:明治時代に活躍した民俗学者・伊能嘉矩が『吾妻鏡』の悪路王は「大高丸→悪事の高丸→悪路王」と転訛したと著書に記した。ここから[[大嶽丸]]=悪事の高丸=悪路王との伊能説が広まったものの、実のところ定説とまではいえない。東北地方の悪事の高丸伝説は、奥浄瑠璃『田村三代記』が神社やお寺で演じられ、その物語をそのまま本地譚(地方伝説)として由緒に採り入れている。そのため『田村語り』の成立と構造の研究が進んでいる平成以降の書籍や論文では伊能説とは異なり、悪事の高丸と悪路王、大嶽丸は別人物として扱われている。 | :明治時代に活躍した民俗学者・伊能嘉矩が『吾妻鏡』の悪路王は「大高丸→悪事の高丸→悪路王」と転訛したと著書に記した。ここから[[大嶽丸]]=悪事の高丸=悪路王との伊能説が広まったものの、実のところ定説とまではいえない。東北地方の悪事の高丸伝説は、奥浄瑠璃『田村三代記』が神社やお寺で演じられ、その物語をそのまま本地譚(地方伝説)として由緒に採り入れている。そのため『田村語り』の成立と構造の研究が進んでいる平成以降の書籍や論文では伊能説とは異なり、悪事の高丸と悪路王、大嶽丸は別人物として扱われている。 |