アサシン
真名 虞美人
読み ぐびじん
外国語表記 Yu Mei-ren
性別 女性
身長 160cm[注 1]
体重 49kg[注 1]
好きな物 物言わぬ命、あるがままの姿で刹那の春を謳歌する者達
苦手な物 人間
出典 史記、漢書
地域 中国
属性 秩序・悪
副属性
一人称
二人称 おまえ/貴様/あなた/あんた
三人称 あれ/彼奴
声優 伊瀬茉莉也
デザイン toi8
設定作成 虚淵玄
レア度 ☆4
初登場作品 Fate/Grand Order
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概要編集

暗殺者」のサーヴァント

略歴
Lostbelt No.3『人智統合真国 シン』にて登場。
クリプター芥ヒナコの正体であり、自身に身を捧げた蘭陵王を霊基ごと吸収し、その姿を現す。
真祖に近い性質を持った仙女であり、項羽の時代、あるいはそれより前から生きてきたという驚愕の事実を明かし、主人公らと敵対。
その圧倒的な力で蹂躙するも、始皇帝から自身の目的について諌められ、その場では撤退。
後に始皇帝に身体データを提供した見返りに項羽を払い下げられ、共に異聞帯の片隅で終末まで生きてゆくことを考えるも、汎人類史における自分と虞美人の経緯を知って項羽は再び戦う事に。
項羽が虞美人の為に既にメンテナンスが追いつかずボロボロであるにも関わらず、始皇帝の命令すら拒否してカルデアと戦い、破壊された事で激憤して空想樹メイオールと融合するも、主人公らと始皇帝と戦い敗北。
怨念としてあり続けることになり、項羽が妄念に成り果て、怨霊のまま消え続ける彼女の末路を哀れんでいたことに気づき、二度も彼を嘆かせてしまった自分が愚かだったことに気づく。
そして始皇帝から英霊となりガイアからアラヤへと鞍替えし人類の守護者になれば、人類の守護を誇りとした項羽の嘆きを止める気遣いだけでなく、彼女の見届けた「項羽の真実」を座に持ち込むことで彼が人類の守護者として認定され、項羽と再会できるかもしれないと提案され、可能性を考えながらいずこかへと消えていった。
人物
人類の文化を嫌悪するものの、生命体としての人間に嫌悪はない。言うなれば「野生原理主義」とでも言うべき独特の倫理観の持ち主。
「強い生命が弱い生命を食って栄える」という摂理は全面的に肯定しているが、「神が人間にそれを望んだ」といった一神教的価値観や、自然界の秩序を覆すほどの科学技術の行使に対しては怒りを露わにする。
しかし、その実態は不老不死が理由で人間に迫害された過去が原因なせいか単なる人間嫌いの側面が強い。とはいえ生命体としての人間は嫌悪しておらず、その文化のみを嫌悪している。
そのくせ人付き合いが良かったり他人に感情移入しやすいという、超越者・人外感覚のまるでない存在。
その一方で、命を摩耗させて死へと向かって行く定命の存在とは時間に対する認識が根本的に異なっており、過去・現在・未来に対する認識が彼女の中では等価になってしまっている[注 2]
また、「群体から個体になった」という出現の経緯は彼女にとって無自覚のトラウマであり、本人は認めないが根っからの寂しがり屋。自身を理解し得る精神に対しては(動植物の区別なく)かなり深い情を抱くようになる。
サーヴァントとしては人理を守護するスタンスを否定し、「何をしでかすか分からない人類を監視する調停者」として自分を定義している。ただし人をより良く導く人間が現れたならば、それを支援する事も吝かでない。
カルデアでは憎まれ口を叩きつつも、自身を必要とされ存在を許容される居場所として安息を感じており、死力を尽くしてその環境を維持する事も辞さない。
能力
動植物を問わずあらゆる生命体から一定量のエネルギーを剥奪し自身で利用することが可能。この能力はスキルとしては「吸血」と表されており、このせいで主に教会からは吸血種として狙われていたが、彼女の場合は物理的に血を吸う事は必ずしも必要ではない。純粋にエネルギーのみを吸収する事もできる。
精霊種であるため、自然界とマナを共有する事が可能で、魔力を自らの体内に蓄えるのではなく、外界から無尽蔵に汲み上げることができる。このため、異聞帯で彼女とカルデア一行が戦った際は、ダ・ヴィンチは彼女と戦う事を「台風などの自然現象と戦うに等しい」と表現した。
ただし“人型”という形態に縛られている以上、供給は無限でも出力に限界があり、一度に行使できる魔力量には限界がある。サーヴァントになった後は、さらにサーヴァントの霊基の限界にも縛られるため、人型の英霊の範疇に留まっている。
また不老不死であり、その肉体を維持するために自然界からの干渉が及ぶため、結果として彼女は人型という形態に縛られている。とはいえその気になれば自決もできる模様。
その一方で、不死身であるがゆえに自らの無事を気をする必要や、誰かと共に戦う事が一切なかった生涯を送ってきた弊害で、戦闘における技量や戦術の方は『ド』がつくほどの初心者レベルという欠点も抱えている(突撃あるのみのスパルタクスですら呆れた程)。

別クラス/バリエーション編集

ランサー編集

水着に着替え、ランサークラスになった虞美人。

詳細は『虞美人〔ランサー〕』を参照。

ステータス編集

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
アサシン 主人公 (Grand Order) C A+ D A+ E C+ 気配遮断:B 受肉精霊:A
仙界羽人:A→A+
吸血:C
強化クエストクリアで「仙界羽人」がAからA+にランクアップ。

宝具編集

呪血尸解嘆歌(エターナル・ラメント)
ランク:C+
種別:対軍宝具
レンジ:1~20
最大捕捉:100人
自らの肉体を破棄する事で限界を超えた魔力を暴走させ、呪詛による異常気象を引き起こした後、改めて肉体を再構成する荒技。霊核を環境と共有している精霊種ならではの自爆攻撃といえる。
他サーヴァントとの連携やマスターの安全性すら度外視した攻撃手段のため、使用できる局面は限られる。
なお、本人は肉体を真面目に再構成する気があまりないらしく、この宝具を使用するたびに身長体重が若干変動する。
Fate/Grand Order 藤丸立香はわからない」では、真面目に肉体を再構成するのが馬鹿らしくなった結果体が小さくなったり、果てにはとんでもない胴長になってしまっていた。しかし、そんな姿でも項羽には愛されている。
『Grand Order』では「自身の弱体状態を解除&強化状態を解除【デメリット】&Busterカード性能をアップ(1ターン)<オーバーチャージで効果アップ>+敵全体に強力な防御力無視攻撃[Lv]&呪い状態を付与(5ターン)」という効果のBuster宝具。

真名:虞美人編集

史記、漢書にて断片的に語られる、謎に包まれた項羽の寵姫。
創作では項羽の妻として描かれ、虞を姓とし「虞姫ぐき」と紹介されているものが多い。
俗説では項羽の死後に自殺したとされ、その逸話がヒナゲシの花に「虞美人草」という異名を与えることになる。
その正体は受肉した精霊でありエナジードレインで糧を得る吸血種。
魔獣・幻獣の類いではなく、地球の内海から発生した表層管理のための端末「精霊」である。
魔術世界では「真祖」と呼ばれるカテゴリーに近いが、発生の過程が類似しているものの、生命としての目的が違う別種の吸血種である。
古代中国の伝承に語られるところの仙女、真人であり、理性や自意識も後々に獲得したものなので、自らがどのような出自であるのか彼女自身にも分からない。

関連編集

ヒナゲシ(雛芥子)
虞美人の墓に咲いたとされる花。別名を「虞美人草」という。偽名の「芥ヒナコ」の由来でもある。
彼女としては勝手に自分の名前をつけられた事は不本意であるが、花そのものは嫌いではないとのこと。

登場作品と役柄編集

Fateシリーズ編集

Fate/Grand Order
Lostbelt No.3『人智統合真国 シン』開幕後に実装。ストーリー召喚限定サーヴァントであり、同章クリア後ガチャに追加される。
マンガで分かる!Fate/Grand Order
刑部姫が書いたリヨぐだ男×アストルフォの同人誌をアナスタシアともども「甚だしい解釈違い」と酷評した。
後にはバラバラになったリヨぐだ子の頭部を中国異聞帯で保管したりもしているが、その奇怪な生態に振り回される事となる。

その他編集

ちびちゅき!
所属不明。こちらの世界でも図書室で本を読んでいる。
項羽に誘われて生徒として項羽の授業を受け、虞美人も同じ教師になろうとするが項羽に「まだ学ぶべきことが沢山ある」と言われて生徒と教師の立場が逆転した。とりあえず項羽様と一緒なら幸せそうで何でもいいらしい。

人間関係編集

Fate/Grand Order編集

主人公 (Grand Order)
順当に事が運べば後輩になるはずだった者。実際には相争う宿敵となったが、そんな戦いの後に自分をサーヴァントとして召喚した事に呆れている。
流石に召喚された後は味方ではあるので態度を和らげているが、中国異聞帯での記憶は完全に保持しているので刺々しい。
だが、接するうちに「これだけ多くの英霊達と契約し、良好な関係を築いているのだから、今更自分などを恐れる道理も無いか」と認識を改めることになる。
項羽
生前の恋人であり、唯一の理解者。
死に行く彼に自身の行く末を嘆かせてしまった事を今なお悔やんでおり、彼への義理立てと自決したいという二律背反で苦しみ続けていた。
クリプターとなった後は芥ヒナコとして彼を召喚しようとしていたが、中国異聞帯にて汎人類史とは異なる姿の彼と出会い、共に戦う。
後に彼が「人の世の安息」を最期まで願っていたために、それに絆され人理の守護者たる英霊の座に加わる事を承諾している。
そうしてサーヴァントとなった事で、ようやく彼と添い遂げるチャンスが出来た。
蘭陵王
生前からの数少ない人間の友人。サーヴァントになった後も自身のカルデアでの立ち位置について相談する仲。
カルデアでは彼がお人好しだからとマスターに無茶振りをされないか心配しており、困ったことがあればすぐ相談するよう声をかけている。
始皇帝
助言を受けてサーヴァントになったものの、彼女自身はフリーダムすぎる彼に対して「横紙破りにも程がある」と発する程の苦手意識を抱いている。
また、『Grand Order material Ⅷ』では彼に笑われており、そんなに滑稽なのかと放っておくよう言っている。
酒呑童子茨木童子
鬼種である彼女達がカルデアに来た事に興味を持つ。
紅閻魔
人外同士で生前から知り合いであり、「えんまちゃん」と呼ぶ仲。従業員からも「ぐっちゃん」と呼ばれているので、彼女本人からもそう呼ばれていた可能性もある。
ただ、ここ300年程は閻魔亭にも訪れておらず、まだ営業していたとは思っていなかったようであるが。
彼女まで人理修復に駆り出されている現状を度し難く思っており、カルデアの勤務形態はブラックすぎると評している。
フロムロストベルト』では、彼女と思しき人物と「彼女には彼女の目的があるから」という理由で別れて去っていった事が語られている。
フィン・マックール
期間限定イベント『雀のお宿の活動日誌〜閻魔亭繁盛記〜』で共演。
閻魔亭を訪れてアンチエイジングをしていた所に踏み込まれてキレて爆散しかけるが、「古い風に守られている」と妖精の気配を感じたことと、良い按摩士を紹介してもらえるということで不問に処した。
李書文〔アサシン〕
期間限定イベント『雀のお宿の活動日誌〜閻魔亭繁盛記〜』で正式共演。
虞美人の方にとっては「中国異聞帯の衛士長」を知っているが、彼は汎人類史の英霊であり中国異聞帯については何も知らないので、虞美人との面識も全くない。
とは言え、虞美人に「如何な私とてお前の内功をまともに食らえば臓物が口から飛び出る」と言わしめる八極拳は健在であり、オチとしては何ら変わらなかった。
実際彼の"マッサージ"はかなり効果があったようで、後に彼の幕間の物語「受け継がれるもの」で明かされた内容によると、その後も何回か施術を受けているとのこと。
ヴラド三世 (Grand Order)
吸血種として同一視されているのが気に入らないのか、「吸血鬼」と本人に聞かれたらかなりまずい事を口走っている。
カーミラ
ヴラドと同様の理由で同一視されているのを嫌がっている上に「若さと美を求めて血を啜る」という彼女的地雷を踏んでいる為か、「嫌い」ときっぱり言い切っている。
カーミラ〔ライダー〕
期間限定イベント『水着剣豪七色勝負』で共演。ファラオカジノ攻略の為にチームを組んだ。
上記の理由で露骨に嫌っていたが、カジノで大負けした所をつけ込まれて逆恨みが暴走する形で彼女のチームに入る事に。
イシュタルパールヴァティージャガーマン
自身の幕間の物語にて、カルデアでの立ち位置を考える上で相談した相手。人間よりも神霊のほうが話しやすかったとのことだが……
エミヤ
上記の相談の結果、推薦された相手。どう考えても人達の影響である。
生前そうしていたように不死者っぽく尊大に接していたが「生前に嫌な因縁のあった相手とサーヴァントになった後に出会ったらどうするか」と特級の地雷を踏んづけてしまった。
シェヘラザード
期間限定イベント『水着剣豪七色勝負』で共演。ファラオカジノ攻略の為にマッチアップした相手。
なおその方法は「彼女の目の前で爆散して死への恐怖を喚起してパニックで行動不能にする」…つまり、彼女のトラウマを狙い撃ちする血も涙もないやり方であったが。
ダビデ
期間限定イベント『水着剣豪七色勝負』で共演。
カジノで浪費したお金を補填する為に昔使っていた方々の隠れ家にあった家財道具[注 3]を売り払おうとして、彼に手数料を支払ってオークションを開催させた。
スパルタクス
第2部第3章、および自身の幕間の物語で共演。
いつもはパワーワード生成装置と化して周囲にツッコませるスパルタクスだが、幕間では虞美人のフリーダムっぷりが上回ったのか、流石の彼ですらツッコミ役に回るほど。
玉藻の前
昔の彼女のことも知っていたのか、良妻と名乗っている事に反応している。
また、キャットだの何だのを放置しておける神経は心底凄いとしつつも、真似したくないとコメントしている。

生前編集

劉邦
史実では項羽と天下を二分して覇権を争い、漢王朝を創設した人物。
項羽が機能停止するきっかけである人間であるためか、彼に対する評価は言い方がかなり悪くなっている。
徐福
始皇帝の時代に生きた方士の女性。
日本へ向かう前の一時付き合いがあり、その結果彼女に「不死殺し」の研究を決意させることになった。

名台詞編集

Fate/Grand Order編集

マイルーム編集

「あのね、よくもまぁ抜け抜けと……よりにもよってお前が私を召喚するなんて、いったいどういう神経してるの!?
 ふん、まあいいわ。縁があったのもまた事実。サーヴァント、アサシン。その契約に応じてあげる。」
召喚時。当然、つい最近殺し合ったばかりの相手を召喚した主人公に怒り半分呆れ半分の態度を見せる。
とはいえ、召喚システム・フェイトは英霊側の合意も必要なので、彼女の方も喚ばれれば来る気はあったわけで……。
「主従……? 何それ嫌味? はいはい、契約に応じた以上は、お前がマスターってことでいいわよ。
 でも忘れないでね? カルデア所員の序列としては、私の方が先輩なのよ?」
マイルーム会話「会話3」。契約上の主従を認めつつ上手に出ようと彼女が誇ったのは、種族の差でも生きてきた年数の違いでもなくカルデアでの年次であった。
後述のカジノでドツボに嵌まる一幕と併せて考えるとかなりの負けず嫌いであることが窺える……そこまでしてマウント取りたいか。

イベント編集

「海の底も山の頂も、徹底して神秘を暴き征服せずにはいられない。それがおまえたちの獣性じゃないの。」
自身のバレンタインシナリオにて、嫌悪する人間について。
彼女自身は吸血を化物の行為として嫌っており、必要に迫られなければ人間を襲い、エネルギーを奪うこともない。
それなのに不死というだけで命を狙われ続けたため、人間は理解を超えたものを許さないと語り、相容れない存在として見ている。
しかし、カルデアのマスターにはわざわざ手作りチョコを用意しており、サーヴァントにずけずけ踏み込んでくる彼/彼女の姿勢は、呆れつつも嫌ってはいない様子。
「人の欲望には際限がありません。
 それこそ過去の良識からは想像もつかないような退廃と狂乱が、世の移り変わりとともに現れます。
 戦乱の中、飢えと恐怖で人が獣に退行する様は珍しくもなかったでしょうが。
 このように目がくらむ光と飽食の中でも、彼らは浅ましさを露呈させるのです。」
『見参! ラスベガス御前試合~水着剣豪七色勝負!』にて。項羽とともにベガスのカジノを訪れ、いかにも人外の超越者らしくさも興味なさげにこんな事を言っているが……。
「ちょっと何なの? さっきから5回も続けて黒ポケット!?このルーレット何か細工してるんじゃないでしょうね!?」
「ちょ……また外れ!? ああもう、次こそ勝負をかけてやるわ! ここから巻き返せばこっちのものよ!?」
実際に始めて見ればこのザマである。こんなんだから各所で「負けたらギャグ要員」とか言われるんじゃ……。しかし旦那にとってはこんな彼女の醜態も、「自らを枷に嵌めすぎるきらいがある彼女がここまで童心に帰っている様子は実に微笑ましい」と言って見守っているだけである。
「ダズンベットでサード! ここまで手堅いなら万全でしょ!
 ええい忌々しい、残りのチップ全部積んでやる!」
同上、項羽が見守る前で醜態を晒しながらドツボにハマる。
彼女が賭けた「ダズンベット」とは、1~12・13~24・25~36の3分割のうちのいずれかに賭ける賭け方だが、当たる確率1/3のこれを「ここまで手堅いなら」と言っている辺り、これまでどんな賭け方をしてきたのか予想が付くような…。なお「サード」なので25~36に賭けたようだが赤の7が出て彼女は無事(?)オケラとなった。
「何でよ! カジノっていうのはお金を湯水のように稼いでは使う場所なんでしょ!?
 なんで人間どもだけ許されて私だけが咎められるの? またしても虞美人差別!?」
同上。「カジノで使うお金を捻出する為に貴重な文化遺産を闇オークションにかける」という学者が卒倒しそうな蛮行を力ずくで止められて。
そもそも行為そのものが問題で、誰がやったかはあまり問題ではないのだが。そして、彼女が本編で言っていた「人間社会で迫害されてきた」という事象の何割がこのような軽率な行為に由来するのかが気になってくる。

その他編集

「哀しき運命に翻弄された人間嫌いサーヴァント。最愛の彼氏との再会を切望しているが……恒常だし、そのうち引けたらいいね。」
エイプリルフール企画『Fate/Grand Order Quest』及び『Fate/Grand Order MyCraft Lostbelt』でのテキスト。
一部のユーザーが発した「虞美人は項羽が絡むとポンコツになる」というネタがあったが、あろうことか公式がこのネタを採用してしまった。
「ああ、見苦しいったらありゃしない」

メモ編集

  • 上記のような経緯で英霊への鞍替えを考えながら消えていったため「いつかサーヴァントとして登録されるのでは」と推測されていたが、ピックアップでの登場は『人智統合真国 シン』が配信されてから一週間後。このため「どれだけ項羽に会いたかったんだ」「ゆっくり(一週間程)よく考えた」「むしろ即決めしたけどレア度の調整で一週間英霊の座とモメた」など散々に言われてしまう事に……。
    • ちなみにピックアップの仕様上、ヒナコがコールドスリープされた直後のカルデアに召喚される可能性もゼロではない。英霊の座には時間の概念がないため設定上は何もおかしくないのだが、召喚時のセリフが『シン』のストーリーを踏まえており、『シン』未クリアのプレイヤーにとっては微妙に意味が通らない内容になっている。
    • 始皇帝も、同じく『シン』クリア前のプレイヤーが召喚してタイムパラドックスが発生する可能性がある。もしもそうなった場合、始皇帝は召喚時に時系列のズレを認識し、今後の展開を匂わせるメタ発言をするようになっている。
      • もっとも、こちらはパラドックスと言っても時系列の行き違いだけで、虞美人のように本人が2人存在する状態にはならない。虞美人がメタ発言をすると「瀕死で眠っている自分自身について発言する」事は避けられないだろうし、そうなるとコフィンの中からいついなくなったのかという核心部分に触れざるを得ないだろう。
    • なお、『フロムロストベルト』では消滅後の彼女の事が語られており、中国異聞帯がなくなった後の白紙化した地球を彷徨っていた時期があったことが明かされている。カルデアにも他の異聞帯にも異星の神にも興味をなくしており、人理に鞍替えする件についても「始皇帝の口車に乗るようで癪だ」「英霊になればもう彷徨うこともなくなるはずだしもう少しいいか」くらいのつもりで先延ばしにしている模様。
    • ただし、彼女はストーリー召喚限定サーヴァントであってすり抜け召喚が発生しないので、PU召喚か配布キャンペーンが開催されていない場合の入手難易度は高め。
      • 対する項羽は恒常サーヴァントとしてあっさりすり抜けてきたりもするため、「項羽は簡単に召喚できたのに肝心の彼女が全然来ない」というもどかしい事態も発生しがち。
  • プレイヤーからの愛称は本編中でタマモヴィッチ・コヤンスカヤが用いた「グっちゃん」[注 4]徐福からの「ぐっ様」の他「先輩」「パイセン」など。悪態はつきつつも召喚に応じたり、先輩後輩の関係でマウントを取ろうとしたりする等、サーヴァントになってから見せる意外な親しみやすさから一気に定着した。
    • 北米版で登場した際も、プレイヤーからの綽名は「pai-sen」であったとか[注 5]
  • 何はともあれサーヴァントとして主人公/ノウム・カルデアへの召喚に応じるようになった事で、クリプター陣営からの離反は決定的となったものと考えられる。
    • 一部のプレイヤーからは「召喚した彼女からクリプターの内情を聞き出せるのではないか」という意見も出ているが、ノウム・カルデアに確定で召喚されている訳ではないのに加え、「生前」の彼女もクリプターとしての活動やコミュニケーションにも積極的でなかった上に異聞帯の項羽の事で頭がいっぱいだったと思われるので、「メンバーの名前ぐらいしかろくに覚えていないのではないか」という酷い反論も見受けられる。
    • 他のクリプターたちからは死亡扱いの認識をされている。
  • 実装から最速で2019年正月イベントの『雀のお宿の活動日誌~閻魔亭繁盛記~』に登場しているが、これは奈須氏が2018年の初頭に虚淵氏から第2部3章のシナリオを受け取った際に「すまない。キミが最速の犠牲者だ」と断腸の思いで閻魔亭に登場させると決めていたかららしい。[出 1]
    • なお、同じく第2部3章で登場した赤兎馬も強烈なネタ性ゆえか2018年12月のクリスマスイベント『ホーリー・サンバ・ナイト』で一足先に登場しているため「最速」かどうかは意見が分かれるところではある。
    • 幕間の物語の実装も第二部以降のサーヴァントの中では群を抜いて早く、内容も筆舌に尽くし難い代物であった。
    • その後も2019年夏イベントで自由気ままに振る舞う(自分の扱いへのメタ発言、歴史的物品の闇オークション、カジノでヤケクソ自爆等)為、彼女が出てきたらとりあえず面白いことになるという扱いが確定したようだ。
      しかし、彼女の人生を知る人からすれば、しがらみも飲み込んで今の自分の状況を楽しむ姿を見て「ある意味彼女は救われている」と評する意見も。
      事実、同イベント内で項羽は「こんなにも楽しそうな虞を見ることが嬉しい」と心の中で喜んでいた。
  • いろいろな意味でファッションがヤバい人。第二再臨以降の下着と見まごうばかりの衣装もさることながら、まともに見える第一再臨ですら、第二再臨衣装の「下に」セーターを着て眼鏡をかけただけのものである。
    • なお、2回目の霊基再臨の折に目の毒だと言われると彼女は「知らないわよそんなの」と返しており、「つまらない事柄」と歯牙にもかけていない。
    • このためか、自身の幕間の物語で蘭陵王にマスターとの距離感について相談したところ「まずちゃんとした服を着てください(意訳)」と言われる羽目になってしまった。
    • さらに、『フロムロストベルト』で彼女の後ろから見た姿も登場したが、前がまだマシに見えるレベルで股間以外に布がない。このナリで歩き回っていたのなら、そりゃ蘭陵王も苦言を呈するはずである。
    • もっとも、カルデアにはファッションが危険すぎる前科持ちが何人も居るのだが。
  • 北米版での表記は「Yu Mei-ren」(「虞美人」の中国語読み)だが、実装される前では欧米のファンから「Yu Miaoyi」と呼ばれていた。漢字は「虞妙弋」だが、中国語圏の掲示板でも「虞姫の本名って虞妙弋なの?」と議論になるなどあまり一般的ではない模様。主に欧米圏で流通している名称であるようだ。
    「虞妙弋」本来は2006年に放映された中国ドラマ『大漢風 項羽と劉邦』の設定だったが、放送と同じ年に「虞妙弋」の名は史実として中国語版Wikipediaに追記された。そして2010年にて、中国語版を間違ったまま翻訳した英語版が作られた。中国語版は英語版作成の直後に修正されたが、欧米圏への影響は今でも残っている。
  • 前述の通り史記・漢書でも記述は少なく、項羽との出会いは一切記載されていない(項羽最後の戦いである「垓下の戦い」の部分でも「劉邦に敗れた傷心の項羽の傍にはいつも虞美人がおり、項羽は片時も彼女を放すことがなかった」とだけしか書かれておらず、実情は全くというほど分からない程度にしか書かれていない)。
    • 史記、漢書でも彼女はその後に関する記述は一切存在せず、彼女の運命は定かではなかった。TYPE-MOONの世界では人ではなかった事もあり、そのまま項羽とは死に別れることになり彼女は生き続けていたが、五代十国時代の閻選『虞美人』や孫光憲『虞美人』の詞では「彼女は生き残り、項羽を想い続けている」という解釈がなされており、本編の虞美人はこれが一番近い。
      • ただし、虞美人草のエピソードが非常に有名なこともあり、現代では彼女が生き延びたという展開はイメージされないことが多い。特に北宋時代以降は女性の貞操を守るべきとの文化が生まれた影響もあり、生き延びることはほとんどない。事実、北宋に編纂された『太平寰宇記』では「項羽が虞美人を殺害して埋葬する」、北宋の曾鞏の作と伝わる『古文真宝』の『虞美人草』や明代の通俗小説『西漢通俗演義』、京劇の『覇王別姫』では解釈や展開こそ違うが、虞美人は「自殺」してしまう。
  • 明代の通俗小説である『西漢通俗演義』では後付けながら項羽と彼女の出会いは克明に描かれており、虞后とも記述されているため、虞美人を正室として取り扱っている。
    • こちらでは項羽の武勇を見込んだ会稽塗山の父老である虞一公が項羽を家に招き、娘である虞姫を項羽に娶せるために会わせた時を馴れ初めとしており、項羽はその美しさに一目ぼれし、正式に婚姻。更に彼女の弟(『西漢通俗演義』より後の作品では兄になる事もある)である「虞子期」を大将として取り立てている。この虞美人は項羽に数々の助言と諫めを行い、失敗すれは彼を慰めて奮い立たせる事もなるなど、武人の妻としての理想像を大きく反映させた人物像となっている。
    • こちらの最期は上記の通り自殺だが、項羽は彼女に劉邦の寵愛を受けて生き残るように勧めるが虞美人は拒絶するなど、項羽を強く想う人物となっている。
  • クリプターなので大令呪を持っていたが、奈須氏が『Fate/Grand Order Spotlight Lostbelt No.3』にて、自ら切り離してしまったと回答。その後の所在は現在は不明。

脚注編集

注釈編集

  1. 1.0 1.1 身長及び体重は宝具を使用する度に若干変動する。が、あまり真面目に肉体を再生するつもりは無いらしい。
  2. 極論するなら、「目の前の相手と今話している」状態と「いつか相手と話している状況を想像する」状態と「死に別れたかつての相手と話していた事を回想する」状態が彼女の中では区別されていない。
  3. 景徳鎮の前身とおぼしき陶磁器など。仙境の秘宝というわけでは無いので虞美人的に限ってはゴミ同然だが、学術的価値が高く、闇オークションでみだりに売られるべきものではないのが常識だったため、諸葛孔明〔エルメロイⅡ世〕に見咎められることに。
  4. 劇中での表記はこうなのだが、入力しづらい・誤認されやすい字面のせいで実際には「っちゃん」と表記されがち。なお、『サーヴァント・サマーキャンプ!』ではかな表記でほぼ公認になっている。
  5. 余談だが、いわゆる「先輩・後輩」の文化は日本独特のものであり、欧米には該当する概念がないため日本語から訳する際には「sen-pai」になる。

出典編集

  1. 『週刊ファミ通 2019年8月22・29日合併号』 p76

リンク編集