フォーリナー | |
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真名 | アビゲイル・ウィリアムズ |
外国語表記 | Abigail Williams |
愛称 | アビー |
性別 | 女性 |
身長 | 152cm |
体重 | 44kg |
好きな物 | パンケーキ、マッシュポテト |
苦手な物 | 魔女扱いされること |
出典 | 『セイレム魔女裁判』他 |
地域 | 北米・マサチューセッツ |
属性 | 混沌・悪 |
副属性 | 地 |
一人称 | 私 |
二人称 |
あなた/マスター(カルデアに召喚されたアビゲイル) 座長さん(セイレムのアビゲイル) |
三人称 | ○○さん/あの方/みなさん |
声優 | 大和田仁美 |
デザイン | 黒星紅白 |
設定作成 | 星空めてお |
レア度 | ☆5 |
初登場作品 | Fate/Grand Order |
概要編集
- 略歴
- 亜種特異点Ⅳとして現れたマサチューセッツ州セイレム村に住む少女。
- 夜に抜け出して友人たちとまじないの儀式を行っている最中に獣に襲われ、居合わせた主人公とカルデア一行に助けられる。
- その後は伯父であるランドルフ・カーターの計らいで自宅へ招かれたカルデア一行と日々を過ごすこととなるが、セイレムにおいて魔女裁判が繰り広げられるにつれて悪夢にうなされるようになり、水面下で精神の深層における「深淵の邪神」の降臨が進行してゆく。
- そして魔神柱ラウムの策謀によるシャルル=アンリ・サンソンの処刑、魔女裁判における罪の告発、親友ラヴィニア・ウェイトリーの死を経て、最終的に『全にして一、一にして全なる者』と呼ばれる外なる神の力をその身に宿すに至る。
- その実態は、魔神柱ラウムが聖杯を用いて「偽りのセイレム」を創造した際に擬似的なサーヴァントとして生まれた存在。彼女が召喚されたことで仮初めのセイレムは精度を増し、極大の魔力反応と共に亜種特異点として成立した。
- 「外宇宙」と呼ばれる領域外、この宇宙の法則に縛られない虚空に棲まう神による人理の転覆と真実の終焉を目論むラウムは、その神話を語りあげた異才なる男の発想の原点を求めた。地球古代史に存在しない「偽りの神」への縁となりうる発端、かつてマサチューセッツ州セイレム村で発生した狂気の事件とその中心にあった一人の少女。かくしてラウムは必然としてアビゲイル・ウィリアムズの存在へと行きつき、そして彼女の類稀なる「巫術者」としての資質に目を付け、彼女の身に虚空の神を降ろすことを画策する。
- アビゲイルが「降臨者」となる結果を齎すため、閉ざされた特異点において「セイレム」という現象は幾度となく繰り返され――結果としてカルデアによる介入が行われた七度目のセイレムにおいて、魔神柱の目的は果たされた。
- 全てが終わった後は、自身の力の制御を学ぶべく、自らの意思で縛られていたセイレムから出ることを決意。現れた本物のランドルフ・カーターと共に「門」を開き、何処とも知れぬ世界に旅立っていった。
- 本編の後日談となる幕間の物語では、主人公が虚数潜航を行う未来を知ったことで、ささやかなきっかけを縁として星辰の門を開き、精神を「カルデアにサーヴァントとして召喚されたアビゲイル」に憑依させる形で自ら創造した架空の夢に現れる。主人公を目の当たりにしたことで感情が抑えられなくなり邪神の力が顕現、主人公を彼女の下に手繰り寄せようとするが、寸でのところで自制心を取り戻し少女の姿へと戻った。その後は主人公と語らい、星辰の刻の終わりと共にカーターに連れられて元の世界へと精神を帰還させた。
- 人物
- 金髪・碧眼の12歳の少女。カルデアに召喚されたアビゲイルは、セイレムのアビゲイルとは別人。
- 神を敬い、感謝の祈りを欠かさず、多感で疑う事を知らない年頃の娘。心優しく分別があり、差別が当然のように罷り通る環境にあってそれに流されない芯の強さを持つ。
- 精神的に早熟しており、村人だけでなく異邦の客人に対しても丁寧に接するほか、孤独や不安に苛まれても自暴自棄にならず気丈に振る舞う。
- 一方で年相応の好奇心や稚気も持ち、まだ見ぬ外の世界への強い憧憬を抱いているほか、本当に親しい間柄の人に対しては甘えたがりな面を見せることもある。
- 純粋無垢で信仰に厚いが故に人の善性を信じ、罪人も別け隔てなく救済されることを願っている。この救済意識は人類史において悪名を轟かせた人間に対しても例外ではなく、魔神柱にすら驚嘆された。
- 他方、「深淵の邪神」の擬似的な依り代となった際は、邪神の性質によるものか冷淡かつ達観的、ともすれば挑発的な性格を露わにする。
- 大人びてはいるものの、根本にある救済への願いそのものは変化していない。ただし、この世に一片の罪も無い人間は存在しないことを理解しており、それゆえにあらゆる人々に「苦痛」という報いを与えることで救う、という破滅的な救済意識へと形を変えている。
- そうした危険な一面が顕れる一方、本来の気丈さからくる抑制が薄れるためか、甘えたがりな面が表出しやすくもなる。セイレムの彼女が主人公と再び会った際は、感情を抑えきれずに夢に取り込んだ主人公を連れ去りかけている。
- このように「深淵の邪神」に魅入られた彼女は危険かつ異質な性格も併せ持つため、よく目を配り、厳しく律して顛墜を防ぐ者の存在は必須である。
- 好物のパンケーキについては一家言ある。
- 能力
- この宇宙とは異なる領域外に棲む「深淵の邪神」の一柱である『外なる神』に仕える”巫女”であり、神を顕現させる”依り代”であり、虚構への門を開く”鍵”。
- 『全にして一、一にして全なる者』と称される大いなる神のごく限定的な依り代と化した彼女は、宇宙の外側にある『窮極の門』に接続する『銀の鍵』の力を宿している。
- 生きる『銀の鍵』である彼女は、全ての時間と空間に「門」を開き、時空を超越してあらゆる領域に移動する。それを利用した時空間接続によって様々な攻撃を行うほか、並行世界や「外宇宙」と呼ばれる領域外への渡航をも可能とする。更に時空間そのものを繋げることもできるようで、イングランドやローマ、エルサレムといった各空間をセイレムと物理的に接続、一体化させるという離れ業すらも実現させうる。
- それ以外にも、門を繋ぐことによる異界の怪物の召喚、夢への干渉と誑惑、呪術的結線を通した侵蝕、結界を展開した対象の心臓に苦痛を送り込み、死に追い遣る力など、様々な超常的な能力を発揮する。
- 時間を超える能力を用い、本来であれば失われたはずの特異点における記憶を対象に授けることや、近い未来に発生する現象を知覚することも可能。
- 平常時における戦闘時では、主に光り輝く概念触手らしき物体によって攻撃を行う。
- 『銀の鍵』としての力が本格的に顕現すると、得物として鍵の形状をした杖を携えるようになる。杖は空間に外宇宙への「門」を開く触媒となり、開いた時空からは巨大な異界の邪神の一部が現れ外敵を殲滅する。額には鍵穴と思しい穴が出現し、内部より覗く邪神の瞳から正体不明の魔力光が放たれる。
- 領域外の邪神と同質の存在であることから、根本的に「此方の宇宙」とは異なる属性を持ち、その法則に縛られない。それゆえに存在するだけで結界を歪ませ、戒律を破り、魔術の体系そのものを綻ばせてしまう。謂わば世界の在り方を不確かにする存在、世界の船底に穿たれた金氏弁の如き脅威。
- だが、これらは『外なる神』の片鱗である『銀の鍵』としての力に過ぎない。薔薇の眠りを超えて窮極の門へと至り、真に『全にして一、一にして全なる者』と一体になった時、彼女は時空の門を守護する神にも等しい、自在な歴史の改鋳・再編すら可能な高次元の存在へと昇華する。ただし、それは彼女が彼女ではないモノと化し、この世の理が綻び崩れることに他ならない。
別クラス/バリエーション編集
水着サーヴァント編集
水着へと着替えたアビゲイル。クラスは据え置きである。
詳細は『アビゲイル・ウィリアムズ〔夏〕』を参照。
ステータス編集
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
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フォーリナー | 主人公 (Grand Order) | B | A | C | B | C | A | 領域外の生命:EX 狂気:B 神性:B |
信仰の祈り:C 正気喪失:B 魔女裁判:A+ 深淵にて光となれり:A セイレムの魔女:A++ |
強化クエストクリアで「信仰の祈り」→「深淵にて光となれり」に変化。 強化クエスト2クリアで「魔女裁判」→「セイレムの魔女」に変化。 |
宝具編集
- 光殻湛えし虚樹(クリフォー・ライゾォム)
- ランク:EX
種別:対人宝具
レンジ:1~?
最大捕捉:1人 - 人類とは相容れない異質な世界に通じる“門”を開き、対象の精神・肉体に深刻なひずみを生じさせる、邪悪の樹クリフォトより生い添う地下茎。
- 効果対象は“鍵”となるアビゲイル個人の認識に束縛される。それゆえの対人宝具。本来ならば対界宝具とでもいうべき、際限のない性質を有している。
- 再臨段階によって演出が全く別物になるという性質を有し、初期段階ではゆっくりと浮遊したアビゲイルの額が虹色に光り輝いたのち、眩い光が敵と周囲一帯を呑み込む。その後にクリフォトの樹を思わせる十の煌めきが現れ、鍵穴らしき形状の光と虹色の輝きが遥か彼方へと消えてゆく神秘的な光景が広がる。
- 再臨後はゆっくりと浮遊したアビゲイルの額に向けて周囲の空間が収束していき、対象を詳細不明の暗黒の領域に引き摺り込む。そしてアビゲイルの額に現れた鍵穴の中で邪神の瞳が覚醒、背後に開いた鍵穴の如き空間から顕現した深淵の邪神が敵を覆い尽くす。しかしこの光景もまたアビゲイルの鍵穴の内における事象に過ぎず、最後はひとり虚空と宇宙の両空間に佇むアビゲイルが映し出される。
- 『Grand Order』では「敵単体の強化状態を解除&超強力な攻撃[Lv]&クリティカル発生率をダウン(1ターン)<オーバーチャージで効果アップ>」という効果のBuster宝具。
- 強化解除を先にかけてくる宝具は前例があるが、アビゲイルのものは単体攻撃である分威力が高く、現実的な対策方法が一部のサーヴァントが持っている強化解除耐性と回避状態の併用や、ターゲット集中状態の付与によって標的を逸らす方法などに限られる。
- 幸い、アビゲイルが敵ボスとして登場してくるバトルは極めて少ない。
真名:アビゲイル・ウィリアムズ編集
- 17世紀末。清教徒の開拓村セイレムで起きた「魔女裁判事件」。
- 最初に悪魔憑きの兆候を示した一人が少女アビゲイル・ウィリアムズだった。
- 悪魔憑きの異常な症状は他の少女たちにも伝播し、およそ一年に渡って多くの村人が告発された。
- その結果200名もの逮捕者、うち19名もの絞首刑、2名の獄死、1名の拷問死という惨劇を招いた。
- 少女たちの真意やその引き金となった要因など、いまだに多くの謎が残されている。
- 清教徒の信徒としてのアビゲイルは神を敬い、感謝の祈りを欠かさぬ無垢の少女だ。多感で疑う事を知らない年頃の娘に過ぎない。
- 清貧を信条とする清教徒達は、権威におもねる教会の弾圧を逃れて海を渡り、新世界へと至る。しかしやがて彼らは追いつかれ、追い詰められた。彼らの抗議(プロテスト)の矛先は、身近な隣人へと向けられた。
- 退廃と抑圧の世にこそ“英雄”が立ち上がるように───
自分を律するはずの潔白の信条は、他者を監視する道具となり、戦乱と略奪が繰り返される植民地の不穏な暮らしは、猜疑心と利己心を育んだ。 - ───彼らはやがて心の底に狂気を、“魔女”を求めるようになる。私たちのこの不幸と苦しみは、悪魔の仕業でなければ何なのだ、と。
- 果たしてセイレムに魔女は現れ、凄惨な魔女裁判の門は開かれた。“鍵穴”となる狂瀾たる状況。人々の欲望を映しとり“鍵”となった少女。
その両者が欠かせぬのだとしたら、さて、罪はどちらにあるのだろうか。
- 外なる神“全にして一、一にして全なる者”。
- それらは、とある異才なる男に創造された虚構でありながらも、常識を侵食する狂気としての条件を備えていた。
- 彼ら、いや、ソレらは地球古代史に存在しない偽りの神であるが、遙かな深淵よりの観測者としての可能性を捨てきれないものたちである。
- その特性をもって、彼女にはこのクラスが与えられた。
- 虚空からの降臨者───フォーリナーと。
- 魔神柱ラウムは、不可能を可能とするために、男の発想の原点を求め、発端となった歴史上の事件をたどり、そして必然たる一人の少女へと行き着いたのだった。
- ゆえにアビゲイルとは、外なる神に仕える"巫女"であり、神を顕現させる"依り代"であり、虚構への門を開く"鍵"である。
登場作品と役柄編集
Fateシリーズ編集
- Fate/Grand Order
- 亜種特異点Ⅳ『異端なるセイレム』のキーパーソン。第二ピックアップガチャにおいて期間限定サーヴァントとして実装されたが、それまではサーヴァントとしての情報は☆5であること以外は全て伏せられていた。
その他編集
- ぐだぐだオーダー(仮)
- 配信前のツイッターで見た的な真名予想としてクトゥルフ神話の原作者「(H.P.)ラヴクラフトの幼女化に一票」されていたが、別にそんな事はなかった。
- ちびちゅき!
- セイレム配信から間を置かずにラヴィニアと共に登場。しがらみもわだかまりもなくなって内気なラヴィニアをリードしながら学校生活を楽しむ。
人間関係編集
Fate/Grand Order編集
- 主人公 (Grand Order)
- セイレムの外の世界から来た劇団の「座長さん」。
- 野狼に襲われた自分と友達を救い、また世界中を旅して来たと語る主人公に憧れを抱いている。
- 伯父であるカーターにも話せない相談事を持ち掛けたりと信頼の念も厚く、一方の主人公も二つ返事で相談に乗る、看病の際には即興劇を演じてみせるなど関係は非常に良好である。
- アビーが旅立った後、主人公の手にはアビーの両親の形見であるペンダントが残された。
- 奏章Ⅱでは彼/彼女をその精神世界へと送り込むメンバーの一員として協力しており、またその後は巌窟王から彼/彼女の精神の守護を任されている。
- マシュ・キリエライト
- 劇団に所属する座長さんの後輩。
- リハビリ中だったため戦闘には参加しないものの、主人公と同じく良き相談相手となっており関係は良好。数奇な運命なのか、後述のように彼女と共通点がかなり多い。
- ラヴィニア・ウェイトリー
- 亜種特異点Ⅳにおける親友。同じ箒星の年に生まれたとされ、一緒に鯨を見に行ったという。
- 先天性色素欠乏症と思しいラヴィニアの外見をからかうことなく「綺麗」と評しており、また「星の妖精」に喩えている。このこともあり、セイレムでは爪弾き者にされているウェイトリー家の人々に対してもアビーだけが特に差別的な感情を持たず、それを知るラヴィニアもアビゲイルを気に掛けていた。
- 実は友人を求めたアビーのために魔神柱ラウムがセイレムに招き寄せた存在であり、元はセイレムの住人ではない。このためアビゲイルと幼少期に一緒に過ごした想い出は本物ではなく、特異点を支配する「認識阻害」の法則によって発生した虚構の記憶である。しかし、彼女らが共に過ごした僅かな時間は紛れもなく友情の証であった。
- なお、ラヴィニアはとある外宇宙の神格の降臨を悲願とするウェイトリー家の一員であり、招かれた後はラウムによって脅迫され、アビゲイルに友達として近付いた上で偽の魔導書を使って"降臨の儀"というまじないの真似事を教えていた。それが結果としてアビーを『外なる神』の依り代として覚醒させる決定打となっている。
- 『ちびちゅき!』においても親友同士。一緒に同じ制服を着られる事を互いに喜んでいる。
- 魔神柱ラウム
- 亜種特異点Ⅳにおいて関わりがあった魔神柱。ランドルフ・カーターの肉体を使い、伯父として振る舞っていた。
- 平時においては彼を保護者と認識し、(カーターとしての)信念や行いには尊敬の念を抱いていたようである。少なくともラウムが伯父として振舞っていた間においては、両者の家族としての絆は本物であったと言える。
- 最終的には「魔神」としての正体を顕してラヴィニアに致命傷を負わせたラウムを踏み潰し抹殺した。
- ランドルフ・カーター
- 数多の世界を渡り歩く、「時空を旅する紳士」。亜種特異点Ⅳのエピローグにて、肉体を取り戻した彼と共に見果てぬ時空、宇宙の深淵へと旅立っていった。
- 彼はラウムの記憶をある程度継承しており、アビゲイルを自然と愛称で呼んでいる。
- シバの女王
- 亜種特異点Ⅳで縁があったためか、真名を知った後も「ティテュバ」と呼ぶことがある。アビゲイル自身の信仰における重要人物の一人だが、今は気安い関係。
- 彼女の恋愛話には興味津々のようだが、はぐらかされている模様。
- ジェロニモ
- 彼女の両親を殺めた「先住民」側の人物であるために怯えを隠せないが、ジェロニモが真面目な人格者であることは理解しており、ちゃんとお話がしたいと考えている。
- バレンタインイベントでは主人公の手助けを借りて彼との距離を縮めようと頑張るアビゲイルの姿が見られた。
- ダビデ
- 敬虔な彼女にとっては信仰の対象であるのだが、あまりと言えばあまりの奔放さに根底から信仰が揺らぎかかる程。
- 一応、「竪琴を弾いている時は」良い人であると思っているようであるが。
- ジル・ド・レェ
- 黒い外套のジル・ド・レェさんと呼ぶ。何かと気にかけて自分に親切にしてくれることに対して、理由が分からずに首を傾げている。
- おそらく異界の邪神と縁を持つ同胞としての感情だと思われ、かなり前から『FGO material』において彼女の名を挙げ「深淵の匂いがする」と評していた。
- トーマス・エジソン
- ライオンさん。マサチューセッツがアメリカという合衆国の一部になったことを、六時間かけて教えてもらった。
- ちびちゅき!においてはライオン先生を務める。
- 葛飾北斎
- 自身と同じフォーリナーのサーヴァント。実装自体はアビゲイルが先輩である。
- そのあまりの絵の技量と気迫に圧倒される一方、若干嫉妬心があるらしく、それを指摘されるとむくれてしまう。
- 後に期間限定イベント『サーヴァント・サマー・フェステイバル!』では同人誌サークル「鉄棒ぬらぬら」としてお手伝いをしていた。
- 葛飾北斎〔セイバー〕
- 上記の北斎の若い時の姿。
- こちらは身振り付きで読本を呼んでくれるために楽しい相手だとか。
- タマモキャット
- バレンタインでカルデア職員やサーヴァント達、主人公のためにチョコを作るのを手伝っていた。
- アビーが主人公に渡すためのチョコを作る時も手伝っていたが、このチョコにはキャットの体毛が数本混入している。一見してよくあるミスのようだが、クトゥルフ神話世界において「猫」は高位の霊的存在とされているため、或いはわざと混入した可能性もある。
- 巌窟王 エドモン・ダンテス
- サーヴァントになった経緯の他、平行世界における自分が今もなお密接に主人公と関わっている点が類似している。
- その為かエドモンの幕間2節では霊基不調の原因が『もう一人の彼』にある事を見抜いていたり、レディ・アヴァロンのバレンタインシナリオから共に精神世界の守護を担っている事が示唆されている。
- 奏章Ⅱでは、カルデアから退去する彼の代わりに主人公の精神世界を任された。
- カルデア職員
- バレンタインイベントでは職員のためにも義理チョコを作っており、彼らとの関係も良好と思われる。
生前編集
- サミュエル・パリス
- 伯父。牧師をしていた。
- ベティ・パリス
- サミュエルの娘で、アビゲイルのいとこ。生前、共にセイレム魔女裁判の「最初の原告」となった少女。幕間の物語で言及がある。
- マシュー・ホプキンス
- 亜種特異点Ⅳで共演した相手。
- 漫画版では彼が魔女狩りの道へと進んだのが「セイレムを出て大人になったアビゲイルと出会ったから」であったことが明かされた。
ぐだぐだオーダー編集
名台詞編集
Fate/Grand Order編集
戦闘編集
- 「我が手に
銀の鍵 あり。虚無より現れ、その指先で触れ給う。我が父なる神よ、薔薇の眠りを越え、いざ窮極の門へと至らん!『光殻湛えし虚樹 』!」 - 初期段階での宝具使用時。
- まだ完全に力を制御しきれていないのか、必死に制御しようとするように苦しげに絶叫する。この時は少女らしい声音。宝具は本性を隠し、神秘的な七色の光と共に敵を消滅させる。
- 「イグナ……イグナ……トゥフルトゥクンガ。我が手に
銀の鍵 あり。虚無より現れ、その指先で触れ給う。我が父なる神よ。我、その神髄を宿す現身とならん。
薔薇の眠りを越え、いざ窮極の門へと至らん……!『光殻湛えし虚樹 』」 - 霊基第二段階以降での宝具使用時。
- 完全に「生きる『銀の鍵』」としての力をモノにしたようで、終始冷淡に謳い上げる。声音も低く、また冷たいものとなる。それに呼応して宝具も冒涜的な本性を現し、敵を狂気の門へと引きずり込む。
- 台詞冒頭の詠唱はクトゥルフ神話の作品『ダンウィッチの怪』作中の台詞が元ネタで、原語表記は「Ygnaiih……ygnaiih……thflthkh’ngha」。本来は呪文でもなんでもなくただの「助けを乞う悲鳴」であり、意味は「Help! Help! Father!」=「助けて!助けて!父上!」とされている。ちなみに元ネタでは台詞の最後にヨグ=ソトースの名を呼んでいる。
マイルーム編集
- 「迷える時も、孤独に震える時も、貴方は傍にいてくださった。今度は、私が貴方を支えると誓うわ。
でもね……時々は、あ、甘えさせてほしいの……。」 - マイルーム会話「絆Lv5」。どれだけ気丈に振る舞っていても、強大な力を有していても、彼女がまだ年頃の甘えたがりな少女である事に変わりはない。
本編編集
- 「ええ、私と同じ。箒星の年に生まれた十二歳の女の子。」
- 親友であるラヴィニアを指して。
- 「……ラヴィニアの見た目をからかう人もいる。病気みたいだなんて言うひどい人も。」
「でも、私はとっても綺麗だと思うわ。だって星の妖精のようでしょう?」 - 白化病で謎の角が生えているラヴィニアを綺麗と評するアビゲイル。何の因果か、霊基第三再臨ではアビゲイルが「星の妖精」のようと評したラヴィニアのような白髪、白肌へと変貌する。
- 一方でラヴィニア自身はアビゲイルの金色の髪が綺麗だと思っており、後に自らの手を血で汚した時もアビゲイルの金色の髪が汚れるのを拒否していた。
- 「でもやっぱり彼女こそ、私の一番大切な友達だわ。離れてみて、ようくわかった。」
- 自分を遠ざけるラヴィニアに対し、一度は意地を張って疎遠になったアビゲイル。しかし距離を取ったことで、改めてラヴィニアが自分の心に占める大きさを知った。
- 「ごめんなさい、ラヴィニア。だめ……出来ない……!」
「私、どうしてもセイレムを出られない……!」
「ごめんなさい……ごめんなさい……あなたのご家族のことも……」
「何と言って謝ったらいいか……。」 - 船でセイレムを離れることを持ちかけるラヴィニアに対し、無意識な罪の自責からそれはできないと断る。なお、ラヴィニアの祖父の処刑はアビゲイルの叔父であるカーターの告発に端を発するものであり、ラヴィニアは彼の姪であるアビゲイルにも複雑な感情を抱いていた。
- 「ああ……。」「ずっとずっと遠くへ行っても、お友達でいてくださる……?」
「いいえ、あなたは私の友達よ。」
「それでも、あなたは私の友達よ。」
「ありがとう……。ラヴィニア、大好きよ……。」 - ウェイトリー家の悲願のためにアビゲイルを利用していた負い目から「友達」という関係を半ば自虐的に否定するラヴィニアだが、最後は純粋無垢に友達としての関係を肯定するアビゲイルの抱擁を受容した。
- 「はい……。私は……親友が欲しい、と。」
「神の愛の届かない。とても、とても、可哀想な子を……。」
「でも……私なら、愛せると、思います。」 - ランドルフ・カーターに憑依した魔神柱ラウムによる、彼女の罪の告発において。
- カーターの相談に対して彼女は無二の友達を求め、この願いを受けたラウムはラヴィニア・ウェイトリーとその一家を特異点セイレムに招いた。
- この願いが間接的にラヴィニアとの縁を結ぶきっかけとなったとも言える。
- 「セイレムからは決して外には出られない。」
「私の罪は、まだこの地に眠っているから。」 - 邪神をその身に降ろして語った、彼女がセイレムから出られない真の意味。
- 死してなお、消えることがなかった生前の所業に対する罪悪感。それこそがアビゲイルをセイレムに縛る。
- 「イングランドも、ローマも、エルサレムも……ぜんぶつなげてあげるわ。」
「そして果てなき永劫の苦痛 を――。苦痛 を、苦痛 を、苦痛 を――!」 - 自分以外の死してなお生前の罪の意識に苦しみ続ける人間たちを繰り返すセイレムで見てきた。贖罪を望む者達を見続けてきた。
- 罪の子ではない人などいない。であればすべてをセイレムにつなげ、苦痛をもって人類を救済する。それが彼女の邪悪な赦しである。
- 「ええ……何度、箒星がめぐっても、ずっと友達よ……。」
- ラヴィニアは致命傷を負いつつも、アビゲイルと同じ箒星の子供である事を、一緒に鯨を見に行ったという記憶を受け容れた。
- 例え記憶が贋作のものだとしても、友達であった事は決して嘘ではなかったのだから。
- 「私――……私、死んでもいいかしら?」
「セイレムを捨てて、生まれ変わりたいと願ってもいいの?」
「神様は決してお許しにならない!けれど、私――」 - 自らの罪を偽りのセイレムで繰り返した事、それでも呪われていてもセイレムを愛している罪悪感に縛りつけられていたアビゲイルだが、魔女裁判で自ら処刑を望んだサンソンの最後の言葉、「死は明日への希望」を思いだし、セイレムから旅立つことを決意する。
- 「またいつか、何処かで、世界の果てで、ラヴィニアと出会えることもあるでしょう。」
- 巡る箒星を巡り、見果てぬ時空へとセイレムの魔女は旅立つ。遥かなる旅の果てに、一座の面々や大切な箒星の友達と巡りあえる希望を信じて。
イベント編集
- 「ごめんなさい、マスター。こんなの……悪い子のすること……だわ……。」
「あなただけに……私だけが……よく思われたいだなんて……。」
「いけないことよ……とても。でも、どうしても気持ちを伝えたくて……。」 - カルデアに召喚されて初めて迎えたバレンタインにて。カルデア中にチョコレートを渡して回っていた彼女であるが、マスターに渡したチョコレートだけは特別製だった。皆から慕われているマスターにもっと可愛がってもらいたいという年相応の独占欲と、それを押しとどめる自身の良心との葛藤が見える。なお、この後、出てくる選択肢同様、彼女の尊さに卒倒あるいは発狂したマスターは数知れず。
その他編集
- 「ど、どうかしら……マスター?
――――あっ、ちがうわ。へい・ぶろ! さっぷべいびー!
ちゃんとイケナイ子になれてる、私? さ、最高にくーる?
のー・ぶるし*と? ふ**きん・くれいじー?
17世紀生まれの私には、アメリカは近くて遠い国。
理解するにもまず形から。直接肌で感じるのも大切。
と思ったけれど……やっぱりこれ恥ずかしい!
あっ、し*と! い*! *あ! ******!」 - FGOフェスでの旅装に添えられたコメント。
- 現代のアメリカを学ぶ為に衣装も着て言葉も合わせたようだが、恥ずかしい上に今一つ言葉の意味も分かっていないようである。
- そして最後の方にはFワードよりもヤバい言葉が……。
ちびちゅき!編集
- 「わー! とっても素敵よ。ラヴィニア!」
- 自分と同じ制服を着てくれたラヴィニアに対して。優しい世界であるちびちゅき型月学園でも二人の友情は変わらない。
- 「――そして私がカギ役をやるわ!」「それならいつも一緒でしょ?」
- 戸締り係にラヴィニアを推薦した後、「カギ役」なる謎の役を立候補する。確かに再臨するとおでこに鍵穴が出来るが、よくよく考えると「狂気の中にあっても無垢さを忘れない者」感が出てるやり取りと言える。
- 「みんなで一緒に食べたらきっと仲良くなれるわ。ねっ」
- 上手く自己紹介出来なかったと落ち込むラヴィニアを支える。
ぐだぐだエース編集
- アビゲイル「そんな事より魔女狩りしようぜ!」
- エレシュキガル「ふんぐるむ!」
- ぐだぐだ魔女裁判。亜種特異点Ⅳ『異端なるセイレム』配信前に執筆されたネタであったため、御多分に漏れずキャラ崩壊していた。
メモ編集
- 初めて登場した「フォーリナー」のサーヴァント。そうした事情もあってか、事前の発表では名前もクラスも不明という異例の扱いがなされた。
- Fateシリーズで初めて明確に『クトゥルフ神話』が前面に押し出されたサーヴァントである。
これまでもクトゥルフ要素のあるサーヴァントはいたが、アビゲイルの登場により型月作品の世界(型月用語としての「世界」ではなく、メタ的な意味での世界)にもクトゥルフ邪神群が実在することが確定した。
ただし、型月作品内におけるクトゥルフ神話は「ひとりの夢を見る男が吐き出した創作神話」、すなわち「狂気のような偶然でクトゥルフ邪神群の在り方を言い当てた」創作物として扱われている。
ゆえに型月作品の邪神は、厳密に言うと「クトゥルフ邪神群と全く同じ性質を持つ、深淵に潜む名状しがたき冒涜的な何か」である。- ちなみに、初登場となった「異端なるセイレム」の舞台となるセイレムは、クトゥルフ神話に登場するアーカムという都市のモデルであり、クトゥルフ神話の原点の一つとされる。
- そういった縁もあってか、H・P・ラヴクラフト作品集『クトゥルーの呼び声』の帯には『Fate/Grand Order』とのコラボという形でアビゲイルとラヴィニアが登場している[1]。
- 型月作品内におけるクトゥルフ邪神群は『型月宇宙とは異なる「外宇宙」に存在する高次生命』と定義されている。
「外宇宙」とは平行世界ですらない文字通りの領域外、別次元とされ、この深淵に棲まう神格はこちらの宇宙の属性を持たず、魔術体系などの法則を始めとする地球の枠組みにも一切縛られない。こういった性質から「異端」「異常異質な神」と称され、人理への明確な脅威と認識されている。- 地球上どころかこの宇宙で生まれた存在ですらないため、これら深淵の邪神に対しては星の安全装置である抑止力が働かない。
事実、作中において、深淵の邪神の完全なる降臨はとりもなおさず人理の破綻を意味するとされている。
現時点で示されている邪神の性質や能力(後述)に鑑みても、深淵の邪神を完全に顕現させようと目論んだ魔神柱ラウムの行為は、一歩間違えればゼパル以上に危険どころの話では済まない暴挙だったと言えるだろう。
ビーストの顕現に対して発動するはずのグランドクラスサーヴァント召喚すら機能しなかった辺り、その脅威は正に計り知れない。 - 『Fate/EXTRA CCC』の用語集によれば、BBやアルターエゴ達を吸収し「魔人」と化した殺生院キアラの在り方は、二十世紀に流行したとある創作神話における邪神、即ち「深淵の邪神」たちのそれに近いとされる。彼女はこれらの神の域に達しながら、些細なミスによってその座から転落した。
- 地球上どころかこの宇宙で生まれた存在ですらないため、これら深淵の邪神に対しては星の安全装置である抑止力が働かない。
- 作中の台詞や設定描写から、彼女と関連するクトゥルフ神話の神格は『外なる神』にして『全にして一、一にして全なる者』こと『ヨグ=ソトース』であると推測される。
所謂現実においてのラヴクラフトのクトゥルフ神話でのヨグ=ソトースは時空の制限を一切受けない神性にして、全ての時と共に存在しあらゆる空間に接する存在とされ、全ての時空間を内包し支配する力を持つ。
アビゲイルが「あらゆる時間と空間に門を開き、行き来する」という規格外の能力を持つのは、彼女がこの神格の限定的な依り代となり、時空の深奥に繋がるという「窮極の門」を開く「銀の鍵」としての性質を得たためである。
アビゲイルはいずれ自ら「窮極の門」へと至り、かの『外なる神』と一体となる可能性があるとされるが、その際は時空の門を守護し、高次元の移動や自在な歴史の改鋳・再編をも可能とする「神」に等しい存在と化すという。- 彼女の親友であるラヴィニア・ウェイトリーの出典である「ダニッチの怪」では、ヨグ=ソトースとラヴィニア・ウェイトリーが成した双子の怪物が登場する。アビゲイルに『外なる神』降臨の儀式を教えた(アビゲイル自身は唯のまじないだと思っていたが)のはラヴィニアであるため、ある意味では直接的な元ネタである。
- 同じく「空間を接続する」事で機能する宝具としてはギルガメッシュの『王の財宝』が存在する。ただしギルガメッシュのそれが「宝物庫に接続し物体を出し入れする」ものであるのに対し、アビゲイルのそれは時間と空間を超越し、過去や未来、外宇宙への接続と移動をも可能とする代物であるため、王の財宝と比較すると遥かに応用が利く。
- 存在的に完成した場合時空間の移動は自由自在という規格外のアビゲイルであるが幕間を見る限り現在は条件付きの様子で、とくに虚数空間は完全に手が出せないらしい。
- アビゲイルが深淵の邪神の依り代に選ばれたのは、魔神柱ラウムによって純粋な巫術者としての才覚を見出されたことに加え、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトが編んだクトゥルフ神話の原点の一つである狂気の街「セイレム」にあって、あらゆる意味で中心的な役割を担っていたことによる。この条件に加え、彼女が親友としてセイレムに招いたラヴィニア・ウェイトリーが図らずも『外なる神』に纏わる魔導書『象牙の書』を所有しており、その書に記されていたまじないをアビゲイルに教えたことで、かの神格のアビゲイルへの降臨が決定的なものとなった。
- 『外なる神』降臨を悲願とし、代々それに纏わる錬金術を継承してきたウェイトリー家の娘をも遥かに上回る巫術者としての才覚はラウムにとっても驚嘆に値するものであったらしく、ラウムはこれを以って「外なる神」の顕現および人類の救済を確信したとされる。
- 幕間の物語では、外宇宙へと旅立った彼女の実体が「ある惑星の大きな、古い図書館」に滞在していることが明かされるが、これはクトゥルフ神話にてプレアデス星団に存在するとされる恒星「セラエノ」の第四惑星に存在する大図書館のことを指すと思われる。その大図書館には様々な星に関する本のほか、『外なる神』やその敵対者に関する秘密の知識や呪文が刻まれた禁断の石板が存在している。如何なる経緯かは不明だが、地球にはラバン・シュリュズベリイ博士が石板の内容の一部を翻訳して残した「セラエノ断章」という自筆写本が存在するという。
- 偽りのセイレムにおいては、カルデアが干渉するまでに六度の「セイレムという現象」が繰り返されていたが、魔神柱ラウムによればアビゲイルはその中で六つの罪を犯したという。
- 一つ目は「銃の暴発と馬車の転倒の引き金となり、結果としてウィリアムズ夫妻が死亡したこと」。ラウムの言やアビゲイルの反応からすると故意ではなく偶発的なものだと推測されるが、ラウムはこれを第一の罪状と定義した。ただし「ウィリアムズ夫妻は先住民に襲われ死亡した」という作中証言と食い違っており、またその先住民はラウムによって使役されていたことが確実視されているため、そもそもが濡れ衣の可能性もある。
- 二つ目は「本来の使用人であるティテュバを(恐らく最初の)食屍鬼へと変えたこと」。言及に割かれた台詞が極めて少ないため経緯などは不明だが、アビゲイルは食屍鬼を「死者の想いを食べて一つになるもの」と認識していたようである。
- 三つ目は「親友を求め、ラヴィニア・ウェイトリーとその一家をセイレムに招いたこと」。招かれたウェイトリー家はラウムによって「外なる神」降臨の引き金となる役割を期待された。なおこの段階でセイレムは六度目の現象となっており、これを維持する魔力と時間が枯渇を始めていた。
- 四つ目は「死してなお贖罪を乞うた罪人の魂を、慈悲を以てセイレムに招いたこと」。その魂の中にはマシュー・ホプキンスなど人類史の魔女狩りに加担した者も含まれていた。
- 五つ目は「無垢であるが故に人を信じ続け、罪人への呵責を行わなかったこと」。その信仰の厚さは魔女狩りに加担した人物にすら救済を見出させるものであったが、同時にセイレムを罪人が救われず処断されない煉獄へと創り変えてしまう結果となった。
- そして六つ目にして最後の罪は「人の心と言葉、希望を捨て去ること」。この罪のみ過去形ではなく未来形であるが、これは第七のセイレムにてアビゲイル自身が人であることを捨て、深淵の邪神をその身に降臨させることを指すものと思われる。
- 一つ目の罪と三つ目の罪を除けば、アビゲイル自身は彼女の信じる救済と赦しに則ってセイレムに干渉している。第七のセイレムである本編中において、アビゲイルは一貫して魔女裁判にかけられる人々の無罪を主張し続け、精神の深層で邪神の降臨が始まった後は自らが魔女であることを半ば肯定してすらいる。
- ラウムの独白によれば、罪を犯した者でも別け隔てなく救おうとするアビゲイルの姿には、魔神柱仲間から切り捨てられたラウム自身も救われたとのこと。当初はアビゲイルに深淵の邪神の依り代としての役割を期待するのみだったラウムが、最終盤では「姪(アビゲイル)を救う」とまで言い切った理由はこのあたりにある。
- ラウムはアビゲイルが生前の罪の意識に縛られており、セイレムから離れられないことを知っていた。六つの罪状を仕立て上げ、アビゲイルを法廷で「魔女」として裁くという経緯は、「自身が魔女である」という認識を受け入れさせてアビゲイルの自責の念を解くこと、それと同時に時空を超越する力を持つ『外なる神』をアビゲイルの身に降臨させることで、物理的にセイレムから離れられるようにすることを期したものでもあった。
尤も魔女裁判を経てなおアビーの自責の念は解かれず、『銀の鍵』となったアビーはセイレムからの解放ではなく「世界をセイレムと繋げ一体化させる」ことを望んだため、彼女をカルデア勢に鎮められるまでその目的は完全には達成できなかった。
- 「異端なるセイレム」は2017年においてあまり前面に出なかったマシュ・キリエライトが本編に介入した唯一のシナリオである事もあってか、そのキーキャラクターであるアビゲイルはシナリオ中でもマシュとの関係が良好。アビゲイルは「マシュさんみたいな素敵な人」と語り、またマシュ自身も自分の境遇を重ね合わせた結果「アビーを一人にしてはいけない」と決心を固めており、アビゲイルが「外なる神」の影響で半ば暴走状態に陥った後も彼女の善性を信じ続けた。
- カルデアに召喚されたアビゲイルがラヴィニアの事を記憶しているかは2018年年始においては明確ではないが、シバの女王については「異端なるセイレム」時代でのティテュバの印象を持ち合わせている事から、ラヴィニアの事も大切な友人であると記憶している可能性は十分考えられる。
- マテリアルでは清教徒(ピューリタン)としての厳格な戒律もセイレム魔女事件の原因の一つではないかと指摘している。アビゲイル自身は巫女としての才能が強い事を除けば信仰心が厚い少女であり、これがスキル「信仰の祈り」の由来となっている。
- 神を信仰するが故に罪人である己を許せない所などはジル・ド・レェに近い部分もあるのかもしれない。
- ラウムは「魔術協会における伝承科」「我らの王の弟子のひとり、ブリシサンが預かった禁忌の中の禁忌」を迷信と掛け合わせる事で人類を救済しようとしていた事から、伝承科とアビゲイルひいてはクトゥルフ邪神群などは何らかの関係があるかもしれない。
- 余談だが、カルデアAチームのデイビット・ゼム・ヴォイドは、伝承科から追放された人物でありダヴィンチからは「危険人物」とされている。
- 再臨段階によって戦闘モーションや宝具演出が大きく変わる珍しいサーヴァントのひとり。
- 再臨後はパンイチの少女(しかも尋常じゃないローライズ)という際どすぎる格好となる。
- 異端なるセイレムにて敵として登場した当時、ゲーム上で相性有利を取れるアルターエゴは尽くが期間限定ガチャでの入手に限られ、確実な入手が見込めた配布サーヴァントは直前の開催であったハロウィンイベントにおけるメカエリチャン(Ⅱ号機)であった。そのため新たなる某魔を断つ剣が誕生するカルデアが続出した。
- 彼女、ひいてはフォーリナークラスの登場により、本作からクトゥルフ要素がある程度表立って登場する機会が生まれることとなった。となると、クトゥルフの邪神群がどこまで人理と世界に関わっているか気になる所ではある。
- クトゥルフ邪神群の化身とされる存在は多岐に渡るが、日本絡みではある邪神の化身の一つが織田信長の姿を取って現れるという一説が存在している。
- バレンタインイベントでは「セイレムではクリスマスのお祝いはしなかった」とされているが、これは清教徒(ピューリタン)が1647年から1660年にかけてクリスマスを荒れたお祝いと禁止して間もない事も大きいのだろう。セイレム魔女裁判が起きた頃のマサチューセッツではクリスマスは法律で禁止されていなかったものの、信仰のためにクリスマスを祭りとして祝う風習はまだなかったと思われる。
- ただしアビゲイル自体はセイレムの外の文化に関心を示しているので、実際クリスマスイベントに参加したら楽しんでいることは確実だろう。
話題まとめ編集
- クトゥルフ神話
- クトゥルー神話とも。ハワード・フィリップス・ラヴクラフトとその友人たちが著した小説を基盤とした架空の神話体系。
- 人類には計り知れない狂気の存在をモチーフとした「宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)」の概念の元に成立しており、冒涜的とも称される異形の怪物や途方も無いスケールの神々が数多く登場する。
- TYPE-MOON世界観との兼ね合いからか、作中において「クトゥルフ神話」という用語は登場しておらず、また関連する神格や怪物の名も直接的には示されていない(神格の異名や地名の中国語表記等が用いられる)。これはアビゲイルに先立って登場していたジル・ド・レェなどの設定においても同様である。
- 邪悪の樹クリフォト
- 神秘思想カバラにおいて、旧約聖書に描かれる「生命の樹(セフィロト)」と対を成す概念。セフィロトを上下逆さまに裏返したような構造を持つ。
- 唯一神から流出する属性を具現化したとされるセフィロトに対し、クリフォトは神と対立する邪悪なる属性の具現化とされ、樹に付随する十の球体のそれぞれが罪や悪徳を象徴する。
- 「クリフォト」という言葉はヘブライ語で「殻」を意味する「クリファ(qlipha)」の複数形である。また、罪を象徴する球体にはそれぞれ虚数単位を付加した番号が割り振られている。宝具名『光殻湛えし虚樹』はこういった設定に由来するものと思しい。
- なお、セフィロト(生命の樹)およびクリフォト(邪悪の樹)という概念はクトゥルフ神話とは異なる思想から誕生したもので本来はなんら関係もないが、両者はオカルティストのケネス・グラントの著書や思想に大きく取り上げられており、著書ではクリフォトとクトゥルフ神話の旧支配者を同一視していた。また、クリフォトこそがヨグ=ソトースの外見に関する描写のインスピレーションだという説が同じくケネス・グラントによって提唱された。
- ケネス・グラント
- 晩年のアレイスター・クロウリーの秘書、あるいは弟子とされているケネス・グラントの著書は型月世界のクトゥルフ神話の設定に大きく影響していると思われる。具体的には、前述のクリフォトに関するもの以外にも、スト・テュホンをヨグ=ソトースの別名として扱っているのは基本的にグラントの著書のみで、「外なる神は実在し、ラヴクラフトは偶然にもそれを直感的に、あるいは夢で垣間見て、自分の想像上の存在だと思い込んで本にした」という考えも『Outer Gateways』等のグラントの著書に登場する。また、グラントは著書でエジプトの(ストの語源でありヨグ=ソトースと同一視されている)セト神を「フォーリナー」と呼んでいる。
脚注編集
注釈編集
出典編集