シェヘラザード

2018年7月5日 (木) 16:53時点におけるイルステリア (トーク | 投稿記録)による版 (→‎概要)
不夜城のキャスター
真名 シェヘラザード
性別 女性
身長 168cm
体重 58kg
出典 千夜一夜物語(アラビアンナイト)
地域 ペルシア
属性 秩序・中庸
声優 井上喜久子
デザイン なまにくATK
レア度 ☆5
初登場作品 Fate/Grand Order
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概要

魔術師」のサーヴァント。亜種特異点Ⅱで真名が明かされる前は不夜城のキャスターと呼称されている。

略歴
亜種特異点Ⅱ『伝承地底世界 アガルタ』では魔神フェニクスの手で西暦2000年のアガルタに召喚され、当初はイースに仕えていた。
しかし、イースを支配するダユーの享楽ぶりを見て何度も諌めるも、全く聞き入れない事からイースに未来は無いと見限る。その後は武則天の元に下り、軍師として仕えていたが、その武則天も主人公との戦闘の真っ最中に乱入してきた巨英雄に倒されたことで、なし崩しに主人公一行と行動することとなった。
終盤にて、彼女は白状した。地底世界は彼女自身の『物語という宝具』を現実世界に侵食させることで作り出したものであること、主人公たちは自分の掌の上で踊らされたこと、「死にたくない」という願いのために地底世界を産んだこと。
それを成すためにアガルタの一部を空中都市ラピュタとして浮上させ、大都市に墜とそうとするが、唯一の誤配役であるフェルグスから自分の話を聞く内に「愛した者に、生きた意味に見守られて死ぬ」ということを知り、自分を唯の材料として利用しようとする魔神フェニクスを一蹴したのであった。
最期はフェルグスからの次に会ったら自分に抱かれてくれという懇願を断りつつも、彼の言葉の意味を悟りながら消滅した。
人物
中東風の衣装を身にまとった、褐色肌の肉感的な美女。
穏やかであるが、とにかく「死ぬこと」をかなり恐れており、マイルームでの言動、戦闘開始時、ダメージを受けた時、戦闘不能などあらゆる面からそれが伺える。
聖杯戦争に関しては、サーヴァントとして召喚された時点で「在れば死なねばならない」、そして用が済めばマスターの元から消滅、自分という存在が消えていく、呼ばれたという時点で避けられぬ死が決定されることが彼女にとってはあまり好ましくない事態であり、参加する事自体消極的である。それでも召喚された場合、マスターが自分を大切にするか死地に追いやるかで善し悪しを決めている[1]
こと亜種特異点Ⅱでは彼女を呼び寄せた魔神フェニクスよって「ただの生物としての忌避から度を越した」と評されるほどに肥大化し、アガルタの事件を起こしたのも全ての神秘が神秘でなくなることでサーヴァントの召喚というシステム自体の消去、引いては自分が二度とサーヴァントとして召喚される事がないように世界を壊そうとしていた。
あくまでも個人的な願いの範疇とその矮小さを維持したまま、堂々と世界を壊そうとする有様は「歪みなき願いの歪み」と例えられる程に歪であり、魔神王のように惑星を造り替える気も、一からやり直す気もなく、世界を巻き添えにして自殺しようとしていた。
能力
キャスターらしく、曲刀を持ったターバン姿の戦士や巨大な人型の精霊など、宝具である千夜一夜物語内の登場人物・道具・精霊を召喚して戦う…と言うより恐らく本人に戦闘力が無いため、戦闘に関しては宝具だけが頼り。
本人の基礎ステータスが貧弱である反面、後述するように宝具が強力であり、宝具の万能性を活かし幅広い状況に対応するシーンがシナリオ上しばしば見られる。
ただし、生前シャフリヤール王に殺されない為にありとあらゆる手を尽くした経験から、「王」に対しては宝具に頼らずとも圧倒的な生存能力を発揮する。
生前では万巻の書物を読んできたことで多少の知識を蓄えており、それを以て敵軍の動きを読むことや機の把握については得意。しかし専門家ではないため本職の戦士には読み負けることもある。
また、持ち前の一級品の話芸で味方の慰安を行う事も出来、やはり彼女自身としてはそれが一番の適材適所だと思っている様子。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
キャスター 主人公 (Grand Order) E D E C EX EX 陣地作成:A++ 語り手:EX
生存の閨:A+
対英雄:A
対英雄(譚):EX

宝具

千夜一夜物語(アルフ・ライラ・ワ・ライラ)
ランク:EX
種別:対王宝具
由来から、王属性特攻を持つ。厳密にはそうでなくとも、ソレに類する存在であれば彼女の主観では「王」と見做されている場合があるし、逆も然りである。
この宝具の実態は「彼女の語る物語」という固有結界であり、物語という空想にカタチを与えるモノ。世界が信じるほどの圧倒的な存在感・現実感で語る事により、その「物語」を具現化させ、千夜一夜物語内の登場人物や、道具や、精霊などを召喚する。
本来の(歴史的には)正当な千夜一夜物語には存在せず、後世の創作・吸収されたとされるアラジン・アリババなどのエピソードも、サーヴァントとしての彼女の生存には有用なので問題なく使用できる。
彼女が書物で読んで知った物語、彼女自身が即興的に考え出して語った物語、後世に付け加えられたが「彼女が語っていてもおかしくはない」物語、そういった元々確固たる枠組みがあったわけではなく、それらの曖昧模糊とした集合体こそ、後に『千夜一夜物語』と呼ばれるようになった概念の正体であり、彼女自身はその内容の編纂権を有している。
重要なのは正しさではなく、王が面白がるかであり、端的に言えば「何が千夜一夜物語に該当する物語なのかは彼女自身によって決められる」とも言える。
亜種特異点Ⅱでは千夜一夜物語にあったとされる地下世界の話に加え、明らかに千夜一夜物語には含まれていないであろうイース、不夜城、エルドラド、桃源郷、竜宮城といったお話も具現化させたが、これらは現実世界の侵食ではなく現実を作り変えるにも等しいものとすら言えるほどの規模と強度を誇っている。
新宿のようにシェイクスピアが作った物語の登場人物が敵として現れたというレベルではなく、『亜種特異点Ⅱ『伝承地底世界 アガルタ』自体が物語そのものと言っても過言ではないのである。ここまでの捕捉規模を実現できたのは、ひとえに魔神フェニクスの存在故である。
ただし、ここで彼女によって召喚されたサーヴァント達全員は“真正ではない歪み”を被せられており、コロンブスは記憶喪失、ヘラクレス肥大化した巨英雄として在り絶対的な暴走無制御状態、ドレイクはサーヴァントとして召喚できない存在であるダユーの殻として利用されることとなった。
幻想空中都市 ラピュタ
天に昇り、地を睥睨したアガルタの一部。
内包した他の物語、さらには召喚したサーヴァントという物語が絡み合い・闘争した末に消滅したことにより、「アガルタ」という物語は徐々に結実し、魔神フェニクスの力も加わることで、最後にふさわしいカタチとなって真に具象化した。
ラピュタ(la puta)はスペイン語で「娼婦」を意味する。シェヘラザードは生前では凶王に物語や自分の身体を捧げた事から、自らの物語を締めくくるに相応しい名前であると語っている。
シェヘラザードはこれを大都市に墜落させようとしていた。そうなれば何百人から何千人、あるいはそれ以上の桁での死亡者が出るだけでなく、『Grand Order』の世界は人理修復後の大混乱の真っ只中であるうえこれ自体が現実に出現した「空想の都市」であるため、神秘の秘匿が不可能となり世界は作り替えられてしまう。
ただ、仮にこれが成就したとしても、神秘の秘匿が破壊されるのはFGO世界のみに止まる。すなわち、他のFate系列世界にも波及している召喚システムの破壊、ひいては彼女の望みである座の消滅が叶うかどうかは些か疑問だと言わざるを得ない。

真名:シェヘラザード

シェヘラザード。千夜一夜物語、その入れ子構造の物語群の最外枠、全体の語り部の役割である。
処女を一夜の妻とし、そして翌朝に必ず殺すという凶行を繰り返したシャフリヤール王を止めるために、大臣の娘であったシェヘラザードはその悪行を止めるために自ら王と結婚する。
シェヘラザードは王と一夜を共にした後、呼び寄せていた妹ドニアザードが話をせがんでくるよう計画していた。王はシェヘラザードがドニアザードに語った話を気に入り、続きを求めるが、夜が明けてしまった。
シェヘラザードは「明日のお話はもっと心躍りましょう」と告げる。このため王はシェヘラザードの物語の続きを聞くために彼女を生かし続け……。
サーヴァントとして召喚されたシェヘラザードは「死」を忌避するようになった。
最初は正義感から、自ら志願して王のところへ行ったのだが、最初の妻の不貞によって女というものに絶望した凶王と、何夜も何夜も過ごし、“王の愚かさ”に心を殺され続けた。
理屈も損得も通じず、理由などなくただ女を殺す王と、いつ終わるとも知れぬ日々を、終わることすら約束されていない日々を、延々と繰り返す恐怖を味わい、いつ殺されるかも分からない日々を過ごしていた。
やがていつしか、彼女の中には死にたくない、という願望だけに自分という存在の全てを費やし、死なぬために凶王に捧げたのは物語だけではなく、それ以外の全て。勿論のこと身体も捧げたのだ。
そして、果てのないと思えた夜の果てに、千の夜を越えた先に、ようやく王は正気に戻ったのであった。
しかし皮肉なことに一度きりの生を終えた彼女は英霊となり、死にたくないという想いのみで形作られた彼女が英霊として消え去る運命を手に入れてしまった。

関連

千夜一夜物語
しかし今伝わっている千近くの物語は、その大部分が後世の訳者たちの手によって付け加えられたものである。
一説には、核となった最初期の説話数は二百数十話程度しかなく、結末も存在していなかったとされる。
その『千夜一夜物語』の結末の中には、最終的にシェヘラザードは三人の子をもうけ、王は寛容を身につけたのであった、という形で締められているが、これは元々の話にはなかった結末、ここにいる『彼女』が体験したものではない可能性が高い。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/Grand Order
亜種特異点Ⅱ『伝承地底世界 アガルタ』の解禁に際して真名を伏せる形で実装。

その他

ちびちゅき!
文化祭の演劇の脚本で「かぐや姫」の姫役として登場。

人間関係

Fate/Grand Order

魔神フェニクス
『伝承地底世界 アガルタ』にて、「もう死にたくない」という想いから結託した相手。
だが、物語の最後で馬脚を現した姿に幻滅し、愛想を尽かす事になる。
フェルグス・マック・ロイ
『伝承地底世界 アガルタ』で遭遇した相手。
彼を通して、男女と生命の何たるかをおぼろげにだが理解し、ある程度は満足して消えていった。
カルデアに召喚された後は抱かれると別の意味で死んでしまいそうなので、彼に遭わないように逃げ回っている模様。
フランシス・ドレイク
『伝承地底世界 アガルタ』で利用した相手。
「アガルタのシェヘラザード」とは別個体であるカルデアのシェヘラザードには明確な記憶は無いが、なんとなく申し訳ないという気持ちは残っている。
一方のドレイクはあまり覚えていないため気にしていないどころか、むしろ話術に興味があるため好意的な様子。
ヘラクレス
同上。申し訳ないので謝ったが、バーサーカーなので意思疎通が難しく、謝罪を素通りして去ってしまった。少なくとも根に持って激昂はしていないようである。
アーラシュ
勇者として語り継がれる彼の物語も知っており、カルデアで本人を見かけた時は思わず感嘆を漏らしていた。
ニトクリス〔アサシン〕/ニトクリス
期間限定イベント『デッドヒート・サマーレース』でタッグを組んだ相手。
彼女も引っ込み思案なため、死を恐れつつも死なない為に背中を押していくポジションに収まっている。
レースを経て親しくなった後も、一緒にお茶を楽しんでいるらしかったり、温泉に仲良く入ったりと、何かと仲の良い様子が見られる。
織田信長〔バーサーカー〕
期間限定イベント『デッドヒート・サマーレース』で共演した相手。
自分の死んだ時の状況をネタにする有様にドン引きしていた。
ガイウス・ユリウス・カエサル
期間限定イベント『ネロ祭再び~2017 Autumn~』で共演した相手。
自分を口説こうとしたところにクレオパトラが現れるやいなや、危険を察知して逃走した。
シバの女王
期間限定イベント『節分酒宴絵巻 鬼楽百重塔』で共演した相手。
「ここを湯とお話の一大テーマパークに」と労働契約を持ちかけられるが、温泉で朗読し続けるブラックな労働なので断った。…死にそうなブラック労働は生前のトラウマなのでやむなし。
この件で彼女に対して苦手意識が付いてしまったのか、その後も彼女の言動についてはやや警戒気味。

生前

シャフリヤール王
彼の凶行を止めるために自ら妻となり、物語を読み聞かせた。
千の夜を超えた果てに正気に戻ったが、同時に彼女の心は殺され続けてしまい、やがては度を越した「死への忌避」を抱いてしまった。

名台詞

Fate/Grand Order

マイルーム会話

「日本には『土下座』というものがあるそうですね。究極の降伏……共通理解としての命乞いの形があるというのは素晴らしい事だと思います」
マイルーム会話「絆Lv2」。いきなり何を言っているのだろうか。そもそも、通じない時は通じないと思うのだが。
なお、「頭を下げる」という行為は「首を差し出す」という意味もあるため、本来は命乞いどころか「命を差し出してでも謝りたい・頼みたい」場合の作法である。

本編

から聞きました。
 ただ一人、自らの意思で座より消失した英霊がいると。
 ああ、なんて羨ましい・・・・・・・・・・
 私もそんなことができれば、話は簡単だったのに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・――」
『伝承地底世界 アガルタ』第16節より。死にたくないが、英霊として呼ばれればいずれ死ぬことが決定される彼女にとって、輪廻もなく、語られることもなく、必要とされることもない、完璧な無に行ってしまった者を彼女は羨んだ。
だがこの発言は、そんなの消滅を見届けた主人公やマシュの逆鱗に触れることになる。それがどれほどの偉業であり、そしてどれほど悲しき意味を持つのかを知っていたからだ。
「きっと私は変わりません。この仮初めの生が潰え、次の私がどこかで始まっても。
 私はまた、死にたくないという顔で陰気に溜め息をついているのでしょう。
 ……それでもね、フェニクス。
 今の貴方は――少しばかり、見苦しい」
『伝承地底世界 アガルタ』第16節より。死を恐れるシェヘラザードが死に様に拘泥するのは道理。
愛した者に、生きた意味に見守られて死ぬのと、自分をただの材料として利用しようとする、見苦しいものフェニクスの一部となって死ぬ。選べるとしたら、どちらを選べるのか。
少なくとも見苦しいものに、今回の自分の死を与えたくないと思い、語り部の女はフェニクスを見限った。ただそれだけの、おはなしなのである。
「だって私は、まだ。
 死にたくないですから――」
『伝承地底世界 アガルタ』解決後、フェルグスを避けながらの台詞。字面こそ以前と同じものだが、頬を赤らめ、表情には穏やかな微笑みさえ浮かんでおり、その心境は以前とは全く違う様子。
フェルグスの決死のエールが彼女に届いた事、そして彼女がほんの少しずつでも「ただ死を恐れるだけの女」から抜けだそうとしていることを伺わせる。

イベント

「ワルダンという男の物語をご存知でしょうか?」
「簡単に言えば、ワルダンという店主が毎回不審な買い物をする女を怪しみ、尾行したところ――
 その女の家の地下室で思いもよらぬものを見てしまった、というお話です。本当に、思いもよらぬものを……」
「それはですね……女が……地下室で飼われていた熊と……(モニョモニョ)」
「つまり――熊の獣欲というのは危険なものだ、というお話でした。ご参考までに」
デッドヒートサマーレース・A谷において、増殖したオリオンへの対処に困っているニトクリスへと投げかけた助言(?)。
いかにも意味ありげで巧みな語り出しに、ニトクリスも思わず「なんですか、それは?」と興味津々に食いつくが、オチはまさかの猥談。しかもとんでもなくアブノーマル。
悩み事が改善された影響なのか、イベントでの彼女はかなりのマイペースぶりを発揮している。 …ちなみに肉屋ワルダーンのお話は千夜一夜物語の中に本当に編まれている話である[2]
「誰かの想いに応えるために戦う王。
 ただ自らの成長を求めて戦う王。
 王という立場の尊厳を守るために戦う王。
 それは―――私にしてみれば、ひどく立派な王にしか思えないのですが。
 違いますか?」
『デスジェイル・サマーエスケイプ』にて。ラストスパート、自分を卑下するニトクリスに向けての言葉。生前、毎夜死に怯えながら悪しき王に仕え続けていた彼女の目には、ニトクリスの在り方はただ真っ当で立派な王として映っていた。
この瞬間彼女はニトクリスにとって、ただの「語り部」から「相棒」へと変わっていく。
「留守です」
期間限定イベント『姫路城大決戦』にて、ハロウィンを迎えたカルデアでレイシフトを依頼しようとした瞬間の反応。
ハロウィンは今年が初めてだろうに、持ち前の能力で危険を察知したようである。なお、あまりに堂に入った土下座だったため今回のパートナーはそれ以上何も言えなかったそうな。

幕間の物語

「物語とは―――想像する力。そして、共感する力です。」
「その語り手なのに、私は、想像も共感もないままの物語を……」
「誰かに教えられただけの物語を誤読し、言葉を紡いでしまった。」
「他人の言葉を鵜呑みにして、自分の願望の形に当て嵌め、一方的に羨んだ―――」
「そんなものは、けっして、正しい物語のかたちではありません。」
「誰の考えでもない、"自分でもそう思う"という自らの物語共感を通して、はっきりとそれがわかったからこそ。」
「だから―――こうしています。」
幕間『千と一の夜を超えても』で、主人公とマシュの物語を体感した直後、土下座した理由について。
今の自分とは異なる自分が言ってしまったへの言葉から、この土下座には「二度と顔を上げない」という覚悟すら込められた『首をさし出す』行為である。
『自分に向けられる、マスターの笑顔で。
 大事なことを思い出したような気がする。
 今まで私は『自分が死なないために』物語を使ってきた。
 そうする必要があったから。そうしなければ死んでいたから。
 でも、それは物語としては間違った使い方。
 本当はやっぱり―――
 物語は、誰かを楽しませるものでなくてはならない。
 自分ではなく、誰かのためのものでなくてはならない。
 子供のころ、読みふけっていた本の事を思い出す。
 あれも、誰かのために書かれたから自分に届いた。
 同じことを、自分もしていいのだ。すべきなのだ。
 自分に、できるだろうか?
 わからない。でもやってみよう。』
「(少なくとも……この王のもとでは)」
「(私は、物語を、『殺されないための道具』として使う必要はなさそうですから―――)」
あの旅の事を"彼の物語"として語ってほしいという主人公の対しての独白。
この世で最も新しい、人が世界を救った物語を、自分だけは、千と一の夜を超えた先でもきっと語っていると、主人公とマシュに約束した。

メモ

  • 座に登録された人物で久しぶりに登場した座からの消滅を目的とする英霊。最も彼女のやろうとした消滅へのプロセスはの八つ当たりよりも遥かに大規模だったが。
    • 「登録や召喚を拒否すればよかったのでは?」という疑問もあるが、召喚の拒否は場合によっては不可能な事例も多く、登録の拒否はそもそも事例自体が少ないため生前ただの語り部であった彼女の力量に余る事態である。
      • 召喚拒否が難しい事例として、冬木式の英霊召喚では触媒によって特定の英霊を召喚できるのだが、これには英霊側の意思が尊重されにくい(あるいは尊重されない)という欠点がある。の遺品を触媒として召喚されたオジマンディアスが分かりやすい例である。このため触媒次第では、シェヘラザードも半ば強制的に召喚される可能性がある。
        英霊とマスター双方の合意があって初めて召喚できるカルデア式召喚でも、人類そのものを憎悪しているはずのヘシアン・ロボが召喚されるケースがあるなど、意思次第で絶対に召喚されないわけでもないようだ。そもそも召喚されたくないシェヘラザードが(亜種特異点の☆5キーキャラで唯一恒常として)召喚されうる時点で、召喚拒否は不可能であろうことが察せられる。
        例外として、英霊側の決定権が強いムーンセル式召喚であれば、シェヘラザードの意思で一切の召喚を拒むことができる可能性も残されている。主人公 (EXTRA)が現れるまで召喚を拒み続けたネロや、英霊の座にありながら一度として人間からの召喚に応じなかったアルキメデスなどがその好例。
    • 元々の正義感や崇高な目的意識が歪んでしまい、死の回避――座の消滅という別の目的にすり替わるというあたりは間桐臓硯と通じるものがあるが、『伝承地底世界 アガルタ』では「死にたくない」といった、「歪みなき願い」を叶えるためにその過程で多くの死者を生み出そうとする、座から消滅したソロモンを羨む発言をして主人公やマシュから怒りを買い、明確に「その渇望が間違っている」と否定されてしまった。
      • 『伝承地底世界 アガルタ』最終盤でも「例え今の仮初めの生が終わっても、次の自分は死の恐怖に纏わり付く(意訳)」と述べているように、カルデアで召喚された時でもエリザの歌を聴くハメになるハロウィンイベントを土下座で辞退したりと、そのスタンスに変化はないが、レースや戦闘に参加したりと、「死の恐怖」と戦おうとしている。そして、幕間の物語では理解しないまま件の発言を発したことを悔やんだことが明らかとなった。
  • 褐色で肉感的な肢体、特に紐で縛られたように衣装の食い込んだ太ももから、ユーザー間で付けられたあだ名がハム。この為記念キャンペーンの福袋等のランダムでやってきた場合の彼女はお中元のハム等とも呼ばれる。
    ただし蔑称としての意味合いが強いので、使用する場面には注意が必要。
  • 「ラピュタ」と言えば現代日本ではスタジオジブリの映画『天空の城ラピュタ』が最も有名だが、空中に浮上したアガルタの由来となったのはおそらく映画のタイトルの由来(物語としての原作ではない)となった『ガリバー旅行記』の舞台の一つであるラピュタ。ただし、最終的に主人公たちの手で黒幕の野望とともに崩壊するシチュエーションは天空の城の方を想起させるものではある。
  • 2018年2月28日(水)より開催されたサーヴァント強化クエスト第8弾にて強化クエストが実装された。『自身の宝具威力をアップ(1ターン)+敵全体に強力な攻撃&[王]特攻』という宝具効果であったが強化クエストクリアによって宝具威力が上昇し、宝具に『敵全体の弱体耐性が大ダウン(一回・3ターン)』効果が追加された。
    • 元々HP偏重型で実装時の全サーヴァント中2位のHPであったが攻撃力は星5サーヴァントワーストの数値であり、キャスタークラスの補正でさらに攻撃力は下がるため攻撃力はかなり低い状態であった。しかし元々の[王]特攻の高倍率に加えこの強化クエストで宝具威力が上がり、特攻を持つ宝具ではトップクラスの倍率を誇るため特攻が適用されるサーヴァントに対しては全キャスタークラスでもトップクラスのダメージが与えられる。「死にたくないので相手を殴り殺す」問題は特攻対象にアサシンが少なく、逆にライダーが多いことだが…
      • なおこの強化クエスト実装初日、ステータスに未強化の宝具強化マークが表示されていたことからこのサーヴァントの強化が早い段階から予測されていた。

脚注

  1. 常に横断歩道を渡ろうとしたり、喉に詰まらせないように毎回餅を細かく切り刻んで食べたり、ふぐ料理の店に行ったら必ず免許を確認したり、新しい保険を探しまわったりと半ば病的なほど。
  2. ただし実際の内容はどちらかといえば「”男”というものを知った女が己の強い肉欲を我慢できず獣をあてがってもらっていた」というもの。つまり熊の方はむしろ被害者である。まあ「女に振り回される」という意味でもオリオンへの喩えは間違いではないのだが……。

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