ヘンリー・ジキル&ハイド

2017年3月26日 (日) 09:20時点におけるウィシャ (トーク | 投稿記録)による版 (→‎メモ)

バーサーカー (フラグメンツ)

  • 真名:ヘンリー・ジキル/ハイド
  • 性別:男性
  • サーヴァント階位:第二位
  • CV:宮野真守

狂戦士」のサーヴァント

略歴
Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』では、1991年の聖杯戦争にてごく普通の高校生の少年、來野巽によって偶然召喚された。マスターの意向から、聖杯戦争開始から玲瓏館陣営を最優先で狙っており、キャスター召喚前に屋敷に侵入しようとしていた。玲瓏館邸が神殿と化して正面から侵入する事ができなくなっても毎夜周辺を徘徊し、キャスターが侵入者を誘い込むために意図的に弛めた結界の綻びから侵入を試みる。そこで幼さゆえの功名心から独断で結界の弛みを直そうと出向いた美沙夜に襲いかかるが、居合わせたセイバーに阻まれ撤退した。
退けられた翌晩に再度の突撃を掛けるも、そこで待ち受けていたセイバー、乱入してきたアーチャーランサーライダーの攻撃を受け、更に愛歌の密命で動いていたアサシンによってマスターをも暗殺されてしまう。霊核を破壊され魔力供給も途絶、満身創痍の状態となりながらもマスターの願いを叶えるため、そして誇りも武勇もない狂獣である自分に「英雄」として接してくれたセイバーに応えるため、最後の一撃を繰り出そうとするが、ライダーの太陽の船から放たれる光の奔流に呑まれて消滅、サーヴァントで最初の脱落者となった。
彼のマスターは神秘の存在も魔術の知識も一切持ちえない一般人で、聖杯戦争の存在を知ったことで「東京に君臨し何かしらの邪悪な儀式を行っている魔術師を倒さなければならない」という使命感と正義感に駆られて行動していた。執拗に玲瓏館陣営への襲撃を行っていたのも、マスターが玲瓏館家こそ諸悪の根源であると信じていたためであった。
人物
整った顔立ちと翠色の瞳を持つ落ち着いた風貌の青年。外見は小説におけるジキル博士よりは若く、高校生の巽よりはいくらか上といった程度。「バーサーカー」という呼称が似合わない穏やかな雰囲気を漂わせるが、宝具の霊薬によって文字通りの狂戦士へと変貌する。
「ハイド」に変わると、狼を思わせる外見、背中を丸めた前傾姿勢、殺意に染まった赫い瞳など、魔獣にも見える異形となり、圧倒的な破壊衝動と殺戮衝動に従って動く。だが完全な獣でもないらしく、セイバーの見立てでは「自ら意図して正気を失っている」との事。また理性を失ってはいるが、マスターやセイバーの気持ちに応えようとするだけの意志は残っている。
生前の自分が悪心に流され、悲劇を引き起こしたことを悔いており、今度こそは「正義の味方」でありたい、という願いを胸に召喚された。しかし、悪の想念の一端として召喚されている自分では正義のために戦うことなど出来ないのだという諦念のようなものも抱いている。
能力
ジキルの状態ではサーヴァントとしての気配を他者に感知されないが、一般人と大差ない程度の身体能力しか持たず、スキルも発動していない。
宝具である霊薬を使用することで反英雄ハイドへと切り替わり、バーサーカーとしての戦闘力を発揮できるようになる。ハイドの状態では狼に似た強靭な顎と鋭い牙、黒い鉤爪を武器とする。何れもただ振るわれるだけで、近代銃火器の一斉射撃でも為しえない程の破壊力を有する。
咆哮には凄まじい音響に加えて、殺意・悪意など他者への負の感情が凝縮されているため精神干渉効果があり、至近距離でこれを叩きつけられると、英霊でない限り精神も肉体も麻痺してしまう。
また自らの正体を隠蔽し、敵対者に対して自分の姿を正確に認識させない、何らかの特殊能力を持つ。美沙夜の見解ではキャスターが使う認識阻害の魔術などと似ているが、違和感や疑念を感じさせない性質を有するため、それらとは異なるらしい。
サーヴァントとしての気配を遮断できるためか、暗殺者としての適性も有している。

アサシン (Grand Order)

  • 真名:ヘンリー・ジキル / エドワード・ハイド
  • 身長:175cm / 体重:60kg
  • 出典:『ジキル博士とハイド氏』
  • 地域:欧州
  • 属性:秩序・善(ジキル) / 混沌・悪(ハイド)/ カテゴリ:地
  • 性別:男性
  • CV:宮野真守

Fate/Grand Order』では「暗殺者」のサーヴァントとして登場。

略歴
Fate/Grand Order』第一部の四章では、西暦1888年のロンドンに居住する科学者として生前の状態で登場する。
本来の歴史では、彼が存在した時間は第四章の舞台となるよりも以前であり、「ジキル博士とハイド氏」もこの時点ですでに刊行されているはずだが、特異点においては事象がズレているのか時代がズレており、出版もなかったことになっていた模様。
正式な魔術師ではないものの、霊薬調合の心得や聖杯戦争に関する知識があり、モードレッドと契約して主人公たちが到着する以前から魔霧の調査やロンドンのパトロールを行っていた。
彼の住んでいるアパルトメントは霊脈の上に位置しているため、四章では主に彼の住居を拠点とすることになる。また、無線を使って各地の協力者と連絡を取り合い、情報収集で活躍する。
その後、特異点の修復と共に本来の時間へと帰還した。
人物
人格の移行に伴い肉体さえ変化する、二重存在者。一人称は「僕」(ジキル)、「オレ」「俺様ちゃん」(ハイド)。
ジキル時は、誠実で理性的な善人の本来の人格となる。物事を深く考えるのが長所でもあるが、短所でもあり、大人しい性格ではあるものの、穏やかな見た目に反して正義感が強く、生前は「人間の内に潜む悪の打倒」について真剣に苦悩し、研究し、立ち向かい、そして失敗した。何らかの理由によって霊基が軋み、自己に対する自信を確立できずにいる。
ハイド時は、道徳心なき快楽主義者な悪の人格となっており、反射的にすべてを傷付けようとする悪意の反英雄と化す。粗暴で粗野、触れるもの全てを傷つけようとする悪意の塊。
誠実な善人として知られていたジキルの中に潜んでいた悪意の凝縮。普段のジキルが善人であったからこそ反動として悪が多く潜みハイドとなったのか、それとも悪の少ないジキルだったからこの程度の悪逆で済んだのかは不明。
基本的に物事を考えておらず、道徳観が無い。目の前にあるものに対して、反射的に行動することが多い。何らかの理由によって霊基が歪んでいると思わしい。
アサシンのクラスでの現界のためか、以前の召喚の折に失ったマスターのためか、ジキルはハイドを制御し切れずにいる。
能力
ジキル時、ハイド時ともに、手に持ったナイフを使い戦う。
別クラスでの召喚であれば、ジキルは殆ど戦闘能力を持たない。『Fate/Grand Order』でジキルがサーヴァントとしての能力を有している理由は、霊基の異常によってハイドの人格及び獣性がジキルへ溶けだしているためと予想される。
精神と肉体がジキルの状態である間は能力値パラメーターが低下、サーヴァントとして感知され難くなる。逆に、「密やかなる罪の遊戯」の使用によって、ハイドとなった際には反動のように能力値が爆発的に跳ね上がる。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
バーサーカー 來野巽 B+ B+ C D D C 狂化:? 変化:?
自己改造:?
怪力:?
無力の殻:?
アサシン 主人公 (Grand Order) C+ E A+ E C C 気配遮断:A 怪力:B
恐慌の声:A
自己改造:D
無力の殻:A

宝具

密やかなる罪の遊戯(デンジャラス・ゲーム)
ランク:C+
種別:対人宝具
レンジ:-
最大捕捉:1人
ジキルからハイドへ、ハイドからジキルへと変身する霊薬。
ハイド時は三騎士クラスをも圧倒する近接戦闘能力を得る。その性質はアサシン時であってもバーサーカーに近い。
幾つかのスキルを付与し、バーサーカー時は、特に高い耐久力をもたらす高ランクの「狂化」と、自分の肉体を状況に応じて最適な形態に変化させる「自己改造」によって、獣化とも言える変貌を遂げて、驚異的な生命力を発揮することが可能となる。この宝具を使用しないとサーヴァントとしては無力に近い。服用には何らかの副作用(リスク)が存在する模様。アサシン時では「自己改造」のレベルが低くなっており、せいぜい髪型が変化し、手足が僅かに長くなった程度となっている。
薬学及び錬金術、そして経年劣化のような幾つかの偶然の結果として精製されたものであり、現代の科学技術や魔術で再現することは不可能。
名前の由来は、ミュージカル版『ジキル博士とハイド氏』で演奏される曲名の一つ。

真名:ヘンリー・ジキル&ハイド

怪奇小説『ジキル博士とハイド氏』の主人公である狂心を宿した紳士、或いは良心に縛られた悪鬼。正確にはその小説のモデルとなった人間。
彼はある資産家の子供として生まれ、賢明で善良な人々の元で育ち、将来も保証された。
だが、彼は「大きな欠点」と称している『耐え難きまでに迸る享楽性』を『浅ましき欲望』をひた隠しにしながら生きていた。
普通の人間が持つソレを病的なまでに恥し、自ら「善行と人徳に満ちた紳士」であろうと生きていた。
やがてある友人と出会ったジキルは仕事をこなすうちに、この真理を確信したのだ。
善と悪。人間とは単一の性質から成るのではなく、二元的である。
同時に、『犯罪世界の皇帝』とも言うべき巨悪が存在する可能性を感じたジキルは悪に魅了され、それからは屋敷にこもって実験を行ってしまう。
科学を用いて、人が有する善悪の要素を分離しようと―――
ジキルは自己の人格から「悪」を切り離そうとしたが、それは叶う事はなかった。むしろ「悪」を形にしたような人格『ハイド』が顕われ、肉体と精神は変質してしまう。
『二重人格者』となって、それぞれの人格の入れ替えを繰り返した彼は、否、ハイドは多くの暴力を振るい続け、やがて倫敦を騒然とさせた上院議員の殺人事件を引き起こしてしまう。
彼は徐々にハイドになってしまう事に恐怖してしまう。だが、人が人である以上、「悪」を切り離すことなど出来はしないのだから。
■月■日。ジキルは変死体となって発見した。彼は、「自滅」という形で酷く錯乱した末に服毒自殺を遂げたのであった。

関連

二重人格
一人の人間が二つの人格を持つ状態。

登場作品と役柄

Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ
バーサーカーのサーヴァントとして登場。
Fate/Grand Order
  • 〔アサシン〕キャラクターデザイン:中原 / 設定作成:桜井光 / レア度:☆3
第四特異点の解禁に伴い実装。第四特異点のクリアボーナスとして一騎確定で入手できる。
ゲームシステム的には、平常時(ジキル)はアサシンクラスとして戦うが、宝具を使用することでバーサーカークラス(ハイド)へ変化する。
Fate/Grand Order 英霊伝承 ~ヘンリー・ジキル/ハイド~
彼の生前の姿が描かれる。
ちびちゅき!
生徒役。
体育祭の仮装競走では『プリズマ☆イリヤ』の格好が嫌だったために薬を飲んでハイドに押し付けるという黒い真似も見せた。

人間関係

Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ

來野巽
マスター。バーサーカーとは主従というよりは友情めいた関係を築いている。
彼と過ごした記憶はよほど印象に残っているのか、『Fate/Grand Order』で登場した際にもしばしば彼について言及している。
玲瓏館美沙夜
彼女を喰おうと襲い掛かるが、セイバーに阻まれる。
セイバー
戦闘を行うが終始圧倒され、劣勢に喘ぎ、憎々しい雄叫びを上げながら撤退を余儀なくされる。
再戦で敗れるが、狂った獣でしかない自分に対して最後まで「英雄」として向き合ってくれた事に感謝する。

Fate/Grand Order

ジキル

モードレッド
第四章で共に行動していた味方。とはいえ、勝手に真名を名乗ったり、お気に入りのソファを使うなどする自由奔放な彼女にだいぶ呆れていた模様。
ヴィクター・フランケンシュタイン
スイス人科学者。
小説のモデルになった同名の魔術師ヴィクター・フランケンシュタインの孫で、彼自身も正真正銘の魔術師。モードレッドの言によれば元素魔術が好きだったという。用心深い老人で、結界や仕掛けで屋敷を防御している。
ジキルとは同じ科学者として連絡をとりあっていたが、主人公たちと出会う前に「計画」に参加することを拒んだせいでメフィストフェレスによって殺害されていた。しかし死の寸前に、「魔霧計画」の存在と、それが「P」「B」「M」という英霊と思われるほど強力な三名の魔術師によるものであることを突き止めている。
フランケンシュタイン
前述のフランケンシュタインの祖父である魔術師が創りだした人造人間で、英霊になる前の状態。ジキルは調査と称して彼女の体をあちこち触ったという。

ハイド

アンリマユ
「この世全ての悪」という規格外の存在の為、「一人の人間の悪性の化身」であるハイドにとっては憧れの対象。

Fate/Grand Order 英霊伝承 ~ヘンリー・ジキル/ハイド~

H氏
英国最高の探偵。生前のジキルは彼が解決した過去の事件の追跡調査などを行う、彼の協力者の一人だった。
彼の使用する資料を作成するため様々な事件を調査しているうちに、それらの事件の中心に「犯罪世界の皇帝ナポレオン」とも言うべき巨悪が存在する可能性を感じたジキルは悪に魅了され実験を行ってしまう。
W博士
H氏とジキルの友人である医学博士。なんらかの作品の発表も行っているらしい。
ガブリエル・ジョン・■■■■
知人の弁護士で、自殺したジキルの遺体を発見した人物。
名前は一部伏せられているが、フルネームはおそらく「ガブリエル・ジョン・アタスン」。原典である「ジキル博士とハイド氏」の登場人物で、物語は主に彼の視点で進行する。
サー・ダンヴァズ・ガルー
原典である「ジキル博士とハイド氏」の登場人物。ハイドによって殺害された。

その他

ヘンリー・ジキル&ハイド
互いに分つことができない自分自身。
ハイドは都合の悪い悪性を全て押し付けて品行方正に振る舞っていることからジキルを殺したいほどに憎んでいる。
ジキルはその時の精神状態によって、ハイドのことは越えるべき業、都合良く利用する相手、嫌悪の対象など見方が変わってくる。

名台詞

Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ

「そう、聖杯戦争は、魔術師たちの性質によって暗闘として定められてはいるけれど、しかし英霊の力は甚大だ。
 荒ぶる神話、伝説の再現として振るわれる彼らの力は、きみのお祖父さんが目にした大戦のそれにも等しいかもしれない。
 激化すれば、東京は文字通りの戦場と化し、多くの人々が犠牲となるだろう。だから、僕は」
「今度こそ、始めから正義の味方・・・・・で在りたい」
かつて、己の心から分離した悪性と対決し、己の命もろともその凶行を止めはしたが既に多くの犠牲を出した後だった、という生前に対する悔恨が言わせた言葉。
サーヴァントとしてこの世に再び降り立ったことで過去の悔いを晴らす機会を得、その志を快く肯定してくれるマスターもいる。もはや聖杯に願わずとも望みは叶っている──そう、思えていたのだが。
(きみの教科書を読ませて貰ったからね。いや、すまない)
(そうだね。ただ、宇宙空間でさえも人は宇宙服という叡智で生命を繋ぐことを可能としている。
 同じように、とはいかないけれど、僕はサーヴァントという性質によって死の森を進むことができる。
 対魔力スキルこそ所有していないが)
狂化していない状態では並の人間以上の知性を持ち合わせ、聖杯に与えられた以上の現代社会に関する知識を多々吸収している。
それはそうとして、そのスキルのあるなしが聖杯戦争においてはわりと即ちデッドオアアライブ。

Fate/Grand Order

「飲むしか……ないのか! ……来た、来た来た来た来たァッ!」
宝具発動。ジキルから反英雄ハイドへ入れ替わる霊薬を飲む。
「僕は、人の善と誠実を信じる。けれど俺はァ、人の悪逆をこそ愛する……!」
「俺はァ、人の善と誠実を憎む……! けれど僕は、人の悪逆をこそ憎む」
マイルームでの会話。会話の最中に、二つの人格が入れ替わりジキルがハイドを御し切れていないのが分かる。

メモ

  • フランケンシュタインに続く創作小説のキャラクターが英霊化したサーヴァントである。またその性質上真名が二つある珍しい英霊。
  • 名前こそ伏せられているがH氏とW博士とはシャーロック・ホームズとワトソン博士、犯罪世界の皇帝とはモリアーティ教授のことだと思われる。
  • 宝具を使い続けると発生する副作用は2017年1月現在明言されていない。原作を考えると、「無意識の内に勝手にハイドに変わってしまうようになる」「ジキルに戻る為にも薬を服用する必要が出てくる」「むしろハイドに変身しない為に定期的にジキルに戻る薬を飲み続けないといけなくなる」あたりだろうか。戦力が欲しいマスターにとってはともかく、本人にとってはいずれもロクなものでないことは確かそうである。

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