チャールズ・バベッジ

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キャスター (Grand Order)

  • 真名:チャールズ・バベッジ
  • 身長:250cm / 体重:500kg超(どちらも鎧込み)
  • 出典:史実
  • 地域:欧州
  • 属性:混沌・中立 / カテゴリ:人
  • 性別:男性
  • CV:稲田徹

魔術師」のサーヴァント

略歴
Fate/Grand Order』第一部四章にて西暦1888年のロンドンを脅かす敵側の中心人物『B』として主人公らと敵対。自分の固有結界から大量のヘルタースケルター(セイバークラスの雑魚敵)を産みだし暗躍していた。
しかし、知り合いの娘とも言える存在であるフランを傷つけまいと命令に逆らったり、直接対決に敗れた後は主人公らに事態を打開するための助言を送るなど、聖杯の強制がなければ良心的な人物であることを伺わせた。
第一部終章では冠位時間神殿に召喚され、他のサーヴァント達と共にⅣの座を統括する管制塔バルバトスと交戦する。
人物
巨大な蒸気仕掛けの機関鎧を纏った鋼鉄の紳士。一人称は「我」。
見た目によらず非常に理性的で、善を尊び、悪を憎み、女性を大切にする、英国紳士を絵に書いた人物。
自己にも他者にも厳しい性格をしているが、無垢な少女や聡明な少女にはつい弱くなってしまう。
聖杯には「蒸気文明により悪が駆逐された世界」という生前夢見た願いを託しているものの、それが果たされなかった現代世界についても、これはこれで悪いものではないと思っている。
とはいえ、ソレが内燃機関の生み出す電気によって発展したことに関しては複雑な心境であり、雷や電気にまつわるサーヴァントに対して「電気悔しい」とコメントしている事からそれが伺える。
能力
キャスターではあるものの、所謂「魔術」は全く使用せず、もっぱら自らの鎧による戦闘を行う。
武器はステッキであるが、第二段階からは階差機関の歯車群の一本とトンネルボーリングマシンの中間を思わせる形状のドリルへと変化する。
自身が体現する特殊な蒸気科学で構成された鎧によるステータスはキャスターにあるまじき高さであり、三騎士にすら匹敵するレベル。
また、道具作成(偽)スキルで様々な発明品を作り出し、行使する。
中でも下記の「ヘルタースケルター」はモードレッドをして「歯ごたえのある相手」と言わしめる程の強さであり、聖杯の助けがあったとはいえ数十以上同時駆動させていた。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
キャスター 主人公 (Grand Order) B++ B++ D++ A E A++ 道具作成(偽):A 一意専心:C
機関の鎧:EX
オーバーロード:D

宝具

絢爛なりし灰燼世界(ディメンジョン・オブ・スチーム)
ランク:A+
種別:対軍宝具
レンジ:0~99
最大捕捉:300人
生前に設計した「階差機関」「解析機関」が真に完成していれば到来していたはずの、蒸気機関華やかなりし文明世界。すなわちバベッジの渇望と夢想が昇華された固有結界であり、彼の心であり、身に纏う機関鎧そのもの。
基本的には常時発動型の宝具。その特殊性及び希少性から高ランクとして指定されているが、火力面のみで言えばB~Cランク相当。真名解放時には内部蒸気機関が全力稼働し、高威力の範囲攻撃を行う。
密閉した鎧の内側に固有結界を展開し続ける事で動力である特殊蒸気機関を顕現させているため、バベッジは決して鎧を解放しない。一度でも開放すれば固有結界は世界から排除され、後には物言わぬ鋼鉄の塊だけが残される。
バベッジは宝具と一体化したことにより、道具作成スキルと同等の効果を得ており、鋼鉄の鎧が武装や霊薬を生産する。ストーリー上ではこの能力を利用して、不明の怪機械(ヘルタースケルター)と呼ばれる機械兵士、と言うか彼自身の量産型を大量に生産・制御して、カルデア陣営の行動を阻んでくる。巨大蒸気機関「アングルボダ」を作り出し、聖杯を動力としてロンドン中を覆う「魔霧」を発生させている。
また、取り外し不可能の鋼鉄の鎧を身に纏うことによって筋力と耐久力のパラメータをランクアップさせると同時に、搭載された異形の蒸気機関がもたらすブースト機能によって俊敏のパラメータがランクダウンする代わりに「++」の一時的補正が与えられる。更に、鎧の蒸気機関を意図的にに暴走させて出力を増幅し、宝具の攻撃力を増加させている。暴走した蒸気機関は損傷し、鎧と一体化しているバベッジもダメージを受ける。
『Grand Order』では、蒸気を噴出しながら飛び上がり上空から一撃を下し、敵全体にダメージを与えつつ防御力をダウンさせる。

真名:チャールズ・バベッジ

チャールズ・バベッジ。天才的な数学者であり、機械設計者。
蒸気機関を用いた世界初となるコンピューター「階差機関」 「解析機関」を考案した天才碩学。現代では「コンピュータの父」とも呼ばれている。
十九世紀初頭。ケンブリッジ大学を卒業したばかりの青年の折、天体の運動についての計算中に膨大な量の数字と相対しながら、彼は思った。
天体だけではない。政府の研究機関や在野の企業では、殆どすべての実験や事業に於いて必要となる大量計算に際して、数十人の計算手を必要としている。
数学はあらゆる学問で応用されているのだ。故に、これらの無数の計算すべてを機械―――
階差機関が完成した暁には、人類はあらゆる分野で飛躍的な時間短縮を実現し、文明は数世紀分の発展を遂げることとなるだろう。
蒸気機関によって変革された世界を夢見ていたが、頭脳はあっても、時間と設備、それを賄うための費用がなかったのだ。
英国は彼の頭脳と階差機関の有用性を認めて資金を援助したものの最終的に打ち切ってしまう。
しかし彼は諦めず、更なる高度計算機械である「解析機関」に着手するが、結局は階差機関も解析機関も生前には完成せず、夢見た未来は果たされないまま世を去った。
その「夢見た未来」そのものが固有結界として具現化・英霊化したのが彼である。

関連

階差機関
蒸気機関を動力として、複雑で高度な計算を可能とする機械。ディファレンス・エンジンとも。
解析機関
世界初のプログラムを可能とした機械であり、計算完備を実現させ得る機械。

登場作品と役柄

Fate/Grand Order
  • 〔キャスター〕キャラクターデザイン:I-IV / 設定作成:桜井光 / レア度:☆3
第四特異点解禁に伴い実装。
メインシナリオでは第四章に登場する他、第五章でもエジソンの台詞越しに言及されている。
ちびちゅき!
所属不明。変装したエミヤに連れられる形で変形ロボとして子供達に紹介された。

人間関係

Fate/Grand Order

フランケンシュタイン
生前面識があった相手。彼女のことを「ヴィクターの娘」と呼ぶ。
彼女の声なき声を理解できるらしく、第四章では彼女の必死の説得で攻撃を思いとどまった。
「M」「P」
第四特異点で人理消却計画を実行していた同志。「M」はマスターでもある。
ニコラ・テスラ
基本的に誰に対しても傲慢不遜な態度を崩さない彼だが、バベッジに対しては敬いを忘れない。
トーマス・エジソン
アメリカの科学者としての知り合い。向こうからは天才として敬意を持たれている。
…しかし、第五章ではヘルタースケルターの技術を転用され、あまつさえ「蒸気より電気」とあちら好みに改造された。
もっともその後、彼が挫折しかかったときに座からモールス信号で「破産するまでは負けではない」と微妙に笑えない励ましを送ってくれる程度には親密である。
アルトリア・ペンドラゴン〔リリィ〕
イベント『セイバーウォーズ』にて宇宙船の部品をめぐって敵対した相手。
死に際には彼女に助言を送っていたが、彼がつい甘くなってしまうという「無垢で聡明な少女」に合致していたからであろうか。
シャーロック・ホームズ
第四特異点にて、人理焼却の真相を暴くために密かに彼に依頼していた。

サーヴァント・ユニヴァース

謎のヒロインX
新円卓における仲間。
コスモカルデア学園では教師と生徒の関係である。
マスター・アグラヴェイン
ヒーローとヴィランとして対立していた宿敵。
長年の戦いの末討ち果たす。
謎のヒロインX〔オルタ〕
コスモカルデア学園での生徒。
彼女の出自についても知っていたが、あえて何も語らず、学園を去ろうとする彼女の前に立ちふさがる。

生前

ヴィクター・フランケンシュタイン
同じ碩学としての知り合い。フランとも面識があるあたり、かなり親密な関係だった模様。
オーガスタ・エイダ
世界初のプログラマー。教え子であり、無二の親友。
なんでも好奇心あふれる瞳に押し負けてあれこれ教えることになったとか。

名台詞

「我が名は蒸気王。ひとたび死して、空想世界と共に在る者」
召喚時の台詞。志半ばに死に、自らが渇望と夢想を昇華した固有結界と化した科学者の名乗り。
「恐れ、嫌悪、憎しみ、嘆き。すなわち、妄念と夢想の具現である、この身である」
マイルーム会話。
「嫌いなものは何か?」と問われての答え。
「見果てぬ夢を、ここに」
「我が空想、我が理想、我が夢想――『絢爛なりし灰燼世界ディメンジョン・オブ・スチーム』!」
宝具開放。生前目指し続け、遂に果たせなかった夢の結晶。身にまとう鋼鉄の鎧その物であり、「有り得た未来」。
「――――呼んでいる」
主人公「助けを呼ぶ声が、聞こえるんだね? 」
「然り」
「この聴覚機関を誤魔化すことは出来ぬ。何故ならば、私には大いなる使命があるからだ」
「――――世界を、守る」
「私の機関が作動し続ける限り、この世界には如何なる悪も存在してはならぬのだ」
「故に、行こう。私を目覚めさせた選ばれし者よ」
蒸気の勇者スチームブレイブよ!」
主人公「行こう、バベッジ!」
「―――――応!!」
幕間の物語、『鋼鐵機動戦記C・バベッジ』にて。もはやタイトルと言い完全にロボアニメかスチームパンクのノリである。
そして主人公にまた新しい称号が(蒸気の勇者スチームブレイブ)加えられることに…。
「しかしあのロケットは未完成、かつ不完全だ。歯車がない、油差しがない、蒸気機関がない。
 以上の問題点から得られる解答は一つ。あの宇宙船は、私に改造されなくてはなるまい」
イベント『セイバーウォーズ』にて、ヒロインXの宇宙船を見ての一言。
彼の時代の少し後には大砲で月まで行くSFが書かれているが、それにしたって宇宙船にも蒸気機関を使うつもりなのだろうか。

メモ

  • 」「音楽家」と際物が多いキャスタークラスについに現れた「科学者」。
    • ただし『EXTELLA』のリリースが遅れたという事情を察するに、本来はアルキメデスの方が科学者サーヴァント第1号になるはずだった可能性もある。
    • 鎧による巨大な外見といい、異様に高いステータスといい、初見でキャスターと理解できる人はそうそういないであろう。また、性格も相当な人格者であり、外道や性格破綻者が多いキャスタークラスにあるまじき善良さである。
  • ファンからの通称は、ほぼ満場一致で「蒸気王」。というか、本人がそう名乗っている。
  • キャラクターデザインを担当したI-IV氏の基本コンセプトは、「山高帽・蝶ネクタイの燕尾服・ステッキの蒸気紳士」らしい。
    • 注文も「蒸気機関で動く紳士ロボ」であり、おおよそ考えられる紳士要素として山高帽と蝶ネクタイの燕尾服とステッキをぶち込んだそうな。
    • 前述のとおり固有結界で生み出された蒸気機関の鎧という設定であるため、人が着れるようにデザインしており、脚部パーツにの内側に人の足が入るような形になっており、胸パーツの中に操縦する人間が入っている。
    • だが手が長い割に下半身が寸詰まりな印象を与えるのは、人の足が入る故に人の関節という制約があり、腕が異形なのは人の腕が入ってないため。
    • デザイナー曰く、残念ながら変形はしないとのこと。もっとも、「彼なら蒸気機関車型のサポートメカを自作して合体してくれるでしょう」だとか。
    • あまりにぶっ飛んだデザインに対し、『氷室の天地』の作者の磨伸映一郎は「ひむてんの最強偉人募集に送られてきそうなデザイン」と呆れ半分にコメントしている。
    • 女性陣からの外見の印象はあまりよろしくないようで、マシュ・キリエライト曰く「寸胴」謎のヒロインX曰く「ヤカン」と散々である。
  • 存在自体が固有結界という点ではナーサリーライムと同一。もっとも、ナーサリーライムのようにマスターに応じて姿を変える訳ではなく「バベッジの夢見た世界」によって確固たる姿を保っているという点では、むしろネロ・カオスに近いかもしれない。
  • Fate/Grand Order』における強化クエストのタイトルは「鋼鐵機動戦記C・バベッジ」。タイトルからして突っ込みどころ満載だが、「蒸気の勇者(スチームブレイブ)」と称される主人公、言動も配役も完全にお姫様扱いのマシュ、老騎士のようなバベッジ、「邪悪ゴーレム軍団」と自分で言ってしまう敵役(おまけに最後に指揮担当の敵がファヴニールに拡大変容する)と内容も凄まじくカオス。
    • おまけに最後は主人公の夢オチ。これで何故宝具が強化されるのであろうか。尚、マシュはこの夢を主人公から聞かされ自分がお姫様役であることにまんざらでもなさそうであった。
      • 強引に解釈するなら「絢爛なりし灰燼世界」はバベッジの夢想・理想によって成り立っている代物である為、主人公のこの蒸気でむせ返りそうな王道物語の夢によってその夢想が補強された…のかもしれない。

話題まとめ

蒸気王
蒸気機関が発達したif世界を描くジャンル、いわゆるスチームパンクでは彼が階差機関の開発に成功したためにヴィクトリア朝時代に計算機科学が大きく発展するという設定が多い。ウィリアム・ギブスンとブルース・スターリングの『ディファレンス・エンジン』などが有名だろう。
バベッジがメインで登場する四章を担当した桜井氏の代表作であるスチームパンクシリーズでも当然重要キャラクターであり、そちらでも《蒸気王》と呼ばれる蒸気機関で動く巨大鎧として登場する。設定作成も桜井氏であることからセルフオマージュだろうか?
しかしこれ出典は史実というよりディファレンス・エンジンや蒼天のセレナリアと言ったほうが適切なのではないだろうか。
優秀過ぎた脳
バベッジの死後、なんと彼の脳は取り出された上に半分に分割され、片方はイングランド王立外科医師会にて保管され、もう片方に至ってはサイエンス・ミュージアムにて展示されている。
本人の死後である点、全体ではなく脳のみである点など差異はあるものの、型月ファンには封印指定を何となく想像させる話である。

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