;「…まだ残っていたのか。<br> この座標はもう保たない。遭難する前に退去するがいい。」<br>「そうだ。その点は無念すぎる。<br> だがそのおかげで、私は答えに到達できた。」<br>「“命を惜しみながら死ぬ───”」<br>「それが、“我”を獲得した我に与えられた、最後の救いである。」<br>「だが、貴方は違う。<br> 我は漂流の果てに消滅し、貴方は、闘争の果てに消滅する。」<br>「それが貴方の霊基に刻まれた運命だ。<br> 故に、この先に落ちるのは早すぎる。」<br>「我が灯火、我が彼岸。<br> 我が漂流の終わりを看取った狂戦士よ。」<br>「戦い続けるがいい。<br> 決して救われぬと知りながら、誠のために。」<br>「それが私という悪を一時でもすくい上げた貴方への罰であり、私という命の、最後の願いである。」 | ;「…まだ残っていたのか。<br> この座標はもう保たない。遭難する前に退去するがいい。」<br>「そうだ。その点は無念すぎる。<br> だがそのおかげで、私は答えに到達できた。」<br>「“命を惜しみながら死ぬ───”」<br>「それが、“我”を獲得した我に与えられた、最後の救いである。」<br>「だが、貴方は違う。<br> 我は漂流の果てに消滅し、貴方は、闘争の果てに消滅する。」<br>「それが貴方の霊基に刻まれた運命だ。<br> 故に、この先に落ちるのは早すぎる。」<br>「我が灯火、我が彼岸。<br> 我が漂流の終わりを看取った狂戦士よ。」<br>「戦い続けるがいい。<br> 決して救われぬと知りながら、誠のために。」<br>「それが私という悪を一時でもすくい上げた貴方への罰であり、私という命の、最後の願いである。」 |