ヘシアン・ロボ
新宿のアヴェンジャー[注 1] | |
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真名 | ヘシアン・ロボ |
外国語表記 | Hessian Lobo |
異名 |
狼王ロボ スリーピー・ホロウ |
性別 | 男性・雄・男性 |
身長 | 181cm(首は除く)[注 2] |
体重 | 99kg(首は除く) |
好きな物 | なし |
苦手な物 | なし |
天敵 | 人間[注 3] |
出典 | 伝承、史実、小説 |
地域 | アメリカ |
属性 | 混沌・悪 |
一人称 | 人称なし[注 4] |
二人称 | 人称なし |
三人称 | 人称なし |
声優 | 竹内良太 |
デザイン | 下越 |
設定作成 | 東出祐一郎 |
レア度 | ☆4 |
初登場作品 | Fate/Grand Order |
概要
「騎兵」のサーヴァントとして登場。後に「復讐者」のサーヴァントへとクラスチェンジする[注 5]。
- 略歴
- 『Fate/Grand Order』亜種特異点Ⅰ『悪性隔絶魔境 新宿』では西暦1999年の新宿において召喚された幻霊。
- 主人公が特異点に来る前は新宿で人間を食い殺して回っていた。主人公の到着後は彼らと幾度か交戦を繰り広げ、一度撃退されて大ダメージを負った後はさらにもう1体の幻霊「ジャック・グリフィン」を取り込みクラススキル「透明化」を得た[注 6]。
- 最終的にはロボの最期の逸話を利用した白い狼(犬)とトラバサミの罠へとかかり、機動力と透明化能力を封じられて倒される。
- 人物
- 3mを超す巨大な狼とそれに跨った首無しの騎士。
- バーサーカーのように言語能力を失ったのではなく、最初から人語を話せない。乗り手が主ではなく、狼の方が主。
- ヘシアンは頭が無いため会話は出来ないが、ヘシアンにマスターを背に乗せるようにロボが命じれる程度には意思疎通は出来ている。
- 生前のある出来事がきっかけで人間を憎んでおり、その憎悪は海より深く、同じく悪のモリアーティに呼ばれたサーヴァントに対してすら心を許していない。
- 人を喰らうのは、空腹を満たすためではなく、直接的な憎しみからである。
- 「悪性隔絶魔境 新宿」では憎悪に呑まれた事で生物から逸脱した存在と化し[注 7]、自分の望みを忘れてしまった。
- 後にアナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァの幕間の物語『極氷封印/漂着する魂は』で夢の中で全員会話可能になっていたようだが、ロボには喋る気がなくグリフィンは喋れなかったためヘシアンが喋っていたが、「故郷にはあまり執着がなく、首無しジョークをしばしば口にするお調子者だが、契約を重視して敵には容赦しない傭兵気質」という意外過ぎるヘシアンの性格が明らかになった。
- 能力
- 狼の方は時速200キロという物凄い速さで追跡する他、名前に反して強力な「スーパーキメラくん」を一撃で噛み砕く咬合力を持っている。霊基再臨するとヘシアンの剣を口に咥える。
- 首無し騎士は、基本的に首狩り鎌の様な剣を携えて振り回すのみであるが、霊基が強化されていくと外套が鋭利で伸縮自在な青黒い刃に変質し、あらゆる対象を瞬時に八つ裂き可能となる。
バリエーション
DOGポリス
イベント「デスジェイル・サマーエスケイプ!」に登場する敵キャラクター。メイヴ監獄長によって生み出された存在であり、外見はほぼ同一だが「ヘシアン・ロボ」とは完全に別の個体[注 8]。
詳細は「DOGポリス」を参照。
ステータス
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
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ライダー | - | ? | ? | ? | ? | ? | ? | ? | ? | |
アヴェンジャー | 主人公 (Grand Order) | A+ | B+ | A+ | E | D | B+ | 復讐者:A 忘却補正:B 自己回復(魔力):B 透明化:D- |
堕天の魔:A+ 怪力:B 死を纏う者:A 動物会話:A 郷愁の白狼:EX |
透明化、動物会話は『FGO material Ⅴ』で言及されるのみ。 強化クエストクリアで「怪力」→「郷愁の白狼」に変化。 |
宝具
- 遥かなる者への斬罪(フリーレン・シャルフリヒター)
- ランク:C
種別:対人宝具
レンジ:1~5
最大捕捉:1人 - 二人の復讐心を形にした憤怒の断罪。一撃で首を刈る、絶殺宝具。
- ヘシアンが手放した死神の鎌の様な剣をロボが咥え、それと同時にヘシアンの外套が無数の刃へと変化する。ヘシアンの外套の刃とロボが噛み締めた剣による同時攻撃。
- 因果を逆転するほどの力は持たないものの、宝具のレンジ内で微妙に世界への偏差を加える事によって「首を刈りやすくする」状況を形作る。
- 『Grand Order』では「自身に必中状態を付与[注 9]&敵単体に超強力な攻撃&敵単体を中確率で即死[注 10]」という効果のQuick宝具。
真名:へシアン・ロボ
へシアン・ロボ。「スリーピー・ホロウ」の逸話で知られるドイツ軍人「ヘシアン」、シートン動物記で有名な「狼王ロボ」、創作上の人物である透明人間「ジャック・グリフィン」という三つの幻霊が結合した、極めて特異な複合型サーヴァント。
しかし英霊に到れなかった彼らに成立する理由はなく、サーヴァントとして召喚される事はない。
そもそも生前全く縁のなかった者同士がパートナーとして結合する事はありえないが『悪性隔絶魔境 新宿』の特性により召喚できた。
新宿の特異点化により、一時的にサーヴァントとして召喚されるようになった彼らは決して人間に靡く事はない。
過去は変えられず、人と獣が寄り添う事も出来ない。マスターに可能なのは「目を逸らさずに向き合う事」だけだろう。
- 狼王ロボ
- 狼王ロボは実在したハイイロオオカミ(諸説あり)、『シートン動物記』に取り上げられたことで一躍その名が広まった。
- 当時のアメリカにとって、狼による家畜の被害は甚大であり、アメリカの広大な放牧地カランポー平原を荒らしまわり、五年間に二千頭もの牛を殺し、一晩で二百五十頭近い羊を食いもせずに殺したと伝えられている。
- 当然、狼の縄張りに踏み込んで牧場を作ったのが原因であるが、人間は狼を狩って狩って狩りまくっていた。何故なら、家畜を育てねば生きられない人間がいるのも事実だから。
- ロボに家畜を食い殺された牧場主は毒薬や銃、罠などあらゆる方法で彼を仕留めようとしたが、ロボはそれらを意にも介さなかったという。
- あまりに賢すぎて名高いハンターが「悪魔の化身」と恐れたロボに対し、雇用されたシートンはロボではなく彼の妻、白い狼ブランカを利用することを思いつく。
- 好奇心旺盛な彼女はトラバサミに引っかかってしまい、その上で人間たちに殺された。ロボはブランカの死体を求めるも、罠に掛かってしまった。
- 捕縛されたロボは人間からの餌を拒んで、人を憎みながら死に絶えたという。
- ヘシアン
- ヘシアンとはアメリカに伝わる唯一無二の御伽噺であり、首無し騎士。
- しかしそれは固有の人名ではなく、英国政府に雇われてアメリカ独立戦争で活躍したドイツ人傭兵たちの総称。「ヘシアン(Hessian)」は「ヘッセンの人」という意味であり、傭兵たちがヘッセン大公国出身であることに由来する。
- ロボに騎乗するこの名も無き傭兵もその一人であった。だが、大砲の弾を頭に食らって吹き飛んだ彼は、自分が死んだことを自覚せぬまま、微睡みの窪(スリーピー・ホロウ)を彷徨っている、と伝わっている。
- なお頭部がないためしゃべることは不可能なのだが、モノローグなどを見る限りかなり社交的で明るい性格をしている様子である。
- ジャック・グリフィン
- H・G・ウェルズの小説『透明人間』に登場する、自ら発明した「肉体を透明にできる薬」で透明人間になってしまった科学者。
- 彼は「透明化」という要素だけを抽出されてしまった概念礼装に近い存在であり、表に出てくる事はない。
登場作品と役柄
Fateシリーズ
- Fate/Grand Order
- 亜種特異点Ⅰ『悪性隔絶魔境 新宿』の解禁に際して真名を伏せる形で実装。
- マンガで分かる!Fate/Grand Order
- 『ますます』にて、ちびっこ王国のメンバーに何故かサンタクロースに「子犬」としてプレゼントされた。
- 後に両親がイチャイチャしっぱなしで子供達をネグレクトしていた際にはちびっこ王国の親代わりになっていた模様。
その他
- ちびちゅき!
- 所属不明。「ずきんちゃん」の回では狼役として別の灰色ずきんストーカーをしばき倒した。
人間関係
Fate/Grand Order
- 主人公 (Grand Order)
- マスター。憎しみを抱いている人間であるため、容赦なく威嚇している。
- 極めて気難しく、なかなか心を開こうとしないが、辛抱強く接していけば徐々に心を開き、最終的には笑顔を見せる。
- ただし、ふて腐れると透明化して逃げる。
- ロボとヘシアン
- 人格としては一つの霊基に別個に存在する。
- ヘシアンは首がないせいもあろうが、基本的に攻撃の補佐役でしかなく主張も少ない。しかしロボが瀕死にまで追い詰められた状況では、ロボを庇う意志を示してみせた。
- ロボは人だったものを乗せる事に内心嫌悪があるが、上記の通りヘシアンは何も語らず、補佐に徹する為まあいいだろうと受け入れている。
- カヴァスⅡ世
- 亜種特異点Ⅰにて、新宿に召喚されたアルトリア・オルタが飼っていた白い子犬。
- ただの犬は蹴散らす対象に過ぎないと彼は独白で語るが、最早擦り切れた生前の記憶の白い毛並の妻をカヴァスⅡ世を囮とした捕獲作戦で思い起こすこととなる。
- 霊核に致命傷を与えられ、騎乗者のヘシアンも先に去り、敗走したロボは一頭寂しく果てるものだと自負していたが…。
- サーヴァント全般
- 基本的にロボは「あらゆる人間サーヴァント[注 11]」に対して警戒しており、敵対した場合「邪魔な障害物」程度に認識している。
- また、鬼種の酒呑童子と茨木童子に対しても異なる意味で警戒している。
- 騎士系サーヴァントたち
- 首を失っても戦い続けるヘシアンに哀れみを抱く者や敬意を抱いている者もいる。
- エルキドゥ、メカエリチャン、メカエリチャンⅡ号機
- 「完全な人間ではないサーヴァント」なので、わずかに警戒を緩めている。
- ナーサリー・ライム
- 同上。
- ただ、ヘシアン的にはハロウィンだからと中に蠟燭を入れたカボチャを頭に乗せようとするのはやめてほしいとか。
- アヴィケブロンの幕間ではへシアン『ロボ』という名前だからという理由でロボットトーナメントに強引に参加させられた。
- ジャック・ザ・リッパー、ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ
- 「ナーサリーだけが共にいる事を許されるのに、ズルい」と少しばかりロボに不満を抱いている。
- ボイジャー (Grand Order)、太歳星君
- 期間限定イベント『ミスティックアイズ・シンフォニー』で共演。
- ロボとしては「機械」「菌類」の分類だからか、あまり嫌がっておらず一緒に昼寝していた。
マンガで分かる!Fate/Grand Order
- アルテラ・ザ・サン〔タ〕(アルテラ)
- どういうわけか「子犬」としてナーサリー達にプレゼントされた。
- ナーサリー・ライム、ジャック・ザ・リッパー、ポール・バニヤン
- 不在がちの両親に代わって育てたちびっ子サーヴァント達。
- 後に無軌道な彼女達の行き場のないエネルギー(とそれに巻き込まれたジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ)と一体化して「ちびっこ王国のアヴェンジャー」になった。
ちびちゅき!
- スヴィン・グラシュエート
- 森の中で、グレイずきんちゃんをストーキングしていた所を張り倒した。
- エルキドゥ
- 文化祭では彼の開いた動物喫茶に参加。
- 『Fate/Grand Order』でも、バレンタインイベントにてロボの意図を彼が推測して述べていた。
- パツシィ
- 彼の山岳救助活動を、ジェロニモのコヨーテと共に手伝っていた。
生前
- ブランカ
- ロボのかつての妻。スペイン語の「白」を意味する美しい白毛の雌狼。厳格な社会性の狼の群れにあってロボが唯一心を許した存在。
- ロボの妻であるだけあってそれなりに知性も高く罠を掻い潜れていたが、シートンに生け捕りにされ、絞め殺されてしまう。
- アーネスト・トンプソン・シートン
- ロボの復讐の最たる対象の人間。或いは物語としての存在の生みの親。博物学者。事実狼駆除運動に参加した。
- ブランカの死で我を忘れたロボを見事罠に陥れたが、やがて檻の中で暴れるのをやめ、水も餌も拒絶し餓死したロボに最後は深い敬意と罪悪感を感じた。
- イカボッド・クレーン
- 「スリーピー・ホロウ」の話にて、首無し騎士と対峙することになる主人公。
- 本家の話ではただの口の達者な教師であり、最後はやり込められる側なのだが、名前が特徴的な為かその後の様々なスリーピー・ホロウ関連の創作で主要人物として名前が使われている。
- ネロ・カオス
- 経緯は不明だが、ロボの因子はネロの固有結界に加えられた。
名台詞
Fate/Grand Order
概念礼装
- ―――瞼を開けば、そこは遥か彼方の荒野だった。
懐かしい土の感触、
耳をくすぐるそよ風、
踊るように跳ねる、愛しき存在。
今はもうない、失ってしまった遠い思い出。
奪われたのではなく、捨ててしまったはずのもの。
連れてきてくれた何者かに、感謝を。
人と獣は分かり合えず、相対すれば殺し合う運命だ。
その運命を理解していながら、それでもなお。
それを良しとしなかった君へ伝えよう。
ここがわたしの、生きた場所なのだと。 - 絆礼装「彼方の荒野」のフレーバーテキスト。
レイシフトに加え何らかの手段を使い、ブランカとの再会も果たすことが出来たらしい。
亜種特異点Ⅰのロボの独白では一人称が「俺」であり、アヴェンジャー化も合わさり非常に荒々しい口調であったが、こちらでは穏やかで理知的な口調となり一人称も「私」となっている。
「悪魔が智慧を授けたような」というのはあくまで人間の評である。
穏やかな口調の中に見える理性を以て群れを守り導いた、この姿こそが本来の"狼王"であったのかもしれない。 - 一方、絆礼装なのに影が薄いどころか微塵も記載の無いヘシアンとグリフィン博士は泣いていい。
片方は泣こうにも泣く頭が無く、もう一人は泣いてもそもそも見えないとか言ってはいけない。
- ただ走りたかっただけ。
ただ、名も知れぬ草原を疾駆したかっただけ。
そしてまた、自分の上に誰が乗っていようが
どうでもいいことだ。
心地良い風を感じただろうか?
臓腑が跳ね上がりそうな感覚を味わっただろうか?
……楽しかっただろうか?
まあ、どうでもいいことなのだが。
あの強烈で痛烈な甘いだけの香りの返礼には、
なっただろう。
本当に、どうでもいいことなのだけど。
おまえの記憶に強く残ったのであれば、
それを少しだけ誇りに思う。 - バレンタインイベントのお返し礼装「疾駆する」のフレーバーテキスト。
- 狼に毒であろうチョコをヘシアンに通じて主人公に渡させようとしたのは[注 12]、ロボにとってチョコレートは未知の匂い。
- かつての過去を思い出す肉でもなく、かつての過去を思い出せない土でもなく、何も思い出させないチョコの香りが心地良かったのだ。チョコを渡した主人公へのお礼として、自分の上に乗せて名も知れぬ草原に疾走させた。
- ヘシアンは主人公にコミュニケーションをとったりするなどそれなりに見せ場はあったものの、グリフィン博士は影も形もない模様。
そもそも光が透過するので影ができないとか言ってはいけない。
その他
- 「超大型犬であるため、朝夜合計四時間の散歩は欠かさないようにしてください。運動不足になると、イライラした目付きでこちらを見つめてきます。
また、毎日のブラッシングを欠かさないようにしましょう。犬の躾には自分が上位であることを示す必要がありますが、
この犬は下剋上が大好きなので上位であることを示した瞬間に叛逆してきます。がぶがぶ。」 - エイプリルフール企画『Fate/Grand Order Gutentag Omen』でのテキスト。ただの大型犬の飼育方法である。
そしてどこぞの叛逆大好きマンみたいな特徴が付いた。
メモ
- 亜種特異点Ⅰで追加された3体のサーヴァントは全員当初は真名が伏せられていたが、その中でも彼らは実装前に明かされた情報がその見た目と「相互理解など不可能。此処に居るのは、憎悪を撒き散らす獣なり」という設定しかなかったため、極めつけに真名当てが難しかった。
- 追加された3番目の幻霊については、作中で明言されていないが、「透明化」する能力を持つ「科学者」であること、そして高い推理力を持つモリアーティが「ウェルズのアレ」と推測していることから、H・G・ウェルズの小説『透明人間』の主人公、科学者グリフィンの幻霊であると推測されていた。その後、『FGO material Ⅴ』でようやく「ジャック・グリフィン」であることが判明した。
- また、性別が「男性・雄・男性」と3人分書かれていることから(それ以外の部分では一切触れられていないものの)カルデアに召喚されたヘシアン・ロボにもグリフィン博士の幻霊が融合していると思われる。
- グリフィン博士が開発した透明化の薬は「肉体」は完全に透明化が可能だが、「衣服」は不可能。よってグリフィン博士がこの霊基に共にいるとすれば、全裸である可能性が高い(グリフィン博士は原作で寒空の下全裸で自身を隠遁し犯罪を実行したりもしている為、同じ事を幻霊になってからやっていてもなんらおかしくない)。
- また、性別が「男性・雄・男性」と3人分書かれていることから(それ以外の部分では一切触れられていないものの)カルデアに召喚されたヘシアン・ロボにもグリフィン博士の幻霊が融合していると思われる。
- 悪を押しつけられた存在だったり、復讐の体現者だったり、憎悪する対象が神だったり、憎悪自体が偽りの贋作だったりと、性格や行いに問題はあれど何だかんだで人類そのものに対しては意外なほど憎悪を向けないアヴェンジャーの中にあって「本気で人類そのものを憎悪している」という正統過ぎて一種の特異点になっているサーヴァント。
- 後に『FGO material Ⅴ』にて公開された情報でも、彼らは「正義を以て制裁するアヴェンジャーではなく、憎悪を以て復讐する存在である」と明言された。
- 恨みを乗り越えた後のバーヴァン・シー曰く、彼は自分の記憶すらも復讐者としての自分を維持するための燃料として削りながら恨み続けているらしく、同じ様に自身を虐げた者たちへの恨みを抱えていた彼女からも半ば同情、半ば引き気味の反応を向けられるレベル。
- 『Grand Order』でも、幻霊であることを差し引いても到底カルデアの召喚に応じるとは思えない。事実、絆レベルを上昇させてもほとんど懐いてくれない。
実際の所は人類を許した訳ではなく、人と獣は相容れないという運命をよしとせずに力を尽くそうとした主人公を微かにでも信頼してくれたからである。それでも信頼の感情は本物であり、最終的には上述の通り笑顔を見せてくれる。
そしてお返しイベントではチョコをプレゼントしてくれた主人公を背に乗せて草原を疾駆する、最後に主人公に思いを馳せる場面で締めた。- 後に公開された彼の幕間の物語では、「自分とブランカの子供が生き延びたかもしれない」という可能性のために、人類史そのものを破壊する行為に抵抗する為、という動機が語られていた。
- ただし、原作『シートン動物記』においては、ロボは人類を憎悪しているようには書かれていない。確かに最初はシートンに憎悪を向けていたが、その後は「愛するブランカが死んで生きる気力を失った」と言う諦念・無気力や、「敵から餌を受け取りはしない」と言う誇り高さの色が強く描かれている。そもそもロボは、人畜に多くの被害を出し、捕らえに来たシートンに挑発行為をするなど、決して「身勝手な人間に狩られた一方的な被害者」ではない。復讐者としてのロボの存在は、Fate独自のかなりアレンジを含んだ解釈となっている。
- と言う事を踏まえると、本来は復讐など考えていない狼王が、後世の人々の「きっと人間への復讐を考えているに違いない」と言う思いによって復讐心を後付けで付加されたのだと考える事もできる。このタイプのアヴェンジャーはアントニオ・サリエリを代表として他にも数多く存在しているため、決して特異な存在とはいえなくなるだろう。その上で他のアヴェンジャーより悪意・敵意が強めなのは、「動物なので元々の自我が薄い」「幻霊と言う特殊な存在」「新宿と言う特殊な環境」と言った要素で、より後付の影響を受けやすかった為、とも考えられる。
- ヘシアンの出自は上記の通りだが、この話の元となっているのは小説家ワシントン・アーヴィングが1820年に発表した短編集「スケッチ・ブック」に収録されている話で、「首なし騎士がヘシアンである」という設定はこの話の際に付加されたもの。スリーピー・ホロウの伝説自体はそれ以前から存在しており、そちらでは開拓時代に渡って来た残虐なドイツ騎士で、最後には首を刎ねられたという出自になっている。
- スリーピー・ホロウの逸話はニューヨーク州ウエストチェスター郡が物語の舞台とされている。この付近には同名の地名や建物が数多く存在しており、1997年には正式にスリーピー・ホロウという名前の村が誕生した。
- 本体である狼王ロボの巨大さに目が行くが、データを見るとヘシアン側も現実的な範囲で相当に長身かつ体格が良い。
「首を除いて181cm」とは、古参の『stay night』勢のサーヴァントを比較対象にしてみた場合「エミヤやクー・フーリンの目線あたりの位置に首の断面が来る」「ギルガメッシュとは首無し状態でほぼ同身長(ギルガメッシュが1cm高い)」という首が無いとは思えない身長で、明確な差を付けられるのは身体改造を行った呪腕のハサンや神の血により体躯に加算分があるヘラクレスといった、通常の成長以外で体格を補強する要因があった者だけとなる(人間で1名抜いてる人物がいたりするが)。
もし頭がある場合を仮定すると人間の頭は二十数cmが平均サイズとなるため、2mは確実に超える高身長となる。この場合、前述の『stay night』勢は言うに及ばず、円卓で現在データが出ている中では最長身のランスロットでさえ191cmで10cm以上差が開けられ、同じドイツ周辺の出身で現在最長身のジークフリートも190cmで及ばない。
彼と並ぶことができる最低ラインがアルケイデス(203cm)で、彼をギリギリで追い抜けると思われるのが黒髭(210cm)やイスカンダル(212cm)、それ以上は呂布奉先やスパルタクス等の220cm超えが最低ラインになるような規格外の巨体サーヴァント達しかいなくなるという巨漢である。 - 殆どの場合二つ名込みで「狼王ロボ」と呼ばれる本体側だが、実のところ「ロボ(Lobo)」自体がスペイン語の「狼」を意味しており、厳密には「あらいぐまラスカル」「チゲ鍋」等と同様のいわゆる重言という事になる。彼自身を表す表現としては、物語の原題『Lobo, the King of Currumpaw』に則れば「カランポーの王」となり、つまりはあのモフモフの彼女と同系統の存在だったりする。
…やはり本当の名は別料金なのだろうか。
脚注
注釈
- ↑ 第12節までは新宿のライダー。
- ↑ 狼王は史実とは異なり、体長3mを超えている。
- ↑ ロボ自身の「天敵」。
- ↑ 独白では「俺」、または「私」。
- ↑ カルデアに召喚されるのはアヴェンジャーのクラス。
- ↑ その際、霊基が変質しアヴェンジャーへとクラスチェンジしている。
- ↑ クラスも当初はライダーだったが、第13節からはアヴェンジャーとなっている。
- ↑ 亜種特異点Ⅰでヘシアン・ロボと面識のあるアルトリア・オルタにも断言された。
- ↑ 1ターン
- ↑ オーバーチャージで確率UP
- ↑ 信仰の対象である神霊も含む。
- ↑ 狼であるロボに限らず犬や猫でもチョコは毒であり、『悪性隔絶魔境 新宿』では主人公が拾った犬であるカヴァスⅡ世に食べ物を与えるときの選択肢にチョコを挙げたことでアルトリア・オルタに怒られた一幕があった。
- ↑ 首無しの騎士だと他にはデュラハンという有名例があるが、デュラハンは乗っているのが馬車で、しかも自分の首を所持しているので早々に違うと結論付けられた。
出典