キャスター
- 真名:チャールズ・バベッジ
- 身長:250cm / 体重:500kg超(どちらも鎧込み)
- 出典:史実
- 地域:欧州
- 属性:混沌・中立
- 性別:男性
- CV:稲田徹 / イラスト:I-IV
『Fate/Grand Order』に登場するキャスターのサーヴァント。
巨大な蒸気仕掛けの機関鎧をまとった姿をしている。
- 略歴
- 第四章にて敵側の中心人物『B』として主人公らと敵対。自分の固有結界から大量のヘルタースケルター(セイバークラスの雑魚敵)を産みだし暗躍していた。
- しかし、知己であるフランを傷つけまいと命令に逆らったり、直接対決に敗れた後は主人公らに事態を打開するための助言を送るなど、聖杯の強制がなければ良心的な人物であることを伺わせた。
- 人物
- 見た目によらず非常に理性的で、善を尊び、悪を憎み、女性を大切にする、まさに英国紳士。
- 厳しい性格をしているが、無垢な少女や聡明な少女にはつい弱くなってしまうとか。
- 聖杯には「蒸気文明により悪が駆逐された世界」という生前夢見た願いを託しているものの、それが果たされなかった現代世界についても、これはこれで悪いものではないと思っている。
- 能力
- キャスターではあるものの、所謂「魔術」は全く使用せず、もっぱら自らの鎧による戦闘を行う。
- 自身が体現する異常な蒸気科学で構成された鎧によるステータスはキャスターにあるまじき高さであり、三騎士にすら匹敵するレベル。
- また、道具作成(偽)スキルで様々な発明品を作り出し、行使する。
- 中でも下記の「ヘルタースケルター」はモードレッドをして「歯ごたえのある相手」と言わしめる程の強さであり、聖杯の助けがあったとはいえ数十以上同時駆動させていた。
ステータス
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
キャスター | 主人公 (Grand Order) | B++ | B++ | D++ | A | E | A++ | 道具作成(偽):A | 一意専心:C 機関の鎧:EX オーバーロード:D |
宝具
- 絢爛なりし灰燼世界(ディメンジョン・オブ・スチーム)
- ランク:A+→A++
種別:対軍宝具 - 彼を構成する固有結界であり、彼が纏う機関鎧であり、彼が抱く心そのもの。
- 『Grand Order』では、蒸気を噴出しながら飛び上がり上空から一撃を下し、敵全体にダメージを与えつつ防御力をダウンさせる。
- 彼の台詞から考えると単純な攻撃宝具ではなく、固有結界である自分自身からさまざまな機械を取り出すことが可能な宝具であると思われる。
- ストーリー上ではこの能力を利用して、不明の怪機械(ヘルタースケルター)と呼ばれる機械兵士、と言うか彼自身の量産型を大量に生産・制御して、カルデア陣営の行動を阻んでくる。また、巨大蒸気機関「アングルボダ」を作り出し、聖杯を動力としてロンドン中を覆う「魔霧」を発生させている。
真名:チャールズ・バベッジ
- 蒸気機関を用いた世界初となるコンピューター「階差機関」 「解析機関」を考案した天才碩学(学者)。現代では「コンピュータの父」とも呼ばれている。
- 蒸気機関によって変革された世界を夢見ていたが、結局階差機関も解析機関も生前には完成せず、夢見た未来は果たされないまま世を去った。
- その「夢見た未来」そのものが固有結界として具現化・英霊化したのが彼である。
登場作品と役柄
- Fate/Grand Order
- キャスターのサーヴァントとして登場。レア度はR(☆3)。イラストレーターはI-IV氏。
- メインシナリオでは第四章に登場する他、第五章でもエジソンの台詞越しに言及されている。
- ちびちゅき!
- 所属不明。変装したエミヤに連れられる形で変形ロボとして子供達に紹介された。
人間関係
Fate/Grand Order
- フランケンシュタイン
- 生前面識があった相手。彼女のことを「ヴィクターの娘」と呼ぶ。
- 彼女の声なき声を理解できるらしく、第四章では彼女の必死の説得で攻撃を思いとどまった。
- ニコラ・テスラ
- 基本傲岸不遜な向こうだが、バベッジに対しては敬いを忘れない。
- トーマス・エジソン
- アメリカの科学者としての知り合い。向こうからは天才として敬意を持たれている。
- …しかし、第五章ではヘルタースケルターの技術を転用され、あまつさえ「蒸気より電気」とあちら好みに魔改造された。
- もっともその後、彼が挫折しかかったときに座からモールス信号で「破産するまでは負けではない」と微妙に笑えない励ましを送ってくれる程度には親密である。
- アルトリア・ペンドラゴン〔リリィ〕
- イベント『セイバーウォーズ』にて宇宙船の部品をめぐって敵対した相手。
- 死に際には彼女に助言を送っていたが、彼がつい甘くなってしまうという「無垢で聡明な少女」に合致していたからであろうか。
生前
- ヴィクター・フランケンシュタイン
- 同じ碩学としての知り合い。フランとも面識があるあたり、かなり親密な関係だった模様。
名台詞
- 「我が名は蒸気王。ひとたび死して、空想世界と共にある者」
- 召喚時の台詞。志半ばに死に、自らが渇望と夢想を昇華した固有結界と化した科学者の名乗り。
- 「恐れ、嫌悪、憎しみ、嘆き。すなわち、妄念と夢想の具現である、この身である。」
- マイルーム会話。
- これ以外の台詞や他のサーヴァントとの会話から推察するに、おそらく「嫌いなものは何か?」と問われての答え。
- 「見果てぬ夢を、ここに」
「我が空想、我が理想、我が夢想――『絢爛なりし灰燼世界 』!」 - 宝具開放。生前目指し続け、遂に果たせなかった夢の結晶。身にまとう鋼鉄の鎧その物であり、「有り得た未来」。
- 「――――呼んでいる」
主人公 (Grand Order)「助けを呼ぶ声が、聞こえるんだね? 」
「然り」
「この聴覚機関を誤魔化すことは出来ぬ。何故ならば、私には大いなる使命があるからだ」
「――――世界を、守る」
「私の機関が作動し続ける限り、この世界には如何なる悪も存在してはならぬのだ」
「故に、行こう。私を目覚めさせた選ばれし者よ」
「蒸気の勇者 よ!」
主人公 (Grand Order)「行こう、バベッジ!」
「―――――応!!」 - 幕間の物語、『鋼鐵機動戦記C・バベッジ』にて。もはやタイトルと言い完全にロボアニメかスチームパンクのノリである。
- そして主人公にまた新しい称号が(
蒸気の勇者 )加えられることに…。
- 「しかしあのロケットは未完成、かつ不完全だ。歯車がない、油差しがない、蒸気機関がない。
以上の問題点から得られる解答は一つ。あの宇宙船は、私に改造されなくてはなるまい」 - イベント『セイバーウォーズ』にて、ヒロインXの宇宙船を見ての一言。
- 彼の時代の少し後には大砲で月まで行くSFが書かれているが、それにしたって宇宙船にも蒸気機関を使うつもりなのだろうか。
メモ
- 「小説家」「音楽家」と際物が多いキャスタークラスについに現れた「科学者」。
- 鎧による巨大な外見といい、異様に高いステータスといい、初見でキャスターと理解できる人はそうそういないであろう。また、性格も相当な人格者であり、外道や性格破綻者が多いキャスタークラスにあるまじき善良さである。
- ファンからの通称は、ほぼ満場一致で「蒸気王」。というか、本人がそう名乗っている。
- あまりにぶっ飛んだデザインに対し、『氷室の天地』の作者の磨伸映一郎は「ひむてんの最強偉人募集に送られてきそうなデザイン」と呆れ半分にコメントしている。
- デザインの基本コンセプトは、「山高帽・蝶ネクタイの燕尾服・ステッキの蒸気紳士」らしい。
- デザイナー曰く、残念ながら変形はしないとのこと。もっとも、「彼なら蒸気機関車型のサポートメカを自作して合体してくれるでしょう」だとか。
- 女性陣からの外見の印象はあまりよろしくないようで、マシュ・キリエライト曰く「寸胴」、謎のヒロインX曰く「ヤカン」と散々である。
- 存在自体が固有結界という点ではナーサリーライムと同一。もっとも、ナーサリーライムのようにマスターに応じて姿を変える訳ではなく「バベッジの夢見た世界」によって確固たる姿を保っているという点では、むしろネロ・カオスに近いかもしれない。
- 『Fate/Grand Order』における強化クエストのタイトルは「鋼鐵機動戦記C・バベッジ」。タイトルからして突っ込みどころ満載だが、「蒸気の勇者(スチームブレイブ)」と称される主人公、言動も配役も完全にお姫様扱いのマシュ、老騎士のようなバベッジ、「邪悪ゴーレム軍団」と自分で言ってしまう敵役(おまけに最後に指揮担当の敵がファヴニールに拡大変容する)と内容も凄まじくカオス。
- おまけに最後は主人公の夢オチ。これで何故宝具が強化されるのであろうか。尚、マシュはこの夢を主人公から聞かされ自分がお姫様役であることにまんざらでもなさそうであった。
- 強引に解釈するなら「絢爛なりし灰燼世界」はバベッジの夢想・理想によって成り立っている代物である為、主人公のこの蒸気でむせ返りそうな王道物語の夢によってその夢想が補強された…のかもしれない。
- おまけに最後は主人公の夢オチ。これで何故宝具が強化されるのであろうか。尚、マシュはこの夢を主人公から聞かされ自分がお姫様役であることにまんざらでもなさそうであった。
話題まとめ
- 蒸気王
- 蒸気機関が発達したif世界を描くジャンル、いわゆるスチームパンクでは彼が階差機関の開発に成功したためにヴィクトリア朝時代に計算機科学が大きく発展するという設定が多い。ウィリアム・ギブスンとブルース・スターリングの『ディファレンス・エンジン』などが有名だろう。
- バベッジがメインで登場する四章を担当した桜井氏の代表作であるスチームパンクシリーズでも当然重要キャラクターであり、そちらでも《蒸気王》と呼ばれる蒸気機関で動く巨大鎧として登場する。セルフオマージュだろうか?
しかしこれ出典は史実というよりディファレンス・エンジンや蒼天のセレナリアと言ったほうが適切なのではないだろうか。- 優秀過ぎた脳
- バベッジの死後、なんと彼の脳は取り出された上に半分に分割され、片方はイングランド王立外科医師会にて保管され、もう片方に至ってはサイエンス・ミュージアムにて展示されている。
- 本人の死後である点、全体ではなく脳のみである点など差異はあるものの、型月ファンには封印指定を何となく想像させる話である。