バーサーカー (Berserker)とは「狂戦士」の英霊。
概要
基本能力を問わず、ただ狂う事で破壊にのみ特化しているクラス。
伝承において狂気を得たエピソードのある英霊が該当するとされている。
クラス特性として、「狂化」を保有する。
これによってステータスの強化が可能だが、「理性が失われる」、「一部の能力が劣化、または使用不能になる」、「魔力消費量が膨大になる」などデメリットも多い。
そのため、冬木の聖杯戦争ではイリヤを除く歴代マスターは全て魔力切れによる自滅で敗退している。
また狂化のランクが高すぎるとマスターの命令を受け付けなくなり、令呪を用いる場合も複数画必要になる。
英霊に「狂」の付加要素を許諾させるだけで該当するクラスであるため、バーサーカー適性を持つ英霊は多く、その場合は召喚呪文に特定の一節を組み込むことでクラスを指定して召喚できるという(Fate/Zero)。
もともとは弱い英霊を強化するために用意されたクラスであり、上記の条件を満たせば全ての能力がランクEの者でも該当する。
これまで登場したのは以下33人。
英霊の個体能力に拠らないクラス基本能力:筋力C 耐久D 敏捷D 魔力E 幸運E
『Fate/Grand Order』では、シールダーとフォーリナーおよび一部ビーストを除く全クラスの弱点を突けるが、
他のクラスが相性で弱点を突いた時(2倍)に比べてダメージ倍率の低い1.5倍となる。
シールダーに対しては等倍(相性なし)、フォーリナーに対しては軽減され0.5倍。
同時に、シールダー以外の全クラスから弱点を突かれる。この時のダメージ倍率は通常の弱点通りの2倍。
額面上の攻撃力に1.1倍のクラス補正を持つが、スター発生率・スター集中率ともに全クラス最低。
その代わりにダメージを受けた際のNP獲得量は高めになっている事が多い。
このクラスのサーヴァントはBuster3枚・Arts1枚・Quick1枚と言うカード構成が標準。
メモ
- 上記のサーヴァントの他にクー・フーリン、アキレウス、エルキドゥ、ロムルス、哪吒がこのクラスの適性を持つ。
- また『Grand Order』のコラボイベント中限定敵としてバーサーカークラスのブーディカおよびエドワード・ティーチが、第七章でティアマトのケイオスタイドに汚染された牛若丸が、『Epic of Remnant』一章ではファントム・オブ・ジ・オペラが、三章では酒呑童子がバーサーカーとして登場する。
- 誤解されやすいが、理性の失われ方とステータスの上昇は狂化スキルのランクによって決定するため、意思が完全になくなるわけでも、必ず喋れなくなるわけでもない。狂化ランクが低ければ会話も成立するし、頭を働かせることもできる。
- また、「理性を失う」「喋れなくなる」という特徴の現れ方もサーヴァントによって異なり、一見理性があり高度な会話をこなしているように見えるがその実特定の内容を繰り返し喋るだけで会話が成立しない者、会話も可能で一見では狂化の影響が見られないが倫理観の破綻と言う形で狂化を内在する者、同じく会話も可能で一見では狂化の影響が見られないが全ての行動が一つの目的に固定されそれ以外は一切顧慮しないという形で狂化している者、同じく会話は可能だが度の過ぎた「恋に盲目」と言う形で理性を失っている者、特定条件で会話も意思疎通も不可能な暴走を起こすという意味で狂化している者、挙句の果てには狂化の影響が全く見られず、むしろバーサーカーの時の方が理性的に見える者など、高い狂化ランクでも普通に会話可能な者はいる。上記に挙げた6例は全て狂化ランクEXだが、最初の1例を除いた5人は全て会話可能である。
- 理性と言語能力を失うという都合上、狂化ランクの高い英霊の宝具はその殆どが特別な技術も真名解放も必要としない常時発動型の宝具となっている。
- 召喚前に選択出来るクラスで、その場合は召喚呪文に特定の一節を「我は常世総ての悪を敷く者」の次に加える必要がある。
「されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者——」 - イリヤは狂化によるマスターの負担を軽減させる為に戦闘時以外は意図的にバーサーカーの狂化のランクを低下させる事で魔力消費を抑えるという芸当を行っている。
しかし、間桐雁夜とバーサーカーの間にはそのような描写は無い。
イリヤのみが行える特別な術なのか、雁夜が行えない程に未熟なのかは不明。 - 『EXTRA』のアサシンは、マスターであるユリウス・ベルキスク・ハーウェイが他参加者の令呪(正確には腕自体)を移植した影響で、バーサーカーのクラスにもなってしまった。おそらくは元の令呪が「狂戦士」のものであり、それの影響で「暗殺者」と「狂戦士」の二属性持ちになってしまったと思われる。
- 最高のステータスが期待できるクラスにもかかわらず、デメリットの多さから『Apocrypha』では「アサシン・キャスター・バーサーカーは通常の聖杯戦争では勝ち抜くのは難しい」と評されている。
- 『Fate/EXTRA』では「狂化」ではなく「バーサーカー化」の特性が与えられていた。ただし『Fate/EXTRA CCC』以降は「狂化」に変更されており、ただの表記揺れであると思われる。
- RPG作品である『EXTRA』のバーサーカーの特徴として、全体的にパラメータが高い代わりに1ターンにつき数回の「WAIT(行動しない)」が発生するようになっている。これは狂戦士のクラスに特有の「理性が失われる」性質をゲーム的に表現しているものである。
攻撃スキルや宝具が直撃すれば致命傷なのは勿論、通常攻撃でさえかなりの痛手となるバーサーカー戦だが、これによって主人公たちでも均衡した戦いとなっている。ただ「WAIT」が加わった事で行動パターンが複雑化したため、相手のコマンドが読みにくくなっている。 - 『Fate/EXTRA CCC』でギルガメッシュを選択した場合、主人公の元々のサーヴァントはバーサーカーであったとされる。ただしあくまでギルガメッシュからの伝聞であるため、真実かどうかは不明。
- サーヴァントではないが、『プリズマ☆イリヤ ドライ!!』では、雷による攻撃と大槌の宝具「悉く打ち砕く雷神の鎚(ミョルニル)」の使い手である英霊「マグニ」がバーサーカーのクラスカード(2枚目)に宿っている。
- 『GrandOrder』では流石に上述のような命令不能などのデメリットは特に何もなく、どのバーサーカー相手であっても令呪は1画で同じ効果を発揮するし、攻撃も他サーヴァントと同じく選択したコマンドカードの通りに行ってくれる。クラス補正と相性の都合で幅広く高い攻撃力を発揮するが、ほぼ誰からでも弱点を突かれ非常に脆いというハイリスクハイリターンなクラスとして扱われている。
話題まとめ
- 第四次・第五次、そして『EXTRA』と、本来の「弱い英霊を強化する」という意図に反して、生前に無双を誇った武人や規格外の存在が呼ばれている。
本来は心技体、そして宝具のいずれもが強力な英霊なのだが、理性を奪われたことで能力の多くが発揮できなくなっている。
ステータスは増幅されているが、それ以上に奪われた能力を惜しむ声がファンからは多く上がっており、元々が強過ぎる英霊にハンデを課すためのクラスと認知されていた(第四次バーサーカーは比較的狂化を活かしていたが、マスターのハンデの方が大きかった)。
だが遂に、『Fate/Apocrypha』で本来の運用がなされたバーサーカーが現れた。 - デメリットの目立つクラスではあるが、反面、裏切りや反発を生む意思も失われるのでマスターに最も従順などメリットもある。真っ当な英霊と魔術師では意見が合わず、衝突の危険性もあるので進んでこのクラスを狙う者もいる。
- 『Zero』においては、「凡そあらゆる英霊について、とある付加要素を許諾するだけで該当させることができる」と言う記述がある。
だが、セイバーについて『「剣士」以外のクラスには該当しない』、ランサーについて『狂戦士のクラスでの召喚も十分にありえた』と言う記述がある点、『Zero』のバーサーカーについても、セイバーが彼に狂戦士であった事にショックを受ける描写がある点などから、他のクラス同様にバーサーカーとして召喚出来る条件がある、と考えるのが自然。- 『Zero』の描写を「狂化を許諾する英霊=狂戦士の逸話がある英霊」「少しでも狂った逸話があれば良いので適格条件が緩い」と取れば、一応矛盾はないが、実際の所どうなのかは不明。
- 実際、『EXTRA』および『CCC』で、別クラスとして召喚されながら外的要因でバーサーカーに変化するサーヴァントが登場している辺り、クラスとして英霊に適合しやすい点はあるのだと思われる。
- ただ狂化しているだけだと言葉も喋れず、ドラマ部分に組み込みづらいからか、次第に何らかの理由で意志疎通が可能なキャラクターが多数登場するようになった。
- なお、他に狂気にまつわるスキルとして「精神異常」や「精神汚染」「理性蒸発」などがある。ランクが高すぎる「信仰の加護」も人格に異変をきたす要素を持つ。アタランテ〔オルタ〕は「獣化」によって狂化スキルの代替としている。
- 上記のスキル持ちも合わせて、思考回路自体がぶっ飛んでいたり、特殊な思想・願望・嗜好のままに突き進むキャラクターばかりなので、会話は出来るが言う事を聞いてくれなかったり、何らかのズレが発生するパターンが多い。
- 他のクラスと比較して裏切られる心配がないものの、マスターとのコミュニケーションが殆どとれず、魔術師の納得がいく戦術をとれないケースもある。間桐雁夜が最たる例であり、本人は遠坂時臣のアーチャーを優先して狙いたいが、生前の因縁からバーサーカーが雁夜の意思を無視してセイバーに襲いかかる度に雁夜には莫大な負担がかかり、セイバーとの交戦を一時的に避けるために令呪を使わざるを得なかった。しかし、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンのように英霊が生前関わった人物と被る、カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニアのように狂化しながらもそれなりの方法でコミュニケーションを取って強い信頼関係を築いたケースもある。
- エルキドゥがバーサーカーで召喚された場合、神に手が届くほどの力を持って顕現していた模様。
脚注
注釈
出典