雨生龍之介

雨生龍之介
読み うりゅう りゅうのすけ
性別 男性
誕生日 1月31日
血液型 B型
身長 174cm
体重 65kg
特技 軽妙なトーク、証拠隠滅
好きな物 退屈
苦手な物 家族愛
天敵 なし
声優 石田彰
デザイン 武内崇
イメージカラー
初登場作品 Fate/Zero
テンプレートを表示

概要

第四次聖杯戦争にてキャスターサーヴァントのマスターとなった快楽殺人者。

略歴
最初は好奇心から人の「死」の意味を知るために殺人を行ったものの、そこに快楽を見出して連続殺人犯となった青年。聖杯戦争に参加する5年前に姉を殺害し、以来地方を転々としながら殺人を繰り返してきた。その数は物語が始まる時点でのべ42人にも及ぶ。
殺人に対する「モチベーションの低下」に悩まされたことをきっかけに「儀式殺人」の手法を取り入れ、参考とした書物が聖杯戦争について記録したものであったこと、彼の血筋に魔術回路が生きていたことから偶然にもキャスターを召喚し、無自覚のまま聖杯戦争に身を投じることとなる。
聖杯戦争においても殺人を繰り返したが、最期は切嗣に狙撃されてキャスターより先に死亡。初めて「死」というものを実感して、満足しながら死んでいった。
人物
普段は話すことも億劫だと感じるほど無気力な人物。しかし趣味の分野では明朗快活で饒舌。他者の心の機微に敏く、細かいことにこだわらない大らかさで常に建設的な思考をするポジティブさを持つ。探究心と好奇心が旺盛で、精一杯人生を楽しむ。夜の街では人気者で、女性にもよくモテる。――ただしその趣味は、拷問と殺人。聖杯戦争中はほぼ後者の性格のまま。
道徳や倫理観が破綻しているものの、これは幼少期に何か深刻なトラウマを負ったとかそういう理由はなく、どうしようもなく持って生まれたもの。(本人にとっては)幸いなことに、特に既存の道徳観念を植えつけられて思い悩むようなことはなく、自身の欲求に何の躊躇いも忌避も抱いてはいない。それどころか自分の所業を芸術と信じており、その芸術性や哲学性が世間に認められないことを不思議に思っているフシもある。
人を殺すときはその人の死を徹底的に堪能し尽くすために半日以上も死に至る過程を愉しむ場合もある。人殺しが趣味だがスプラッター映画は軽視している。彼にとって虚構の恐怖など軽薄すぎて、死の本質が微塵も感じられないから。犠牲者の生皮を剝はいでランプシェードを作ろうとしたが、工作が苦手であるためか途中で挫折したようだ。
行き当たりばったりの快楽殺人者でありながら、天性の証拠隠滅と捜査撹乱を行うことができ、警察を撒くだけでなく、行なった殺人そのものが世間には認知されていないケースすらある。プロの暗殺者として活動していればひとかどの人物とも成り得たが、彼にとって殺人は趣味の芸術であるためそんな発想はついぞなかった。普段はフリーターだが被害者の金品にも全く興味を示さず、これが警察の捜査を逃れる一因にもなっている。
動物愛好家で、サファリパークとかTVの動物特番とか大好き。中でも特に豹が好きで、衣服として豹柄をあしらったものを身につけるか、あるいは豹に関係した小物(本物の豹の牙のペンダントなど)を持ち歩くようにしている。ただし残虐対象として愛でるのはヒト科ヒト目に限られる。肉食獣は好きで憧れもするが、生まれ変わりたいとまでは思わない。ヒトを狩る上で最も優秀なハンターとなるのは、同じヒトに他ならないから。
能力
彼自身に特殊な能力は何もないが、その血脈は魔術師の因子を持つ。
正面切って戦うことはできないが、不意打ち・暗殺・謀略に関しては非常に優秀(虚淵玄氏いわく「」)。ただし相手は一般人に限る。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/Zero
キャスターのマスターとして聖杯戦争に参加するが本人にその自覚はない。
ただキャスターの殺人美学・哲学に心酔しているがために共に行動し、連続殺人犯として冬木の町を恐怖に陥れた。
Fate/Grand Order
直接の登場はないが、ファントム・オブ・ジ・オペラのマテリアルにおいて(殺人における引き合いとして)彼の名前が記されている。
イベント『Fate/Accel Zero Order』では主人公がキャスターの工房に襲撃をかけた際、エミヤ〔アサシン〕に暗殺された。

Fate関連作品

とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦
最高のアートを作れる環境を求めて、本編以上に大暴走。目についた女性キャラに片っ端に声をかける(材料調達目的で)。
出番が非常に多く、かなり優遇されている。だが花札勝負なのに、彼らに負けたチームはスプラッターな事に……。
Fate/ゼロカフェ~Fate/Zero Cafeに集う英霊達~
「ゼロカフェ」店員その2。明るくて人当たりもよく、仕事もできるピュアな好青年。ちょっと同居人が怪しかったり、切れ味のいい刃物や小さな子供が好きすぎたり、隙あらば謎の軟体動物を料理に混ぜようとしたりと胡乱なところはあるのだが……

その他

戦車男
「英霊の座」スレ住人。犯罪者2号。COOOOOOOOOOLなアート(モザイク必須)を制作している青年。同居人の犯罪者1号と共に、戦車男に対して法的にアウトな手段を唆しながら、その恋を応援している。
ちびちゅき!
総合芸術研究同好会所属。やはり、旦那と一緒に行動している。

人間関係

Fate/Zero

キャスター
自身のサーヴァントではあるが、マスターとして主従関係を意識している様子はない。
彼を「旦那」と呼び慕い、殺人の師と仰いでいる。
龍之介が最初に殺した相手。
遺骸は実家の蔵に放置されており、ミイラ化した無残な姿が漫画版で描かれた。
父&母
第四次聖杯戦争開始直前には、未だ存命中であることが描写されている。
とある先祖
龍之介が儀式殺人を行う契機となった、聖杯戦争に関する手記を残す。幕末、第二次聖杯戦争の頃の人物。

とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦

ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリ
本編では出会ったことが無かったが、良い材料になりそうなので目を付ける。旦那によれば「表面のコーティングに最適」らしい。
ちなみに、龍之介は彼女の事を脂肪多そうと評している。
更に出会ってしまったのが、キャスター陣営主人公のストーリーなので彼女は本編以上に酷い死に方をしたと思われる。
アイリスフィール・フォン・アインツベルン
本編では出会ったことが無かったが、アイリの容姿もストライクゾーンらしく、娘さんがいると聞いて更に食いつく。
当然怒りを買うが、こちらもキャスター陣営主人公のストーリーだったため、彼女がどうなったかというと……。
イリヤ美遊クロ
偶然アート工房に来てくれた、最高クラスの素材。特に体の色が白黒になる、という不思議現象に襲われているクロに興味津々。
旦那と共に早速アートにしようと襲い掛かるが、魔法少女に敵うはずもなく仲良く返り討ちにされる。
セイバー (EXTRA・赤)
前と後ろ丸出しの女の子は趣味じゃないらしい。
アーティストとしても所謂「カゲキ系」なので趣味が合わず、「旦那の方がクール」と散々な評価を下す。

ちびちゅき!

蒼崎橙子
人形師としての腕前に惚れ込み、旦那ともども弟子入りする。

名台詞

Fate/Zero

「いや、いいんだけどさ。べつにオレが悪魔でも。でもそれって、もしオレ以外に本物の悪魔がいたりしたら、ちょっとばかり相手に失礼な話だよね。そこんとこ、スッキリしなくてさぁ。
 『チワッス、雨生龍之介は悪魔であります!』なんて名乗っちゃっていいもんかどうか。それ考えたらさ、もう確かめるしか他にないと思ったワケよ。本物の悪魔がいるのかどうか。
 でもね。やっぱりホラ、万が一本当に悪魔とか出てきちゃったらさ、何の準備もなくて茶飲み話だけ、ってのもマヌケな話じゃん? だからね、坊や…もし悪魔サンがお出ましになったら、ひとつ殺されてみてくれない?」
猿轡とロープで縛り上げた小学生の男の子に問いかけて。この時、龍之介は小学生の姉と両親を殺害し、その血で召喚用の魔法陣を描いていてこれである。彼の異常性は幼い子供であろうとも、充分感じ取れた。
「えと、雨生龍之介っす。職業フリーター。趣味は人殺し全般。子供とか若い女とか好きです。最近は基本に戻って剃刀とかに凝ってます」
召喚したキャスターへの自己紹介。まるで何かの面接かお見合いのような今時の若者らしい挨拶。
しかし相手は自身が召喚してしまった悪魔(正確には違うが)だと大体理解した上でこの淡々とした応対である。やはりまともではない。
「COOL! 最高だ! 超COOLだよアンタ!
 オーケイだ! 聖杯だか何だか知らないが、ともかく俺はアンタについていく!
 さあ殺そう! もっともっとCOOLな殺しっぷりで、俺を魅せてくれ!」
キャスターの殺人手口を目の当たりにした際の台詞。この瞬間、史上最悪の殺人コンビが誕生した。
「精魂込めて俺達が仕上げてきたアートが……酷すぎる! こんな、こ、これが人間のやることかよォッ!!」
せっかくの創りあげた芸術品が、留守にした工房ごと破壊され、涙を流して慟哭する龍之介。
ただし、彼の言う「アート」とは、人間を材料にした●●とか■■とかのことである。なので、読者や視聴者から「お前が言うな」と総ツッコミを受けたことは言うまでもない。
「神様は勇気とか希望とかいった人間賛歌が大好きだし、それと同じくらいに血飛沫やら悲鳴やら絶望だって大好きなのさ。でなけりゃぁ――生き物のハラワタが、あんなにも色鮮やかなわけがない。
 だから旦那、きっとこの世界は神様の愛に満ちてるよ」
信仰も奇跡も知らない龍之介がキャスターに説いた台詞。信仰に絶望し神を呪って来たキャスターにとって思わぬ啓示となった。
なお、『Fate/Zero』のシナリオライターの他の作品で彼の作風を知っている者からは、「それって邪神ウロブチだろ」とツッコまれている。
「やっちまェ青髭の旦那! ブッ潰せ! ブッ殺せ! ココは神様のオモチャ箱だぁ!!」
キャスターの大海魔を目にしてテンションの上がった龍之介のセリフ。
彼独特の解釈からすれば、今から海魔に人が嬲り殺され、食い殺されるのもまた神の遊戯に過ぎない。
「うわぁ……」
「そっかぁ……そりゃぁ気付かねぇよなァ……」
衛宮切嗣にキャスターのマスターであると看破され、腹部を狙撃されて。
灯台下暗し―――自分から流れ出る赤い輝きこそ彼があらゆる方法で人を殺しながら探していた生きている証であり、迫る「死」の実感であった。

とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦

「……何だか、複雑な人間関係が垣間見えるなぁ、旦那」
「は――、やれやれ。 好きとか嫌いとか、妬むとか。 歳喰った人間はややこしいね」
ケイネスソラウランサーの三角関係を見て。
ある意味純粋な龍之介にとって彼らのやり取りは非常に醜いもので、つい同情と呆れが籠もった言葉を洩らしてしまった。
「え!? そこのお姉さん、娘さんがいるの!? 歳いくつ!? お姉さんに似てる!? 紹介して!」
アイリと出会って、子供たちを犠牲にしてきたことを母として許せないと彼女の怒りを買うが、それを無視して言い放ったのがコレ。
この作品の龍之介は女性、特に幼い子に対して節操がない。無論アート的な意味でだが……
また、これを聞いた切嗣マンはSLBMを用意して冬木市諸共彼らを吹き飛ばそうとするなど暴走し始め、本編以上に冬木がヤバい事になる。
「あ、材料だ」
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』陣営シナリオ。少女たちと出会っての第一声がこれである。
「飛び切りのレアモン、中まで白黒なのか楽しみっスねぇー……!」
同上。身体の色がモノクロになっているクロに対して。
エロい意味ではなく、「腸の色は何色かな?」という意味である。当然そんな暴挙が許される筈もなく、彼女達に叩きのめされる。
クロ「YES、子供!NOタッチ!」

メモ

  • 聖杯に全く興味を示さず、ひたすら自分の趣味に没頭した。その原動力は「死の本質を実感し理解すること」への渇望、転じて「生を実感すること」。方法論こそ違えど、TYPE-MOONの魔術師の在り方と同質と言える。
  • 趣味・嗜好が合致した為にキャスターとの相性は抜群で、第四次聖杯戦争においてマスターとサーヴァントとの絆が最も固かったチームであったのは実に皮肉である。
    • ただ、一見似たもの同士ではあるものの実は噛み合っていないと奈須氏は語っており、「仲が良かったのは期間が短かったためにお互いの齟齬に気付かなかったこと」と、「その齟齬が偶然回りまわっていい方向に働いたため」らしい。運が悪ければ召喚直後に殺されていたとか。
    • 本編でも、「質より量」で大量殺人をしようとするキャスターに「量より質」が信条の龍之介が難色を示すなど、二人の違いが描かれたシーンがいくつかある。
  • キャスターと意思疎通が出来ているように見える為、「龍之介もAランク相当の『精神汚染』スキル持ちでは?」と言われることがある。ただし前述のように「実は噛み合っていない」という発言もあり、正式にこのスキルについて言及されたこともないので、憶測の域を出ない。
  • 苦手なものに「家族愛」とあるが、作中において彼の家族に関する描写は少なく、また別段嫌がっていた印象は無く弱点としての素質に欠けていた。それを考慮すれば個人の性格・精神上の耐性は全マスターの中で最高ランクだったといえる。
  • 龍之介の発見した古書には「慶応九年」と記され、「今から百年以上も昔、幕末期に記されたことになる」と説明されている。よって先祖が参加した聖杯戦争は第二次(1860年頃開催)と推察される。(第三次は太平洋戦争の直前、第一次はそもそも御三家だけの儀式で外来の魔術師は参加していない)
    • ただし、史実において「慶応」は4年まで(西暦1865~1868)で、「明治」に改元される。おそらく手記を書いた人物に何らかの意図があったのだろうが、作品中では触れられていない。なお、漫画版では慶応二年となっている。
  • 龍之介は犠牲者の肉体(人体部位)を使って“芸術作品”等を作っているが、同じように死体を解体しそれを材料に家具等を作っていた「エド・ゲイン(ギーン)」なる、アメリカで猟奇事件を起こした実在の犯罪者がいた。尤も、動機やその他の背景は全く異なっているが……。

話題まとめ

うりゅー
テレビアニメ放送前の週替わりCMでは、雨龍之介と誤表記された(後に修正されている)。
龍之介が行った殺人行為の描写
原作は文章のみなので読者は想像するしかなかったが、その後ドラマCD→漫画版の順で残虐な描写がエスカレートしていった。特に漫画版では犠牲者の無惨な遺体が2ページ見開きで描かれるなど、凄惨を極めた内容となっている。
そしてアニメ版は(流血シーン等はあるが)原作よりはるかに抑えられた内容であり(とりわけある人物の行動が原作と異なっており、その結果本来犠牲となるべき人間達が救われたりもした)、そのせいか、アニメ版を入口とした一部のファンにはさほど異常性を認識されず、時に「龍ちゃん」の愛称で親しまれてすらいる。
令呪について
原作の文中では、彼の令呪は「三匹の蛇が絡み合ったような」デザインと描写されているが、イラストで見る限りは「蛇」にも「絡み合っている」ようにも見えない。これについて、公式ではなにも発表がないので詳細は不明だが、令呪のデザインは全てのメディアで共通なので、恐らく虚淵氏とTYPE-MOON側との連携の齟齬と思われる。

関連商品

脚注

注釈


出典


リンク