ヴラド三世 (Apocrypha)

黒のランサー
真名 ヴラド三世
性別 男性
誕生日 11月10日
身長 191cm
体重 86kg
特技 串刺し
天敵 世間の風評
属性 秩序・中庸
声優 置鮎龍太郎
デザイン 近衛乙嗣
前田浩孝(原案)
設定作成 虚淵玄(企画版)
イメージカラー 真紅
初登場作品 Fate/Apocrypha
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概要

槍兵」のサーヴァント

略歴
Fate/Apocrypha』では聖杯大戦において、ユグドミレニアの頭首であるダーニック・プレストーン・ユグドミレニアによって召喚され、黒の陣営の首領となる。魔術協会への宣戦布告として、ユグドミレニア討伐に派遣された熟練の魔術師50人を僅か30秒で全滅させる。
赤のバーサーカー襲撃の際も、圧倒的な力で叛逆の英雄を捻じ伏せ、幸先良く配下にすることに成功した。だが直後に起きた、セイバー脱落という予想外のハプニングによって大きな衝撃を受け、先行きに暗雲が漂い始める。
赤の陣営との決戦では先陣を切り、赤のランサーと対峙し、最大限の知名度補正と地の利を生かして戦うが、地力の差から押され気味となる。そして空中庭園に戦場が変わり、領土から得る補正を失った彼はもはや赤のランサーの敵ではなく、圧倒され死を覚悟するまでに追い込まれた。
だが、自ら使用を禁じていた宝具をダーニックの令呪により無理矢理解放させられ、忌み嫌ってきた己の汚名たる吸血鬼と化してしまった。更にはダーニックにより令呪を上乗せした禁術で魂にダーニックの人格・妄執を刻まれ(寄生され)、最終的にダーニックでもヴラドでもない妄執と本能に支配された吸血鬼と化し、赤の陣営はおろか味方だった黒の陣営の者たちまで敵に回る四面楚歌の中、無念の最期を遂げ「黒のサーヴァント」2人目の脱落者となる。
奇しくも、配下の貴族に裏切られ、汚名を着せられて処断されるという生前の悲劇を繰り返す結末となってしまった。
人物
信仰心に篤い人格者であり、一旦敵と見なした者には苛烈に対処するが、味方の見解や意見を尊重し、付き従うものには非常に寛大な態度で接する優秀な王。ダーニックからは「領王」(ロード)と呼ばれ、合流を果たしていないアサシンを除いて、黒のサーヴァント達も臣下のように従っている。
生前の結末から、『人』を重要視している。一軍を任せるに足る優秀な人材を欠いていたワラキア公国を守るために彼は串刺し刑などの苛烈な政策や戦術を取らざるを得ず、最終的に悲劇的な結末を辿ったため、この聖杯大戦における一騎当千の英雄達の参画に歓喜している。
世界的に知られる「吸血鬼ドラキュラ」とは程遠い人物で、召喚されたルーマニアでは絶大な知名度を誇り、国を守った英雄としての側面が強調されている。
基本的に公正な人物だが、特定の神への信仰心が強過ぎるせいか考え方や視野が狭く、己の配下ではない異教徒や人外の血を引いている者には非常に冷淡かつ侮蔑的な態度で接する。
聖杯への願いは「吸血鬼ドラキュラ」という、世界中に広まってしまった血に飢えた悪鬼の名を消し去ること。
騎士王のように辿ってきた道のりを否定するつもりはなく、非業の死を遂げたことも人生と諦めているが、自分と全く何の関りも無いところで自身の名や国を守るために戦った功績を穢されることだけはどうしても許せず、聖杯大戦にかける執念は聖杯大戦に参加しているサーヴァントの中でも随一。
能力
固有スキル『護国の鬼将』によって、あらかじめ地脈を確保しておくことで、特定の範囲を"自らの領土"とする事が出来る。この領土内の戦闘において、領主であるランサーは高い戦闘力のボーナスを獲得する。
聖杯大戦開催地であるルーマニアにおいて最大限の知名度補正を受けており、更にマスターの領地が戦場であるが故に、不自由無く固有スキルによる大幅な強化の恩恵に預かれる。そのため、聖杯大戦においては最強クラスのサーヴァントと同等の戦闘能力を誇る。具体的には、ルーマニアでの知名度補正とこのスキルの影響がある状態の能力値を10とすれば、知名度補正皆無かつスキルの効果範囲外では能力値は6になる。
赤の陣営の総攻撃の際は、キャスターが造りだしたゴーレム、赤いルビーと蒼のサファイアの瞳を持つ青銅馬に騎乗する。

別クラス / バリエーション

バーサーカー (Grand Order)

Fate/Grand Order』では「狂戦士」のサーヴァントとして参戦。

詳細は「ヴラド三世 (Grand Order)」を参照。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
ランサー C C B A D B 護国の鬼将:? 企画段階。
ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア B B A A D A 対魔力:B 護国の鬼将:EX 舞台がルーマニアのため、企画段階の原案より強い。

宝具

極刑王(カズィクル・ベイ)
ランク:B
種別:対軍宝具
レンジ:1~99
最大捕捉:666人
由来:二万のオスマントルコ兵を串刺しにした伝説。
ランサーのクラスで召喚された際に使用する宝具。
スキル『護国の鬼将』によって作成した“領土”の空間に大量の杭を出現させ、敵を串刺しにする。攻撃範囲は半径1km、同時に出せる杭の数は最大2万本。
杭は一本あたりの威力は低いものの、杭は破壊されても、魔力供給源さえあれば再生しほぼ無限に生み出し続けることが出来る。3秒間発動させただけで500人以上の敵をまとめて捕捉し、粛清する。
次第に数を増す杭は敵の退路を塞ぎ、時間が経つごとに回避を困難にする。杭の数が増すと呪的な心理効果が発生し、見る者に恐怖と精神的圧迫感を与える。
更には無数の杭を結合・操作することも、防御に利用することも可能で、大よその飛び道具を無力化可能。杭ではなく“突き立てられた杭”が宝具であり、一度でも喰らえばしばらくの間は「貫通」による継続ダメージが付加される。
さらに一度でもヴラドが手にした槍で一撃を与えた事実があれば“串刺しにした”という概念が生まれ、対象の心臓を起点として突き刺さった状態で杭を顕現させることが出来る。
体内から杭を顕現させて貫通させられたら最期、死ぬまでもがき苦しんでしまうが、赤のランサーは自らの炎で体内の杭を焼き尽くすことで切り抜けた。
しかし『護国の鬼将』によって作成した領土外では自らから杭を生み出すことしか出来なくなり、大幅に弱体化する。
鮮血の伝承(レジェンド・オブ・ドラキュリア)
ランク:A+
種別:対人宝具
レンジ:−
最大捕捉:1人
由来:後世に広まった「吸血鬼ドラキュラ」のイメージ。
召喚された際のクラスによって発動方法が変わる宝具。ランサーとして召喚された際は任意による発動で使用されるが、バーサーカーとして召喚された際はデフォルトでの発動となる。
後の口伝によるドラキュラ像を具現化させ、吸血鬼へ変貌する。
吸血鬼となった彼は通常のスキル・宝具を封印される代わりに、身体能力の大幅増幅、 動物や霧への形態変化、治癒能力、魅了の魔眼といった特殊能力を得て、遥かに強大化する。
だがその圧倒的な力の代償として陽光や聖印に弱いという弱点も得てしまう。
ランサーとして召喚された場合の彼はこの吸血鬼の伝承を消去することを目的に戦っているためこの宝具を忌み嫌っており、たとえ敗北と死を前にしても自らの意思で使うことは決してなく、召喚されてすぐにマスターであるダーニックに使用を強制すれば殺すと警告するほど。

真名:ヴラド三世

ヴラド三世。ワラキア公国の王であり、当時最強の軍事力を誇っていたオスマン帝国の侵攻を幾たびも退けた大英雄。
かつて船を山に登らせるという奇策を使い、三重防壁に囲まれた東ローマ帝国を滅ぼしたメフメト2世ですら、敵兵を平然と串刺しにして見せつけた悪魔には手も足も出なかった。
やがて彼は東欧においては英雄として、西欧においては悪逆の存在として認識されていたが、そこまでであれば小国の英雄として世界には知られることなく消えたのであろう。
しかし、アイルランドの作家ブラム・ストーカーが書いた「ドラキュラ」のモデルとされたことでその知名度は爆発的に広まった。
ただし、それはメフメト2世を撃退した小国の英雄としてではなく、「ドラキュラ」に登場する災厄の吸血鬼、ドラキュラ伯爵としてであったが。
吸血鬼ドラキュラ、その不名誉を拭うためにヴラド三世はランサーとしての召喚に応じ、聖杯戦争を戦う。
だが、極稀な確率で「吸血鬼ドラキュラ」としての側面を持つバーサーカーとして召喚されることがある。
幾度聖杯戦争で敗れ去ろうとも、無知に対する憎悪に身を焦がしながら、己を英雄と認める者が現れるまで、彼は戦い続けるのだ。

登場作品と役柄

Fate

Fate/Apocrypha (企画段階)
  • 〔ランサー〕キャラクターデザイン:前田浩孝 / 設定制作:虚淵玄
Fate/Apocrypha
「黒」のサーヴァントとして登場。

その他

ちびちゅき!
ダーニックと共に登場。本編での最期からダーニックには腹を立てているが、やけにイベント参加に積極的な彼に若干押され気味。

人間関係

Fate/Apocrypha

ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア
マスター。臣下のように振舞う彼を信用しているが、過度の追従を諌めている。
ダーニックは一国を統治した王として敬意を払ってはいるのだが、それも「令呪」という絶対的な格差あってこその忠誠であり、本心ではサーヴァント達を因果線を断てば生きられない使い魔と見下している。
黒のセイバー
考え得る限り、最も素晴らしい勇者と絶賛している。赤のセイバーの戦力評価について、真っ先に彼に尋ねるほど全幅の信頼をおいている。
好きなものと苦手なものから考えると、トップクラスの能力を持ち、かつ野望値が皆無と言える黒のセイバーは正に彼にとっての理想の家臣と言えた。
黒のアーチャー
「大賢者」と尊称で呼び、彼の意見もセイバーに劣らず信頼している。前線指揮・戦略決定に無くてはならない存在として重用している。
黒のキャスター
偏屈な男と呼んでいるが、彼が作り出すゴーレムをこの上ない戦力と褒め称え、捕らえた赤のバーサーカーの管理を任せている。
赤のバーサーカー
ゴーレムの半数を使い捨てることで彼の信念を見極め、「初めて叛逆者という存在に敬意を表したくなった」とその気高い魂を称える。
だが、叛逆の英雄である彼がヴラドに心からの忠誠など誓うはずもなく、決戦の際は使い捨ての「兵器」として扱うことになった。
赤のランサー
決戦にて対峙するが、奮闘空しく圧倒されてしまう。
性格的にも、異教徒で全く相容れない宗教観を持つ上に、真実を突きつけ結果的に相手の心を暴いてしまう彼とは非常に相性が悪い。
ルーラー
状況確認に訪れた彼女に「同じ神を信じる者」として、自分の側につくよう懐柔しようとするが、中立を順守し生前の未練がないと拒絶されてしまう。結局、神への考え方の違いから互いに相容れない存在と認める事となる。

その他

ヴラド三世 (Grand Order)
希にバーサーカーとして召喚された場合のヴラド三世。基本的にはApocrypha時の存在と同一だが、吸血鬼としての側面が若干強まっている。
ヴラド三世 (EXTRA)
狂信的な騎士としての側面や妻を愛する男としての側面、あらゆる悪を糺す武人としての側面を抽出して召喚されたヴラド三世。
ブラム・ストーカー
かの有名な「ドラキュラ」の作家。ヴラド三世からすれば、吸血鬼の汚名を被せた上でその知名度を広めた人物といってもいい。

名台詞

Fate/Apocrypha

「―――ああ、口惜しいな。彼らがいれば、あの城に幽閉されることもなかったろうに」
一騎当千の英雄達を配下に加えた際のセリフ。
生前『人』に恵まれなかった彼は喜びを隠せず、かつての無念を交え、言葉を洩らしてしまう。
「あれは蛮族だ。
 我が領土を穢し、傲岸不遜に下劣に高笑いする死ぬしかない愚者どもだ。
 笑いながら連中を殺すがいい。
 恐怖という知識が欠けている彼奴らには、牛革の鞭で徹底的に躾け直してやらねばならぬ」
赤の陣営との決戦の前、自陣のサーヴァント達へ。
『生かして帰すな』。「悪魔ドラクル」と恐れられ、「救国の英雄」として敬われた威厳と共に、侵略者達への殺意を込め開戦を告げる。
「さあ、我が国土を踏み荒す蛮族たちよ! 懲罰の時だ!
 慈悲と憤怒は灼熱の杭となって、貴様たちを刺し貫く!
 そしてこの杭の群れに限度は無く、真実無限であると絶望し――
 己の血で喉を潤すが良い!『極刑王カズィクル・ベイ』!」
宝具解放。
二万の異教徒を刺し貫き、尽く侵略者たちの血を吸い続けた粛清の槍衾。
「分かるとも、神とは穢れなき絶対だ。そうでなくては誰が信じる? 誰が縋れるというのだ? 
 人と交わり、人と媾う神など、ただの醜悪な怪物モンスターに過ぎん」
赤のランサーとの戦闘時。
彼の武練を称えるが、人と神が交わり子を為す東洋の宗教観は、敬虔なキリスト教徒である彼にとっては耐えがたいものらしく、彼らの神を紛い物の怪物と蔑む。
カルナにとっては父・スーリヤを侮辱されたに等しい暴言だが、激昂などせず、「信仰とは土地によって変わる物。自分達の神が怪物とするならば、お前の神も『絶対である事』を押し付けられた怪物に過ぎない」と冷静に反論されてしまう。
「貴様、何を言っている!? あの宝具は使わぬと言ったぞ、忘れたか!
 余はここで死ぬ! 無念と共に死に、朽ち果てる!
 だが、それが敗者の務めだ!
 ダーニック! 余はあれを使って、無様な存在になろうなどとは考えておらん!
 断じて、断じてだ!」
ダーニックに禁じられた宝具の解放を求められて。
敗戦の将として、英雄としての最後の矜持を貫き、「吸血鬼」になることを拒絶する。
だが、ただ吸血鬼にさせられる事よりも、遥かに貶められる悲劇が彼を襲うことになる。
「――余は、吸血鬼では、ない……ない、のだ……!」
英霊ヴラド三世としての最後の言葉。
最後まで「吸血鬼ドラキュラ」という怪物に苛まれ続けた孤独な王は、魔術師の執念と吸血鬼の影へと沈み、消えていった。

Fate/Grand Order

「幾千幾万と戦えば、そこに隙間が生じるのは道理である。
 皆、よくやってくれた。汝らの奮戦が、余を招き入れた。
 ダーニック・プレストーン・ユグドミレニアを打ち破るただ一騎のサーヴァントとして、な。」
スペシャルイベント『Fate/Apocrypha Inheritance of Glory』終盤にて、大聖杯内で行われている聖杯戦争の黒幕であるダーニックを主人公たちが追い詰めた際、それでも諦めようとしないダーニックに止めを刺しての登場。十四騎の中で唯一ダーニックに再現を封じられていたが、主人公たちの奮戦によりサーヴァントとしての顕現を果たし、ダーニックの虚を突いた。
「ああ、十四騎の中で余のみがあの聖杯大戦の記憶を中途まで有している。
 汝に取り込まれたせいだろうな。……だが、それを以て余は汝を討とうとは思わぬ。
 余が汝を討つのは、復讐でも憤怒でもない。英雄としての責務であり―――
 貴様に召喚されたサーヴァントとしての、慈悲である。」
再現されたサーヴァントの中で、ダーニックに取り込まれたためか聖杯大戦の記憶を有しており、ダーニックとの関係も正しく認識している。しかし、聖杯大戦においてマスターであったダーニックに裏切られ、生前以上に悲惨な最期を遂げたはずのヴラド三世はダーニックに恨みを向けることをしなかった。
「―――では問おう。
 貴様は、このまま余に討たれたとして余を恨みながら死ぬのか?」
「わからぬか、ダーニック?貴様は恨まぬよ。
 たとえ怒ったとしても、それは一時の激情でしかない。
 我らは夢を抱き、追いかけ、その癖、どちらも諦めている。
 心のどこかで諦めているくせに、全力を尽くそうとする・・・・・・・・・・
 それは、不敬であるからだ。無論、第三者への敬意ではない。
 己が抱いた野望に対して、夢に対してのみ―――
 我らは限りなく、誠実であろうとする。
 八枚舌と罵られ、どれほどの策謀を積み重ねても。串刺し公と恐れられ、死体を積み上げても。
 それだけは変えられない。だからこその、夢の名残だ。
 ……こればかりは、管理者にはわからぬだろうな。いや、それとも―――これから理解するのか。」
「余は理解している。
 貴様の研鑽、努力、裏切り、策謀に至るまで―――全ては決して恥ずべきものではないと。
 だからこその終わりだ。
 ここで終わらなければ、貴様は夢にすら不誠実となる。
 妥協し、地に落ちた夢を拾っても、もう輝くことはないのだ。」
自分に恨みを抱いていないというヴラド三世の言葉に「英雄としての誇りを踏みにじった自分を許せるはずがない」と吐き捨てたダーニックに対し冷静に言い返しての言葉。自分と同じように夢を抱き、その実現のためにはどんな努力や忌まわしい所業をも厭わなかったからこそ、自分にはダーニックの行動全てが理解できる。聖杯大戦にて裏切られ怨嗟に満ちた最期を遂げながらも、再会したかつてのマスターに理解と共感を示し、だからこそこれ以上彼の夢を貶めるような愚行を許さなかった。
「英雄としてではなく、一人の人間として告げよう。
 人間は来る、必ず来るとも。
 そしてあの大聖杯がなくとも、必ずや魔法に到達するだろう。
 いずれにせよ、上々の結末が貴様を待つ。ゆるりと眠るがいい。」
大聖杯の管理者であるジークに自分たちが求めた奇跡を奪ったことへの責任を全うせよと命じた後の言葉。かの聖女と同様に、人間は大聖杯の力を借りずとも、必ずその境地に辿り着くと宣言し、ジークをねぎらう。その王者としての気概をアッシリアの女帝も認め、最期まで見届けた。

メモ

  • 気配り細やかで寛大な人格者だが、やはり自分を吸血鬼扱いする物は我慢ならないらしく、そういった書籍や映像作品を目にすると、一応大人な態度でスルーしようとはするのだが、つい「うっかり」破壊してしまうらしい。
    • 一見すると心が狭いようにも見えるが、この「吸血鬼扱い」のせいで、「ヴラド三世」としての記憶の中に「ドラキュラ」としての記憶が混ざり込むという問題が発生している。ドラキュラの記憶は後から付け足されたものであるという自覚はあるものの、自分に自分以外の何かが混ざり、最悪の場合そちらに乗っ取られる可能性さえあるというのは筆舌に尽くし難い恐怖であろう。
  • 刺繍という意外な趣味を持っている。これは史実でも同様で、1462年から12年間幽閉されている間の手慰みに覚えたものであるとか。『Grand Order』で刺繍を趣味としていたのはこの事に由来していると思われる。
    • また余談ではあるが、ルーマニアがある中東欧圏はアンティーク刺繍でその名を知られている。
    • 生前には武人として単独行動することも多かった為か一人で何でもこなす必要があり、裁縫はもとより家畜の世話や料理まで一通りできるとか。
  • サーヴァントには珍しく誕生日が明記されている。サーヴァントの誕生日・血液型に「不明」が多いのは伝承や史料に記載が無いためであって、彼のようにちゃんと記録が残っていれば史実通りの誕生日になるようだ。
  • 最大の知名度補正とスキルによって、バカ高いと称される程のステータスを獲得している。シロウ・コトミネは最強クラスのサーヴァントである赤のランサー赤のライダーに匹敵する戦力と推測していた。実際のステータスも幸運値以外はB以上とかなり高水準にまとまっている。
    • 事実、作中で互いに宝具に制限を用いていたとはいえ最強クラスのサーヴァントである赤のランサーを相手に知名度とスキル補正が無くなるまでは拮抗した闘いを展開出来る程であった。
    • 『鮮血の伝承』発動後は更に桁違いの力を発揮。その戦闘力は赤のランサー・ライダーを身体能力だけで吹き飛ばし、令呪によるバックアップを得た赤と黒の6騎のサーヴァントを纏めて相手取る程。最終的に押され気味ではあったものの、6騎のサーヴァントに余裕など欠片もなかったとされる程であった。
  • ヴラド三世 (EXTRA)とは同一の英霊が別の側面を強調されて召喚された存在。
    • 宝具のカズィクル・ベイも『極刑王』、『串刺城塞』、『血塗れ王鬼』と、召喚した側面によって全て性能と振られている漢字が異なる。
    • 『極刑王』は、EXTRA版の『串刺城塞』と比べてランク・レンジ・最大捕捉数で上回っている。特にレンジと最大捕捉数には2倍近い差が存在する。しかし何の因果か、最大捕捉数がサタンや反キリストを意味する「666」になってしまっている。敬虔な信仰者であるヴラドにとってはあまりに嫌な数字であろう。
  • 作中では青銅馬のゴーレムを乗りこなしていたものの「騎乗」スキルは保有していない。
  • ウロブチ製ランサーで、幸運Eとどう見ても令呪で強制的に使わされそうな宝具を持つなど彼の未来を不安視するファンは多かったが、事実は予想よりも遥かに酷かったディルムッドと違い心の内を正直に話し、味方には公正な振る舞いで接し、一番能力を発揮できるクラスで、魂の色が似ているマスターに召喚されてさえ、そのマスターのせいで報われない最期を遂げてしまった。
    おまけに、信頼していたアーチャーキャスターも、ルーラーの命令とは言え迷うことなく積極的に集団リンチに参加している。踏んだり蹴ったりである。
    • アーチャーとキャスターの対応は薄情な物に見えてしまうが、これは仕方のない事である。何しろルーラー令呪を用いた命令で、正当な英霊である2人には吸血鬼の大量増殖という災厄を見逃す理由もない。
      また彼自身、吸血鬼化させられた時点で既に自我が消滅しており、乗っ取ったダーニックもほとんど人格が崩壊しており、彼らに配慮する必要も従う義務ももうない。むしろ「赤の陣営との戦いに決着をつけ、その後改めて聖杯の所有権を巡る」という聖杯大戦の暗黙の了解を破り、勝手に聖杯を使おうとしたヴラドとダーニックの方が彼らにとっては裏切り者である。
      それでも、一切の躊躇なくゴーレムで殴りつけられ、全身を射られる彼の姿は哀しいものである……。
    • 『EXTRA』のヴラド三世は相性の良いマスターと巡り会い、まともな最期を迎えているのでなおさらこっちのヴラド三世が悲惨。
    • とはいえ十分な人間性を持っている者にとっては、選択肢一つであっさりマスターを殺害する金ピカや、真名暴露は朝飯前のはいてないと比べれば確実に扱いやすい英霊といえる。

脚注


リンク