気を持つ佳人といった見た目だが、生贄を捧げるために獣や人間の腹を割き、臓物に接吻するせいで全身から血腥さを漂わせている。
ライダーの清廉さ、美しさに心奪われており、彼に異常な執着を示す。
- ロシェ・フレイン・ユグドミレニア
- 人形工学(ドール・エンジニアリング)の分野で名を馳せる魔術師。キャスターのマスター。
年齢は13歳と一族の中では最年少に当たるが、やや大人びた口調で、ダーニックにも対等に話す。
自分を遥かに上回るゴーレムの作り手であるキャスターに対し、尊敬を込めて『先生』と呼び、ゴーレム製造の助手を務めている。
- 六導玲霞
- 黒の陣営でただ一人ユグドミレニアの人間ではない女性。アサシンのマスター。飛び入り参戦の一般人で、年齢は23歳。
ユグドミレニア一族に連なる日本人の魔術師、相良豹馬から偶然奪い取る形でアサシンのマスターとなった彼女は聖杯戦争についてさしたる興味も持たず、ただ可愛い「娘」であるアサシンの望むままに獲物の物色を手伝い、残虐な「食事」を傍観する。
その立場上、ユグドミレニアとも赤の陣営ともジーク・ジャンヌ達とも敵対して聖杯大戦の勝利を目指す。
黒のサーヴァント
- "黒"のランサー
- ダーニックのサーヴァント。『串刺し公』の異名を持つルーマニアの王。吸血鬼と呼ばれる事を嫌悪する。
- "黒"のアーチャー
- フィオレのサーヴァント。広大な森のような気配を持つ青年。
常に礼儀を持って接する好青年で、誰に対しても柔らかな物腰を崩さない。
本来なら英霊より格上の存在だが、生前の事情と真名を隠蔽するために大きく霊格が落ちている。
- "黒"のバーサーカー
- カウレスのサーヴァント。白いドレスを着た華奢な少女。
狂化しながらもある程度の理性は残しており、他者に対して不満げに呻ったり首を振ったりするなどの意思疎通が可能。
- "黒"のセイバー
- ゴルドのサーヴァント。燦然と輝く鎧に身を包み、大剣を背にする長身の青年。
数多の冒険を成し遂げた英雄であり、ランサーでさえ彼の追従には特に歓喜している。
- "黒"のライダー
- セレニケのサーヴァント。派手に着飾った中性的な少年。
好奇心の塊のような存在で、常に実体化したがる。
真名が暴かれても何の問題もないサーヴァントといわれる。
- "黒"のキャスター
- ロシェのサーヴァント。蒼いマントと無貌の仮面をつけた男性。ロシェと共に、大戦に必要なゴーレムを作成している。
- "黒"のアサシン
- 玲霞のサーヴァント。露出の高い服を着た、あどけない口調で話す少女。
ジークと対比的な「純粋さ」を持つ。
赤の陣営
- 獅子劫界離
- フリーランスの死霊魔術師。セイバーのマスター。
強面に違わぬ歴戦の「魔術使い」であるが、サーヴァントとの信頼関係の構築を最重要視していて、召喚したセイバーとも早期に打ち解けている。
シロウや"赤"のアサシンが何かを企んでる事に直感で勘付いた"赤"のセイバーの忠告を聞き届け、シロウ達とは別行動する。
- シロウ・コトミネ
- 聖堂教会から派遣された監督役にして、アサシンのマスター。シギショアラの山上教会を拠点とする。獅子劫以外の協会から派遣されてきた魔術師達を傀儡とし、彼らのサーヴァントを奪取。自らの理想と野望を叶えるため暗躍する。
- ジーン・ラム
- キャスターを召喚したマスター。『疾風車輪』の二つ名を持つフリーランスの魔術師。眼鏡を掛けた女性。
- 属性は風で、チャクラムを武器として使用する。ビブリオマニアで、イヴァン雷帝の書庫を探していた。なお、本来はマクベスを召喚したがっていた模様。
- 魔術協会の要請で聖杯大戦に参加したが、シロウの奸計によって精神を侵され、サーヴァントを奪われてしまう。
- フィーンド・ヴォル・センベルン
- ランサーを召喚したマスター。時計塔の一級講師。スーツ姿にパイプを持った三白眼の男性。ケイネスの旧友。
- 魔術協会の要請で聖杯大戦に参加したが、シロウの奸計によって精神を侵され、サーヴァントを奪われてしまう。
- ロットウェル・ベルジンスキー
- アーチャーを召喚したマスター。『
銀蜥蜴 』の二つ名を持つフリーランスの魔術師。丸いサングラスの男性。 - 顔以外の急所の大半を銀の鱗で覆っている。過去に亜種聖杯戦争に参加した際は「気に食わない」という理由で自身の依頼人を含めた参加者全員を皆殺しにした残虐な男。
- 魔術協会の要請で聖杯大戦に参加したが、シロウの奸計によって精神を侵され、サーヴァントを奪われてしまう。
- デムライト・ペンテル&キャビィク・ペンテル(ペンテル兄弟)
- 兄がバーサーカー、弟がライダーを召喚したマスター。『
結合した双子 』の二つ名を持つフリーランスの魔術師。褐色の肌をした中年男性の兄弟。 - 魔術刻印を分割継承しており、互いが側にいることで力を最大限に発揮できる。
- 魔術協会の要請で聖杯大戦に参加したが、シロウの奸計によって精神を侵され、サーヴァントを奪われてしまう。
赤のサーヴァント
- "赤"のセイバー
- 獅子劫のサーヴァント。重厚な全身鎧に身を包んだ白銀の騎士。
見目麗しい少女だが、普段は粗雑で自信過剰なところがある。
マスターの指示には忠実で、シロウや"赤"のアサシンのような不気味な存在にはいち早く反応し、民草を犠牲にするのを良しとしない高潔さを持つ。
- "赤"のアサシン
- シロウのサーヴァント。暗闇のようなドレスを身に纏った退廃的な美女。
セイバーによれば「母上と同じ匂いがする」らしく、かなりの陰謀家。
- "赤"のキャスター
- 中世ヨーロッパ風の洒脱な衣装の伊達男。
世界随一の劇作家であり、会話の節々に自作のセリフを引用した奇妙な話し方をする。
- "赤"のランサー
- 英雄王と同等の力を持つ不死身の大英雄。
肉体と一体化した黄金の鎧と胸元に埋め込まれた赤石が目を引く、赤の陣営最強のサーヴァント。
『本来のマスター』の身の安全を優先にする一方、緒戦で戦った"黒"のセイバーとの決着を付けようとする。
- "赤"のアーチャー
- 翠緑の衣装を纏った野性味と気品を併せ持つ少女。
話し方は非常に古風。超一流の狩人であり、神域の弓術の使い手。
報われぬ子供達は救われるべきだと考えている。
- "赤"のライダー
- いかなる攻撃でも疵を受けず、三頭の神馬に牽かれた戦車を駆る無双の武人。
"黒"のアーチャーとは何かしら因縁があるらしい。
- "赤"のバーサーカー
- 全身に数え切れないほどの傷跡を持つ筋骨稜々とした戦士。
虐げられる者たちのために戦い続けた紛れも無い英雄だが、戦闘中もずっと微笑を絶やさないため、敵味方問わず不気味がられている。
魔術協会
- ロッコ・ベルフェバン
- 召喚科学部長を長年務めている老人。聖杯大戦対策の中心人物で、獅子劫に参加を依頼する。
- ブラム・ヌァザレ・ソフィアリ
- 降霊科学部長の後継者であり、ソラウの兄。時計塔で一級講師を務めており、聖遺物の選定を担当する。
- ロード・エルメロイⅡ世
- フリーランスの魔術師を雇うことを提案し、ベルフェバンと共に優秀な人材を集めるのに奔走する。
- ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ
- 時計塔の名門・アーチボルト家の現当主を務める、尊大な話し方が特徴の幼い少女。ウェイバーを「ロード・エルメロイII世」という名を与えて縛り付けた張本人であり、ウェイバーにとっては主君にあたる関係だが、彼女はウェイバーを「兄」と呼ぶ。
メイド型魔術礼装「月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)」を常に連れている。 - フラット・エスカルドス
- ロード・エルメロイII世の弟子。世界が変わっても相変わらず能天気で、月霊髄液に映画を見せたりデートの約束をするなどの奇行の数々によって、彼女に変な影響を与えている。
- ペメトレキス
- 協会が監視と獅子劫のバックアップとして派遣した魔術師の一人で、フィオレの元同門。
諜報に特化した魔術師で、使役する使い魔たちの戦闘能力を含めれば並の魔術師では敵わない程の力を持った一流魔術師だったが、黒のアサシンによって心臓を抉りだされ、喰い殺された。
ユグドミレニア関係者
- トゥール
- ユグドミレニアによって鋳造された戦闘用ホムンクルスの少女。ジークとの対話で自分の意志に目覚め、生き残ったホムンクルス達のリーダーとなる。喋り方はぶっきら棒だが戦闘用なだけにその能力は高く、素の状態のジークより強く、有事の際にはホムンクルス達の指揮を執る。当初は名を持っていなかったが、後にゴルドによって命名された。
- アルツィア
- ユグドミレニアによって鋳造されたホムンクルスの少女。
魔術に詳しく、フィオレの紹介でルーラー達と共に黒のアサシン探索に従事する。
- 相良豹馬
- アサシンを召喚しようとした魔術師。偽装としてヒカルという名でホストをしている。
魔術師としての力量が低いのでアサシンが適すると考え、従来通りのアサシンでは真名が即座に判明してしまうため、「切り裂きジャック」に目を付けアサシンとして召喚する。たが、玲霞をマスターとして召喚されたアサシンに令呪を使う暇もなく口を封じられ、死亡。 - カール・レクサーム
- 黒魔術を使うユグドミレニアの魔術師。
黒のアサシンによって殺害され、遺体は自宅地下室に隠されていた。 - シルヴェルト・コッチェフ
- ユグドミレニアの魔術師。黒のアサシンによって人間の形を保てない程の拷問を受けた上で、殺害された。
- アヴィ・ディケイル
- 召喚術を専門とするユグドミレニアの魔術師。カウレスの見立てでは自分より腕が良く、マスター候補であった。
ミレニア城塞の警備用低級悪霊のメンテナンスを担当していたために黒のアサシンに狙われ、彼女から拷問を受けたことで城塞の警戒解除暗号を吐き、その後、ガソリンをかけられて焼き殺されていた。 - ツークツワンク
- ユグドミレニアの一員であるエインスカヤ家が擁する暗殺部隊。10人の男女。
- 魔術刻印を分割し、半分をリーダーの“王(キング)”、もう半分を“兵士(ポーン)”と呼ばれる者らが保有している。個々の力は強くないが、全員が揃って刻印を起動させることで他者の力・精神との連結が可能となり、全メンバーが“王(キング)”並の能力を発揮できるようになる。
- ユグドミレニアに探りを入れてきた六導玲霞の調査のために日本に派遣されるが、玲霞と黒のアサシンの前に手も足も出ずに全滅させられた。
その他
- アルマ・ペトレシア
- ルーラーが下宿した教会のシスター。純朴で神の愛以外に必要なものは存在しないようなおっとりとした女性。実は聖堂教会がユグドミレニア一族を監視するために派遣した人員で、二十年以上もの歳月を潜入任務に費やしていた。
- セルジュ
- ジークとルーラーが出会ったミレニア城塞麓の農村に住む老人。見ず知らずの二人を温かく持て成し、食事だけでなく一泊もさせてくれたが、ジークとルーラーの仲を勘違いし、要らない気まで回す困った老人。
- 言峰璃正
- かつて冬木市で行われた第三次聖杯戦争の監督役。そこで出会ったシロウに敬服し、戸籍や身分を偽るため養子として迎え入れていた。本編開始前に死去している。
過去の人物
- アルトリア・ペンドラゴン
- 赤のセイバーの父である「騎士王」。彼女にとっては憎み、挑み、敬い、愛すべき存在。
- モルガン
- 赤のセイバーの母。アルトリアを蹴落とす事に必死な姿は、"赤"のセイバーから嫌悪されていた。
- マーリン
- アルトリアを導く存在。赤のセイバーの夢に登場する。
- イスカンダル
- かつてウェイバーのサーヴァントであった「征服王」。冬木市ではない別の聖杯戦争で召喚されたが、ウェイバーとの関係は平行世界とも変わらず、決して揺らがぬ絆を築いていた。
- ヴィクター・フランケンシュタイン
- 「フランケンシュタインの怪物」こと、黒のバーサーカーの創造者。
後に赤のキャスターによって幻影として召喚され、黒のバーサーカーを惑わせる。
- ヘクトール
- トロイア戦争においてトロイア防衛の総大将を務めた大英雄。
赤のライダーと生前因縁があり彼の回想に登場する。赤のライダーからは「オッサン」と呼ばれていた。
- ジル・ド・レェ
- かつて百年戦争において聖女と共にオルレアンを奪回した英雄。
後にルーラーの前に立ちはだかる赤のキャスターによって「クラスのない英霊」として召喚される。
- ハーゲン
- 黒のセイバーの生前の親友。
アニメ版で黒のセイバーの生前のシーンに登場し、彼の最期に至った経緯がざっと語られた。
オンラインゲーム版
- ジークフリート
- 「ニーベルンゲンの歌」に登場する「竜殺し」の騎士。
- カルナ
- 「マハーバーラタ」に登場する不死身の英雄。
- ヴラド三世
- ワラキア公国の「串刺し公」。
- 武蔵坊弁慶
- 源義経に仕えた荒法師……の名を借りた人物。
- ダビデ
- 旧約聖書に登場する古代イスラエルの王。
- アタランテ
- ギリシア神話に登場する狩人。
- ゲオルギウス
- キリスト教の聖人。
- アストルフォ
- シャルルマーニュ十二勇士の一人。
- シェイクスピア
- イギリスの劇作家。
- ジャック・ザ・リッパー (Apocrypha)
- 19世紀イギリスに出現した謎の猟奇連続殺人者。
- セミラミス
- アッシリア帝国の女帝。
- フランケンシュタイン
- メアリー・シェリー作『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』に登場する人造人間。
- スパルタクス
- ローマ帝国の剣闘士。
- 坂田金時
- 源頼光四天王の一人で、「金太郎」の幼名でも知られる。
- ジャンヌ・ダルク
- 英仏百年戦争におけるフランスの英雄。
用語
- 聖杯大戦
- 14騎ものサーヴァントが2つの陣営に分かれてぶつかり合うという、大規模化した聖杯戦争に付けられた名称。
冬木のようなバトルロワイヤルやムーンセルのトーナメント方式ではなく、同じ陣営に属する他の組との連携が求められるチーム戦。それゆえ、サーヴァント同士の関係が密接で、相性が良い者を組ませると遥かに格が上の敵でも打倒することが可能。
また通常の聖杯戦争では到底勝ち抜けないような支援に特化した者や集団戦闘で補正がかかるスキルを持つ者が真価を発揮する。
そのため、傲慢で自らの力を過信する者や正気を失っているため他との連携が取れない者などは非常に不利で、「絶対的な強者」は聖杯大戦においてはあり得ない。しかし、チーム戦ではあるものの聖杯を手にするのは一組というのは他の聖杯戦争と同一である。よって、赤と黒の戦争が終結すれば、一時は味方であった者との第二の争いが始まる。
- 外典の聖杯戦争
- 正史から外れた、この世界の聖杯戦争に付けられた名称。歴史が変わった理由は全て第三次聖杯戦争で起こった出来事に起因し、ダーニックが御三家から大聖杯を奪い持ち帰った事と、アインツベルンが参加者として「ルーラー」のサーヴァントを召喚した事が最大の原因である。
メモ
- 『Apocrypha』キャラクターの他作品への出張
- 一部のサーヴァントは他の作品にも登場している。
- ジャンヌ・ダルクがFate/Zeroアニメ版で姿のみ登場。『Apocrypha』のキャラクターデザインで描かれていた。
- アタランテが『Fate/EXTRA』にて名前だけ登場。廊下ですれ違ったとセイバーが語っている。
ゲームではビジュアルはなかったが、後にコミックス化された際、『Apocrypha』のキャラクターデザインそのままで描かれている。 - カルナが『Fate/EXTRA CCC』にて登場。細部のデザインは異なるが、概ねそのままの姿である。これはハードのスペックによるものだけでなく、作中で、何故彼の姿が変わったのか理由が明かされる。
- モードレッドがufotable制作2014年版アニメ『Fate/stay night Unlimited Blade Works』に登場。セイバーの回想においてセイバーとの一騎打ちに敗れ、倒れた姿であったので顔等は映らなかったもののキャラクターデザインは『Apocrypha』のキャラクターデザインであった
- サーヴァントの入れ替えとリストラ理由
- 小説版ではcomplete material IV掲載の原案からは4人のサーヴァントが消え、新規に別の4人が登場している。未登場は武蔵坊弁慶、ダビデ、ゲオルギウス、坂田金時。マテリアルによるとリストラの理由は
- 金時……敵にはし難く味方としては頼もしすぎる。さらにジークの能力の都合上、味方バーサーカーにフランケンを入れたかった。
- 弁慶……メンタリティが複雑で、パートナーにするくらいでないと詳しく内面を描ききれない。また、ヴラドとカルナでランサー枠が埋まっている。
- ゲオルギウス……ジャンヌとシロウの聖人同士の対立の中でさらに3人目の聖人がいては話が煩雑になってしまう。加えて、ジークのラストを考えると相手を竜に変えるゲオルギウスの宝具があっては有り難みが薄れてしまう。
- ダビデ……アキレウスのライバルとしてケイローンを入れたかったため、アーチャー枠が埋まってしまった。また、ヴラドがトップの陣営に有名な王がもう一人いてはややこしくなってしまう。
- 5巻終章「Apocrypha」と東出祐一郎作品
- 5巻終章にあたるエピソードに「Apocrypha」がある。Fate/stay nightにおける「Last Episode」のオマージュともいえる内容だが、世の果てで悠久の時を待ち続ける男とそれを追うヒロインの再会という構図は「Last Episode」が発表されるより以前から、作者の東出祐一郎が自作のエピローグに好んで使うモチーフでもある。
(『あやかしびと』如月すずシナリオエンド2、『エヴォリミット』一条雫シナリオ"天を照らす者"エンドなど)
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