クロエ・フォン・アインツベルン

クロエ・フォン・アインツベルン

  • スペル:Chloe Von Einzbern
  • 誕生日:7月20日
  • CV:斎藤千和

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』に登場する、もうひとりのイリヤスフィール・フォン・アインツベルン

略歴
任務中、危機におちいったイリヤから突然分離して誕生した、もうひとりのイリヤ。オリジナルを殺害してそれに成り代わろうとするも、罠にかかって捕らえられ、遠坂凛の施したイリヤとの痛覚共有の呪いによって一旦は諦める。
元が同一の存在であり、名前も同じ「イリヤスフィール」を名乗ったが、ややこしいので凛が「クロ」と命名(肌の色がイリヤと違って浅黒いことに由来)。その後、周囲の人々にその存在が知られるに際し、「クロエ・フォン・アインツベルン」を名乗った。ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトと取引をし、騒ぎを起こさない代わりに捏造された戸籍等を入手し、イリヤの従妹として学校へ通うことになる。通称は「クロ」のまま。
しばらくはエーデルフェルト邸で暮らしていたが、イリヤの不用意な一言で再び敵対。美遊・エーデルフェルト、そしてイリヤと戦う。
しかし、突然現れた母・アイリスフィール・フォン・アインツベルンの仲裁?により対決は中断。行き場のない憤りの矛先を母に向けるも、魔力が枯渇しかかり、存在が消えそうになる。最終的に、イリヤからの魔力供給ともともと持っていた聖杯の力の発現によりなんとか事なきを得た。
その後はアイリのはからいで、正式に家族として衛宮家で暮らすようになる。
人物
もともとは、まだ赤ん坊だった頃に、アイリによって力と共に封印された「本来のイリヤの人格(生前から施された魔術的処置により、赤ん坊ながら自我と様々な知識を有していた)」。イリヤが危機におちいった際、封印が一時的に解かれ、危機を回避した後に再封印される、というプロセスを経るはずだったが、円蔵山の地下大空洞の地脈逆流時に危機を回避しようとした際、地下に眠っていた『大聖杯の術式』の力により「弓兵」のクラスカードを核として受肉化した。
顔の造りはイリヤと同一だが、「弓兵」のクラスカードを触媒に現界している影響のためか、イリヤと違って肌が浅黒く、髪もより銀に近い色合いになっている。当初は髪型も一緒だったが、クロエと名乗るようになってからは左側頭部の髪をまとめたものに変えている。アーチャー化すると髪は後ろにまとめたものに変化。基本ラインは一緒だが、イリヤがアーチャー化したものと衣装も異なる。デザインイメージは割れたハート
封印中もイリヤとは記憶を共有していたらしく、分裂直後でも美遊といった周囲の人々のことは把握している。性格の基本骨子はイリヤと同じだが、「もしイリヤが魔術師として育っていたら」という存在であるため「stay night」本編のイリヤに近い性格で、小悪魔的な言動が多い。キス魔で同性に対して非常にアグレッシブで、イリヤの周囲の女子5人のファーストキスを奪った。
封印の反動か、「日常」や「家族の愛情」といったものに飢えており、最初にイリヤの命を狙ったのもそれを手に入れるための手段であって、イリヤを憎んでいたというわけではない。家族として暮らすようになってからは、義兄・衛宮士郎に積極的に迫っては、イリヤと喧嘩する。
ちなみに、イリヤとどちらが姉でどちらが妹かを争っているが、決着はついていない。
能力
現界の触媒であるアーチャーのクラスカードによって英霊化の状態にあり、身体能力は人間以上。アーチャーの能力である投影魔術を苦もなく発揮し、その戦闘能力は高い。アーチャー以上に『壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)』を使いこなし、刀剣で壁を作るなど機転が利き、三人の中で最も状況判断が優れている。
また、限定的ながら願望機である聖杯の能力も持っていて、望んだ魔術を理論や過程をすっ飛ばして行使することが(クロの魔力の及ぶ範囲で)可能。投影魔術を苦もなく行使できるのは英霊化だけでなくこの力による物であり、また大抵の拘束魔術は無効化し、転移魔術も操れる。
しかし、その肉体は魔力によって維持されており、何もしなくとも常に消費されているため、枯渇する前に何らかの方法で魔力を補給しなければならない。クロがキス魔なのは対象から魔力を奪うため。キス以外にも魔力補給の手段はあるらしいが、それを耳打ちしたイリヤには「変態」「不潔」と罵られ、拒否された。なお、一般人に比べイリヤからの魔力供給は10倍ほど効率がいいらしく、日常的に多くの人にはお見せできないやりとりを行っている。

投影宝具

干将・莫耶
ランク:C-
錬鉄の英雄を象徴する双剣。元は古代中国、呉の刀匠であった干将と妻・莫耶によって作られた夫婦剣。アーチャーが使っている物と同性能で、干将莫邪の互いに引き合う性質を利用した、連続投影及び投擲と斬撃による3つの☓の重ね当て「鶴翼三連」も使用可能。だが最も使用頻度の多いこともあって壊されることが多い。
偽・射殺す百頭(フェイク/ナインライブス)
ギリシャ最大の英雄ヘラクレスの武練と斧剣の再現。
美遊との戦いで、彼女の弾幕を斧剣で防ぎながら距離を詰めるために使用された。
偽・偽・螺旋剣(カラドボルグⅢ)
ランク:不明
元はケルトの英雄フェルグスの愛剣で、アーチャーがオリジナルからアレンジした「偽・螺旋剣(カラドボルグII)」の、さらに劣化品。とは言え威力は絶大で、真名解放して放たれれば空間をも捻じ切る。
聖剣・約束された勝利の剣(エクスカリバー)
現状、クロが使える最強の攻撃。
黒化ギルガメッシュに対しては「壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)」を使って攻撃を行い、イリヤを喝を入れるための戦いでは刀剣として使用した。だが黒化ギルガメッシュには防がれ、イリヤには真作のエクスカリバーによってへし折られている。
かつてアーチャーのカードを夢幻召喚したイリヤは『願望機』としての恩恵によって、本来不可能な筈の完全な再現と真名解放をやってのけたが、クロエの投影は分離の影響によって能力が低下しており、彼女曰く「偽物できそこない偽物ハリボテ」しか作れない。
熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)
ランク:不明
ギリシャの英雄・アイアスが使った、投擲武器に対する絶対防御の概念を持つ盾。
花弁一枚が城壁と同等の防御力を持ち、本来は七枚展開されるが、現状のクロでは花弁4枚までの展開が限界とされている。

登場作品と役柄

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
第二部に当たる「2wei!(ツヴァイ)」から登場。主人公イリヤスフィールから分離したもう一人のイリヤであり、その出自を含めて謎が多いキャラクター。
とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦
とにかく酷い目に遭う。声や体の色が変になったり、変質者に目をつけられたりと、もう散々。

人間関係

イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
もうひとりの自分。
美遊・エーデルフェルト
色んな意味でお気に入り。キスの相性がいいらしい。
美遊の方も彼女に濃密なキスをされても実は嫌がっておらず意外と悪くなかったらしい……。
バゼット・フラガ・マクレミッツ
初めて会った時にいきなり襲われ、その怪物振りから「バーサーカー女」という仇名を付ける。
ただ相性自体はそう悪くないのか、平行世界に迷い込んでからは相棒の様な関係になる。
アイリスフィール・フォン・アインツベルン
ママ。
衛宮切嗣
パパ。
衛宮士郎
義兄。ただの兄以上の感情を持っているらしい。
桂美々
魔力補給のためキスをする。この行動によって、美々は取り返しのつかない世界へ歩み始める。
覚醒後の美々の趣味には一定の理解を示す。特にノート12冊分の士郎と柳洞一成の小説に興味津々で、どっちが攻めなのか気になってしょうがない。

名台詞

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ2wei!

「油断してたら殺しちゃうからねお姉ちゃん」
「じゃーねー」
可愛らしい笑顔でイリヤへ宣戦布告。
「逢いたかったわママ 十年前…」
「私を『なかったこと』にした素敵なママ!」
「――んない」
「わかんないよ…自分わたし感情きもちが…わからない」
自分を勝手な理由で封印したアイリを恨み攻撃を仕掛けるがイリヤに邪魔され咎められる。だがクロエ本人も自分の気持ちが分からず混乱していた。
切羽詰ったクロエはアイリに「いらっしゃい」と腕を広げられ――
「わたしの居場所はどこにあるのよ!!」
自分が生まれた理由である聖杯戦争がなくなり、家族にとっての『イリヤ』も自分ではないという現状にクロエは涙する。
「消えたくない…!」
「ただ」
「生きていたい…!」
激昂したクロエは魔力を暴発させて消滅しかけるも、イリヤに本心を問われて生への渇望を叫び、救われる。
「はいはい、写さないわよ。ノートの名前をクロに書き換えて提出するわ」
単行本「ツヴァイ!4巻 特典CD」ズルを通り越して悪魔の所業を行おうとするクロエ。ジャイアンも真っ青である。
「それじゃあ始めましょうか、私たちの聖杯戦争を」
同上。小学生3人が士郎を巡り戦闘態勢である。その頃、高校生たちは――。
「三人、平等に愛して!お兄ちゃん!」
同上。義妹含む3人の女子小学生に性的な意味で襲撃されて士郎くん社会的に大ピンチ。凛とルヴィアと一成を見て平常心を取り戻したかと思ったらそんなことはなかった。
「行き遅れのヒスのはけ口にされちゃたまらないわ……」
藤村大河に説教されている時に思わず出てしまった大暴言。当然タイガは激怒し、大量のおしおき問題を出されるハメに。なお、この時のタイガは怒りのあまり無表情になっていたとのこと。
「ファミレスでKくんに別れを切り出したT子ですが、Kくんはそれに応じませんでした。
 親友N子との件についての釈明をKくんの立場から80文字以内で書きなさい」
タイガから出されたおしおき問題・国語編。昼ドラみたいな小説を100ページも読まされた末に、この問題である。どう考えても小学生に出す宿題ではない。
なお、KくんT子N子には、どこかで見たような面々がキャスティングされている。
「だからってKくんの浮気が正当化されるわけじゃないでしょう!!」
当初は昼ドラみたいなと内容と呆れていたのにいつの間にかイリヤや美遊と熱くなっていた。

Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ3rei!!

「…知らない世界にひとりぼっちの寂しさも、とても敵わないような敵への恐怖も、ミユは口にしなかったわ」
「あなたが今抱えてる不安は、恐怖は、かつてミユがわたしたちの世界で抱えていたものよ」
「どれだけ心細かったか、怖かったか…今ならわかるでしょう?」
「でもミユはそんな気持ちを、ついに誰にも打ち明けなかった」
「あの子の友だちだって言うなら、わたしたちは弱音なんて吐いちゃだめなのよ」
「ミユを助け出して、あの子がちゃんと自分の口で…わたしたちに弱音をこぼしてくれるまでは」
自分の存在を涙ながらに喜ぶイリヤの姿に胸を打たれたクロだったが、そんな状態では美遊を助けられないかもしれないと感じ、イリヤと一対一で戦う。そこでイリヤが漏らした本音に、それはかつて美遊が感じていながら必死にこらえていたものだと諭す。
そんな美遊を助けるのだから、自分たちは弱音を吐いてはいけない――そう言いつつも、クロの顔に浮かぶのは決意ではなく哀しい笑み。まるで、何故美遊の気持ちをわかってあげられなかったのかと自分を責めるような――
「……神の鎚だかなんだかしらないけど…ブッとばしてやりなさい!」
「人の願いは、神様にだって届くんだから…!!」
弱気になっているイリヤに発破をかけるクロエの力強い言葉。イリヤのその手に握られた星の聖剣は、そう簡単に折れはしない。

とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦

「YES、子供!NOタッチ!」
プリヤ陣営ルート。襲ってきたキャスター (第四次)雨生龍之介の変態コンビを叩きのめして。
この作品のクロはとにかく不遇すぎる……。
「口調がいつものおバカっぽい感じじゃないわ!冗談にしても酷いわよママ!」
「確かにイリヤ達の格好は恥ずかしいけど、ひどい言い草じゃないパパ!?」
自分とイリヤを「娘じゃない」と言うアイリと切嗣に対して。「おバカっぽい」とか「イリヤ達の格好は恥ずかしい」とかドサクサに紛れて言いたい放題である。また、かく言うクロの衣裳も、赤原礼装をアレンジしたかなり露出の多いものだったりする……。ちなみにプリヤ陣営の脚本はプリヤ原作者のひろやまひろし氏である。
「そっちがその気なら……本気の反抗期、見せてあげるわ!」
娘だと言っても理解してくれない両親に対して。
「もーやだー!なんでわたしばっかこんな目にー!」
日頃の行いが祟ったか、花札出演時にて謎の被害(声がポポポポと電子音になる、体が一人だけモノクロ)に見舞われる。聖杯温泉に入る事で無事元に戻った…と思われたが、イリヤと美遊も同様のことを願った結果効果が三重になり、肌が赤や緑になるわ声がエコーやステレオ音声になるわでただで終わらず。ついでに勝利時の一枚絵ではイリヤのステッキであからさまに顔が隠れてしまっている。

メモ

  • クロ本来の機能を発揮すれば、凛によって施された痛覚共有の呪詛を祓うのは可能なはずだが、なぜか長期にわたってそのままにしていた。どうも、イリヤとの繋がりを断ちたくなかったためらしい。
  • 本家のアーチャー同様、すべての攻撃・防御の基点が投影魔術にあるため、魔術封じに非常に弱い。実際、五大元素をすべて練りこみマナを不活性化させる「秩序の沼」に嵌った時は底なし沼で死にかけた。
  • アーチャーの能力は全て使えるはずだが、『ドライ』四巻時点まで一度も「無限の剣製」を使用していない。大量の魔力を必要とする為あえて使っていない(もしくは可能性のうちに入らない)のか、アンジェリカが指摘したように、カンニングの反動でアーチャーの能力の本質を理解していないのかは不明である。
  • エーデルフェルト邸で暮らしていた際に、ルヴィアからけっこうな額のおこづかいをもらっていたらしい。
  • その同性に積極的な姿勢からか、ボーイズラブにもある程度理解がある。美々の腐女子具合を知ったイリヤはBLをやめてほしいと思っていたが、クロエの方は最初から受け入れている。どうもインターネットから大量にそういう知識を仕入れたらしい。
  • クロ役の声優・斎藤千和女史は、TYPE-MOON関連作品では他に、キャスター (EXTRA・青)Fate/EXTRA)、玲瓏館美沙夜Fate/Prototype)も演じている。同じ声優が何度も出演すると演じたキャラ同士の違いが曖昧になってくるものだが、斎藤千和女史の演技力によって、それぞれ全く異なるキャラクターとして完成している。

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