セイバー | |
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真名 | 蘭陵王 |
読み | らんりょうおう |
外国語表記 | Prince of Lan Ling |
本名 | 高長恭(こう ちょうきょう) |
性別 | 男性 |
身長 | 172cm |
体重 | 55kg |
好きな物 | 馬の世話 |
苦手な物 | 疑われること |
出典 | 北史、北斎書 |
地域 | 中国(北斉) |
属性 | 秩序・善 |
副属性 | 人 |
一人称 | 私 |
二人称 | 貴方/貴女 |
三人称 | 彼/彼女 |
声優 | 森なな子 |
デザイン | hou |
設定作成 | 東出祐一郎 |
レア度 | ☆4 |
初登場作品 | Fate/Grand Order |
概要
- 略歴
- Lostbelt No.3『人智統合真国 シン』にて登場。
- マスターである芥ヒナコの指揮のもと度々交戦するが単身での出陣が続き、また本来の生真面目さ高潔さから、夜空の美しさに見入る主人公 (Grand Order)達を手にかけることを躊躇い、気配を殺して忍びよることが出来ず、暗殺も失敗する等自身が不得意とする状況が続き戦果を挙げられずにいた。また自身もかつては領主として民を治める身であり、始皇帝による民の粛清にも心を痛めていた。
- 物語後半の安康の収容所では傀儡兵を大量に動員、自身の最も得意とする将として兵を率いての決戦となるものの、その最中で危機に陥った際に慌てて支援を行ったヒナコを狙い撃ちにされ、致命傷を負ってしまう。
- それでも奥の手を拒むヒナコに、項羽と最期まで共に在るという本来の目的・願いを思い出させて叱咤激励し、吸血とともに霊基ごと吸収され、消滅した。
- 人物
- 龍の仮面で貌を隠した稀代の名将。
- その素顔の美しさは歴史書に「貌柔心壮、音容兼美」と謳われ、「魔性の貌」スキルをEXランクで持ち、宝具に昇華されるほどの絶世の美男であり、美顔を隠すため仮面を常につけている。
- 美形・謙虚・勇猛果敢で部下にも優しく主には忠実、と臣としてこれ以上ないほどの得難い人物。自分の容姿についても鼻にかけておらず、むしろ疎ましく思ってさえいるが、それを口に出すと反発されると目しているので公言はしない。
- 非常に高潔かつ誠実な人物であり、マスターの事も常に気にかけ、様子の変化にもよく気づく忠臣[注 1]。
- 生前は主からの猜疑心で崩壊した主従関係を起因に賜毒するという凄惨な最期を辿っているが、絆を深めれば信頼を築いたマスターへの深い忠義と愛と感謝を顕にしてくれる。一方、絆が浅いままでは常に一線を引いた付き合いになるだろう。
- 暗君に仕え続けた経験から忠言にトラウマがあり、ややマスター不信気味だが、絆を深めていけば心を開き、マスターの正しくない行いには挙動不審になるほど悩みながらもおずおずと進言してくれるようになる。たまに一周回って主に対しての言動が暴走することもある(バレンタインシナリオなど)。
- 他者による不躾な視線を嫌がっていたり、聖杯にも本気かどうかはさておき「美醜の概念のない世界」を願おうとしていたりと自分の顔にまつわることにはコンプレックスがある模様だが、話題としては普通に話す。
- マスターの元を訪れる際に好みの本を持参しようとしたり、曲者揃いのカルデアサーヴァント達とも積極的に円滑なコミュニケーションをとるなど、人当たりが良く人間関係においても卒がない。転びそうな女性を助ける際にも極力体に触れないよう注意し爽やかな笑みでそっと離れ失礼を詫びる、憤った相手を真摯になだめるなど常に紳士的。
- 戦いに対する姿勢も実に真摯で、敵が自分より弱いはずはない、立ちはだかる者全てが難敵であると考え、いざというとき臆さぬ為にと慢心なく鍛錬を行っており、地下図書館でも兵法書に目を通している。
- ただし生真面目すぎたりマイペースなところもあり、『見参!ラスベガス御前試合~水着剣豪七色勝負!』でギルガメッシュ〔キャスター〕の秘書として登場した際は、直後の戦闘で仕事の電話に集中するため開幕で自らにスタン状態を付与し、本格的に戦闘に参加しなかった。
- 能力
- セイバークラスには珍しく騎馬と一緒に召喚されており、戦闘においては長剣と騎馬である白馬を使用。跳び回ったり騎馬とともに駆けたりしながら剣を振るってアクロバティックに戦う。
- 自らの顔を輝かせて敵を攻撃する事もある。
バリエーション
魔術師蘭陵王
期間限定イベント『旧き蜘蛛は懐古と共に糸を紡ぐ』に登場した魔術師。
詳細は「魔術師蘭陵王」を参照。
高長恭
奏章Ⅰ『虚数羅針内界 ペーパームーン』にてライダークラスで召喚された蘭陵王。
詳細は「高長恭」を参照。
ステータス
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
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セイバー | 芥ヒナコ | ? | ? | ? | ? | ? | ? | ? | ? | |
主人公 (Grand Order) | B | B | A+ | D | D | B | 対魔力:C 騎乗:A |
隠美の仮面:A 勢い破竹の如し:C 魔性の貌:EX |
宝具
- 蘭陵王入陣曲(いさましきはかめんのもの、おんようけんびのりょうおうなり)
- ランク:C+
種別:対軍宝具(自陣)[注 2]
レンジ:1~5
最大捕捉:レンジ内全て - 仮面を付けた蘭陵王の奮戦を讃え、兵士たちに作られた曲とされている。その曲は雅楽として唐代に日本にも伝わり、今もなお舞われている。
- その勇猛さと美貌を称える歌は味方の士気を向上させ、敵を怯ませる。
- 更に『音容兼美』とされた蘭陵王自身により、絶大な重圧とそれでも目を離せぬ美の恐怖を敵に与える(『Grand Order material Ⅷ』では更に蘭陵王自身が歌うことにより、と加えられている)。
- 演出では桜が舞う中で仮面を着けたまま愛馬に乗って登場し、仮面を外し貌を晒すことで光を放つというもの。霊衣「辨天衣」の際には仮面ではなくサングラスを外して効果を発動する。
- 『Grand Order』では「敵全体のチャージを1減らす&クリティカル発生率をダウン(3ターン)+味方全体の攻撃力をアップ(3ターン)<オーバーチャージで効果アップ>&被ダメージカット状態を付与[Lv](3ターン)」という効果のArts宝具。
真名:蘭陵王
- 中国は南北朝時代、北斉に仕えた武将。羅陵王とも。
- その美貌と勇壮さで知られ、斉の軍神と讃えられた。
- 賜ったものは果物一つといえども部下たちと分け合ったという。
- 死後は蘭陵武王の諡(おくりな)を賜った。
- その美貌ゆえ仮面をつけて戦っていたが、なぜ隠すのかは、二つの理由が伝わっている。
- 一つは兵士が彼の美貌に気を取られ、士気が下がることを恐れたがため。
- もう一つは、敵に侮られることを恐れたため。
- いずれにせよ、その美貌は天下に鳴り響いており、幾つもの伝説が誕生した。
- 蘭陵王は皇族である高澄(文襄帝)の第四皇子として生を受けた。
- 母は荀という名の侍女だったが、将来必ず美しい子息に恵まれるだろう、と予言されたという。
- そして生まれたのが高長恭……即ち、蘭陵王であった。
- 蘭陵王はその美貌だけでなく勇壮さにも恵まれており、わずか五百騎で万を超える敵の包囲網を突破、見事に入城を果たしたという逸話も残されている。
- (その折に作られたのが、蘭陵王入陣曲である。)
- だが、出る杭は打たれるの諺通り、名声が高くなりすぎた彼を疎んだ人間による讒言が飛び交い、皇帝は彼に毒薬を送ることになる。
- 「忠義を尽くし、天に恥じることはないのに、
- なぜ毒薬を呷らねばならないのか」
- と、蘭陵王は嘆いたという。
- 彼の没後すぐ、北斉は軍事的優位を失い、滅亡した。
登場作品と役柄
Fateシリーズ
- Fate/Grand Order
- 第2部OPおよび「4週連続・全8種クラス別TV-CM 第1弾 セイバー編」、キービジュアルにて初登場。
- その後はLostbelt No.3『人智統合真国 シン』開幕に伴い実装。CM登場サーヴァントとしては3番目の実装となった。
- 後に期間限定イベント『サーヴァント・サマーキャンプ!』開催に伴い、チャイナ衣装にサングラス姿の霊衣「辨天衣(べんてんい)」が実装された。
Fate関連作品
- Fate/Grand Order フロム ロストベルト
- 第10話で主役として登場。
人間関係
Fate/Grand Order
- 主人公 (Grand Order)
- カルデアにおけるマスター。「若輩ながらも高い徳を備えた寛容な人物」「柔軟なる性根故に、貴人として見れば貴人として、変人と見れば変人として遇する方」と評している。
- よく気にかけ、絆が深まった際には手向けられた厚情への返礼と、マスターのためならば火も水も、自身の死因となった毒すらも障害にはならないと語るほどの忠節を顕にする。素の一面を出せたり、忠義と愛の忠臣としてマスターの出来心を諫めることが出来たり、顔をつき合わせて話すことに幸せを感じる等と信頼関係は深く良好に築けている様子。
- 芥ヒナコ
- 中国異聞帯におけるマスター。
- 下記の虞美人と同一人物のため生前からの付き合いであり、彼女の本当の望みを叶えるべく献身的に仕える。
- ディルムッド・オディナ
- 文化背景がまったく異なるにも関わらず、何故か無性に気が合う予感を感じ取っている。
- 十中八九「顔」のせいで迷惑を被り、主君と不和を起こしたあたりであろう。他にも性格が非常に近いなど共通点がかなり多い。
- また、自身とは違って仮面で無効化できない黒子には気の毒そうにしている。
- セイバーのディルムッドとは『旧き蜘蛛は懐古と共に糸を紡ぐ』で、ランサーのディルムッドとは『謎特異点Ⅱ ピラミッドからの脱出』で共演した。
- 呂布奉先
- 祖国の名高い英雄という事で知っており、その強さをロボであるということで納得している。
- 項羽
- 祖国の名高い英雄という事で知っており、彼の異様な姿を「甥」と言い張った項梁に呆れている。
- また、彼と先の呂布の姿を見て「国士無双とはこういう……」とか「なるほど……ロボ……なるほど……」などと呟いてもいる。
- 燕青
- 祖国の名高い英雄として知られ、彼に伝説に違わぬ超イケメンと評された。
- また、『旧き蜘蛛は懐古と共に糸を紡ぐ』では蘭陵王自身が美の魔術師、燕青が協力関係にあるマフィアとしての配役で共演した。
- 余談だが、彼とは「主従関係が上手くいかず不幸になった」という共通点がある。
- 武則天
- 彼女に生前の苦労を労われ、仕えてみないかと誘われた。
- また、彼女の幕間2「女帝+」では、とある商品のCMに美の男性サーヴァント代表扱いで女性代表のクレオパトラと並んで起用・抜擢されている。
- 史実では彼女の夫の高宗が高氏の遠縁。
- ギルガメッシュ〔キャスター〕
- 夏イベ2019『水着剣豪七色勝負』で共演。彼の秘書として抜擢され、マイペースに行動していた。
- 彼は自身を「我をも恐れぬ生真面目さは面白みにかけるが、その分信頼できるというもの」と評し、仕事への姿勢にかつての祭司長を重ねていた。
- エドワード・ティーチ
- 自身の幕間にて共演。
- イケメン揃いのカルデアサーヴァントの中でも度を越していると評されており、その完璧さに何か穴がないかと考えた彼に丸一日尾行されていた。
- 結果、最後には彼のときめき回路を(意図せずして)揺さぶる事態に発展し「イケメンは心もイケメン!!」と結論付けられた。
- なお、幕間での彼の行動は生前の蘭陵王の顛末を踏まえるとなかなか際どいものになっている。以降は蘭陵王が何かする毎にロマンチックイベントCG専用BGMを流している模様。
- バーソロミュー・ロバーツ
- 自身の幕間にて共演。前髪を下ろそう(メカクレにしよう)と提言してきたがあっさりかわした。
- 柳生但馬守宗矩
- 自身の幕間にて共演。手合せを行い、互いの武を学んだ。
- 彼からは自身の太刀筋を「剣舞の嫋やかさしなやかさはそのままに剣の鋭さ重さを損なわない、実戦としての剣舞」と評された。
- ペンテシレイア
- 自身の幕間にて共演。
- 会話をしていたイアソンの口にした名前の誤字に悪意があると怒り、潔白と謝罪を示すもシミュレーターでの勝負を挑まれた。勝負後は一点の曇りもない剣術を認め戦士として信用され和解、「仮面あるある」で意気投合した。
- また、自分に欠片も興味がない視線がすごく過ごしやすいともしており、その点は向こうも一緒だろうとしている。
- イアソン
- 自身の幕間にて共演。
- 彼と会話を交わしていたが、彼がペンテシレイアの名前を(意図的かは定かでないが)間違えた事で彼の代わりにペンテシレイアに謝罪している。
- 自身の美貌については「ギリシャに生まれてたらその美貌のせいで呪われるか祝福されるか地獄二択、神々の気分でバッドエンド」と評されている。
- 紫式部
- 自身の幕間にて共演。
- マスター好みの本の所在を尋ね、彼女がそれを取ろうとして転びかけた際、咄嗟に助けた。その後は自身を「端麗という言葉がぴったりの御方」と評し、得た感慨が使えると作品のネタ帳にしたためていた。
- 荊軻
- 雅な歩法、静かな暗殺術と真っ当にしていれば美しい所作を持ちながらの彼女の呑兵衛ぶりに頭を抱えている。
- エミヤ
- 『サーヴァント・サマーキャンプ!』にて共演。「戦闘」「釣り」ほか要所において阿吽の呼吸で活躍し、特異点解決に貢献した。
- 徐福
- 『サーヴァント・サマーキャンプ!』にて敵対したサーヴァント。
- 陣営以外でも虞美人に対する見方で対立しており、敗北した際には「ダーク・ラン」にされてしまった。なお、この一件は本人にとって黒歴史並みに恥ずかしいもので、事件後にスパルタクスにダーク・ランと呼ばれた時は机に突っ伏していた。
- 後に彼女が実装されると、自分の方が古参だからとやたらマウントを取られたため徹底的に無視した。
- 自身のマイルームボイスでは彼女に言葉をかけるも逃げられてしまったが、いつか話せる日も来るとしてあまり気にしてはいない。
- 彼女が水着霊基になった際は素直に祝福の言葉を送ったが、自身が悔しがっていない事に彼女が悔しがったため、
わざとらしい演技で乗り切る羽目になった。
- 李書文〔アサシン〕
- 彼の幕間の物語「受け継がれるもの」で共演。
- 虞美人のための按摩の特別回数券を手に入れるために、彼の鍛錬に協力していた。
- 始皇帝
- カルデアでは彼を目にすることができ光栄の至りだとしており、もしマスターから見放される事があれば仕えることもやぶさかではないとしている。
- つまるところ、今回の召喚で彼に仕えるというのはあり得ないということだとも語っている。
生前
- 後主
- 本名は高緯。北斉の五代目の皇帝であり、蘭陵王が仕えた主君で15歳ほど年下の従兄弟にあたる人物。非常に暗愚な皇帝で、奸臣達に好き勝手させて国力を大きく衰退させ、有能な家臣を悉く粛清した。
- 蘭陵王が名声を得るにつれて彼を疎むようになり、最期には毒を送って自害を命令した。
- 本人としてもだいぶトラウマになっているようで「彼をマスターとして武帝と戦うように言われたら?」という仮定に露骨に顔を顰めていた。自身の戦闘不能ボイスや嫌いなものは彼との関係に起因すると思われる。
- 虞美人(芥ヒナコ)
- 人ならざる彼女を恐れず交流を持ち、最期を看取られ、変わりゆくことが常である人間では為せない「永久」を体現する彼女との縁を「三十三年の生涯における至宝」と語った。
- 中国異聞帯ではかつての知人として信頼を置かれていたために、彼女により召喚されて再会。そのまま仕え、最後には己が身を犠牲にしてまで支え続けた。
- 彼女がカルデアに召喚された際には、対人関係に致命的な問題がある彼女の相談を受け適切なアドバイスを送った。再会できた事には感動しており、「困ったことがあればいつでも相談しなさい」と言われているが、彼女に対し常に心を砕いているので爆発音が聞こえる度にその様子を見に行こうとする。
- 『フロムロストベルト』では生前や召喚後の彼女との縁がいろいろと語られており、生前は表情がくるくると変わり(主に項羽の事を)よくしゃべる様に惹かれていたため、召喚された後のあまりの沈みっぷりに驚いていた。
- 武帝
- 敵対していた北周の皇帝で本名は宇文邕。短命な君主、暗君が続く北斉の混乱を尻目に北周の国力を高め、優勢に立っていった若き英主。
- 蘭陵王の生涯の敵役であり、自身が名を挙げた邙山の戦いや定陽の戦いでは苦杯を舐めたが、着実に北斉を追い詰める。
- 北斉の武の要であった斛律光や自身の死後は北斉を終始圧倒してこれを滅亡させ、およそ300年ぶりの中華統一の覇業へ王手を掛けるが、志半ばで病に伏した。
名台詞
Fate/Grand Order
マテリアル
- 「サーヴァント、セイバー。蘭陵王、召喚に応じました。仮面をつけての参上、まこと無礼とお思いでしょうが、平にご容赦を……」
- 召喚時。
- 忠義に篤い彼は仮面で顔を隠しての非礼が気になるのか、それを詫びての参上となる。
戦闘
- 「我が仮面にかけて。いくぞ!」
「蘭陵王、此処にあり!討てると思うなら前へ出よ!」 - 戦闘開始時。勇ましく名乗りをあげて戦う。容貌こそ音容兼美と謳われた彼だが、その中身は正しく勇猛な武人である。
- 「我が封印、これより解きます!」
「わが貌をそれほど望むか。──ならば見せよう、呪われし貌を! 儚く散るまで、唄い続けるために!」
「道を開けよ、出陣である! ──この仮面を脱ぎ、蘭陵王の証明とする。ふっ…退け、魔性ども──!」 - 宝具解放。仮面を外して自身の身元を明かし、味方に援軍を知らせ勝利した蘭陵王入陣曲の逸話を元にした口上。周囲に影響を与える程のその圧倒的な美貌と絶大な重圧、清廉な高潔さは魔をも退ける。
- 「ああ、こうして討ち死にするとは、なんと幸福な……」
「此処までか……っ! だが、後悔はない……」 - 戦闘不能時。生前主君から毒を賜り、戦場で武人として果てることが許されなかった彼は心満ちたように退場する。
- 「我が主、いかがでしたか? さあ、勝鬨をあげよ!」
- 勝利時。軍神と称された生前さながらに勇ましく勝鬨をあげる。
強化
- 「どうやら性能が向上したようです。サーヴァントとは、便利なものですな」
- レベルアップ時。肉体的な鍛錬に因らず成長するサーヴァントという存在に感心している様子。
- 「なるほど、これが霊基の向上。心が沸き立ちますね」
「ありがとうございます。益々の奉仕を、お約束いたします。」
「なっ……、よろしいのですか? 仮面がないと、落ち着かないのですが。……いえ、ここまで与えてくれた力に報いるためならば当然ですが!」
「あなたと共にあるならば、この蘭陵王、すべての虚飾を捨てましょう。ありがとうございます、マスター!」 - 再臨1~3、最終再臨。第3再臨からは仮面を外すことになる。互いに心から信を置ける主を得た彼にはもう虚飾は必要ないのだろう。
マイルーム
- 「主従。私は忠実にお仕えします」
「我が主、どうか胸を張って我が奉仕をお受けください。私はそれで、満ち足りるのです」
「嫌いなこと、ですか……。疑われること、ですね。……この話題はやめましょう。際限なく、暗くなります」 - マイルーム会話2、3、嫌いなこと。生前、主に猜疑心を向けられ主従関係が破綻した彼にとって、マスターに忠義を受け入れられることに強い思いがあるのかもしれない。
- 「いかがしました? マスター」
「仮面はないと落ち着かないものです。人の視線は不躾ですから」
「マスター、よければ遠乗りなどいかがですか?気分も晴れますとも」
「あなたと共にいるためには、やはり仮面が必要なようです。数多のサーヴァントが、妬まないとも限らないでしょう」 - マイルーム会話「絆Lv.1、2、3、4」。
- 忠臣である彼は、気分転換を促したりとよくマスターの様子を見て気遣ってくれる。
- それと同時に、この時点ではまだ素顔や仮面を手放すことについて抵抗があるようだ(実際絆ポイントも2、4と仮面に関わる話題のポイントは1、3、5の3~4倍必要になる)。
- 「マスター。こうしてマスターと貌を突き合わせるだけで不思議と私は幸福に包まれます。我が忠義と愛、どうか間近でご覧あれ」
- マイルーム会話「絆Lv.5」。貌について思うところのある彼が、マスターと顔を合わせて過ごす時間に幸福を感じるほどに信頼関係が築かれている。虚飾で覆わず、誠意をもち向き合って顔を合わせることも彼にとっての忠義と愛なのかもしれない。
- 「マスター。あなたの手向けてくれた愛情に、温情に、慕情に、私はどれだけ返礼できているでしょう?あなたのためならば、火も水も毒すらも、障害にはなりませぬ」
- マイルーム会話「絆Lv.5(最終再臨後)」。心から国を愛し仕えながらその忠義を疑われ、最期に至った生前の記憶を持つ彼は、今生においてマスターからの信頼や親愛を感じ、深い忠義と愛でそれに報いようとしている。
- 「む、むむっ? マスター?あの二振りの槍を持っている方は一体……。いえ、時代も国も違えど、何故か、無性に気が合うような……」
- マイルーム会話4「ディルムッド・オディナ」。
- 自身と同様に顔にまつわる逸話や主との不和の経験を持つ彼に、気の合う予感を感じ取っている。
- 「どうやら祝い事のようです。遅れを取るわけにはいきませんな」
- イベント開催時。催し物には乗り気のようだ。
- 「マスター、あなたのお生まれになった日だそうですね。今日は一日、ゆるりと休まれるが宜しかろう。お茶を淹れますので、どうぞ気楽に」
- マイルーム会話「誕生日」。生誕を祝い、茶で労ってくれる。
イベント
- 「まあ、サーヴァントに訓練は不要だ、という考えもありましょうが──やはり剣を振ってなければ、落ち着かない時も存在するのです。」
「戦場で強大な敵に臆さぬため、この身に動きを染み込ませる……。どうあれ、敵が私より弱いはずはない。立ちはだかる者全てが難敵でしょうから。」 - 自身のバレンタインシナリオにて。蘭陵王の戦いへの慢心なき真摯な姿勢が垣間見える一場面。
- 「おや、これは……?甘い香りがしますね、チョコレート……でしょうか。……ああ!こ、これは失礼しました……!少々、少々お待ちを!!」
「あ、こちら申し訳ありません。一度返却させていただきたいのですが!いえ、不要という訳ではなく!改めて、改めて受け取らせてください!ともかく!しばし! お待ちを!」 - 同上。イベント自体は知っていても生前の経験のせいで主から贈り物を貰うという発想がなかったのか、明確に慌てはじめる。
- 「蘭陵王、ここに推参いたしました。何か御用……いえ、失礼!贈り物を戴ける、とのこと。謹んで、お受けいたします。……。……。ありがとうございます、マスター。かつて私が主に贈られたのは、毒の杯でしたが──この記憶が記録としてある限り、私の過去現在未来全ての慰めとなるでしょう。」
- 同上。最後の贈り物の記憶があたたかなものになったことについて、マスターに喜びを語った。
- 「(しかし……だが……主は期待しているような……。ど、どう言えば正解なのだろうか!)(え、ええいままよ!)」
「失敗した──!?ご、誤解です我が主!!どうぞ、お顔をこちらに!こちらにお向けくださいませ……!!」
「うわーん!マスターーーーー!」 - 同上。忠義にあつくマスターのことを考えるあまり、返答を考えすぎて盛大に自爆してしまった一場面。それまでの彼とは全く違った一面は多くのマスターを驚かせた。
- 「これは……。マスターが酩酊にも似た症状を!」
- 『旧き蜘蛛は懐古と共に糸を紡ぐ』より。
- ここでも忠臣ぶりは発揮され、いち早くマスターの様子の違いに気づき気遣っている。
- 「Just a minute(少々お待ちを)。 あ、戦闘してくださって結構ですよ。」
「失礼。仕事優先主義ですので。」 - 『見参!ラスベガス御前試合~水着剣豪七色勝負!』より。
- 紆余曲折の末にギルガメッシュ〔キャスター〕の秘書に抜擢され、マスター達に妥当な人選であると納得されたのち、戦闘に入る前の一幕。自らにスタンをかけて戦闘よりも仕事の電話を優先させるマイペースさを発揮していた。あれは何だったのかと問う賢王に「仕事が優先です」と臆さず答え、その生真面目さを信頼された。
- 「いえいえ、遅くなって申し訳ありません。マスター」
(何だ、この膂力は……!マスターの援護があってなお圧し負けるだと……!)
「了解です。先陣を切らせていただきます。皆さん、ついてきてください!帰路を切り開きます……!
(想像以上の数だ……。凌ぎきれるか……!?)
「見えた!このまま進みます!」
「承知。この鈍さであれば、傷一つつきません。」
(この速度では間に合わないか……!)
「皆さん、ここは私が殿を引き受けます。」 - 夏イべ2020『サーヴァント・サマーキャンプ!』より。
- 窮地においてマスターへの増援、先陣、殿役など、マスターと仲間のための行く道(戦況)を切り開く役目を買って出た場面。的確に突破口を見定め見事務めを果たしてみせた。
- 「外道すぎる手ではありますね。私は賛成できません。」
「ですが、さすがにこれは話が違う!」
「……確かに。あなたは子供である前に、一人のサーヴァントだ。あなたに対して必要以上に過保護になっていたようです。お許しを、イリヤスフィール殿」 - 同上。事件解決にイリヤが囮役を務めた方が良いという流れに切り込んだ一場面。
- 仲間、それも年少の者の犠牲を厭い反対するも、彼女を一角のサーヴァントとして信頼し送り出した。
- 「堅実ですね。では私と共にやりましょう。退屈で面白みのない作業ですが、それだけに確実な成果が出るのは好みですね。」
- 同上。やはり生来の生真面目さからか、細やかで確実な作業を好むらしい一面がうかがえる場面。
- 「一言で言えば。
『面白い方』
という表現が……ぴったりかと……。」 - 同上。マスターにだけ語る、彼の生前に出会った虞美人に対する評。当時から今のような
残念な性格だったようだが、それでも彼はその時の事を懐かしげに、そして嬉しそうに口にする。イメージがぴったりすぎてマスターはツボったようだが。
本編
- 「……ああ、結局は機を逸したか。闇討ちなど容易いものかと舐めていた。それを為せる者たちを侮っていたよ。私には到底無理だ。」
「いかに一太刀で終わるとはいえ、夜空の美しさに見入っている者に、気配を殺して忍び寄るなど……」 - 本来の生真面目さ、高潔さ故に暗殺は向かず、躊躇している間に気づかれ、また秦良玉が間に入ったこともあり未遂に終わる。
- 「あなたは、
再び彼と会えたのだから !」
「ここに至るまでの悠久の慟哭を、終わりなき孤独を思い出すのです!」
「今度こそあの男と、項羽と共に生きるのです。」
「互いの行く末を見届けるのです!」 - 窮地において叱咤激励、友の行く道を示し、その糧となった。
幕間の物語
- 「はい。余人との距離を計り難いと言いつつもあの出で立ち。恐れながら何かの冗談と勘繰ってしまいました。お許しを。」
- 虞美人の幕間の物語にて、「マスターとの距離感が掴めない」と相談を受け、「まずはお召し替えを」と珍しく強気に提言した直後。
- 要約すると「普段からあんな(露出度の高い)格好していて距離感がわからんとか何の冗談だ?」というキツいお言葉。彼にしては本当に珍しい辛辣な発言である。
- 「はっはっは。ところで話は変わるのですが、」
- 幕間の物語『画竜点睛を欠くべしと人は言う』にて。バーソロミューのメカクレ要請をあっさり受け流し話題を変えた。
- 「はは、我流です。お恥ずかしい。私は将として、政治と軍略に関することを学んでいたため、武に関しては最低限しか学んでおりませぬ故。これは戦場で培った技です。私は守りを固めるより、躱すことが得意だったので……。」
「学ばせていただきました。我々も彼らに負けぬよう、張り切って鍛錬に勤しみましょう。」 - 同幕間。柳生との手合せ後。さらなる鍛錬を心がける、武への生真面目さをあらためて垣間見せる。
- 「ああ、それではマスターが好みそうな本などありますか?次に伺うときに、持ってい行こうかと……。」
「緊急事態につき、失礼。」
「怪我がなくて良かった。転倒などただの悪運ですよ。気に為されない方がよろしい。」 - 同幕間。マスターに本を持参しようとしたり、転倒しかけた紫式部を気遣うなど、優しい心遣いが見て取れる一場面。
- 「私の名誉のためにお伝えしますが、誓ってあなたの悪口を申した覚えはありません。ですが、イアソン殿が叫ぶ前に留めるべきでした。申し訳ありません。」
- 同幕間。イアソンのペンテシレイアへの無礼について代わりに詫びた。
- 「ああ、これはあくまで目元を隠すタイプなので。ただ、頭より少し高いので気を抜くとぶつけてしまうのはいただけないですね。」
- 同幕間、「仮面あるある」について。
概念礼装
- 仮面をつけて兵と共に戦い、歌い、国を心から愛した。
されど、国は気まぐれで我が儘な子供のように
私の忠義を振り回し、玩弄した。
後悔、絶望、悲嘆、甘く苦い諸々を混ぜて、
私は毒杯を一気に飲み干した。
瞬間的な激痛も苦悶も、
忠義を切り裂かれた以上の辛さはない。
国が子供であるならば。
私は親として、厳しく育て上げねばならなかった。
ああ、しかし―――
親の心など、子は知らないものなのだ。 - 自身の絆礼装『我が毒杯、我が仮面』のフレーバーテキスト。
- 国を愛し戦い心から忠義を捧げ尽くした結果、蘭陵王が守るべき主君から賜ったものは妬みと自身の死を望む毒杯だった。その最期の瞬間の絶望と痛みが彼自身の言葉によって語られる一文。
- あ、私ですか?
社長の傍で秘書を務めさせていただいております。 - CBC2019の概念礼装『深謀遠慮』のフレーバーテキスト。
- 秘書スーツ姿で社長を補佐している。そしてそれはギルガメッシュ〔キャスター〕の秘書へと続くことに。
その他
- 「おや、マスター。オフに出会えるとは奇遇ですね。ルルハワの朝は爽やかで気持ちがいい。よろしければ散歩でもご一緒しませんか?ああ、私は日焼けしませんが、マスターはどうか肌を気遣ってください。こちら、日焼け止めと仮面です。」
- 4周年Fes記念マテリアルでのマスターへのコメント。サーヴァントには不要なはずの日焼け止めだがマスターのために用意してくれていたのだろうか。さすがの心遣いである。
- 「あぁ、素晴らしい場所ですね。マスター、次はどこにいきましょうか」
- FGO5周年記念新聞広告(広島県宮島/紅葉谷公園)にて。
- 白馬と共に白黒基調の袴ブーツ姿で紅葉を背景に描かれている。ちなみに紅葉の花言葉は「節制」「遠慮」「自制」「大切な思い出」。
- 素顔を晒し、穏やかにマスターと次の行き先の話をする蘭陵王だが、生前を含めはじめての「主とただひたすら共に楽しむためにできる旅」なのかもしれない。
メモ
- 初の中国出身セイバー。また、宝具の真名が一番長いサーヴァントでもある(漢字部分は6文字なのに、読み仮名は26文字にもなる)。
- 名前に王と付いているが、中国の場合「領地を与えられた太守」も王と呼ばれる。このためか、〔王〕特性は所持していない。
- 史実での仮面は単に顔を守る防具として身に付けていただけで、当時の兵士なら誰でも装備していた。
- 当然だが、顔を隠すので個人を見分けられなくなる欠点があり、洛陽の攻防戦で兜と共に仮面を外して素顔を味方に見せた行動は宝具の由来となっている。
- 真名公開前の予想として、狄青をあげるプレイヤーもいた。こちらも中国の仮面の名将として有名(ただし仮面の理由は顔の刺青を隠すため)。
- 自身の幕間の物語『画竜点睛を欠くべしと人は言う』の「画竜点睛を欠く」とは「物事を立派に完成させるための、最後の仕上げを忘れること」「全体を引き立たせる最も肝心なところが抜けていること」を指し、完璧なものにも欠点があってしかるべきと世間はいう、という意味になる。その内容としては黒髭が蘭陵王にも何か欠点があるはずだと駆け回るもほのぼのとした結末を迎えるが、生前に優れた美貌と勇壮、武功と名声、人望、おそらくは皇族直系の血筋も原因となってその欠点なき優秀さがゆえに周囲に疎まれ、主君に毒薬を送られた蘭陵王にとって、何とも苦いタイトルである(幕間後のプロフィール解放で彼の生前の顛末も語られる)。
- 第一再臨~最終再臨および全スキル育成に必要な素材はすべて第1部のものだけで揃う(再臨とスキル7までなら修練場でも可)ため、後発サーヴァントの中でも比較的育成が容易なものとなっている(第1部以降~2部5章までの本編実装サーヴァントでこの仕様は蘭陵王のみ)。
- キャラクターデザイン担当のho️u氏によると「普段男性の唇は塗り込まないが蘭陵王は特別に塗った」[出 1]とのこと。
- 担当声優の森なな子氏は元タカラジェンヌの男役という経歴を持っており、京劇においてもその美貌の逸話から女性や若い男性が演じることが多い蘭陵王役を森氏が演じるのははまり役と言える。余談だが、森氏の古巣・宝塚歌劇団では実装のちょうど1週間前から「蘭陵王 -美しすぎる武将-」が上演されていた。
- 『FGO material Ⅷ』では蘭陵王の設定資料にミスがあったため、TYPE-MOON公式サイトで訂正済みの蘭陵王設定資料の全画像PDFデータが公開されている[出 2]。
- FGO4周年フェス会場では、何故か水着女性サーヴァントの中に唯一男性である蘭陵王(英霊祭装のパーカー水着ver)が混じって並べられていた[出 3]。
- hou氏の設定では、瞳は紫と水色の幻想的な混色。髪は史実の悲劇の表現で毒で脱色・断髪しており、生前は黒髪長髪だったかもしれないとのこと。第三再臨の服装が舞の衣装イメージであること、仮面のしずく型の飾りも角度によって涙を流す様を思わせるなど、細部にわたり逸話、雅楽、月や花のモチーフが落とし込まれている。
- 最終再臨は彼の人柄の良さ、信頼の置ける人に向けた微笑みの表現であるとのこと[出 4]。
- 蘭陵王の剣や第三再臨の衣服の模様、セイントグラフに舞う花弁、最終再臨セイントグラフで描かれている花は『金糸梅(キンシバイ、原産:中国)』。彼の亡くなった月に咲くこの花の花言葉は「悲しみを止める」「太陽の輝き」「煌めき」「秘密」。味方を力づけ守ることに特化した彼の性能にも非常に似合う花である。
- ちなみに金糸梅の花は彼が亡くなった月(5月末~)に花期を迎える。
- 宝具の顔面は二度とないほどの美形を、とhou氏に試行錯誤されており、逸話からなる正真正銘の「顔面宝具」。宝具演出時には専用BGMと仮面を外す正面からのカットインが入る豪華仕様である(2020年8月現在でこの正面カットが使用されている星4サーヴァントは蘭陵王とアシュヴァッターマンのみ)。2019年9月4日には顔が見やすくなるよう宝具演出が改修された。
- 2020年のFGO5周年記念の新聞広告で広島担当となったのは、宮島・厳島神社にて舞楽が奉納され、像もある「舞楽蘭陵王」の所縁であると思われる。 その他、神馬伝説等もあったりする。
- 固有のエネミーネームは、ギル祭2019では「きまじめ武将」、クリスマス2019では「次世代サンタアイランド仮面」、『救え! アマゾネス・ドットコム』では「戦術考案中」(クエスト名は「戦術が好きなお客様」)などで蘭陵王の生真面目な性格が表れているものが多い。
話題まとめ
脚注
注釈
出典
- ↑ ho️u氏Twitter2019年3月23日10:50
- ↑ TYPE-MOON Official Web Site 2020年5月11日
- ↑ ho️u氏Twitter2019年8月3日9:59
- ↑ 『Fate/Grand Order material Ⅷ』P.051