李書文

アサシン (EXTRA)から転送)
アサシン
真名 李書文
読み り しょぶん
外国語表記 Li Shuwen
性別 男性
身長 166cm
体重 60kg
特技 とくになし
好きな物 鍛錬、試合、家族
苦手な物 写真、タタリ
天敵 ヴラド三世 (EXTRA)
玉藻の前 (EXTELLA)
属性 中立・悪
声優 安井邦彦
デザイン ワダアルコ
イメージカラー
初登場作品 Fate/EXTRA
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概要編集

暗殺者」のサーヴァント

略歴
Fate/EXTRA』ではムーンセルの聖杯戦争において、ユリウス・ベルキスク・ハーウェイによって召喚される。
二回戦終了直後に姿を現し、ユリウスの展開した封鎖空間で主人公を襲撃するも、決着のつく前に時間切れとなる。
その後、主人公の第五回戦の対戦相手となる。アリーナでの会合時、姿の見えない状態で主人公のサーヴァントを不意打ちし、消滅する寸前まで追いつめる。
主人公のサーヴァントが回復した後、再びアリーナにて激突するもやはり姿を捉えられることはなく、その圧倒的な実力で主人公を追い込む。そこで主人公はヒロインと協力し、彼の透明化を破るべく策を講じる。
五回戦終了後にも生き残り、第七回戦にて、アサシンの姿にバーサーカーの特性が加わったマルチクラス(二属性持ち)の姿で再び主人公の前に立ちはだかる。
人物
中華の武術家然とした服装の男。一人称は「儂」。
饒舌で猛々しい性格。武の真髄として暗殺拳を習得した武芸者。なぜか常時姿が見えない。
同じ暗殺者ではあるが、ユリウスが暗殺を仕事として捉え、そこに何の感慨も抱いてはいないのに対し、彼は強敵との死闘、その後に相手を殺すことに悦楽を感じている。基本は義理を通す善性を持った人物だが、悪もまた良しと考えており、ユリウスの、手段を選ばず冷酷なまでにただ目的を遂行するだけの戦闘方針や、「放課後の殺人鬼」の実行犯としてその凶拳を振るうことにも、何ら不満はない。
自身を拳法家というより殺し屋の類いと自認しているが、それを卑下する事も、誇る事もない。生前は善く学び、善く戦い、善く殺めたので、無念や怨念はまったく持っていない。サーヴァントとして召喚されてからは、強者との戦いを楽しんでいる。
「一戦一殺」を心がけており、一回の戦闘では一人しか殺さないが一人は必ず殺すことを決めている。
能力
気を使い、周囲の気を感知し、自己の気配を消すスキル「圏境」により、姿を存在ごと消失している。これは魔術理論ではなく瞑想の極意・体術による透明化なので、魔術理論に生きるものには絶対に感知することができない。第五次聖杯戦争のアサシンの燕返し同様、人の域とは呼べない魔技である。
これにより彼はおよそどんな相手でもほぼ確実に先手を取れるアドバンテージを有しており、各々暗殺や奇襲といった分野に十分な対応力を持つはずの主人公のパートナーサーヴァントたちでさえ、彼の奇襲からは即死を免れるのが限界だった。
また最高ランクの「中国武術」によって素手で三騎士クラスのサーヴァントと互角に戦える程の卓越した戦闘能力を持ち、最終戦まで宝具を温存しようと試みていたパートナーサーヴァントたちに「使わねば勝ち目がない」と使用を決断させた。

別クラス / バリエーション編集

ランサー (帝都聖杯奇譚)編集

老年期の姿でランサーとして召喚された李書文。

詳細は「李書文 (帝都聖杯奇譚)」を参照。

ランサー (Grand Order)編集

青年期の姿でランサーとして召喚された李書文。

詳細は「神槍 李書文」を参照。

アサシン (Grand Order)編集

老年期の姿でアサシンとして召喚された李書文。

詳細は「李書文〔アサシン〕」を参照。

ステータス編集

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
アサシン ユリウス・ベルキスク・
ハーウェイ
B C A E E なし 気配遮断:- 中国武術:A+++
圏境:A
主人公 (EXTRA) B C A E E なし 気配遮断:該当なし 中国武術:A+++
圏境:A

宝具編集

无二打(にのうちいらず)
ランク:なし
種別:対人宝具
レンジ:1
最大捕捉:一人
由来:牽制やフェイントの為に放ったはずの一撃ですら敵の命を奪うに足りるものであったという逸話。
アサシンの宝具。生前の異名である「二の打ち要らず=无二打」がカタチとなったもの。正確には、「李書文(神槍)に二の打ち要らず=神槍无二打」。厳密には英霊の象徴であるアイテムとしての宝具ではなく、武術の真髄。彼の修めた八極拳の絶招(奥技)。
達人としての優れた勁力から放たれる単純な破壊力だけでなく、自身の気で周囲の空間を満たすことで形成したテリトリーで相手の「気を呑む」ことで相手の感覚の一部を眩惑させ、緊張状態となった相手の神経に直接衝撃を打ち込むことで迷走神経反射(ショック死)を引き起こし心臓を停止させる。ただし完全な不意打ちが成立しなければ「気を呑む」ことができず効果は致命傷程度に留まる。「気を呑む」という中華の武術の技法は、むしろ仙道に近い。
西洋魔術の知識に照らし合わせた場合、自身の魔力を相手に打ち込み、相手の魔術回路を乱してダメージを与える、という解釈になる。「毒手」とも言い表された。
『EXTRA』ゲーム中ではGUARDを無視して相手の現在HPの9割のダメージを与える効果になっており、一撃で倒されることはない。これはモラトリアム中に頚脈を乱され、威力が低下しているからである。つまり乱されていなければ真に必殺の技となるが、そもそも乱さなければ圏境が防げず戦いにすらならない。
猛虎硬爬山(もうここうはざん)
種別:対門宝具
由来:李書文が最も得意だったとされる絶招。
アサシンの宝具。八極拳の秘門、奥義の一つであり、李氏八極のオリジナルではないが生前の彼が生涯を通じて頼りとした必殺の套路。无二打はあくまで対人において相手の心臓を停止させるための一撃だが、こちらは物理ダメージに特化した攻撃である。
流れるような連続攻撃で、初撃の動作が虎が山を掻きむしるように見えるためについた技であり、その一撃一撃が“李書文という武人を出力先にした大地からのエネルギー”である。人間はおろか壁や扉、はては堅固な道場の門すら容易く粉砕する。
『EXTRA』ゲーム中ではバーサーカー時に攻撃SKILLとして使用する。効果はシンプルな筋力ダメージ。

使用技編集

Fate/EXTRA編集

周天、気を収める
次の手で与えるダメージが上昇する。
宝具「无二打」の準備技でもあり、このスキルを妨害されると宝具は不発になる。
周天、気を高める
3ターンの間、ATTACKの攻撃力が上昇する。
周天、気を満たす
3ターンの間、耐久が上昇する。
暗拳暗器
バーサーカー時に使用。3ターンの間、BREAKにスタン効果を付与する。

Fate/EXTELLA LINK編集

周天、気を極めん
練った気を一気に放出し、衝撃波を発生させる。
気弾
前方に気の弾を放つ。
爆息内功
強烈な正拳突きと同時に、練った気を一気に解放する。
暗拳暗器
拳に暗黒の気を纏い攻撃。ヒットした敵の神経にダメージを与えスタン状態にする。
扇雷
地面に拳を叩き付け、放射状に拡散する稲妻を発生させる。
裡門頂肘
一瞬で敵の懐に飛び込み、強力な肘打ちを放つ。

真名:李書文編集

李書文。魔拳士とも言われた伝説的な八極拳士。河北省滄州市塩山県出身。
姓は李、名は書文、字は同臣。
「二の打ち要らず、一つあれば事足りる」と謳われる中国拳法史史上、最強の拳法家の一人にして、李氏八極門の祖。また、李書文は「神槍」とあだ名されるほど槍に長けた人物である。彼の使った六合大槍は八極門の基本的な武器であり、極論して良いならば、八極拳のほとんどはこの六合大槍の技法を学ぶための前段階に過ぎないとさえ言える。
彼の剛打は、牽制やフェイントの為に放ったはずの一撃すら敵の命を奪うに足るものであった。仕合において、どのような軽い手であれ、触れれば相手の命を奪ったことから、「二の打ち要らず」の称号を贈られる。
中国武術、中華の合理は、宇宙と一体になる事を目的とした武術である。それは周天行に通じ、仙道修行に近い。周天行とは、「気(エネルギー)」を心身に巡らせ、それによって全身を活性化した上で「気」を共鳴・増幅して養っていく鍛錬法の一種。その到達点が全身のみならず周囲の空間を自分の「気」で満たすことである。彼の持つ透明化のスキル「圏境」は気を用いて天地と合一し、その姿を自然に透けこませる事であり、宝具「无二打」は自身の気で満ちた空間を形成することで相手を「気を呑まれた」状態にすることで威力を増している。
単純に(純粋に、ではない)強さのみを求めた李書文だが、晩年は暴力ではなく、自身の生き方、信念の強さに武を見出した、と言われている。彼は一見、義侠の徒と見えるが、それは彼の合理性を重んじる性格からである。彼は正義も悪も大差はないと考えているが、相手が合理性を損なっている場合、それに露骨な嫌悪を向ける。
このなにがしが巨利をむさぼる悪党であった場合、そしてこの悪党の被害にあっている者からの懇願があった場合、「縁が出来たな」として某と対峙し、結果として殺害するという行為に及ぶ。この「結果として悪を斃す」という行為が義侠の徒のように見えるが、中華における義侠とは「情をもって剣を取る」なので、合理性から拳を振るった彼の考えは真逆に当たる。
それはつまり、善悪や殺人にこだわらないという道徳性こそ一般常識から逸脱していたが、人間性そのものは「良識人」であったということである。
最後には毒を盛られてその命を終えたとされている。それもあまりに多くの対手を殺めた事で多くの憎しみを買ったためである、とも言われる。

関連編集

八極拳
書文が得意とし誰よりも極めたとされる中国武術。元々は無名の田舎武術に過ぎなかったが、書文の武名と共に広く名を知られるようになった。人体破壊術に特化した言峰綺礼のものや色々なものが混じってる有間都古のそれとは違い、正統派でありながら実戦向け、応用力のある武術となっている。拳法以外にも「六合大槍」と呼ばれる槍術があり、書文はこちらに関しても凄まじい腕前の持ち主だったとされる。
彼がドラマCDにてくりだした技には套路、頂肘、川掌、冲捶、鉄槌、大纏、梱鎖歩、鉄山靠、閻王三点手、暗勁、寸勁、翔勁、圏境、猛虎硬爬山などがありセイバーが皇帝特権を用いて圏境を使った時にも即座に対策するなど、実力の高さを見せつけた。
神槍
李書文の別名。本来のクラスは「槍兵」に該当し、晩年の姿で現れる。しかし月での聖杯戦争ではマスターとの相性により、若く猛々しい姿の「暗殺者」として召喚された。ただし、基本的な性格は老年期のものである。

登場作品と役柄編集

Fateシリーズ編集

Fate/EXTRA
第五回戦の対戦相手。
Fate/EXTRA Last Encore
ゲーム本編と異なりバーサーカーのクラスで登場。
Fate/EXTELLA
ネロ陣営所属のサーヴァント。
Fate/EXTELLA LINK
ネロ陣営所属のサーヴァントであったが、カール大帝の配下として登場する。

Fate関連作品編集

カプセルさーばんと
さーばんとの一匹。
吹っ飛ばす力が強く、前線に穴をこじ開ける役に立つが、コストがやや高め。しかしその分破壊力は凄まじく、敵拠点前に召喚した際の連続攻撃は圧巻。近接戦闘最強のさーばんと。

その他編集

コハエース
マンガ本編では槍を持って若い姿のままで登場。琥珀が猛プッシュしており、『CCC』の1周目は李老師で決まり!との事。
…残念ながらそもそも出番無しでした。
ちびちゅき!
偶然出会った都古を気に入り、弟子にする。その後、八極拳同好会を立ち上げ精力的に活動しているらしい。

人間関係編集

Fate/EXTRA編集

ユリウス・ベルキスク・ハーウェイ
マスター。堅物なため相性はそれほど良くはないが、仲はそれなりに良好。[注 1]
セイバー
「暗殺は余の専売特許だ!」と暗殺されそうになった経験しかないのに若干理不尽な敵意を向けられることに。
アーチャー
出身が中華であることから、彼の双剣の正体を干将莫耶と見抜く。
キャスター
彼女を中華で悪名高い妖狐と同一視したため怒りを買う。
エイプリルフール企画では「ワンパン八極拳」呼ばわりし、「ありがたくねー」などと漏らしていた。

Fate/EXTELLA編集

ネロ・クラウディウス
陣営の一人として協力する。
ネロの在り方は認めつつも、決戦の後は仁義を果たしたとして陣営を去る。その後野に下り強者を探す旅に出た。
呂布奉先
同郷の大英雄。FGOでは味方として旅をする事になっていたので戦意を堪えていたが、今回は対立陣営にいるため、存分に戦えることを喜んでいる。
エリザベート=バートリー
対立陣営の一員。
「ライブを套路の鍛錬と間違える」「使ってる武器を槍ではなくマイクロホンだとマジレス」など若干天然の対応をする。
結論も「次に何かするならネロの許可を得てからにしろ」と非常にまとも。

Fate/EXTELLA LINK編集

カール大帝
所属する陣営のトップ。
とはいえ所属理由は「スカサハと戦う場を提供してもらえるから」というだけであり、天声同化の影響は受けていない。
スカサハ
同じ槍の使い手として執着する相手。

その他編集

琥珀
作者がかなりの『拳児』フリークである『コハエース』において、ほぼ作者の代理として熱いリスペクトを投げかけてくる。
有間都古
ちびちゅき!』で出会った、幼い拳士。幼いのに稽古に励む彼女の姿勢に感心し、弟子にとる。
李書文
老年期の自分自身であり、彼という英霊の持つもう一つの側面。通称「老書文」。
英霊となってからは「老いた自分と戦ってみたい」という願いが芽生えかかっているとか。

名台詞編集

Fate/EXTRA編集

「脆弱にも程がある。魔術師とはいえ、ここまで非力では木偶にも劣ろう。
 鵜をくびり殺すにも飽きた。多少の手ごたえが欲しいところだが……
 小僧、お主はどうかな?」
初登場。この後、攻撃を凌いだ主人公達に、いずれやりあうことを楽しみにしておく、と告げて消える。主人公が女性の場合は「小僧」ではなく「小娘」。
呵々かか、そう気構えるな! 今は仕事の外、私用で気ままにブラついているだけよ」
「うん? そう驚くことか? 当然だろう、儂はそこまで酔狂ではない。何の理もない殺しなどせんよ。
 まあ、今回の我が主は違うがな! ふむ。確かにユリウスと戦う以上、おぬしの警戒はもっともか。
 儂も、確かにあやつと同類だがなあ。いや、出会った人間すべてを殺しては、メシを食うにも困ろうさ!」
「おうよ。儂は一戦一殺を心がけておる。一度の戦いでは一人しか殺さぬし、一人は必ず死んでもらう。
 しかし……やはり、そういう事か。おぬしのサーヴァントはまだ生きているな?
 誇るがいい魔術師。おぬしのサーヴァントは中々の腕前だ。一瞬だが儂の拳をずらしおった。
 今までの相手より何倍も愉しいぞ。ふむ、あれだな。殺すには惜しい相手、というヤツか。」
五回戦、アリーナでの不意打ちで主人公の味方サーヴァントが倒れた翌日、校内にて。強敵と当たったことに歓喜する武人らしい一面が垣間見えるが、本人はその後自身を殺人鬼と揶揄している。
「っ……!? おおう、この仕掛けは……! そうか、天地を返しおったな!?」
「大事だ! ははは、いいぞユリウス、あやつらの知己には天仙までいるらしい!
 これは陰陽自在の八卦炉よ! いやぁ、儂の気功を儂に返すとは、まさに神技! 見よ、おかげで――
 この通り、我が圏境が破れおった! ここまで神経剄を傷つけられては、三日四日では治るまい!」
「逃げ切れずと判断し、自ら出てきたか。その気迫に応じよう。儂は見ての通り、アサシンのサーヴァントよ。
 そして、よくぞ儂の圏境を破ってくれた。これまでの相手は戦いにすらならなかったからな!
 おうとも。命の重みに優劣はない、などとは言わん。
 くびり殺すのならやはり小鼠より虎の首でなくてはな! 儂もまだまだ悪行からは抜け出せん」
五日目、アリーナにて。透明化が破られるが、むしろそれを待っていたような反応を見せる。
「くはははははははは!!!! 滾る滾る!! 血が!! 肉が!! やはり武とは生き死にあってのもの!
 年老い、なにを悟った気になっていたのやら――所詮は俺も、血に飢えた窮奇きゅうきと同じか!
 いいぞ、若返るようだ! お主らは強い! ここまでのどの敵よりもな!
 さあ、力比べだ!! 極致のその先を――見せてみろ!!」
決戦にて。強敵との殺し合いを愉しむ魔拳士としての本性を見せた瞬間。
「我が八極に二の打ち要らず――ふん、はッ!」「七孔噴血――巻き死ねぃ!」
宝具解放。「无二打」。剛打、毒手、二の打ち要らず。

メモ編集

  • ファンからの愛称は「アサシン先生」。
    • TYPE-MOONエースVOL.6付録DVD「フェイト/エクストラ」劇場』第二話『きかせて!! ブロッサム先生 メリクリ編』及び『Fate/EXTELLA』では、赤セイバーもこの通称で呼んでいる。
  • プロデューサーの新納一哉氏の強い要望で選ばれたキャラクター。
  • ぶっちゃけた話、今の日本で李書文or八極拳といったらほぼ確実にマンガ『拳児』が元ネタである。アサシン先生の後ろでまとめた髪型や「中国武術の目的は宇宙と一体になる事」という設定もこのマンガが原典と思われる。
    • と言っても『拳児』の李書文自体、人物像や逸話はかなりアレンジされたものであるため、どちらかと言えばFateのオリジナル要素の方が多い。……というかこちらの方がまだ史実に近しい。
    • ただし型月では仙人の類が相当の分類に属していることもあり、それに関わる中国武術も「宇宙と一体になる事」は根源に至る方法という意味に置き換えれば、当世界において理にかなっているとも言えなくもないが。
  • 当たり前だが、武術の腕前は型月作品に並み居る八極拳使いの中でも最強であり、『コハエース』や『ちびちゅき!』のような型月オールラウンド系作品ではしばしば都古から弟子入り志願を受けている。
  • アサシン、ランサー、バーサーカーと3つのクラスへの適性を持つ。当初の企画ではアサシンを老年期、バーサーカーを青年期の姿で出す予定だったが、諸々の事情でボツとなった。
    • 『EXTRA material』ではランサーとして召喚される場合は「晩年の、老熟した達人の姿で現れる事だろう」と言われ、実際『帝都聖杯奇譚』では老年期の姿でランサーとして現れた。が、後年の『Grand Order』ではクラスで青年期、老年期の縛りは特になく、青年ランサーも老年ランサーも青年アサシンも、全て李書文という英霊をサーヴァントとして召喚した場合現れうる可能性の一つであるとされている。いつか老年アサシンや青年バーサーカー、老年バーサーカーなんてのも登場したりするのであろうか。
    • 『EXTRA Last Encore』では青年期の姿でバーサーカーとして登場している。
  • アーチャーはアサシンがスキル「圏境」によって透明化している状態で剣を交えた時、曰く「見えざる拳(インビジブル・エア)」と表現し、同じ読みの「風王結界」と比べてこちらが上と評した。
    「武器が見えなくて厄介な剣」と「見えないから必殺の一撃」の二者で危険なのは後者であり、その評価も当然と言えるだろう。
  • 「圏境」は透明化した上に気配すら皆無という反則的能力だが、ドラマCDによって明かされた内容によると、流石に攻撃体勢に移ると気を攻撃に回す分、幾分か効果が薄れるという。
    初対面時にパートナーサーヴァントが不可視の攻撃に対応出来たのもコレが理由のようで全く対処出来ないという訳ではない模様。
    とはいえ攻撃体勢に移らなければ、例え彼に触れたとしても認識出来ないという反則ぶりも判明した。
    • 透明化した際の戦闘力は凄まじく、凛をして「透明化を何とかしなければランサーでも苦戦するでしょう。」と語っている。主人公も五回戦までの相手の中では間違いなく最強と発言している。
    • 対戦相手のマスターが判明している、必ずアリーナに行かなければならない、最終的には真っ向から対峙する、などもろもろの要素が重なった『EXTRA』の戦争だからこそ、なんとか対処出来たと言える。
      • もしこれが地上の聖杯戦争であれば、どこから襲ってくるか分からない必殺の一撃はもはや反則。マスターのほとんどが魔術師なのに魔術的な看破が叶わず、サーヴァントの気配察知さえ難しいのだからどう対処すればいいのやら。
    • 初撃に察知出来る可能性あるのはドラマCDによると、第六感によって危険を察知出来る「直感」スキルを持つサーヴァントや死の気配に敏感な人間などが挙げられている。
    • 直接戦闘が不得手なアサシンクラスにおいて、三騎士相手に真っ向勝負でまだなお有利というその戦闘能力の高さは異常である。そのため歴代のアサシンでは「最強」だと評価するファンは多く、さらには全サーヴァントと競っても上位に入るのでは、と推測されることも。
  • 彼の宝具である「无二打」は防御を無視して相手の現在のHPに対し9割のダメージを与えるという効果であり、相手に止めを刺すためにはその名に反し必ず二撃目が必要になる。そのため、「二の打ち必須」と揶揄されることもある。
    • ただしこれは、上述の通り経脈を乱された影響で弱体化しているためであり、本来の「无二打」は10割のHPを持っていく紛れも無く一撃必殺の宝具である。
    • この宝具は当初ルビが振られておらず、長らく正式な読み方が不明なままであった。『Fate/EXTRA material』の記述から「む、にだ」などと呼ばれたりもしていたが、『Fate/EXTELLA material』において「にのうちいらず」というルビが振られ、ようやく読みが確定した。
  • 物語後半に、マスターが他参加者の令呪を移植して生き延びた結果、「狂戦士」のクラス特性が付加された『二属性持ち(マルチクラス)』の状態となった。
    彼自身は生前の逸話から「狂戦士」の適性も持っているものの、腕ごと令呪を移植するという外法を行ったり、マスター及びサーヴァントが死に体だったためかかなり弱体化してしまっている。
    多くのコマンドが開示され、本来の宝具も喪失している。手段を選んでいられなかったとはいえ、非常にもったいないことをしたものである。
    • なおアサシンのように「本来は一つだけのクラスを重ね持つ」ことは、聖杯戦争のシステム上あり得ないことであり、上記のような手段を取らなければ起こることはないものである。
      ただし「それを可能にする能力」を持っているならば話は別であり、『Fate/Apocrypha』には二つのクラス特性を兼ね備える『二重召喚(ダブルサモン)』という特殊スキルを持ったサーヴァントであるセミラミスが登場している。
      どことなく名称が似ていることから、このイレギュラーを参考に創作された可能性も……?
  • マスターのユリウスは威圧感のある印象に比べて身長が低いということがしばしばネタにされるが、ユリウスと並んで立つ場面の多いアサシンも、同程度の身長である。
    • 史実の李書文も痩身小柄とのことで、諸説あるが大方160cm台だったらしい。しかし、その体格にそぐわない怪力の持ち主だったとされる。
      • もっとも、現在のアジア人種としては平均が170cm台前半が平均な所であり、[注 2]、中華民国時代の栄養事情などからも小柄であったとされる。[注 3]
  • 徒手空拳のみで戦った最初のサーヴァント。
    長らく武器を使わないサーヴァントは彼だけだったが、Fate/Grand Orderにて登場したカリギュラが徒手のみで闘う二人目となった。
  • ニコラ・テスラに次いで、現代に近い時代まで生きたサーヴァント(1934年没)。さらにサーヴァントの中でも唯一子孫が実在している。また本人の写真が現存している数少ないサーヴァントでもあるが、本物の写真かは議論が絶えない。
    • ただし実子がいなかった李書文は、甥を養子として迎えもらい育てていた。李書文の八極拳は現在、孫の李志成に引き継がれている。
    • 真偽定まらぬ写真については、李書文の子孫が記憶を頼りにパソコンで作成したものであるらしい。これは李書文は迷信深いところがあったようで、彼を撮った写真などが一切残されていなかったから。
      • アサシンの嫌いなものに「写真」があるのは、こういった理由があるからかもしれない。もう一つの「タタリ」も同様の理由からであろう。
  • 史実上の話で照らし合わせると、生前時のご本人曰く「世に出てない人物で自分に勝るとも劣らない達人の友人達がいる」と残している。この事実が反映されているのかは不明であるが、『Fate/EXTELLA』でも「似たような腕なら生前にも幾らかいた」と評しており、中国武術の底知れなさを感じさせている。
  • 『"神槍"』という二つ名を持っているが、同じ中国武術史では彼以外にも神槍の名を持つ人物は存在している。これらは実際には固有名詞としてではなく、技量を指しているからであり、要する日本における「剣豪」や「剣客」とも同意義だったのかと思われる。
    • 中国武術家で二つ名は、師父から大成した証として二つ名を賜うことや、間柄などでよく呼ばれる渾名から取って、自発的に名乗る事が多い。要は武術家の雅号である。ご存知の通り、李書文も神槍と勇壮な二つ名を名乗っており、他にも下記で列挙されている、黄飛鴻は『獅子王』と非常にカッコイイ名前である。キャメロットのアレとは関係ない義和団事件にて単刀一本で連合軍に立ち向かい獅子奮迅の活躍を刻み、異種試合でロシア人ボクサーを打ち倒した李存義は『単刀李』。だが。八卦拳の達人である孫禄堂に術を教え、同じく義和団事件でドイツ兵を屠り壮絶な最後を遂げた程廷華は『眼鏡程』である。本人が眼鏡屋を営んでいたという理由であったが、そのネーミングセンスはどうなのか。
  • 晩年の李書文は子供好きで、子供たちに武術を教えていた。
  • 『コハエース』の作者である経験値氏も彼の熱狂的なファンであり、『カプセルさーばんと』の作画を担当した際は『Fate/stay night』『コハエース』のキャラのみ担当だったにも関わらず、頼み込んで特例として彼の作画も担当させてもらったほどである。
  • 『Fate/EXTELLA』のサブストーリーのエピローグでは、彼が一刀を携えた謎の人物と対峙している場面で終わっている。遠目なので相手が誰なのかは判別できず、かろうじて黒い和装のような衣装が見えるのみ。
  • 八極拳を習い始める前の経緯に生活苦のため劇団に入っていた逸話もあり、足に重傷を負ったことで家に帰されることになりその経緯から学ぶ様になったともいう。Fateではこの手の話が語られていないので、史実と同様の経緯があるのかは判明が付かないが、イベント『星の三蔵ちゃん』では少年時代に親しんだ御伽話の西遊記に関心を抱いており、劇類に対して好意的な面も持っている事からかその話も決して無い話でもないのかもしれない。

話題まとめ編集

毒殺説について
上記の故事でもあったように、「毒殺による死亡」という説があるものの、孫の李志成の証言によれば「脳溢血による病死で死亡」というのが実話の模様。
またその場面においても「親戚の中には李書文の最後を看取った人もいる」という証言もされており、氏曰く「そうやって祖父を神秘化するのは良くないこと」との事。
本場中国での知名度
型月世界では中国武術最高峰の一人として知名度がある様にも感じられるが。本場の中華人民共和国ではどうかと言うと知名度はむしろ低い方で馴染みが薄い人物に当たる。
これらは主に、日本と中国の見方の差にあり、前述にもあったように中国では「情をもって剣を取る」と言われ、人死に情を入れぬ合理性よりも義を重んじる正義漢の方が人気が高く映り、更に言えば、伝承上では多くの自己中心的・利己的な悪行も多々残っている為、中国では対照的に拡大解釈される事も創作の名に上がる事もなく、世論での評価の方は低い事が多い。
また、同時期において中国上では清末十大高手とされている黄飛鴻、霍元甲、薫海川、郭雲深等と言った武術家の方が有名であったこともあり、違う方針の武術家と相見れぬ立場もあったのかもしれない。
なお、この知名度の関係性は日本でいうならば「佐々木小次郎の名を冠する無名宮本武蔵」の関係性にも類似している。

脚注編集

注釈編集

  1. 両者とも人命を奪う事を生業とするものの、ユリウスは殺しを呑み込む殺し屋、李書文は殺し合いの日々を良しとする武人なため、根本的なところで話がかみ合わない。
  2. 漢民族に関すれば、現中華人民共和国の習近平主席は180cmの大柄であるが
  3. 日本の江戸時代と同じで庶民は慢性的に貧困であり、上流階級は肉や穀物を食せたが、庶民は質素な菜食が食生活だった。

出典編集


リンク編集