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;「セイバー、シャルルマーニュだ。ま、ひとまず落ち着いて俺の話を聞いてくれねえか?」
 
;「セイバー、シャルルマーニュだ。ま、ひとまず落ち着いて俺の話を聞いてくれねえか?」
 
:公式サイトの自己紹介。騎士然とした姿とは裏腹に非常に馴れ馴れしい。
 
:公式サイトの自己紹介。騎士然とした姿とは裏腹に非常に馴れ馴れしい。
;「一夜一時の幻と言えども、此処に我は楔を穿つ!<br/> 伝説よ蘇れ、我が剣に彼らの力を! 『<ruby>王勇を示せ、遍く世を巡る十二の輝剣<rt>ジュワユーズ・オルドル</rt></ruby>』!」
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;「一夜一時の幻と言えども、此処に我は楔を穿つ!<br/> 伝説よ蘇れ、我が剣に彼らの力を! 『<ruby>王勇を示せ、遍く世を巡る十二の輝剣<rt>ジュワユーズ・オルドル</rt></ruby>』!」<br/>「永続不変の輝き。千変無限の彩り。我が王勇を示すため、この刃に我らの伝説を刻み給え! 『<ruby>王勇を示せ、遍く世を巡る十二の輝剣<rt>ジュワユーズ・オルドル</rt></ruby>』!」
 
:宝具発動。力を宿した十二の剣とセイバー自身の光の剣が敵を蹂躙する。
 
:宝具発動。力を宿した十二の剣とセイバー自身の光の剣が敵を蹂躙する。
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;「うん。どうやら、喚び出したのはアンタで正しいらしい。俺はまあ、アレだ。野良サーヴァントみたいなもん……かな。<br/> なあに、細かいコトは気にするな!アイスの当たり棒を引き当てたみたいなモンだと思って、気軽に命令してくれ!」<br/>「よーし、そんじゃまあ。カッコ良く!ビシッと!初陣決めてみせるぜ!」
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:プロローグにて。突如襲われた主人公の下へ颯爽と駆け付けたのは、春風のように軽やかで、隼のように涼やかな少年。
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:それが、彼らの新たな冒険談のはじまりだった。
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;「いや!しかしあえて!我が真名を解放する!我が<ruby>真名<rt>な</rt></ruby>はシャルルマーニュ!どうかその胸に刻んで貰いたい、SE.RA.PHのマスターよ!」<br/>「あ、重要なのは<ruby>シャルル<rt>・・・・</rt></ruby>と呼んで欲しいってとこだ。シャルルでもシャルでも構わないが、もう一つのメジャーな呼び方はアウトな!<br/> 別に<ruby>アッチ<rt>・・・</rt></ruby>がカッコ悪いって訳じゃないが、ちょっと今の俺には重荷に過ぎるんだ。」
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:春風の剣士はあっさりと真名を明かす。ところでシャルルマーニュと言えばもう一つメジャーな呼称があるが、それは──。
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;「や、俺は別にネロ先輩のファンじゃないんだけど。ああ、もちろん先輩として尊敬はしてるぜ!」
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:1日目、帝都にて。シャルルにとってネロはローマを統べた「先輩」にあたる。
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;「いいや、意味はあるね!力持つ存在には責務が伴う。俺にはそもそも無抵抗など許されない。そして何より──。<br/> 抵抗する俺は!カッコ良い!理由はそれで十分!何故って、俺は単純な<ruby>構造<rt>ツクリ</rt></ruby>だからな!」
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:同上。“天声同化”されたカルナとの戦い。シャルルが抗う理由は至極単純だが、あくまでカッコ良さにこだわる理由とは……
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:そして、この後に進むルートによっては「俺以外の誰かに倒される」という彼の直感が的中することになる。
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;「タマモの姉御……。だよな、助言サンキュー!姉御サンキュー!」
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:第一・第二ルート2日目、千年京にて。玉藻の前に対してはなぜか「姉御」呼びである。
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;「理解してるさ。後方には無辜の市民、逃げ場のない黄金の都ローマ。こちらはそれを守る騎士団だ。<br/> 戦争に大義名分なんてまずないけどな。非武装の市民を守るってのは、そのごくわずかな例外だ。<br/> 俺たちは勝たなくちゃならない。これほどカッコ良い騎士の戦場があるかい?」
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:第一・第二ルート2日目、ローマにて。「状況を把握してほしい」と言う無銘に対する返答は、カッコ良さにはこだわりつつも的確に状況を見据えていた。
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;「いいな、マスター。あんたの所に集まってくる英霊は、カッコ良いヤツばかりじゃねえか!<br/> きっと、あんたがカッコ良いからだと俺は思うな。新人サーヴァントとしちゃ、最高に恵まれた環境だ!」
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:第一・第二ルート3日目、千年京にて。まるで子供のように無垢で純粋な賞賛。同時に主人公には『新人サーヴァント』という自称について疑問を抱かれるが……?
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;「知ってるとも!オレのダチではもっとも面白い野郎だ!<br/> 空を飛べば<ruby>雷<rt>いかずち</rt></ruby>よりも早いが、走ると子猫より遅い!友のためなら月へも飛び立ち、理性を蒸発させて帰ってくる!<br/> およそ天下に英雄豪傑数あれど、騎士アストルフォより面白いやつはまあいない!カッコ良いバカだ!」
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:第一・第二ルート3日目。ロビンフッドに「アストルフォを知っているか?」と尋ねられて。一癖も二癖もある十二勇士のひとり、アストルフォのことは「カッコ良いバカ」と評している。恐らく褒め言葉。
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;「まあ、それはそれとして、後でたっぷりお説教な!<br/> 卑しくも聖騎士ともあろうものが、何ですかそのスカートは。父ちゃん情けなくて涙が出らぁ!」
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:同上。“天声同化”が解けたアストルフォに対し、味方に襲い掛かったことを説教するのかと思いきや……。
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:ノリが男子高校生並みのそれである。十二勇士のあまりのキャラの濃さには玉藻の前も唖然。
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;「──ま、要するにオルタと同じだ。<ruby>別の側面<rt>・・・・</rt></ruby>ってやつさ。<br/> ──八世紀から九世紀にかけて、西ヨーロッパ社会を統一し、ついにはローマ皇帝を名乗った男、カール大帝。<br/> それが俺であり、アイツだ。俺はセイバークラスとしての全盛期の頃で召喚され、アイツは王としての全盛期で召喚された。<br/> だから、主義も違うし考え方も違う。俺は少なくとも、アイツを倒す気でいるよ。」
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:第一ルート5日目。アルジュナから「大帝というサーヴァントは何者なのか?」と尋ねられての返答。「大帝」とはカール大帝……つまり、シャルル自身である。
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:それでも別側面として召喚されたからこそ、彼は大帝を拒絶し、打倒するために戦うのだった。
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;「永続不変の輝き、千変無限の彩りを!万物不撓の騎士達よ、我が王勇を指し示せ!『<ruby>王勇を示せ、遍く世を巡る十二の輝剣<rt>ジュワユーズ・オルドル</rt></ruby>』!!」<br/>「足りなかったか……!ちくしょおおおおおおッ!!」
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:第一ルート6日目、カルナとの最終決戦。宝具の発動が間に合いそうにないアルジュナを庇うように飛び出し、宝具を発動する。
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:全力でぶつかるも、強力無比な攻撃を相殺するにはあと一歩及ばなかった。
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;「城は……ひとりで建てるもんじゃない。あんたの戦いもひとりで成し遂げるもんじゃねえ。<br/> 向こうはまあ、大帝がバックについている。なら、こちらはチームワークで勝負だ。」
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:同上。先行させたはずのシャルルが戻ってきたことに驚愕するアルジュナに対して。彼の力強い言葉にアルジュナも何かを感じ得たらしく、最後はシャルルの背中を押して散ってゆく。
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:シャルルと主人公は共に、これまで一緒に戦ってきた仲間の最期を見届けた。
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;「ばーか。無理無茶無謀は、シャルルの宮廷と十二勇士の専売特許だ。そうだろう?」
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:第一ルート7日目。いよいよ突入を目前にして、彼を心配するアストルフォに対して。
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;「俺の役割は、アンタを止めるただ一点のみ。間違った夢、間違った幻想をだ。──砕きに来たぞ、大帝。夢の最果てで眠れ。」<br/>「だけど、そいつはアンタがひとりで作った城だ。マスターが皆と一緒に作った<ruby>国<rt>けん</rt></ruby>に、かなうわけねえだろ。<br/> 行こうぜマスター。指示をくれ。俺は大帝なんて存在じゃない。俺はあんたの騎士──シャルルだからな。」
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:同上。ついに対峙したカール大帝との決戦。彼の目的はただ一つ──もう一人の自分を止めることのみ。
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:ここに至るまでに得た仲間たちに支えられ、彼は今、大帝の夢を砕かんとする。
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;「匂うな……。極めて純度の高い<ruby>アストルフォ<rt>スカポンタン</rt></ruby>の匂いだ……。いい十二勇士になれる人材だ。」
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:第二ルート5日目、あくまでもフリーダムなエリザベートを見ながらの一言。アストルフォと書いてスカポンタンと読む。
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:直後、マスターからは「君のところの勇士基準、おかしくありませんか?」と突っ込まれた。
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;「みんなが笑顔になれる国を作りたい。その気持ちは変わっちゃいない。だが今の貴様の行動は、妄想に他ならない。<br/> ……おまえは、壊れているんだよ。どうしようもなくな。」
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:第二ルート6日目、「アルテラの見せてくれた夢を妄想と言うのか?」と問うカール大帝に対しての返答。
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:夢や理想は肯定しつつも、現実に生きた大帝とは決して相容れない。
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;「ま、要するに俺はカール大帝を倒すために召喚された限定サーヴァントって訳だ。<br/> その目的があったからこそ、俺は未熟でも強い能力を持つことができた。<br/> ……いや、でも。最終的にはやっぱりマスターのお陰だよ。この七日間を駆け抜けることができたのは、アンタがいてくれたからだ。<br/> 未熟で、初陣だった俺にとって、アンタは灯台のようだった。嵐の海の只中にあってもなお、微動だにしない、力強い光──<br/> 俺のジュワユーズにすら勝る、生命体としての輝きだ。<br/> でもカール大帝を倒した俺に、もう道標は必要ない。それは他のサーヴァントが受け取るべきものだ。」<br/>「……うん、そうか。俺のような奴でも、アンタに少しは思い出を刻めたのか。<br/> ああ、まったく──。最高に楽しくて、最高にカッコ良い七日間だった!」
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:第二ルート、エンディング。カール大帝を倒した以上、彼はこの世界から去らなくてはならない。そしてもう二度と“彼”には出会えない。
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:それでも、「涙に濡れたお別れ」ではなく「笑顔でカッコ良いお別れ」を選んだ春風の剣士は、吹き抜ける風のように消えていった。
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;「…………ああ。これはどっちが本物なのか、なんて単純な話じゃない。<br/> はるか昔、西ヨーロッパを統一し、ローマ帝国崩壊以来の混乱に終止符を打った男、カール大帝──それが、俺のはずだ。<br/> けどな。どうも、その記憶はおぼろげなんだ。俺の中にはもうひとつの記憶がある。<br/> 邪悪な怪物と戦い、十二勇士と大冒険をした記憶。それが、俺を形作った。伝説の中に住んでいる、シャルルマーニュ。<br/> 俺にあるのはそれだけで、それ以外何もない。今の俺は……そうだな。子供の頃の夢なんだ。どこまでも正々堂々、民のために剣を振るう。<br/> ……そう。俺は本当は、そう生きられなかった。侵略者、好色漢、野心家、皇帝僭称者。フランク族の頭目の、野蛮人の親玉さ。<br/> でもな。本当に憧れてた。騎士として生きたかった。神のため、平和のため、人々のために。」<br/>「俺は影で、あちらのカール大帝が本体だ。奴は、リアリズムの権化だ。本当の意味で、ヒトを救いたいと願っている。<br/> それでもだ。それでもだ、マスター。<br/> 今の俺を騎士として戦わせてくれ。アルテラが捕まっているなら、なおさらだ。昔の俺は、あの子に借りがある。」
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:第三ルート2日目、帝都にて。アルキメデスが帝都を訪れたことにより事態は急展開する。
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:シャルルの正体は「大帝の影」。大帝が現実に生きた英雄であるならば、彼こそは幻想にのみ生きることを許された騎士だったのだ。
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:アルテラを救うため、「騎士」として「大帝」を倒すため、ローマと千年京をアルジュナに預けて主人公たちは機動聖都を目指す。
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;「……。なあ、マスター。俺がこうして召喚されたのはイレギュラーだ。大帝もな。<br/> 次に召喚された俺は……。もっと、ちゃんとした英雄さ。<br/> そいつは、力づくで世界を統一するバカでも、世界を救うためなら命なんかいらないアホでもない。<br/> 現実と理想を調和させた、カッコいい男だ……と思う。でもな……今ここにいる俺は、俺なんだ。<br/> だから、俺は俺の命を、俺の存在を大帝にぶつけたい。消えてしまう夢なら、納得のいく終わりが欲しい。<br/> ──一回こっきりの人生だ。カッコつけさせてくれよ、マスター。」
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:第三ルート4日目。大帝を倒せば己は死ぬ。そして「シャルルマーニュ」が召喚されることは二度とない──ならばせめて自分の存在をぶつけて散りたい。
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:彼がカッコ良さにこだわる理由と、そのささやかな願いを聞いた主人公はもう、何も言えなかった。
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;「来いよ、姉さん!オレは真っ向から、あんたたちを受け止める!」
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:第三ルート5日目、千年京にて。血のつながりはなくとも彼らにとってアルテラは「姉」だった。孤独であることの痛みを知るアルテラは、どうしても大帝を見捨てることができないのだと告げる。
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:大帝を守ろうと立ちはだかる彼女の覚悟を受け止めるため、シャルルは真っ向から勝負を挑むのだった。
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;「ああ。姉さんのこと、この世界のこと……。俺は、ようやく俺を理解できた……!<br/> 行こう、マスター。これが本当の本当に、最後の戦いだ──!」
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:第三ルート7日目。カルナの問い掛けに対する力強い返答。これより、シャルルと主人公は文字通り、最後の戦いへと身を投じることになる。
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;「俺の辿った人生は、幻想と現実が入り混じった夢物語。そう、だから──。だからせめて、カッコ良く生きたいんだよ。<br/> アンタだってそうだろ、大帝。──みんなが笑える国が欲しかったんだろ?殺し合わずに暮らせる国が。<br/> 他の神を信じる連中とも、いつかは上手くやれると思ってただろ?ああ、そう思ってた。<br/> どうあれ平和を求める行動が同じであれば、皆いつかは分かり合えると。」<br/>「……イヤだね。平和は正しい。万人の幸福は正しい。<br/> 矛盾だらけのこの世界を、悪戦苦闘してどうにかしようとするアンタは──多分、正しいんだろうさ。<br/> 夢物語に生きている俺なんかよりはずっとな。でもな。やっぱり最初の一歩目から間違えている。<br/> 現実の苦闘を無かったことにするな。それは……やっぱりカッコ悪い。」<br/>「この世界の運命をひとりでもう背負わなくていい。普遍の価値なんてなくなっていい。<br/> 幻想の聖騎士も、虚構の救世主も必要ない。終わらせようぜ、<ruby>カール大帝<rt>シャルルマーニュ</rt></ruby>──!」
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:同上。シャルルマーニュとカール大帝。万人を救い、世界の平和を願う──幻想にそれを求め続けた騎士と、現実でそれを叶えるために戦い続けた大帝。両者の手段は違えども、そこにある想いは同じだった。
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:ただ生きたい。自分として生きたい。カール大帝の“天声同化”の奥底にあったのは、そんなささやかな願いだった。
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:だからこそすべてを終わらせる。己の信念を貫き、自分の命も顧みず、たった一人の騎士として最後まで駆け抜けるために。
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;「こうして召喚されてようやく、実感したよ。幾つも幾つも間違いを犯してきたけれど……<br/> 俺はまだ、カッコ良くありたいと思うし、そうあろうと動くことはできる。<br/> ……マスターに恥じない生き方がしたい。会うことができた姉さんに、顔向けできる立派な騎士でありたい。<br/> 俺は、救われなくていいんだ。──それだけなんだ。俺にとっては、それが生きるってことなんだ!」<br/>「な……マスター。俺たち、カッコ良かったよな?」
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:同上。決着はつき、二人の「騎士」は消える。それでも彼らはひたすらに自分として生き、長くも短い七日間を駆け抜けた。その在り方はどうしようもなく儚く、そしてきっと、紛れもなく「カッコ良い」ものだったのだ。
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:しかし、彼らが召喚されることはもう二度とない。良い夢から醒めるように、二人の物語はここで終わる。
    
== メモ ==
 
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