アルターエゴのサーヴァント。
- 略歴
- 『落涙の翼』にて登場。
- カルデア一行が特異点に訪れた際、テュフォン・ネオスに搭乗し、テュフォンとテュフォン・エフェメロスを襲っていた。
- その場は両儀式の直死の魔眼によって退却を余儀なくされるも、後に単独でオデュッセウスを襲う。この時初めてカルデア一行と顔を合わせ、正体を明かさなかった事から「オデュッセウス・オルタ」と仮称されていた。
- そしてテュフォン・ネオスの修復後に一行を強襲するも退けられ、直後に自身の名前を暴かれる。
- 三度目の交戦ではテュフォン・エフェメロスとテュフォンの無力化に成功し、テュフォン・ネオスの機能で一行を追い詰めるが、イスカンダルを始めとするサーヴァント達を召喚された事や、捕らえていたはずの両儀式に脱走され『両儀式』として妨害された事により、状況を打破されてしまう。
- 最終的にはテュフォン・ネオスと共に宙へ至ろうとしたが、中核部分を破壊したはずのテュフォンを一行が協力して動かして追ってきたため、そのまま交戦。エフェメロスとグレイの宝具によって深手を負い、テュフォン・ネオスを維持していた聖杯を一行に受け渡し、消滅した……かに見えた。
- しかし、実は消滅の間際にオデュッセウスから提案された事で、記録と霊基をカルデアの彼に託す形で生き残り、共に生きる事となった。
- 人物
- オデュッセウスのものと似た、赤い鎧を全身に纏った人物。素顔は不明。
- 習合されているゼウスの情報を得ているものの、人格はサバージオスの面が強い[注 1]。
- 「宙へ向かう」という夢を抱いており、『落涙の翼』にてエフェメロスと敵対していたのもそのため。
- 他の神霊と同様に傲慢な所があり、人間を「俺たちから霊長の座を奪い取った猿」呼ばわりしていたが、慢心する事なく徹底的に相手を無力化するという策士でもあり、手段を選ばない冷酷さも持ち併せている。
- 自身の夢をずっと追い続けていた様子や、3ダウンまでは粘る事を信条としているなど、かなり執念深い。一方で、夢が潰えた事をすっぱり認められる、と分別もついている。
- 式が自身を殺さなかったため、命までは取らず拘束するに留める、といった恩義に厚い部分もある。また、式に嘘が苦手と言われてしまってもいる。
- 能力
- オデュッセウスの物と似た神体結界を用いる。
- 手からは物体を侵食し制御権を奪う黒い光を放つ事ができ、これを用いてテュフォン・ネオスやオデュッセウスの木馬を無力化していた。加えて、一度制御下に置かれた物は光を認識するだけで反応するようになり、この特性を活かして木馬の動力を組み込んだテュフォンを再侵食し、無力化に成功している。
- 対象を虚数の結界に閉じ込める事もでき、式をこの結界に閉じ込めたが直死の魔眼持ちだったために破られてしまった。
- ゼウスの知識があるのにサバージオスの側面が強いという不自然な存在であった為か、作中では暫し体が半透明になり、苦しむ様子が見られた。さらにサーヴァントである以上、出力は神霊としてのそれよりも劣っている様子。
ステータス
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- 終焉の大木馬(トロイア・イポス)
- オデュッセウスの持つ同名の宝具を、テュフォン・ネオスの機能によりコピーしたもの。
- 木馬の外見が赤くなっている以外の違いは不明。
- 『Grand Order』では「自身の宝具威力をアップ(1ターン)+敵全体の防御強化状態を解除&攻撃」という効果の宝具。
真名:サバージオス
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- 古代アナトリア(現在のトルコ)の王国・フリュギアで信仰されていた神の一柱。
- 豊穣神、または天空と騎乗の神であり、ギリシャ神話ではディオニュソス神やザグレウス神と同一視され、中でも主神ゼウスとは習合されるにまで至っている。
- 現在では元々どのような神だったのか、内実は不明とされているが、サバージオス神殿のゴルディアスの結び目といった伝説は今でも残っている。
- サバージオスの手
- 古代ギリシャや古代ローマで、奉納品とされたという手の彫刻。
- 蛇やトカゲ、ライオンや松ぼっくりといったいくつものシンボルが取り込まれており、式はこれを「それだけの在り方を奪った神」としての顕れではないかと語っている。
- ゴルディアスの結び目
- フリュギアの王ゴルディアスが「この結び目を解いたものこそが、アジアの王になるであろう」という予言と共にサバージオス神殿の柱に結び付けた、牛車の紐。
- この結び目を解こうと何人もの人々が挑んだが、数百年の間成功者は現れなかった。
- その後、遠征中にフリュギアへ立ち寄ったイスカンダルによって結び目が剣で断ち切られ、ゼウスの祝福とされる雷鳴が轟き、やがて彼は予言通りにアジアを征服していった。
- なお、ヘファイスティオンによるとこの時イスカンダルは結び目の話を聞いて大興奮したようで、これを解くために遠征を一時中断しようとして臣下を困らせていた模様。
登場作品と役柄
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人間関係
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Fate/Grand Order
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- テュフォン・エフェメロス
- 『落涙の翼』にて敵対していた相手。
- 彼女に何度か襲い掛かり、テュフォンと共に無力化した後、反願望機としての機能でイプシロンらを殺させようと目論んだ。
- ゼウスとしての知識があるためにテュフォンや無常の果実についても把握しており、的確に追い詰めていた。
- イプシロン
- テュフォン・ネオスの頭脳体。
- 彼女からテュフォン・ネオスを奪い、宙へと至るための翼にしようとしていた。
- 彼女本人には興味が無いようで、「紛い物」呼ばわりであった。とはいえ、敗北後には彼女の存在を維持するために聖杯を渡してもいる。
- 両儀式〔アサシン〕
- 『落涙の翼』にて相対した人物。
- 彼女の魔眼でテュフォン・ネオスにダメージを与えられた後、海岸に流れ着いていた彼女を拾って、拠点で生活を共にしていた。
- 互いに危害を加えなかった事から会話をするだけの関係になっていたが、終わりを視る目を持つ彼女に自身が宙へ至る所を視てもらおうと、拘束してテュフォンの内部へと連れていた。
- しかし拘束を解かれてしまった上に、エフェメロスの夢を本人の手で壊させようとした事で式の中の一線を越え、自身の下から離れられてしまった。
- 両儀式〔セイバー〕
- 式の別人格。
- 神霊であった自身にとって彼女は近すぎるらしく、姿を現されてから初めて彼女の存在に気付いていた。
- オデュッセウス
- 同郷の英霊。
- 彼の木馬を自身の手によって無力化し、交戦していた。
- 最終的には彼の提案で、カルデアの彼と霊基を共有し生きる事になった。
- ヘファイスティオン〔プリテンダー〕
- カルデアのサーヴァント。
- 彼女の宝具である戦車はサバージオスの神殿に捧げられていた物であり、その関係もあって自身の魔力を辿られ、居場所を特定されている。
- イスカンダル
- ゴルディアスの結び目を解き、サバージオスの神殿の戦車を手に入れた人物。
- 『落涙の翼』では直接の邂逅こそ無かったものの、最終決戦におけるテュフォンの炉心としてカルデアに協力していた。
- ゼウス
- オリュンポス十二神の主神であり、宙からやってきた機神。
- 彼と習合されてその記録を垣間見た事で「宙へ行きたい」という願望を抱くようになった。
- プレイアブルでは、あくまでもオデュッセウスの霊衣扱いであるためクラスはライダーとなる。
- 属性や副属性もオデュッセウスと同一になるが、台詞や宝具演出は独自のものに置き換わる。
話題まとめ
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- 『落涙の翼』は2025年6月に開催されたのだが、当時はTVアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』が放送中であり、偶然にも「赤いカラーリングの敵」「赤いロボットに乗る」というパーソナリティを持つ登場人物のシャア・アズナブルと重なる事態になった。他にも「宙へ至る」という目的が同作の主題歌『Plazma』の歌詞の一部と一致していた事で話題になった。
- シナリオ担当の三田誠氏によると、サバージオスが赤くなったのは「このジャンルのライバルといえば赤だろう」ということで指定したようで、執筆時期も劇場先行版『GQuuuuuuX』公開前の2024年だと明かされている[出 1]。当たらずとも遠からずとはこのことである。
- イベント中盤では式を虚数の結界に閉じ込めるも結局破られてしまうという、『空の境界』で荒耶宗蓮がとった行動のオマージュとも言える展開となったが、式を閉じ込める段階で既視感を覚えたファンは結界を破られる事を予見したとか。
- ↑ このような事態になっている原因を、サバージオス自身は「サーヴァントの器に、主神が収まらなかったのだろう」と語っている。