アヴィケブロン

2018年5月10日 (木) 02:26時点におけるPK (トーク | 投稿記録)による版 (→‎宝具)
黒のキャスター
真名 アヴィケブロン
性別 男性
身長 161cm
体重 52kg
特技
好きな物 孤独
苦手な物 衆目
天敵 ジーク
出典 伝承
地域 欧州
属性 秩序・中庸
一人称
二人称
声優 宮本充
デザイン 近衛乙嗣
イメージカラー 菫色
レア度 ☆3
初登場作品 Fate/Apocrypha
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概要

魔術師」のサーヴァント

略歴
Fate/Apocrypha』では聖杯大戦において、ロシェ・フレイン・ユグドミレニアによって召喚された。
聖杯大戦開始二ヶ月前、ランサーとほぼ同時期に召喚された。
マスターであるロシェから、尊敬の念を込めて「先生」と呼ばれている。その後彼と共に城内の工房で、聖杯大戦の兵士として使うゴーレムの生産と宝具の設計・開発に明け暮れる。聖杯大戦開始の時点で既に彼が製造したゴーレムは千体を超えており、ミレニア城塞近辺にひしめく様に配置されている。
後に無様な失敗を続けた事でダーニックに見限られたゴルドから令呪を回収し、捕縛した赤のバーサーカーのマスターとなる。
決戦においては、アーチャーを援護して赤のライダーを戦場から引き離し、ランサーの危機に赤のバーサーカーを向かわせるなど他のサーヴァントの支援に徹する。だが激戦によって手持ちのゴーレムの大半が破壊されたため、空中庭園での戦いでは自ら戦場に赴き、ルーラーの命令で暴走したダーニックを相手に赤のサーヴァント達と共闘する事となった。
しかし、自身の目的の為に「黒」陣営を裏切ってマスター権をシロウに委譲、撤退したルーラーとアーチャーの追撃に赴く。その途中で元マスターであるロシェを呼び出し、何も知らずに現れた彼を『炉心』にして『王冠・叡智の光(ゴーレム・ケテルマルクト)』を完成させてミレニア城塞への攻撃を始める。
だが直後に駆け付けたアーチャーに倒され、自ら作り出した最高傑作への執念と己の欲望のためにマスターを裏切った罪悪感から、自らを『王冠・叡智の光(ゴーレム・ケテルマルクト)』に吸収させ、「黒のサーヴァント」3人目の脱落者となる。本当は、宝具がもたらす楽園を見てみたいという未練を抱きつつも、自らの命を差し出し、裏切りへの対価を払ったのだ。
最後の最後まで誰にも仮面で隠された素顔を見せず、心の内を明かす事もなく、ロシェの後を追うかのように「原初の人間」の内に溶けていった。
人物
青いマントとボディスーツ、無貌の仮面で身を隠した男。一人称は「僕」。
性格は冷徹で小心者。
顔も姿も隠しているため、その雰囲気から一見老練な魔術師や気位の高い知識人を思わせるが、予想に反して喋り方は若々しいもの。極度の厭世家で、必要以上の言葉は一切喋らない。ただ伝承ほど病的な人間嫌いではなく、マスターであるロシェやスポンサーのダーニックとは普通に会話する。
ロシェとは精神的に相性が良かったため、慕われながら円滑な人間関係を築き上げることができ、理想的なマスターともいえる存在だった。
とはいえ生前、病のせいで引き籠りがちな生活を送っていたので人間達とは没交渉で、中でも子供とはまるで縁がなく苦手。ましてや懐かれることなど想像もできなかったので、実はマスターであるロシェからの尊敬の念を嬉しく思いつつも困惑している。
生前のアヴィケブロンは人が戦乱を巻き起こしてお互いに殺し合い、無力な者から略奪を行うなど、人間の醜い部分を度々目の当たりにしてきた。究極にして完全なる神が創り出したはずの人類は、何故かくも愚かで不完全なのかと。
それは「純粋にして最高の原理」である神の意志から、物質的な世界へと人間がこぼれ落ちる際、段階を追って不完全になっていくためである。その考えに至ったアヴィケブロンは、世界のすべてを煩わしく思い、無用な会話や人付き合いを避けるため仮面を身に付けるようになった。
そんな彼が目指したのは、「原初の人類を創造した、神の御業の再現」。この世のすべての悲しみを払い、地上に楽園をもたらす存在を創る。かつて、神が原初の人類「アダム」を創造したように。人間嫌いの厭世家であったアヴィケブロンは彼なりに世界を、そして人類を救済しようとしていた。
彼の聖杯への願いは少し複雑で、「己の宝具である『王冠・叡智の光(ゴーレム・ケテルマルクト)』の完成」。ただ宝具として完成させたのでは「未完成」であり、これにはカバラの考えが大きく影響している。
そもそもゴーレムとはカバラの術の一つであり、名は“胎児”や“形作られざるもの”などを意味する。即ち、神が原初の人間の創造した際の秘術を再現するための魔術であり、単に強力な兵器として力を振るうだけの物は決して彼が求める「完成された存在」ではない。
『苦難に満ちた我々を、再びエデンの園へと導く偉大なる王』、それこそがアヴィケブロンが究極のゴーレムに求める役割である。その深遠な目的から、常に「より良い宝具(モノ)を作りたい」と願う探究者で、理想的な魔術回路をもったホムンクルスの脱走により、宝具の炉心に使える生贄がゴルドしか居ないことを残念に思っていた。
だがその在り方は魂や信念、誇りや技を注ぎ込む「職人」とは決定的に異なり、彼の内にあるのは人が信じ仰ぎ見る物、最上の存在を造りだそうという「信仰心」のみである。宝具の完成に魔術師を『炉心』にすることに躊躇いはあるが、悲願のためには全てを犠牲にする覚悟がある。
『Apocrypha』においては、彼にとって自らを尊敬するマスターと共に戦うのは決して悪くはない気分だった。しかし、それでも人生の全てを投げ打った己の希望が、手の届く所にあるという誘惑には逆らえなかった。「アダム」を生誕させるべくアヴィケブロンは何もかも犠牲にし、遂には自分のマスターをも手に掛けた。そしてその選択の代償として、弓術に長けたケイローンが自身を狙うことを知りながら、アヴィケブロンは「黒」の陣営の前に姿をさらし、アダムの糧となって消えることを選んだ。アヴィケブロンは生前疎み避けた「自身の利益のため、弱者を食い物にする不完全な人間」と自分自身も同じ人間であったことを悟ってしまったのだろう。[1]しかし不滅のはずの巨人は倒され、彼の悲願は心半ばで潰える事となった。
能力
魔術基盤の一つであるカバラを紡ぎ「ゴーレム」を鋳造することに特化した魔術師
クラス別スキル『陣地作成』によってミレニア城塞内に形成された工房は、ゴーレムの製造に最適化されており、「魔術師の工房」と言うより、一種の「製造工場(ファクトリー)」。
防衛という点では並以下だが、一日三十体のペースで、現代の魔術師が一年かけても作り上げられない程の高性能なゴーレムを生産する。構築するだけで並みの魔術師が十回破産する程度の予算と長期の工程が必要となるが、アヴィケブロンの魔力と予算が続く限りはゴーレムの生産に際限は無く、無限に生産される。
大きく分類すると小型・中型・大型に分かれ、さらに人型だけでなく、蜻蛉のような飛行型や蜘蛛のような多脚型が存在する。彼のゴーレムは八百年級以上の宝石と羊皮紙が使われており、その性能は熟練の魔術師はおろか、Eランクサーヴァントと同程度の力を持ち、高性能な白兵戦型は赤のセイバーと三合も打ち合った。
城塞近辺で侵入者を待ち構えているゴーレムは、高度な魔術的迷彩効果が施されており、周囲の建築物などに擬態している。その他にも流体化し対象の全身に絡みつき石牢となる捕縛用のゴーレムやランサー用に造られた巨大な銅鉄馬などゴーレムの種類は多岐に渡る。
ゴーレムは全て自立稼働する機能を備えているが、彼が直接操作した場合、動作の精密さが比べ物にならないほど上昇する。操作できるのは一本の指につき一体で、最大10体のゴーレムを直接操作することが出来る。
彼が操る魔術はすべてゴーレムに関るもので、七枝の燭台(メノラー)と呼ばれる特殊な魔道具を用いて、広大な範囲を索敵・監視することができる。この魔術は飛行型のゴーレムを中継地点として使っており、その限界距離は一般的な遠見の魔術を遥かに凌駕し、その索敵網はトゥリファス近辺に留まらず、ルーラーがブカレストの空港に辿り着いたのを即座に発見した。
また、固有スキルとして『数秘術』すなわちカバラの秘奥を持ち、ノタリコン(呪文を構成する単語の頭文字だけを繋げてひとつの単語とする記述法)による短縮詠唱と併用することで、複数のゴーレムに複数のコマンドを一瞬で入力することも可能。
『Grand Order』の通常戦闘の際に出現するゴーレムは、一時的な戦闘に使用するだけのもので、耐久力は全くない。
『Fate/Grand Order』第2部『永久凍土帝国 アナスタシア』で彼は、その素材が魔力に満ちていれば大抵のものはゴーレムにする事が出来るが、雪をゴーレムにするには炉心はどうにかなるが、集積と維持が難しく、安い炉心では集積しきれないと語る。かといって、価値の高い素材を炉心にしても出来上がるのは、弱いが耐久力だけはあるゴーレム。
またゴーレムの術式を応用することで、壁に手を付けて周囲の会話を盗み聞きする能力も見せた。ただし、特定の情報を拾うには不向きな術なので、情報を獲得出来るかは運が絡む。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
キャスター ロシェ・フレイン・
ユグドミレニア
E E D A B A+ 陣地作成:B
道具作成:B+
数秘術:B
主人公 (Grand Order) E E D A B A+ 数秘術:B
高速詠唱:B+
平穏の無花果:EX

宝具

王冠:叡智の光(ゴーレム・ケテルマルクト)
ランク:A+
種別:対軍宝具
レンジ:1~10
最大捕捉:100人
生前に鋳造していた物ではなく、キャスターが生前完成を願い、叶わなかった至高のゴーレム。アヴィケブロンの見果てぬ夢が宝具化したもの。受難の民族を楽園に導く王にして守護者であり救世主。最も原典に忠実なゴーレム、すなわち「原初の人間(アダム)」の模倣であり、主の奇跡の模倣にして再現を目指した、固有結界に生命を与えたもの。「宝具という領域に留まらぬ奇跡の結晶」とすら称される、カバリストの悲願。魔獣など話にもならない「幻想の巨人」。作り手であるアヴィケブロンが滅んでも、構わず動き続ける。
宝具は通常、既に完成したものであり、発動する際に必要とされる条件を除けば、宝具そのものに必要な素材など存在しないが、例外として『単体の英霊が所有するには、余りに巨大な物』、『未完成であるが故に、伝説に刻まれた代物』が存在し、この宝具も起動にはキャスターが現界した後に現在の物質を使って製造する必要がある。
素材は土と木と石といった自然物。そして一度宝具として召喚してしまうと、無尽蔵に魔力を求め続ける生粋の大喰らいであるため、『炉心』として一級品の魔術回路を持つ魔術師が必要となる。
後述の通り「完成」してしまえば完全無欠の存在となるものの、それ以前の能力は素材及び魔術師の魔術回路の優秀さに左右される。必然的に魔力の薄い現代よりも魔力・神秘が濃い環境において十全の力を発揮する宝具と言える。
そのものは自然の雄大さをそのまま取り込んだ巨人の如き風貌で、その外観は表現としては美しい、神々しいと称される。自立した固有結界という性質から『周囲の大地を際限なく「楽園」へと塗り替えていく』という途方もない性質を持ち、大地からの祝福により際限なく魔力が供給され続ける。更に『楽園において傷付くものなど存在しない』という理屈から受けた傷をなかったことにしてしまう復元・再生能力を持っており、周囲を完全に楽園化させた場合は真に「完成」し完全なる不可侵・不死身の存在となるため、手の施しようがなくなる。
生誕時点では全長十五メートルだが大きさは倍々ゲームで増大し、最終的には一千メートルを超える。巨大化して完全復活に近付くのに比例し戦闘力も向上していき、曰く十五メートル程度の状態であればステータス平均Cランクのサーヴァント一騎でも容易に倒せるが、全長一千メートルとなると一流のサーヴァントが揃っていなければ抗し得ない存在となる。作中において推定全長数百m級に達した際は、拳で山肌を穿ち、神霊の雷撃クラスの攻撃にすら耐えるほどの圧倒的な戦闘力を発揮していた。
与えられた役割を遂行するための自らの知性を持っており、黒曜石の剣を生み出しての近接戦闘も可能。製造された時点では経験は皆無だが凄まじい加速度の学習能力を持ち、巨体の膂力に体格に見合わぬ技巧を備えた英雄の域へと上り詰めていき攻撃能力も高まっていく。
消滅させる方法はただ一つ、大地との接触を完全に断った上で頭部の霊核と胸部の炉心を一瞬の誤差もなく同時に破壊するしかない。ただし、楽園化が完了してしまった場合はこの弱点も消滅し不死の存在となるため、生誕間もない時点で打倒することが必須である。
『Apocrypha』ではユグドミレニアによって集められた材料によって、マスターであるロシェと共に製作される。魔術協会に反旗を翻した後であるため手間が増えていたこともあるが、材料として人工物に用いられず長い年月を経た土と木と石を集めるのにダーニックは資産の三割を費やしたという。
本来は炉心にはキャスターがその能力に目を付けたジークが用いられるはずだったが、彼の脱走と黒陣営による捕縛失敗により断念。そのためゴルドで妥協することになるはずだったが、その悲願からより高い完成度を目指していたキャスターが赤陣営に寝返りマスターをシロウに移したことで元マスターとなったロシェが炉心に用いられ起動した。
Fate/Grand Order』第2部「永久凍土帝国 アナスタシア」では神霊すら打倒できると目された山岳型魔獣と一体化しているイヴァン雷帝に対する切り札として、ミノタウロスの宝具『万古不易の迷宮』を素材とし、そしてアヴィケブロン自身を炉心とする形で起動。炉心と素材の影響か、誕生間もない時点で雷帝に匹敵する巨躯を現し、周囲のサーヴァントを驚愕させていた。操作権を移譲された主人公を肩に載せた状態で雷帝と対峙、雷帝が放つ雷を物ともせずに侵攻を押し留めるなど奮戦し、山岳型魔獣から本体を引き千切り、カルデア勢の勝利に大いに貢献した。:なお、何分素材に困らず特殊な環境であったため、通常の世界における現代上での聖杯戦争ではサーヴァントが炉心に適するかどうかは正確には不透明である。

真名:アヴィケブロン

アヴィケブロン。正式な名前はソロモン・ベン・ユダ・イブン・ガビーロール。
十一世紀の哲学者、詩人、そして魔術の一ジャンルである「カバラ」を扱うカバリスト。カバラの基盤を作ったと伝えられている。
彼は病弱で病を患うことが多く、中でも皮膚病が重かった。そのためか厭世的・悲観的であったと伝えられている。
史実においてアヴィケブロンはその哲学的な思想をアラビアからヨーロッパに伝えたとされ、言うなればルネッサンスの文化を生み出すことに助力したとも言える。
また、ヘブライ語の『受け取る』という言葉から「カバラ」という魔術基盤を生み出し、魔術師の世界に大きな影響を与えた。
伝説では身の回りの家事をさせるため、女性型のゴーレムをも鋳造したという。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/Apocrypha
「黒」のサーヴァントとして登場。
Fate/Grand Order
Lostbelt No.1『永久凍土帝国 アナスタシア』解禁に伴い実装。

Fate関連作品

カプセルさーばんと
さーばんとの一匹。
大小のゴーレムを召喚して戦わせる。本人はか弱いが、ゴーレムが堅い為壁役として優秀。「material」では召喚するゴーレムのステータスにコストも記載されているが、実際はコストの負担は無い。

その他

ちびちゅき!
ロシェとの仲は良好な様子。プールの清掃にゴーレムを投入するも、ホース持ち以外全て溶けてしまう羽目に。

人間関係

Fate/Apocrypha

ロシェ・フレイン・ユグドミレニア
マスター。主というより、助手として扱っており、ゴーレムの製造の補佐をさせている。
ゴーレムに育てられ、両親にすら関心を向けてもらえなかったロシェにとって、アヴィケブロンは初めて信頼・尊敬できた人間だったため、「先生」と呼び懐く。
アヴィケブロンもまた、生前子供とは縁がなかったため、慕われることに困惑し、付き合い方に悩みつつも、ロシェのゴーレムに真摯な態度や才能、家系から生前なら弟子にしていたかもしれないと考えるなど好感を持っていた。一方で彼が『王冠・叡智の光(ゴーレム・ケテルマルクト)』の炉心として優れていることも冷徹に測っていた。
しかしその憧憬の念を利用した上、最後の瞬間まで信頼を傾けてくれた彼をパーツとしてしまった事には、あまりに強い罪悪感を感じていた。彼の目的はあくまで「宝具の完成による世界救済」であったが、宝具が完成しても後味の悪い罪悪感を抱いていた。アヴィケブロンはかつて疎んだ「自身の利益のため、弱者を食い物にする不完全な人間」と自らも同種の人間であったことを悟ってしまったのだろう。聖杯大戦の運命はその望みに牙をむいたのだ。
サーヴァントの身になって人を殺したという事実は、霊基に深く刻まれるほどの出来事であったことが『Fate/Grand Order』のマイルーム会話で確認できる。
黒のランサー
彼からは「偏屈な男」と評されているが、ゴーレムを生み出す技術を高く評価されている。また、お互いに城塞に篭っていて、召喚された時からの付き合いであることから、共に行動することが多い。
赤の陣営と戦う時に、馬のゴーレムをプレゼントする。地味に自信作で、目に使った宝石だけで数億円もするとか。
ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア
ゴーレム製造に必要な宝石や羊皮紙を提供しているスポンサー。
彼とはゴーレムの生産や宝具の進捗状況について話す機会が多いため、割と気心が知れていて、共に茶を酌み交す。
黒のアーチャー
黒のサーヴァントとして轡を並べた仲だったが、最終的に裏切りを許さなかった彼に断罪される。
黒のバーサーカー
黒のサーヴァントの仲間。
『Fate/Apocrypha』では特に交流はなかったが、『Fate/Grand Order』ではその出来のよさを褒め称えていた。
赤のバーサーカー
捕縛した後、マスターとなる。
シロウ・コトミネ
黒の形勢不利を認め、ロシェを切り捨てて彼を主と認めた。
ゴルド・ムジーク・ユグドミレニア
彼が残していた最後の一画の令呪を譲渡させ、赤のバーサーカーを使役する為に利用した。
ジークが逃亡して『炉心』のアテがなくなってしまったので、当初は彼を『炉心』代わりにする予定であった。
ジーク
宝具に必要な『炉心』に使うため、彼を追っている。
ただ作業の手を止めるほど重要視していないため、ダーニックに連絡し、彼の捕獲は他の者に任せている。

Fate/Grand Order

主人公 (Grand Order)
マスター。『永久凍土帝国 アナスタシア』においてシャドウ・ボーダーが損傷し、大幅に活動が制限されている絶望的な状況を打開すべく召喚された。
戦力にも作業人員にも乏しかったカルデアにとっては最優と言っても過言でないほどの活躍を見せる。また魔術師、哲学者として深い見識から、状況分析に有意義な助言を与えてくれる場面も多い。
一方、トンネル掘削時にまずゴーレムを創ってそのついでにトンネルを掘らせようと発言したり、 ビリーとの会話中に馬型ゴーレムのアイデアが湧いてきてそれに気を取られたり、 シャドウ・ボーダーの外装にドリルを付けたり先端をフォーク状にしようとするなど、『Apocrypha』では見られなかった一面も見せてくれる。
終盤では顔も名も憶えていないとある少年への罪を告白し、主人公へ自身の宝具を託す。
ヴィクター・フランケンシュタイン
フランケンシュタインを見て、彼女をイヴに最も近いと称し、製作した彼の才能を褒め称えていた。
ナーサリー・ライム
「愛される人形」という点で興味を持ち、モデルにしようと話を持ちかけるも、断られて酷く落胆していた。

ちびちゅき!

久遠寺有珠
同じ人形師ということでライバル視し、造形合戦を繰り広げる。

名台詞

Fate/Apocrypha

「――そのゴーレムは、決して無敵という訳ではない。
 ――むしろ、如何なる方法で死すのかを刻み込まなければならない。
 ――僕が作るゴーレムは生を獲得する。だからこそ、死ぬ。
 ――ゴーレムとは、ただ単に土人形を動かすだけの術式ではない。
 ゴーレムとは、生命の創造……即ち、原初の人間アダムの模倣である。」
ロシェに語った、目指すべき目標。ただ有能なゴーレムを造ればいいと思っていたロシェはこの言葉に感銘を受け、更に彼に心酔することとなる。
「僕は弱いからな……あれなら、一撃だ」
どこまでも筋肉マッスルな赤のバーサーカーと自分を比べて言った、自嘲的なセリフ。
病弱な自分の体に若干コンプレックスがあるのかもしれない。
ははに産まれ、ちせいを呑み、いのちを充たす”
ぶきを振るえば、あくまは去れり。不仁は己が頭蓋を砕き、義は己が血を清浄へと導かん”
“霊峰の如き巨躯は、巌の如く堅牢で。万民を守護し、万民を統治し、万民を支配する貌を持つ”
“汝は土塊にして土塊にあらず。汝は人間にして人間にあらず。汝は楽園に佇む者、楽園を統治する者、楽園に導く者。汝は我らが夢、我らが希望、我らが愛”
聖霊ルーアハを抱く汝の名は――――『原初の人間アダム』なり”
湖に沈む『王冠・叡智の光ゴーレム・ケテルマルクト』の起動呪文を詠唱する。
「……僕を糾弾し、僕を非難するがいい。
 確かに君は僕を尊敬し、崇拝してくれていた。
 君が僕に向けてくれた感情は実に心地よかった。それは決して嘘ではない」
 ――けれど。考えてみるがいい。
「僕は人間嫌いであり、厭世的だ。
 人と目を合わせることすら億劫だからこの仮面を被り、皮膚が弱いから全身を覆い隠している。
 そんな僕が君を切り捨てる算段を整えないと何故信じられたのだ――?」
何故、どうしてと問うロシェへ、アヴィケブロンは最後に告げる。
どうしようもなく開いた溝。互いを理解できなかった、しなかったが故の、致命的なすれ違い。
「さあ――――世界の救済を始めようじゃないか、僕のゴーレム。
 戦い、殺し、殲滅させ、世界の楽園を築こう。
 それで下らない戦いも終わる。下らない社会も終わる」
ロシェという「炉心」を得て誕生を果たした『王冠・叡智の光ゴーレム・ケテルマルクト』。彼らは往く。世界を楽園へと塗り替えるために。
「任せたぞ『叡智の光ケテルマルクト』! お前ならば、この大地に……必ず、必ずや楽園を創造できる! 世界を、人を、我らが民を、救い給え!」
致命傷を受けたアヴィケブロンは最期の望みを託し、自らの存在を糧として『原初の人間アダム』に沈む。

Fate/Grand Order

マイルーム

「僕は一度だけ人を殺した事がある……聖杯大戦においてね。アレは良くない。この霊基に、一生残る傷となるだろう。」
マイルーム会話「会話2」。『Fate/Apocrypha』でのかつてのマスターを生贄にした事を悔いている。
最も"彼"については顔も名も覚えてはおらず、ただ人を殺した記録だけが消えない傷として座に刻まれている。
「君達ならば皮膚を治療できると? いや、結構。この皮膚は僕が生前抱え続けていた物。治せば“僕の何か”が歪む。このままでいい。」
マイルーム会話「会話6」。生前から患った皮膚病を治す事を提案したようだが、それを断った。
「僕が望むのがアダムならば、彼女はイヴか。“出来損ない”と笑う気などない。彼女はイヴに最も近い。ヴィクターという男は、まさしく天才だったのだろう。」
マイルーム会話「フランケンシュタイン」。フランケンシュタインを「イヴに最も近い」と、創造者であるヴィクター・フランケンシュタインを讃える。
「なるほど、愛されるべき人形か。こちらの方面は、僕は少し不得手だな。少々参考にさせて貰ってもいいだろうか……駄目? ふむ、がっかり……」
マイルーム会話「ナーサリー・ライム」。伝説では「身の回りの家事をさせるため、女性型のゴーレムをも鋳造した」と残っているため、興味がないわけではないらしい。
「我が悲願を理解してくれたのは君だけだ、マスター。本当に感謝している。僕にとって友と呼べるのは、おそらく、君だけだ。」
マイルーム会話「絆Lv5」。初期はすげなく扱われるが、絆が上がるごとにマスターに心を開くようになってくれる。
人間嫌いを自称する彼にとって、おそらく最大の賛辞。

本編

「ああ――それは少し辛いので勘弁してほしい。」
「先生と呼ばれる資格はない、ということだよ。その資格はとうに捨ててしまったのでね。」
『永久凍土帝国 アナスタシア』第15節「皇女アナスタシア」において、マスターに「先生とお呼びしても?」と問われた時の反応。
かつて犯した過ちは霊基に傷として刻まれた、人間嫌いのこの男に「周囲と会話し続け、理解し合わなければならない」と決意させるほどの成長と変革を促すものとなった。
「僕はサーヴァントとして召喚されてから人を殺めるようになった。
 ……そういうサーヴァントもいるだろう。生前、手を汚さなかった者が手を汚す。
 召喚される以上、殺傷行為は避けられない。元より、聖杯戦争とは魔術師の欲を満たす祭事イベント
 そうなるのは仕方ない。そして、その聖杯戦争の僕は最悪・・だった。
 僕の悲願は、『原初の人間』の再現と、そして受難の民を救うこと。
 その為に。僕は僕の矜持きょうじも、道徳も踏みにじった。
 己のマスターであった、子供を殺したのだ。
 ……所詮、それは記録だ。名前も顔も、初めから思い出せない。
 そんなに惨いことをしたというのに、僕には、何も思い出せない。
 だが、記録は事実として僕をさいなむ。召喚される度に、僕に突きつけるのだ―――
 “おまえもまた、欲望に突き動かされた魔術師と同類だ”と。」
『永久凍土帝国 アナスタシア』終盤において自らを自身の宝具『王冠・叡智の光ゴーレム・ケテルマルクト』の炉心とした際の言葉。
聖杯大戦での自身の行いは記憶になく、そのことが余計に自分をかつて自らが疎んだ「弱者を踏みにじる人間」と同類なのだと苛む。
「長い道程と酷薄な選択が君を待つ。」
「だが僕は信じている。」
「――戦え、少年(少女)。僕は信頼している。」
「人間にはその責務に耐えるだけの、強靭さがあると!」
『永久凍土帝国 アナスタシア』終盤において、マスターである主人公の幸運を祈りながら自らを炉心へと変換し、自身の宝具『王冠・叡智の光ゴーレム・ケテルマルクト』の駆動をマスターに託す際の激励の言葉。

メモ

  • 小説版で新規に追加されたサーヴァントの一人だが、他のサーヴァントとは少し事情が異なる。
    実はアヴィケブロンの設定は企画段階から検討されていたらしく、担当したのはゲオルギウスを制作した三輪清宗氏。設定こそ作られたものの、企画段階で没になったため「マテリアル」にも記載されなかった。
    だが小説化の際、魔術師ですらないシェイクスピアの対比にもなる真っ当な魔術師の英霊を欲した東出氏によって、復活した。
  • アヴィケブロンは詩の才能もあり、「ケテル・マルクト」なる詩集も書いた。この名前は宝具に使われている。
  • 彼は生涯病弱な人物であったとされる。全身を隠した衣装は、人間嫌いな厭世家ということだけではなく、そういった事情を示しているのだと思われる。
    • 事実、アニメでは仮面が割れて目元が見えているが、まるで老人の様に萎び、うっすらと赤みがかったものであった。
  • 「キャスターとマスターは最終的に仲良し」という、キャスタークラスの物語における法則性を破壊した最初のサーヴァント。
    「魔術師が自分より優れた魔術師を召喚して使役する」事の矛盾とその危険性は第一作から語られていたが、明確な形で現れたのは今回が初である(実は『stay night』の頃からキャスターは正規マスターを裏切っていたりするが)。
  • アヴィケブロンが生み出したカバラは占い等にも用いられ現代でも知名度は高く、TYPE-MOON世界ではこの魔術系統を操る魔術師が登場している。もっとも、二人とも結構肉弾戦派の魔術師だったりするが(そもそも一人は死徒)。
  • 生産工場として使える設備の整った工房にゴーレムや宝具の材料となる貴重で特別かつ高価な資源、そしてそれらを継続的に供給するために必要な一定以上の規模の組織レベルの投資を要求するという、魔力面のみならず資金面でも気の遠くなるほどの負担が掛かる恐ろしく金喰い虫なサーヴァントであり、大富豪や権力者のようなよほど金回りの良い人物がマスターでなければまともな運用は到底望めないサーヴァント。
    そのため、そんな潤沢過ぎる資産も支援も無いマスターからは弱小サーヴァント扱いされることが殆どだが、逆に言えば十分な資材と設備、そしてそれらを満足に揃えるために必要なお金さえあればその分だけ有能な戦力を生産し続けられるという特徴を持つため、資金調達が比較的容易で戦力が多いほど有利になる組織戦においては無類の強さを誇る。
    そのため、まさに「聖杯大戦のためのサーヴァント」の更に言えば「遠坂マネーイズパワーシステム」を地で行くような一騎と言える。もしも遠坂家の跡継ぎが召喚した場合は真っ青だっただろう
    • ダーニックは自身の持つ莫大な個人資産や人脈を利用して魔術協会に悟られる事なく彼への投資を行った上で彼を召喚し、聖杯大戦前までに1000体以上のゴーレムを生産させていたが、ダーニックが彼のサーヴァントとしての性質を理解した上で聖杯大戦が始まる何百日も前からゴーレムを作らせる準備を進め、更にこうなる事を予測して事前にゴーレム作りに傾倒しているロシェをマスターに手配していたというならば、流石と言うしかない。
  • 2018年4月29日午後8時よりFate/Grand Orderにて開催されたApocryphaコラボイベント内の日替わりレイドイベントでは赤のキャスター黒のアサシン共々最初のレイドボスを務めた。70万~60万のHPを持ち、体力に相当する戦闘数は140万。だが終章よりも参加条件が緩いうえ需要の高い素材を落とすことが判明したためか、日付が変わる瞬間すら迎えられず退場した。
    • 討伐された時刻は大よそ午後10時40分~45分。1秒当たり143体程度と、管制塔バルバトスの3.5倍近い殲滅ペースだった

話題まとめ

逸話
  • アヴィケブロンは世にも珍しい女性型のゴーレムを召使いとして作成したという伝説があり、 この話を聞いた王が彼を罰しようと呼びつけた時、 王の目の前でこれを分解し、再び組み立てたという。
    Fateでもこの逸話は採用されており、家事をさせるために実際に造ったらしい。どんなゴーレムだったのだろうか……。
    • 『Capsule material』のさーばんと解説では日本のフィギュアを参考に美少女型ゴーレムにも挑戦しているとシロウが語っていた。先生何してるんですか。
  • 彼の著書「生命の泉」は、教師と弟子の対話形式で語られ、全体的に厭世的なニュアンスが強いといわれる。5つの論文から成り立っており、質料と形相に関する形而上的な哲学体系を描き出したことで、「質料と形相」という別名で呼ばれることすらある。
    アラビヤ語で書かれた著作であるが、原典は失われ、現存する最古の本はヨハネス・ヒスバヌスによるラテン語版で、後にそうそうたる神学者達から引用されることになる。
    他に、「アナク」なるヘブライ語文法の著書もあり、その一部が現存している。
  • 真名が本名の「ソロモン・ベン・ユダ・イブン・ガビーロール」ではなく「アヴィケブロン」を採用したのは、読者に古代イスラエル王のソロモンと混同されることを恐れたためだとか。

脚注

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