魔術

2017年12月15日 (金) 13:11時点におけるアムナント (トーク | 投稿記録)による版 (→‎置換)

魔術

魔力を用いて人為的に神秘・奇跡を再現する術の総称。

万能のイメージがあるが、基本的に等価交換で成り立つ。
一見して何の触媒も消費しない魔術でも、「魔力」を消費してその効果を現している。有から有を持ってくるのであって、無から有は作れず、出来る事を起こすのであって、出来ない事は起こせない。自然に干渉する魔術もやはり自然に満ちる大きな魔力なしには発動させることはできず、個人の魔力ではできることに限界がある。
また、他者の精神に干渉する呪術は物質的代償を必要としないが、術者の精神を別の方向へと引っ張ってしまう。人を呪わば穴二つ。

魔術は秘されなければならないものだが、一方で概念は多くの人々の信仰によって在り方を安定させる。なので、概念の変化は魔術に影響を与える。

「魔術」と「魔法」は「その時代の文明の力で再現できる奇跡かどうか」で線引きされている。
300年前には「自由自在に空を飛ぶ」奇跡は魔法であったろうし、もしも未来の科学で平行世界旅行が可能になったら第二魔法は魔術に格下げされるという。かつては多くの神秘が魔法であったが、ここ最近は逆に魔術が文明の後追いをしている状態となっている。

EXTRA』の世界では神秘は崩壊したため、魔術師達(メイガス)はウィザードと名を変え、電脳世界を舞台として存続している。

根源

世界のあらゆる事象の出発点となったモノ。ゼロ、始まりの大元、全ての原因。
これを魔術師達は「根源」と呼ぶ。もしくは、その一点から事象が渦を巻くように放射状に流れ出す様を例えて、「根源の渦」とも呼ぶ。

「根源」とは、語弊を承知で有り体に言えば、「究極の知識」である。全ての始まりであるがゆえに、その結果である世界の全てを導き出せるもの。最初にして最後を記したもの。この一端の機能を指してアカシックレコードと呼んだりもする。

魔術師とは、この「根源」への到達、究極にして無なるものを求めてやまない人種のこと。
元をただせば、魔術師とは根源を探求する学者。それが根源へ至る手段に魔術を用いるから、魔術師と呼ばれるだけ。

根源から流れ出す事象の川は、当然、根源に近ければ「太い流れ」であるし、末端へと流れていけば、途中いくつもの支流に分かれて「細い流れ」となる。
事象を細分化する要因は、時の流れと人々の意識あり、人々に知られれば知られる程、それは細くまた複雑になる。これは「一般常識」とも言い換えられる。

そして、未だ大勢の人の手によって汲み上げられることなく、「太い流れ」を保っているものが、一般に知られていない「神秘」。(あくまで比較の話であり、神秘でさえ根源という最初からみれば細いものでしかない)

流れが太いものも細いものも、根源から流れ出たという点で違いはない。
しかし、魔術師のように根源へと辿り着こうとしている者達にとって、細分化された一般常識程度の知識では、あまりに根源へは遠すぎる。
ゆえに、魔術師は根源へ至るために「神秘」を学ぶ。その「太い流れ」こそが、根源へと至るに足ると信じるから。
神秘=魔術が引き起こす「奇跡」などというものは、魔術師にとって瑣末なものでしかない。ただそれが根源に近いがため、魔術という手段を選んだに過ぎない。(現実的な話ではないが、もし魔術以外の手段で根源へ到達できるなら、魔術師は喜んでその方法を執る)

魔術のシステム

神秘

今の時代の一般常識から外れた、巷に流布してはいない、秘匿された知識とその成果。魔術師は「根源」へ至る手段として「神秘」を学び、その「魔術師の学ぶ神秘」を言い換えると、それが「魔術」と呼ばれる。

魔術師にとって魔術とは、根源に至るための手段である。言い換えれば、根源へ至る可能性と価値があるからこそ、魔術師は魔術を学んでいる。もし魔術が根源へと至る手段ではないものに成り下がったら、魔術師にとって意味が無い。

魔術がその価値を無くすとは、即ち既に述べた「一般に知られる」ということが現実に起こった場合。「神秘」という「事象の太い流れ」が、一般に知られることで「細い流れ」へと姿を変え、前述したように根源から遠ざかる。それを、魔術師は最も忌避する。 一例として、「人体模造はとうに衰退した概念」という記述がしばしば出てくるが、これは科学・医学の発達により人体の構造が詳細に解き明かされ、世界中に広く知れ渡って神秘が薄れたため。もっとも人体の神秘が完全に解明されつくしたわけではないため、蒼崎橙子のような天才的な魔術師ならば魔術として使用できる余地がある。

魔術師の学ぶ魔術とは、根源に至る可能性を持つ「太い流れ」=「神秘」でなければ、学ぶ価値が無い。
それと共に、「神秘」は大勢に知られてはならない。大勢に知られては、その意味と意義を失う。

ゆえに、魔術とは神秘であり、神秘であり続けるから魔術として存在できる。

魔術師は己の研究を公開しない。公開しては「神秘」たりえなくなる。
公開しては「神秘」たりえなくなるため、魔術師同士が研究の成果を持ち寄って意見を交換し、互いによりよく発展させようなどということはありえない。
そのため、魔術師の自治組織である魔術協会は、その第一義が他を差し置いて「神秘の秘匿」とされている。

魔術協会は、別に魔術師が新しい魔術師を育てるための学び舎でもないし、互いに切磋琢磨しあう研究の場でもない。ようするに、「他の魔術師が下手を打って神秘を漏らして、自分に迷惑がふりかかってこないよう、互いに監視し合うための組織」として機能している。

魔術系統

根源から流れ出た事象の川。それをどう解釈(もしくは脚色)するかは、触れた人間の背景にある文化・民族性による。(世界中に、遠く距離を隔てた土地でありながら、類似した神話や伝承があるのはこのため)
魔術においてもそれは同じで、「神秘」という意味で類似していながらも異なった解釈で存在するそれらを、「魔術系統」と呼ぶ。

空の境界』矛盾螺旋での蒼崎橙子の言葉には、

  • アストロロジー
  • アルケミー
  • カバラ
  • 神仙道
  • ルーン

があり、他にも数え切れないという。

もし根源へと到達できれば、新しい魔術系統(魔法)を作ることも可能だという。

魔術基盤

魔術系統によって「世界に刻み付けられた」大魔術式。既に世界に定められたルールであり、人々の信仰がカタチとなったもの。人の意思、集合無意識、信仰心によって「世界に刻み付けられる」もの。
各門派ごとによって取り仕切られている基盤(システム)。ここに各々の魔術師が魔術回路を通じて繋がることで命令(コマンド)を送り、基盤が受理、予め作られていた機能(プログラム)が実行される、という流れになっている。
この時必要とされる、電力に相当するものが魔力である。
門派ごとに違いはあるものの、基本的には「術者の体内、もしくは外界に満ちた魔力」を、魔術という技に変換するシステム。

「信仰心」と言っても宗教的な信徒であることを示すのではなく、「知名度」に言い換えられる。
神秘(魔術)が「ある」と信じられることによって、世界がそれを許容する。
ここで、「ある」と信じるということは、それが「確信」である必要はない。例えば、「幽霊」という神秘の存在について、現代の人間の大半は否定的な意見を持っている。しかし、現代の科学では「ない」とも言い切れない。「ひょっとしたらあるかも」という考えは、無意識のどこかにある。そういった「疑念」的なものも、信仰心には含まれる。
信仰心の反対は「無知」。幽霊の存在自体を知らない、ということのみが、信仰心を産まない。

つまり、広く大勢の人間に知られていればいるほど、魔術基盤は強固なものになるということ。
これにより、信仰の弱い、「世界に刻み付ける」力が脆弱な、基盤の小さな一派の魔術は、誰にもその存在を知られていないような他国においては、まっとうに機能しないということが起こる。

「魔術に足る神秘の知識」とは、再び幽霊に例えれば、「幽霊という存在がある(かもしれない)ことを知っていること」ではない。「幽霊の『正体』を知っていること」である。一般人にとって幽霊とは、いるかいないかわからない、あやふやなものである。しかし、魔術師にとって幽霊とは、その正体までも知っていて、いることが不思議でも何でもないもの。
神秘を起こす「ルーン」という魔術がある。ルーンは奇跡を起こす、と一般には信じる者もいるし、信じない者もいる。ただ、両者に共通なのは、ルーンが「何故」奇跡を起こすことができるのかまでは、知らないということ。しかし、魔術師はその「何故」を少なくとも一般人よりは知っている。

この差が、「神秘は知る人間が増えれば力を失う」ということと、「広く大勢の人間に知られていればいるほど、魔術基盤は強固なものになる」ということが両立する所以。

実際に、現代の世界で最も広く強固な魔術基盤を有しているのは、聖堂教会による神の教え、聖言に他ならない。ただし、彼らは人の手に余る神秘は神の手に委ね、人が手にしてはならないものだと説くゆえに、魔術という神秘を扱うものと敵対する立場にある。

魔術回路

魔術師が体内に持つ、魔術を扱うための擬似神経。生命力を魔力に変換する為の「炉」であり、基盤となる大魔術式に繋がる「路」でもある。魔力を電気とするなら、魔術回路は電気を生み出すための炉心であり、システムを動かすためのパイプラインでもある。回路を励起させ魔力を生成すると、人である体からは反発により痛みが生じる。

最初は眠っているが、修行によって「開く」ことで使用できるようになる。一度開いてしまえば、あとは術者の意志でオンオフができ、魔術を使う際にはオンにし魔術回路を活性化させ、使わないときはオフにしている。スイッチの仕方は術者のイメージそれぞれで、これは最初の「開き」に関係している。最初の開きも方法は術者次第で、中には性的興奮とか自傷行為とかもある。

魔術師にとっての才能の代名詞で、これの数が多いほど優秀な魔術師であるとされる。これを持たない人間は魔術師にはなれない。生まれながらに持ち得る数が決まっており、魔術師の家系は自分たちに手を加えて、魔術回路が一本でも多い跡継ぎを誕生させようとする。古い家系の魔術師ほど強力なのはこの為。

魔術回路は内臓にも例えられ、ひとたび失った魔術回路は死ぬまで再生することはない。また、跡継ぎに魔術回路を増やすよう働きかけるということは、内臓を増やすということにも繋がるが、その手段がまっとうであるはずもない。

魔眼は魔術師に付属した器官でありながら、半ば独立した魔術回路であり、魔眼を移植することにより、疑似的に魔術回路を増やすことができる。
魔力の扱いに卓越していれば魔眼の魔術回路を自分のものに上乗せすることも出来る。

魔力

魔術を発動させるための要素のこと。魔術回路に流れる電流に相当する。原初の生命力とも、命そのものとも言われる。

呼び方として、外界(自然界)にある魔力「マナ」と、内界(術者の体内)にある魔力「オド」があるが、とりだせる場所の差であって、魔力である点においてその性質に差はない。単に、自然の一部でしかない人間が単体で生成するオドでは、空間そのものが持っているマナに比べ、その絶対量で到底及ばないというだけの話。
魔術師であれば、マナは自由に行使できるが、その行使量は魔術師の実力に依存する。

  • 大源(マナ):魔力の呼び名の一つ。大魔力。自然界に満ちている星の息吹たる魔力を指す。
  • 小源(オド):魔力の呼び名の一つ。小魔力。生命(人間)が自らの体内で生成する魔力を指す。

呪文詠唱

魔術を起動させるための動作。手続きで言うのなら、申請、受理、審査、発行のうち、最初の申請である。

大別して二つあり、一つには、「門派ごとの魔術基盤に働きかける約束事」である呪文がある。一流派として安定した魔術を使用する際は、定められた形式通りに手順を踏まねばならない。その時の決まった言葉が呪文であり、「形式」であるため身振り等の他の要素も関わる場合もある。基本的には「世界に訴えかける」もので、大呪文、大儀式の類。

もう一つには、「自身を作り変えるための自己暗示」がある。魔術回路を効率よく起動・作動させる方法の一つとしての、自らを作り変える「決り文句」である。もともと呪文とはこちらの意味が先にあった。呪文は世界に訴えるものではなく自身に訴えるもの。同じ魔術でも、魔術師ごとに呪文詠唱の文句の内容は異なる。これはつまり術者の人間性の違いで、「自分を作りかえる」ために必要な言葉は各々によって違うということである。

その工程によって、何種類かに分けられる

  • 魔力を通すだけで魔術を起動させる一工程(シングルアクション)
  • 一つの事柄を自身の中で固定化する一小節
  • 十以上の小節を以って簡易的な儀式と為す瞬間契約(テンカウント)

ガンドや魔眼などがシングルアクションに相当する。なお、詠唱は魔術師として成長することで短縮可能である。どの程度までの短縮が可能かは明記されていないが、宝石魔術のように何らかの媒体を使用することでほぼ一小節の詠唱でAランクの魔術行使もできる。 セミラミスのように、魔法陣を複数用意等の準備をすればAランクを超える魔術を行使することも可能ではあるが、通常魔力は強力な分、その際に要するマナ等から感知され易くなり、宝具でのバックアップでもない限り実戦レベルでそれほどの魔術を多用するのは無理がある。
そのため、現代魔術師が戦闘で使用出来るのはAランク魔術が上限と言える。  

各種魔術

作中で使われている代表的な魔術。

錬金術

万物、物質の流転をテーマとする学問。ありきたりなものは物質の変換で、よく言われるのは「他の卑金属を黄金へと変換する術」。ようするに魔術を用いて「物を造る」ことである。
プラハの協会で研究が盛んであり、アインツベルンもその研究の中心は錬金術である。

理導/開通(シュトラセ/ゲーエン)

ジークが使用する、手で触れた物体の組成を瞬時に解析し、魔力を変質・同調させ、最適な破壊を行う強力な攻撃魔術。 アインツベルンの錬金術を元にしている。

アトラスの錬金術と、思考分割、高速思考

アトラス院で行われている錬金術の研究は、中世を発祥とする西洋魔術に傾倒した現代錬金術とは別物で、魔術の祖と言われる錬金術である。
万物、物質の流転をテーマとするのは共通だが、アトラス院では事象の変換も研究している。

アトラス院の魔術師(錬金術師)は魔術回路が少なく、自然干渉系の魔術が使えない。その代わり、人体を演算装置とする術に特化している。思考分割、高速思考は、アトラス院の錬金術師の必須技能で、所属するには最低3つの分割思考と高速思考が必要とされる。
「思考分割」は、思考を仮想的に分割し、複数の思考を同時に行う。並列して思考を行うため3つあるからといって3倍になるわけではなく、4倍5倍の思考速度になる。更に「高速思考」で思考速度を上げるため、戦闘時などでは疑似的な未来視となる。
分割思考は5つで天才といわれ、過去の院長では最高8つという者もいた。

強化

魔力を通して対象の存在を高め、文字通りの効果を発揮する魔術。ナイフに使えば切れ味が良くなり、ガラスに使えば硬くなる。あまり曖昧なモノを、曖昧に強化させることはできない。
基礎中の基礎でありながら、極めるのは困難と言われている。全ての魔術の基本なのだが、その自由度の高さからか明確な実行形式が定まっておらず、オールマイティな「強化」使いは少ない。
なお、生物には自分の魔力を通し難いので、他人を「強化」するのは最高難易度とされる。
衛宮士郎は強化使いではあるが未熟。遠坂凛は自分の身体を強化して体術による戦闘を行う。キャスター葛木宗一郎の身体を強化してサーヴァント並の強度と精度を持たせている。

投影

グラデーション・エア。オリジナルの鏡像を、魔力で物質化させる魔術。
非常に効率の悪い魔術で、投影でレプリカを作るなら、ちゃんとした材料でレプリカを作った方がよほど手軽で実用に耐える。
本来は失われた道具などを儀式のためなどに一時的に復活させる魔術。数分間だけ自分の時間軸に映し出して代用する魔術。つまり(外見だけの)レンタル。投影した道具はオリジナルの道具と比べると劣化が激しく、さらに時間を経れば投影したものは世界の修正により魔力に戻ってしまう。
……で、ありながら、投影した品がずっと残っているなど、衛宮士郎の投影がどれだけデタラメであるかは、『Fate/stay night』にて語られている通り。

ガンド

北欧に伝わる呪いが起源。対象を人差し指で指差し呪うことで、病いを与える。
詳細は項目参照。

転換

魔力、霊魂、精神といったものを別のモノに移して定着させる魔術。応用範囲は広いが、それだけに極めるのが困難な魔術でもある。遠坂家、エーデルフェルト家はこの魔術系統を得意とする。また、ロアの「転生の魔術」もこの発展系であるとされている。

宝石魔術

宝石などの鉱物に魔力を込めて行う魔術。
宝石は持ち主の念を溜めやすく、魔力を宿しやすい。中でも長く地中に眠っていた鉱石には自然霊が形成されやすく、属性を帯びた宝石はそれだけで簡易的な魔術刻印となる。火の自然霊が宿った宝石は、魔力を通すだけで燃えやすいというふうに。
基本的には使い捨て。威力は高いが、コストも高い。
凛やルヴィアなどが得意とする。

置換

フラッシュ・エア。何かを何かで置き換える魔術。
詳細は「置換魔術」を参照。

支配

他の生物を意のままに操る魔術。間桐(マキリ)家はこれを一番の得手とする。
昆虫や小動物程度なら容易だが、人間や幻想種にもなると意のままに操るのは困難。ただし「命令に従う」という契約を一度結んでしまえば、魔術師や英霊をも使役可能。
催眠術程度の使い方から令呪まで、様々な場面で使われている。

魅了

他人(主に異性)を強烈に惹き付ける魔術。「チャーム」とルビが振られることも。支配と違い、相手を操るわけではない。
玉藻の前の呪法にはこの要素が含まれており、主に権力者の寵愛を得るために使われていたらしい。ディルムッドの黒子の呪いもこれに当る。

ルーン魔術

魔術系統の一つ、ルーンを用いた魔術。
「ルーン文字」を刻むことで魔術的神秘を発現させる。それぞれのルーンごとに意味があり、強化や発火、探索といった効果を発揮する。
蒼崎橙子が学院時代に研究し、バゼット・フラガ・マクレミッツのフラガ家はアイルランドにおけるルーン魔術の大家である。
クー・フーリンも、原初18のルーン魔術を修得している。ブリュンヒルデもルーン魔術を習得しており、十全に使うなら現代魔術師の数百万倍と言う途方も無い規模となる。

黒魔術(ウィッチクラフト)

生贄を捧げることで、特定の対象に対する災厄の招来及び呪殺、悪魔召喚、儀式による精神集中を目的とした魔術。
その特性上、何の躊躇いもなく生贄を解体するために、生贄の懇願に惑わされない「冷酷さ」と、必要に応じた苦痛を与え殺戮の快楽を抑制するための「理性」が必要とされる。また「呪術」に非常に近い性質を持つ。
使用者は沙条綾香玲瓏館美沙夜セレニケ・アイスコル・ユグドミレニア周瀬律架など。また、メイ・リデル・アーシェロットも近代黒魔術という系統を扱う。

死霊魔術(ネクロマンシー)

読んで字のごとく死体と共に発展してきた魔術。
会得する者は先ず、己の「死」を見つめる所から修練を開始する。自分自身に幻術をかけ、肉体が腐乱していく様を幾度となく観察する。そして鏡越しに見ていた自分が朽ち果てていく姿から「死」を見つめ、「死」を抱き、命が「死」と共にある事を知り、最終的に「死」を統べることを目標とする。
シンプルな用途としては死者を食屍鬼に作り変え、死体を継ぎ接ぎして生み出した怪物を蘇生させて使役する。この魔術を操る獅子劫界離は魔術使いとして研鑽を積んでおり、魔術師の死体や魔獣の屍から礼装を作り出す。
元々、この魔術は研究する上でも大量の死体を必要とし、一流の死霊魔術師は革命やクーデターで大量虐殺が行われると狂喜乱舞して死体を掻き集める事が宿命と言われ、古来から常に戦場で危険と共に在ったとされる。

蝶魔術(パピリオ・マギア)

芋虫が蛹を経て、一度躰をどろどろに溶かしきってから蝶に変わる様に神秘性を見出した魔術。
生物の肉体を材料にし、まったく別の生物へと変貌させる。他者の死体から使い魔を生成することや、自分の精子から作ったホムンクルスに人格や記憶を転写するなど応用範囲は広い。オルロック・シザームンドがこの蝶魔術の重鎮である。

獣性魔術

自らの内側から獣性を引き出し、魔力を纏うことによって疑似的に人狼のような能力を得る魔術。
多くの土地において、魔術は獣の能力を取り込むことに血道を上げた。魔術以外にも中国武術では形意拳や白鶴拳など獣の動きにヒントを得たものは枚挙にいとまがなく、西洋のダンスや芸術でも白鳥や獅子のモチーフは頻繁に取り入れられる。
人が獣とたもとを分かった時から、獣は神秘を見出される存在となった。
アジアの多くの地域では、犬の声は魔を祓うとされ、吼えた音圧だけで、他者の魔力を引き出し、魔術回路で変換した魔力を、まるで魔術を覚えたての末子のように、雲散霧消させることが出来る。
使用すれば、体中の筋肉が盛り上がった、一本一本が金属の針にも等しい硬度を持った体毛を生やした人狼に見せかけるほどの、異常な密度の魔力を纏い「幻狼」と呼ばれる状態になり、ある秘法によって自らの内側から絶大な獣性を引き出し、獣の神秘を得た五体は、単なる「強化」の枠を超えて、圧倒的速度と腕力を得る。
この魔術を使用した者は影響で平時でも常人離れした嗅覚を持つようになり、他人の残り香はおろか魔術も臭いだけで判別できるようになる。スヴィン・グラシュエートがこの魔術の使い手。

混沌魔術

世界各地の魔術のいいとこどりをした魔術。現代魔術では混沌魔術とカテゴライズされるが、ロード・エルメロイⅡ世はゲテモノ魔術と評した。
通常はそんな術式は通らず、実際、混沌魔術の魔術基盤は極めて脆弱なものであり、使える魔術のバリエーションはたかが知れており、いいとこどりと言われて考えるような万能性どころか、まともに術式を成立させることすら難しい。それなのに、何故かフラット・エスカルドスはそれを通し、術式を成立させてしまう。
対象となる魔術師と全く同じ姿勢を取ることにより相手に似せた人形を使って呪いをかける類感魔術と同じ効用をもたらす、ある種の外法や東南アジア周辺で時々見られるような呪いを使用することで、魔術のベクトルを弄って術者本人に直撃させることが出来る。

呪術

古来からアジア、中東、南米などに伝わっている魔道。特に『魔術』が「そこにあるものを組み替えるプログラム」であるのに対し、玉藻の前が操る『呪術』は「自身の肉体を素材にして組み替えるプログラム」であり、物理現象にあたる。この性質のためサーヴァント相手でも「対魔力」に一切威力を阻害されない、という圧倒的なアドバンテージを持つ。
だが西洋魔術を扱う魔術協会では『呪術』は学問ではないとされて蔑視されており、中東圏に大きく遅れをとっている。

修験道

魔術理論に極東の宗教形態を習合した日本の魔術。西洋の魔術とは違い、半分が宗教なので神秘の秘匿性にはある程度許諾されている。習得には自然環境での修行を行い、体得すると天狗飛び切りの術や天狗の炎などの「験力」が扱える。

魔眼

外界からの情報を得る為の物である眼球を、外界に働きかける事が出来るように作り変えた物。
主に魔術師が持つ一工程の魔術行使で、視界にいるものに問答無用で魔術をかけるというもの。その隠匿性と能力から魔術師の間では一流の証とされる。しかし人工的な魔眼では「魅惑」や「暗示」までが限度で、それ以上強力な魔眼の保持者は全て先天的な能力者である。そして、これら先天的な能力は魔術によって再現する事は出来ない。
詳細は当該ページを参照のこと。

結界

魔力を編んだ網を張り、その内部、あるいは境界部に手を加えるという地形魔術。地形にかけるものであるため、普通は移動できない。
ここ数百年の結界は術者を守るものと相場は決まっている。人目につかないよう区域を遮断してしまうものや、魔術行使を制限するなど効果は様々。固有結界という大例外も存在する。

固有結界

術者の心象風景で現実世界を塗りつぶし、内部の世界そのものを変えてしまう結界のこと。
空想具現化の亜種にあたり、似て否なるもの。
空想具現化と異なるのは、結界の形を思うままに決定できないこと。結界の内部の世界の法則は術者の心象世界を体現するが、術者のただ一つの内面を形にするだけであり、それを術者の意志によって手を加えて自由にはできない。ゆえに、空想具現化のように思うままに世界を変えることは出来ず、必ずワンパターンになる。
ただし、空想具現化が変化させることのできるのは自身(精霊)と自然物のみという制限があり、自然から離れてしまった、例えば人工物を変化させることはできないが、固有結界にはその制限はない。
詳細は当該ページを参照のこと。

時間操作

時間の流れに干渉する魔術。「時間遡行」は魔法であり、魔術の領域では加減速までが限界。
衛宮家はこれを研究しており、天才・衛宮矩賢は根源に至る方法を確立するところまで辿り着いた。

治癒魔術

傷を治す魔術。傷口からの出血を止めるものはともかく、失われた手首の再生となるとかなり高レベルの治癒魔術が必要となる。

その他

他にも、「降霊術」、「召喚術」、「心霊医術」、「フォーマルクラフト(元素変換)」など様々なものがある。

魔術師

魔術師とは、「根源」へ至ることを渇望し、そのための手段として魔術を用いる者。

詳細は「魔術師」を参照。

ウィザード

神秘の崩壊に伴い、電脳世界での活動に適応した魔術師の進化形。

詳細は「ウィザード」を参照。

魔術刻印

古い魔術師の家系が歴史とともに受け継いできた、ある意味で最大の家宝であり、最大の呪いでもある一子相伝の固定化された神秘。生涯を以って鍛え上げ固定化(安定化)した神秘を、幻想種や魔術礼装の欠片、魔術刻印の一部などを核として刻印にし子孫に遺したもの。
本来、魔術刻印は何百年も醸造して作られる新しい臓器のようなもの。臓器であるがゆえ血族以外の者にはまず適合しないし他人が干渉する余地も薄い。

魔道書でもあり、本人が習得していない魔術でも式に魔力を走らせれば行使できる。モノによっては刻印そのものにも自律意思が備わっており、持ち主の魔術に連動して独自に補助詠唱を始めたり、意識を失った状態でも自動的に蘇生魔術式を読み出したりする機能がある場合もある。

その血統の歴史全てが刻まれているといっても過言ではなく、魔術刻印を継承した魔術師は一族の無念を背負って、次の後継者に刻印を譲り渡さねばならない。ある意味、代を重ねて重みを増していく呪いと言える。

刻印を複製することはできず、魔術師の家系が一子相伝なのは、刻印を受け継ぐ者を複数にはできないため。
ただし、何代も続いた刻印を複製するのではなく、新規に魔術師となった人間がその一代の魔術を刻印として残すことは可能。継承者以外の人間が魔術師に弟子入りし、新たに自分の家を興すということはできるので、魔術師の家系には新しいものと古いものがそれぞれある。もっとも、自身と自身の家系の魔術の完成が第一目的である魔術師が弟子をとるというのは、何がしか理由があった場合のことであり、積極的に行われることではない。


古い魔術師の家がはばを利かせているのは、魔術刻印の存在が大きい。
現代における新たな魔術刻印は、ほとんどの場合有力な家系から魔術刻印のごく一部を移植してもらうことで造られており、それを株分けと呼ぶ。同じ魔術系統を戴く複数の家系による「門派」、同じ家名を持ちながら本家や分家などに複数の魔術師を擁する「一門」などは、過去にそういった株分けにより生まれていったもの。
株分けをされる魔術師にとっては幻想種や魔術礼装の欠片などの異物を埋め込むよりもずっと若い世代で魔術刻印を完成させることができるというメリットがあり、また魔術刻印を株分けする魔術師にとっては一時的に刻印に傷はつくもののそれは数ヶ月から一年程度調律師の施術を受けることで回復できる上、株分けした家からの絶大な忠誠を期待できるというメリットがある。
大元となる本家の魔術刻印は源流刻印と呼ばれる。

刻印は代を重ねる事で強化されていくが無限に強化できるわけではなく、「成長の限界」を迎えた刻印はどれだけ代を重ねても成長しない為、そのような魔術刻印を持った家系は衰退し、やがて消滅する事となる(例:マキリ家)。

なお、「魔術刻印」という名称はここで述べられている「魔術師の家系が持つ遺産」につけられた固有のものではない。
「魔術」で扱われる「刻印」――何らかのモノ(人体も含む)に刻まれることで魔術的効果を発揮する文字・図形(例えば「ルーン文字」など)全般に、「魔術刻印」という名称は使用されている。

起源

起源とは、魔術師に限らず、あらゆる存在が持つ、原初の始まりの際に与えられた方向付け、または絶対命令。あらかじめ定められた物事の本質。

詳細は「起源」を参照。

魔術組織

魔術師による団体。
著名なものに魔術協会があるが、これは西洋魔術の組織であり、他にも中東や大陸(中国)にも独自の魔術と組織がある。
日本にも魔術組織はあるが、魔術協会に組してはおらず、作品中で描かれたことはない。日本は東西の文化が入り混じる特異な場所で、日本古来の魔術ではなく西洋魔術を使う魔術師も多く生息しており、作品で描かれるのはそういった西洋魔術を学んだ魔術師達である。
また日本には実戦派法術師の組織が密かに暗躍しているらしいが、凛によればこれも西洋魔術師と相容れない性質の組織らしい。

メモ

  • 『Fate/stay night』において、凛が柳洞寺の説明をするに際し「ここにはいない」と前置きした上で、「実践派の僧侶」という、術を使う者の存在があることに僅かに触れている。はっきりと名前が出ているわけではないが、これも殺生院キアラのダキニ天法、時任次郎坊清玄の修験道などと同じ「日本の魔術」の一派かと思われる。
  • 魔術は神秘を再現するが、神秘はより強い神秘にうち消されるという理がある。
    • 在り方そのものが神秘である幻想種に、通用しない魔術があるのはそのため。
    • 絶対に折れない剣でも、ソレを上回る神秘を持つモノとぶつかれば、折れることもある。
  • 十の力の浮遊する神秘があったとして、一人なら十の力を使えるが、二人で五と五の力に分けられて使用されると、事実上力が弱くなる。
  • 『Fate/Apocrypha』でカウレスが行使していた残留思念の再生。
    術式自体は簡単だが「拷問死とか極端な死の状況じゃないとうまく再生できない」「強大な魔術師なら死後に秘術を盗まれないようプロテクトしてる」「わりと早く薄らいでしまう」など幾つか欠点がある。[1]

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