差分

1,659 バイト追加 、 2019年1月12日 (土) 23:34
399行目: 399行目:     
; 「マスター。先ほど生きることに飽いた、と言っていましたね。<br/> あれは正しく真実です。戦うことに関する気力も、未だ欠落しています。<br/> なのに。それなのに。 私はあのランサーが許せない。いえ、この想いは恐らく理不尽なのです。<br/> あの男はきっと、“正しい”存在なのでしょう。人を正しく人だと認識し、その身を全て善行に捧げるような英雄なのでしょう。<br/> なのに、本当に……何故なのか。私はあの男と戦いたい。いや、戦いたいのではなく。<br/> あの男を否定したい。あの男の、全てを。何もかもを。」
 
; 「マスター。先ほど生きることに飽いた、と言っていましたね。<br/> あれは正しく真実です。戦うことに関する気力も、未だ欠落しています。<br/> なのに。それなのに。 私はあのランサーが許せない。いえ、この想いは恐らく理不尽なのです。<br/> あの男はきっと、“正しい”存在なのでしょう。人を正しく人だと認識し、その身を全て善行に捧げるような英雄なのでしょう。<br/> なのに、本当に……何故なのか。私はあの男と戦いたい。いや、戦いたいのではなく。<br/> あの男を否定したい。あの男の、全てを。何もかもを。」
: 同上。ランサーに対する奇妙な執着と、複雑な胸の内を吐露するアーチャー。記憶がないにも関わらず不思議なほどに、彼は的確にランサーの本質を見抜いていた。
+
: 同上。ランサーに対する奇妙な執着と、複雑な胸の内を吐露するアーチャー。一切の記憶がないにも関わらず、いっそ不自然なほど的確にランサーの本質を理解していた。
 +
: そう、きっと否定しなければならなかったのだ。そうしなければ、彼は……
    
; 「旅……ですか。……。……。その通り、かもしれません。<br/> 私の心をざわつかせるあの男が誰なのか、そして私自身は何者であるべきなのか。答えを見つけるために……。」
 
; 「旅……ですか。……。……。その通り、かもしれません。<br/> 私の心をざわつかせるあの男が誰なのか、そして私自身は何者であるべきなのか。答えを見つけるために……。」
409行目: 410行目:     
; 「……斯様な機会が巡って来ようとは、思いもよらなかった。この幸運とマスターに感謝を。<br/> この祭典、この戦いに貴様が全力を傾けると言うならば、私もまた戦おう。 貴様の敵として!貴様の息の根を、三度、止める機会を私は──」<br/> 「ゲーム……? いや。違う。何か違う。話を逸らすなカルナ!」
 
; 「……斯様な機会が巡って来ようとは、思いもよらなかった。この幸運とマスターに感謝を。<br/> この祭典、この戦いに貴様が全力を傾けると言うならば、私もまた戦おう。 貴様の敵として!貴様の息の根を、三度、止める機会を私は──」<br/> 「ゲーム……? いや。違う。何か違う。話を逸らすなカルナ!」
: 「ネロ祭再び」にて、カルナとの戦いに意気込みを見せるアルジュナ。だが当のカルナは唐突にかつてのマスターの話を始めたりする始末。どうもすんなり「決着」、とはいかせてもらえないようだ。
+
: 「ネロ祭再び」にて、カルナとの戦いに意気込みを見せるアルジュナ。だが当のカルナは唐突にかつてのマスターの話を始めたりする始末。
 +
: どうもすんなり「決着」、とはいかせてもらえないようだ。
    
; 「な!? チョコ……レート……ですと……!?この私に……?<br/> ……神や師からの授かりではなく、マスターからの純粋なる好意……。 何ということだ……!マスター、聞いてください。<br/> 私は……そのような好意を戴けるほどの存在なのでしょうか!?<br/> 確かに私は、他のサーヴァントより優れていると自負しています。 <br/>しかし、その一方……ただ、サーヴァントとしてしか、あなたを導けていない。そうも思うのです。<br/> 真のサーヴァントであれば、あなたのパートナーとして、より良い道へと引き上げるべきだというのに……!」
 
; 「な!? チョコ……レート……ですと……!?この私に……?<br/> ……神や師からの授かりではなく、マスターからの純粋なる好意……。 何ということだ……!マスター、聞いてください。<br/> 私は……そのような好意を戴けるほどの存在なのでしょうか!?<br/> 確かに私は、他のサーヴァントより優れていると自負しています。 <br/>しかし、その一方……ただ、サーヴァントとしてしか、あなたを導けていない。そうも思うのです。<br/> 真のサーヴァントであれば、あなたのパートナーとして、より良い道へと引き上げるべきだというのに……!」
 
: 復刻バレンタインにて、チョコレートを渡したときの反応。いきなり特大フォントで驚愕される。
 
: 復刻バレンタインにて、チョコレートを渡したときの反応。いきなり特大フォントで驚愕される。
: 受け取ったチョコレートひとつに対してひどく動揺を見せているが、彼の生前を考えると……
+
: 受け取ったチョコレートひとつに対してひどく動揺を見せているが、彼の生前を考えると……授かり物は多かれど、その中でも純粋に「好意」としてアルジュナに贈られた物は一体どれだけあったのだろうか。
    
; 「私の生涯の宿敵、憎み、嫉み、そして……何より羨ましいと感じた英雄カルナ。 <ruby><rb>そのカルナを討った矢です</rb><rt>・・・・・・・・・・・・</rt></ruby>。」<br/> 「あなたの信頼を、敬愛を受け止めた以上、私が差し出すは、私の全て。<br/> ……そう、この矢は私にとって羞恥たる過去、怨念、そして……それでもなお、向き合わなければならないもの。<br/> この矢を、あなたに預かってもらうことで……私の全てを知ってもらうことができる。<br/> 同時に誓いましょう。二度と、このように卑怯な矢は射ちますまい。」
 
; 「私の生涯の宿敵、憎み、嫉み、そして……何より羨ましいと感じた英雄カルナ。 <ruby><rb>そのカルナを討った矢です</rb><rt>・・・・・・・・・・・・</rt></ruby>。」<br/> 「あなたの信頼を、敬愛を受け止めた以上、私が差し出すは、私の全て。<br/> ……そう、この矢は私にとって羞恥たる過去、怨念、そして……それでもなお、向き合わなければならないもの。<br/> この矢を、あなたに預かってもらうことで……私の全てを知ってもらうことができる。<br/> 同時に誓いましょう。二度と、このように卑怯な矢は射ちますまい。」
: 彼からのチョコのお返しは「カルナへの一矢」。アルジュナにとって重要な意味を持つそれを主人公に預ける。それは同時に、彼が彼の思うままに生きようとする自己申告でもある。
+
: 彼からのチョコのお返しは「カルナへの一矢」。この矢はただの記念品ではない。アルジュナにとって重要な意味を持つそれを主人公に預けるということは、彼が彼の思うままに生きようとする自己申告の証であり、同時にこの上ない信頼の証でもある。
    
; 「ふう。ただ見て廻るだけでこれでは、自分の意志での買い物などとてもできませんね……」<br/> 「なるほど、兄と弟の王位を巡る争い……。興味深いですね。 やはりインドの兄弟は自然と戦うものです。そうに決まっているのです。」
 
; 「ふう。ただ見て廻るだけでこれでは、自分の意志での買い物などとてもできませんね……」<br/> 「なるほど、兄と弟の王位を巡る争い……。興味深いですね。 やはりインドの兄弟は自然と戦うものです。そうに決まっているのです。」
: 「サーヴァント・サマー・フェスティバル!」にて。会場を見て廻っていただけのはずが、行く先々で見本誌を授かってしまったのか両手いっぱいの量を抱える羽目になってしまい、思わずため息が。そんなところも彼らしいといえば彼らしい一面ではある。<br/> そんなアルジュナも主人公達のサークルに立ち寄り、古代インドファンタジーを描いたアクションコミックを見つけると興味を示す。最後は5部購入した。ちなみにこの同人誌礼装はインド映画「バーフバリ」が元ネタであると思われる。
+
: 「サーヴァント・サマー・フェスティバル!」にて。会場を見て廻っていただけのはずが、行く先々で見本誌を授かってしまったのか両手いっぱいの量を抱える羽目になってしまい、思わずため息が。そんなところも彼らしいといえば彼らしい一面ではある。<br/> そんなアルジュナも主人公達のサークルに立ち寄り、古代インドファンタジーを描いたアクションコミックを見つけると興味を示す。試し読みをする内に引き込まれていき、最終的には5部購入した。ちなみにこの同人誌礼装はインド映画「バーフバリ」が元ネタであると思われる。
 +
 
 +
; 「フッ。このアルジュナ、施されているばかりではない事を見せる時がきたようだ。<br/> 私の最高記録は120度の蒸し風呂に12時間。余裕のあまりカレーすら食べた男……。<br/> ク、クク──今回ばかりは良い勝負になる、などと思わないことだな、カルナ……!」
 +
: 「閻魔亭繁盛記」にて。古代インドの地獄から派生してできたという日本の地獄を視察するため、あくまで文化人としての立場でやってきたのだが、カルナに耐久勝負を持ち掛けられるとやはり黙ってはいられないらしい。……授かってばかりではないという、アルジュナの努力家としての一面が垣間見えるが、努力の方向性が若干ズレているような気がしなくもない。
 +
: もっとも原典においてはこれ以上に凄まじい苦行を行っていたこともあるので、これくらいは朝飯前なのかもしれないが。
    
; 「さあ、貴方の『不滅の刃』見せて貰いましょうか。それを統べるに足る存在なのかを──!」<br/> 「だからこそ、強くなる必要がある。サーヴァントといえども。 故にこその、この試練。強くなりなさい、ラーマ殿。」
 
; 「さあ、貴方の『不滅の刃』見せて貰いましょうか。それを統べるに足る存在なのかを──!」<br/> 「だからこそ、強くなる必要がある。サーヴァントといえども。 故にこその、この試練。強くなりなさい、ラーマ殿。」
: ラーマの幕間の物語「ヴィシュヌの試練」にて。第二の試練を与える者として立ち塞がり、戦いを挑む。<br/> 問い掛けに対するラーマの答えを聞いたアルジュナはそれを認め、励ましの言葉を掛けて最後の試練に送り出した。
+
: ラーマの幕間の物語「ヴィシュヌの試練」にて。第二の試練を与える者として立ち塞がり、戦いを挑む。<br/> 問い掛けに対するラーマの答えを聞いたアルジュナはそれを認め、彼なりに励ましの言葉を掛けて最後の試練に送り出した。
    
; 「──よろしい。やはりマスターとしての資質は本物だ。私も全幅の信頼を置いて、武器を預けられるというもの。<br/> 我が弓の名は『<ruby><rb>炎神の咆哮</rb><rt>アグニ・ガーンディーヴァ</rt></ruby>』。炎の神から賜ったこの世に撃ち落とせぬものなき、神の弓。<br/> その真価を、これから先の戦いでお目にかけましょう。」
 
; 「──よろしい。やはりマスターとしての資質は本物だ。私も全幅の信頼を置いて、武器を預けられるというもの。<br/> 我が弓の名は『<ruby><rb>炎神の咆哮</rb><rt>アグニ・ガーンディーヴァ</rt></ruby>』。炎の神から賜ったこの世に撃ち落とせぬものなき、神の弓。<br/> その真価を、これから先の戦いでお目にかけましょう。」
435行目: 441行目:  
; 「……倒した。倒したぞ。はは……ははは! ははははは! 私の勝ちだ! 私の、私の、私の──!」<br/> 「……! マスター────あなたは────。 私の、顔を、見たな?」  
 
; 「……倒した。倒したぞ。はは……ははは! ははははは! 私の勝ちだ! 私の、私の、私の──!」<br/> 「……! マスター────あなたは────。 私の、顔を、見たな?」  
 
: 同上。夢に彷徨いこんだ主人公が垣間見た彼の姿。昼間の戦闘中から何やら様子がおかしい彼だが、その真相は……
 
: 同上。夢に彷徨いこんだ主人公が垣間見た彼の姿。昼間の戦闘中から何やら様子がおかしい彼だが、その真相は……
 +
: 直後、視界が暗転する。
    
; 「エリチャンとはあの雑竜サーヴァントですか。ははは、満漢全席とはまた豪快な。<br/> え、悪夢?お腹いっぱいになるのでは?え、根本から違う?」<br/> 「それは……恐ろしいですね……。<br/> 私の母は時代もあって、どちらかというと甘い方でしたが彼女の苛烈さもまた、母性を感じさせます。<br/> とはいえそれは、マスターが心配されている……という良い証では?<br/> 消毒液のタンクを背負って追いかけてくる夢だった?……なるほど、悪夢ですね……。」
 
; 「エリチャンとはあの雑竜サーヴァントですか。ははは、満漢全席とはまた豪快な。<br/> え、悪夢?お腹いっぱいになるのでは?え、根本から違う?」<br/> 「それは……恐ろしいですね……。<br/> 私の母は時代もあって、どちらかというと甘い方でしたが彼女の苛烈さもまた、母性を感じさせます。<br/> とはいえそれは、マスターが心配されている……という良い証では?<br/> 消毒液のタンクを背負って追いかけてくる夢だった?……なるほど、悪夢ですね……。」
: 主人公の選択肢次第で見られる、アルジュナのサーヴァント評。後者に関してはアメリカでの容赦ない治療もあってか理解を示してくれると同時に、母クンティーに対する言及も。
+
: 主人公の選択肢次第で見られる、アルジュナのサーヴァント評。前者に関しては、彼女の料理がとんでもないという事実を知らなければそういう評価に落ち着くのも無理はない。後者に関してはアメリカでの容赦ない治療もあってか理解を示してくれると同時に、母クンティーに対する言及も。
    
; 「──答えを。私は<ruby><rb>戦士</rb><rt>クシャトリア</rt></ruby>であるが、同時に<ruby><rb>使い魔</rb><rt>サーヴァント</rt></ruby>である。<br>戦士の誇りを抱こう。使い魔として任務を果たそう。<br/> 両立することはできる。戦士としての誇りは失うことなく、使い魔として忠を尽くすことも。」
 
; 「──答えを。私は<ruby><rb>戦士</rb><rt>クシャトリア</rt></ruby>であるが、同時に<ruby><rb>使い魔</rb><rt>サーヴァント</rt></ruby>である。<br>戦士の誇りを抱こう。使い魔として任務を果たそう。<br/> 両立することはできる。戦士としての誇りは失うことなく、使い魔として忠を尽くすことも。」
466行目: 473行目:     
; 「私も消えますが──。<br/> その前に謝罪を、マスター。此度、あなたが危機に陥ったのは私が原因です。<br/> 恐らく私とマスターとの絆がこれまでにないほど、強くなったせいでしょう。<br/> 私は誰かと絆を深めれば深めるほどに、クリシュナの存在を知られることを恐れる。<br/> だからこうして、夢の中にマスターを誘い──殺害しようとした。<br/> 愚か者だ。そして酷い裏切り者だ。殺されても文句は言えないでしょう。<br/> ……マスター。あなたは確かに私という存在を完全に知ってしまった。<br/> そして、それでもなお私の全て──光も闇も、醜悪さに至るまで共に抱え込んだ。<br/> ならば私はあなたの笑みも、この暗黒も恐れますまい。もう二度と、決して……。」
 
; 「私も消えますが──。<br/> その前に謝罪を、マスター。此度、あなたが危機に陥ったのは私が原因です。<br/> 恐らく私とマスターとの絆がこれまでにないほど、強くなったせいでしょう。<br/> 私は誰かと絆を深めれば深めるほどに、クリシュナの存在を知られることを恐れる。<br/> だからこうして、夢の中にマスターを誘い──殺害しようとした。<br/> 愚か者だ。そして酷い裏切り者だ。殺されても文句は言えないでしょう。<br/> ……マスター。あなたは確かに私という存在を完全に知ってしまった。<br/> そして、それでもなお私の全て──光も闇も、醜悪さに至るまで共に抱え込んだ。<br/> ならば私はあなたの笑みも、この暗黒も恐れますまい。もう二度と、決して……。」
: 事情を明かし、己のすべてを曝け出したアルジュナ。闇を共に抱え込み、寄り添い、乗り越えたことで、以降、このアルジュナが己の闇を恐れることはもうないだろう。
+
: 事情を明かし、己のすべてを曝け出したアルジュナ。
 +
: 闇を共に抱え込み、寄り添い、乗り越えたことで、以降、このアルジュナが己の闇を恐れることはもうないだろう。
    
; 「………………おはようございます。このアルジュナ、最早迷いはありません。全身全霊を絞り尽くして、あなたにお仕え致します。」<br/> 「しかし、それにしても。長い、長い旅のようだった気もしますし、とても短い旅だった気もします。<br/> この世に確実なものなどない。あらゆる物質はうつろい、流転し、彷徨い歩くもの。<br/> 感情ですら例外ではない。恋も愛も、憎悪や悲哀に変わるときもあるのでしょう。もしくはその逆も……。<br/> それでも、確実に言えることが一つある。……あなたに会えて、良かった。」
 
; 「………………おはようございます。このアルジュナ、最早迷いはありません。全身全霊を絞り尽くして、あなたにお仕え致します。」<br/> 「しかし、それにしても。長い、長い旅のようだった気もしますし、とても短い旅だった気もします。<br/> この世に確実なものなどない。あらゆる物質はうつろい、流転し、彷徨い歩くもの。<br/> 感情ですら例外ではない。恋も愛も、憎悪や悲哀に変わるときもあるのでしょう。もしくはその逆も……。<br/> それでも、確実に言えることが一つある。……あなたに会えて、良かった。」
匿名利用者