概要
南米異聞帯における七つの人類悪の一つ、ビースト¦。
- 略歴
- Lostbelt No.7『黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン』にて登場。
- カルデア陣営やデイビット・ゼム・ヴォイドらクリプター陣営にも属さない、独立した第三勢力として動いていた。
- しかしテスカトリポカとは何度か取引をしており、カルデアが南米異聞帯にやってきた際は彼からカルデアのマスターの令呪を譲渡され、冥界線の在り方を変える。
- その後はカルデアのサーヴァントであったキングプロテアや紅閻魔、エレシュキガルを令呪を用いて異霊化させ、第一~第三冥界線に配置していた。
- 作中ではカルデアやクリプター陣営のトラロックを襲撃したり、廃墟となったカーン王国に訪れたカルデア一行を襲うなどしていたが、第四冥界線「ヤヤウキ」にてカルデアと本格的に対峙。
- そこではビーストとしての姿を現して一行を苦戦させ、ニトクリスを攫い自身の住処にて彼女と暫し語らう。しかしそれによって覚悟を決めたニトクリスがニトクリス〔オルタ〕へと自ら変化し、そこに追いついたカルデア一行と再び決戦。
- その際は直前にニトクリスとしていた賭けによって彼女に第四冥界の支配権を譲ることとなり、彼女に「一切の忘却を禁ずる」というルールを定められて弱体化しながらも、カルデアと熾烈な戦いを繰り広げる。
- だが、途中でニトクリス〔オルタ〕がキャスター霊基へと戻って気を失ってしまい、谷底へ落ちたのを追って自身も谷底に向かう。カルデアが谷底へ辿り着いた際にニトクリスは健在であったが、カマソッソは既に姿を消していた。
- 人物
- 部族風の装備を纏った、褐色肌の男。巨大な黒い翼を背から生やしている。
- 性格は享楽的で傲岸不遜であり、登場の度に「強大なるカマソッソ」などと自称していた。逆にディノス以外の生命体は猿呼ばわりしていたり、テスカトリポカやククルカンを見下してもいる。
- 血や殺戮を好み、仰々しい物言いをするなどテンションが高いことが多いが、急に落ち着いたりなど極端なところもある。勢いで行動する向こう見ずなところもあるが、根は理知的なのか王であった際の片鱗が垣間見える事も。
- 血の味については割とうるさく、同じ血は二度吸わない。サーヴァントの血は総じて不味いと評しているが、それでも吸えないと残念がる様子を見せている。
- ビーストとしては巨大な蝙蝠のような姿を見せている。
- 能力
- 背に生やした翼を使っての超高速飛行が可能で、作中では突如飛来してくる場面が何度かあった。
- 飛行能力で急接近してキングプロテアに深手を負わせたり、トラロックをボロボロにするなど戦闘能力は高め。
- 武器としては立ち絵で鎌を持っているが、使用したと明言されてはいない。ディノスやサーヴァント相手に吸血を行っているため、牙を使っての攻撃は可能な模様。また、喉の部分にも鋭い牙が付いた口がある。
- 「悪神カマソッソ」という霊体を召喚したり、カーン王国の戦士を蘇らせて操る「死霊使い」としての能力も持つが、技量としては100人のうちせいぜい1人が応えてくれる程度。
- 光を吸収する皮膚を持った蝙蝠を操る事もでき、作中では目くらましに使うなどしている。
- また後述する理由で不死となっており、ORTと戦った際は右手だけになりながらも何とか再生したらしい。
- ビーストとしては後頭部に生やした触手のようなものを伸ばして攻撃したり、突進攻撃を行う。
ステータス
- 不明。チャージ攻撃としては「冥界王へ捧げよ、猛き贄の鮮血を」という技を使用。
真名:カマソッソ
- マヤ神話に語られる蝙蝠の神。名は「死の蝙蝠」を意味する。
- 『ポポル・ヴフ』では地下世界「シバルバー」に住んでいるとされ、硬い棒のような物を持ち、現れるものは何でも殺してしまうという。
-
- ……というのは汎人類史の伝承におけるカマソッソ。南米異聞帯においては、かつて栄えていたカーン王国の王であった人間の名前である。
- 太陽が無くなり、ディノスが休眠したミクトランでカーン王国は繁栄を向かえたが、ORTが復活したことにより危機に陥る。
- その強大な力に為す術が無かったカーン王国は、最終手段として王であるカマソッソ自らが肉体改造を行い、さらには1億以上の国民全員を魔力リソースとして取り込む事で不死の身体となって、ORTの心臓を抉り取ることで何とか停止させた。
- しかしその犠牲は大きく、「王国を救うために国民全員を犠牲にして、自分一人だけが生き残ってしまった」という事実からカマソッソは発狂。
- 過去を意図的に忘却することで生き永らえ、「カーンを滅ぼしたもの」としてビーストに登録された。
登場作品と役柄人間関係
Fate/Grand Order
- ORT
- かつてカーンの民全てを犠牲にして休眠に追い込んだアルテミット・ワン。
- 自身の人生を狂わせた最大の原因と言ってもいい存在である。
- 作中ではその存在に対し「強大なるカマソッソも怖じ気づく」と称していて、目覚めさせる行為を「無知の罪にも程がある」としている。
- 主人公 (Grand Order)
- カルデアのマスター。
- その令呪を用いて冥界線を弄り、サーヴァント達をオルタ化させていた。
- また、物語中盤では彼/彼女を殺して自身が人類最後のマスターになる、とも宣言していたがその意図は不明。
- ニトクリス
- カルデアのサーヴァント。
- 同じ死霊使いではあるが、彼女が「呼び出す死霊の名前を一人残さず覚えている」ために凄まじい執着を見せている。
- 物語終盤ではオルタ霊基となった彼女によって弱体化させられた。
- テスカトリポカ
- クリプターであるデイビットのサーヴァント。
- 彼と度々取引をしており、汎人類史の知識や主人公の令呪を貰い受けた。
- 自身に言わせれば「現在にしか興味のない愚神」とのこと。
- トラロック
- テスカトリポカの召喚したサーヴァント。
- カルデアと対峙していた彼女を強襲し、満身創痍の状態にした。
- デイビット・ゼム・ヴォイド
- 南米異聞帯担当のクリプター。
- 彼とは何回か交戦しているようで、勇者と認めている。ただしその血はとても不味いと評している。
- その力についても感づいているようで、その事で主人公に対しアドバイスを送っている。
- キングプロテア、紅閻魔、エレシュキガル
- カルデアのサーヴァントたち。
- 令呪を用いる事でオルタ化させ、それぞれ第一、第二、第三冥界線に配置した。
- ククルカン
- 南米異聞帯の王であり、もう一人のORT。
- 一方的に敵視しており、「未来しか見えぬ冷神」とコメントしている。
- ディノス
- 南米異聞帯の住民。
- 彼らの血を吸っていた事で恐れられており、「死神」「死の影」「夜より恐ろしいもの」などと呼ばれていた。
- また、彼らの無意識下で「カマソッソ自身による決死の行動で生み出された太陽を、何の疑問もなく使っていた」という罪の意識があった事も、恐れに繋がっていた模様。
名台詞
Fate/Grand Order
戦闘
- 「忘却を、禁じる……!? 忘れる事を許さぬ、だと……!? ……ッ!グゥゥゥアアアアア!!」
- 「戦士達よ! 市民達よ! 命を捧げるほどの王だったのか……? 家族を捧げるほどの国だったのか!?
───であれば……!! であるのならばぁぁぁっ!!」
- 第2部第7章『ナウイ・ミクトラン』第17節「第四冥界ヤヤウキ」の最終戦においての戦闘開始時の台詞、及び2ゲージ目ブレイク時の台詞。
- 第四冥界・ヤヤウキにて、南米異聞帯におけるビーストとして正体を表したカマソッソであるが、ニトクリス・オルタが掌握した第四冥界に「冥界内での忘却を禁ずる」ルールを制定された事で、精神崩壊を防ぐと共に自身への戒めとして意図的に忘却していた王である自分を残してカーン王国が滅びた絶望感と600万年以上もの途方もない孤独感を思い出してしまった際に。
- 今際の際には「作り物の物語には涙を流すが、誰が死のうと罪の意識を持たない不感症」と自虐したカマソッソであったが、全てを思い出した直後に出た言葉がこれである事を考えると、王として国と臣民を憂い尊ぶ心を確かに持っていた事が覗える。
メモ
- 名前の元ネタはマヤ神話において地下冥界シバルバーに住まうコウモリの神にして悪神。
- ビーストとしてのナンバーは「¦」と欠けているが、その理由については不明。
- 本来はビーストⅠ。欠けのないビーストⅠとして登場したゲーティアも人類を滅亡させた功績をもってビーストにカウントされている辺り、ビーストⅠになるには人類愛によって人類を滅亡させる必要があるのだろうか。
- 竹箒日記によると、人類悪にカウントされたのはORTの休眠後。「カーンを滅ぼしたもの」として登録される事で、逆説的に『もう語るものはいない、存在を証明するものはいない』カーンを残し続けた。
- また、2部7章で死ねたのは同じヒト型人類に倒されたから、だとも明かされている。どうやら、人類以外には決して屈せぬという意志があった様子。
- ゲーム内ではカーンの人民のみを取り込んだという描写に留まっているが、「週刊ファミ通 2024年8月22・29日合併号」のP.41によると、精霊種も複数取り込んでいた様子。
- また、本来は槍使いであった事も言及されており、「一点、ただ一点……!」という台詞は、槍を持つ右手のみでORTに一点突きを見舞った際の再現だと明かされている。
- 加えて、ORTの棺はカマソッソが撃ち抜いた槍の跡だとも判明している。
話題まとめ
- 死徒ディノスの謎
- 『ナウイ・ミクトラン』第12節では突如として「死徒ディノス」なるエネミーが登場する。
- Ⅱ階梯である屍鬼を引き連れていた点からⅥ階梯の死徒(下級)以上だと推測されるが、その発生経緯については明言されていない。
- これについて、作中ではカマソッソが原因ではないかと言われている。実際、彼はメモで挙げたように精霊種も取り込んでいたため、その中に真祖ないし真祖に近しい能力持ちの精霊がいれば、確かに死徒を作り出す事も不可能ではない。
- しかしシオンはカマソッソが犯人だとされた際に疑問を持っていたため、彼以外の存在による説も拭い切れない。
- カマソッソ以外では南米異聞帯にいたとされる「伯爵」が候補として挙がっている。彼自身は死徒でないと後に判明しているものの、生前に死徒である同胞がいた事が明かされている。
- なお、南米異聞帯においては魔術は存在していないので、魔術を極めた末に自己改造を行った結果死徒化した……という原因は可能性として薄いだろう。
- オルタ職人
- 2部7章では三体のオルタを生み出したカマソッソだったが、そのどれもがユーザーにウケた結果「オルタ職人」なる敬称が付けられている。
- また、後のORT戦ではそのオルタたちが必要不可欠な役割を果たしている事もあり、カマソッソの偉大さを身をもって実感したプレイヤーは多かった模様。
- なおニトクリス〔オルタ〕も発表当時は彼が生み出したものではないか?と言われていたが、ストーリー内でそれは否定される結果となった。
- もうひとりの「勇者王」
- 上述の通称通り、プレイヤーからは「勇者王」と呼ばれることが多いが、CV担当の檜山修之氏は過去にロボットアニメ「勇者王ガオガイガー」で主人公の獅子王凱を担当しており、氏の代表作の一つとなっている。
- 作中ではサイボーグとなって侵略者と戦い続けた彼だが、それ故に「侵略者は倒したが地球は滅び仲間たちは全て死んでしまい自分だけが永遠に生きる結果となった」という「獅子王凱オルタ」としてカマソッソを見るプレイヤーも一部には存在している[注 1]。
脚注リンク