シグマ
シグマ | |
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外国語表記 |
Σ Sigma |
性別 | 男性 |
初登場作品 | Fate/strange Fake |
概要編集
『Fate/strange Fake』に登場する、フリーの魔術使いの青年。
- 略歴
- とある独裁国家の少女兵の一人の子供として産み落とされ、魔術の適性から国家の走狗として養成されるも、政権は崩壊。
以降はフリーの魔術使いとして活動を続け、フランチェスカ・プレラーティによって「偽りの聖杯戦争」のマスターとして雇われる。
当初の予定に反して触媒無しで召喚されたイレギュラーなサーヴァント「ウォッチャー」の手により、自分自身が「ランサー」となるべく試練に立ち向かっていくことになる。
- 人物
- 幼少期の経験から、非常に感情が希薄で、淡々と求められることをこなしている。世の中の出来事だけでなく、自分自身にすら興味を持てずにいた。
- 外見は10代後半と思われるが、何年も前から既に体の成長と老化が止まっており、己が何者であるかを考えていない事も併せて、実際の年齢も不明となっている。
- 雇い主によると、少年兵時代に身体を魔術使い達に「弄られすぎ」たことが原因であり、寿命も普通の人間より短いとされている。
- 聖杯にかける願いも「安眠と食事」で、それも無理矢理ひねり出した結果なほど。
- 本人にあまり強い自覚はないが喜劇が好きで、咄嗟に出てくる英雄の名前がチャップリンで、円卓の騎士団についての知識も「モンティパイソンのコントで知っている」と言い出す程。
- 能力
- 母親譲りなのか使い魔の使役に長けているとされているが、ファルデウスの部隊やフランチェスカの魔術を見て頼りなく思う程度のレベル。
- 少年兵として訓練されているため、銃器の使い方などは一通り心得ている模様。
- フリューガーによれば、アジアではそこそこ名の知れた魔術使いの傭兵で、魔力はとことん低いが生存能力の高さはピカイチ。ただし本物の手練れに比べればぺーぺー、という評価。
登場作品と役柄編集
- Fate/strange Fake
- 「偽りの聖杯戦争」のマスターの一人であり、三人目の主人公。
人間関係編集
Fate/strange Fake編集
- フランチェスカ・プレラーティ
- 雇い主。「偽の聖杯が聖杯の意志で選んだ英霊」を召喚させることを試み、願望がなく自我の薄いシグマに触媒無しでの召喚を行わせた。
- 国が崩壊した時からの付き合いで、「彼女」になる前の少年の姿も知っている他、崩壊後は彼女に育てられたようで、それなりに恩義を感じている。
- ファルデウス・ディオランド
- 同じ陣営のトップ。フランチェスカが享楽主義でほとんど干渉してこないため、聖杯戦争中の連絡はもっぱら彼と行っている。
- 紆余曲折の果てに下記の「聖杯戦争を壊す」という望みを抱き、スノーフィールド地下の聖杯保管場所の前で対決することとなった。
- ウォッチャー
- 召喚したサーヴァント。
- 久宇舞弥
- 母親。生まれてすぐに引き離されたため、特別な感情はない。
- フランチェスカから日本での彼女の死を告げられた時も特に心は動かず、ただ「意味のある死を迎えられたのだろうか」と思うのみであった。
- 衛宮切嗣
- 母親のパートナー。魔術使いの傭兵の間では伝説的な存在「魔術師殺し」として名前は聞いていた。
- アサシン
- 成り行きで行動を共にする事になった別陣営のサーヴァント。
- 願いを持たない彼と、宗教的に真面目な彼女とのコミュニケーションが物語の主軸の一つとなっている。
- 後に彼女のマスターと決定的に対立し、彼女と仮契約を結ぶ事になる。
- ラムダ
- 自分と同じ環境で育てられた魔術使い。
- 魔術については自分よりも数段上だが、それ故に魔術に頼りすぎるきらいがあったとのこと。
- 自分達のような子供達を産まない為に世界を変えようとして、その一環として裏切って襲いかかられたが返り討ちにした。
- 結局、彼が絶望の中で死んでいき、生きる願いをろくに持たない自分が生き残ってしまったことが自身にとっての重荷になっている。
- パイ、ロー
- 自分と同じ環境で育てられた魔術使い。
- 組織では同じ部屋で寝泊まりしており、国の崩壊時に共に解放された。
- 鮫(こう)
- 椿がいた夢の世界で出会った謎の人物。彼から依頼を受けた事も、椿を助ける一因となった。
- なお、初対面の印象は「宗教裁判」。いくら服が赤かったとはいえ、あんまりである。
- 繰丘夫妻
- 娘を単なる道具としか見ていない姿に怒り、フランチェスカから教わった方法で魔術回路を破壊した。
- フラット・エスカルドス
- 同じ聖杯戦争のマスター。
- 「一ダース以上いるエルメロイ教室の鬼札の一人」である「天恵の忌み子」の噂は裏社会でも知られているため要注意人物として警戒している。
- 遠坂凛、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト
- 上記のフラット以上に常識の埒外の要注意人物と見なしている鬼札の二人。
- それぞれ「紅魔(レッドイビル)」「地上で最も優美な鬣犬(ハイエナ)」として裏社会でも悪名高い存在。
- 彼は気づいていないがどちらもこの聖杯戦争にマスターとして参戦している。
その他編集
- チャーリー・チャップリン
- 「喜劇王」とも称された、アメリカを代表するコメディアン。
- 自身のサーヴァントの正体を偽る際、「英雄」のイメージで最初に出てくるくらいには印象に残っている模様。
- モンティ・パイソン
- イギリスのコメディ・グループで、際どすぎるネタで世界を席巻した。メンバーの大半がオックスフォードやケンブリッジの卒業生という超インテリ集団でもある。
- シグマにとってアーサー王伝説は、彼らのコメディ作品「ホーリィ・グレイル」が基準になってしまっている。ただし、制作者の中に上記英国有名大学の史学科卒業生がいたため時代考証面等では秀でており、例えば「アーサー王の時代に○○はまだ無い」という声に対して「アーサー王伝説が成立した頃の服飾で統一している」という一枚上を行く返答をしている。他にも土地ネタや歴史ネタなど何かと各所でパロディ化されやすい触媒となっているので、当wikiで探してみるのも一興。
- TVシリーズのほか多数の劇場作品も公開しており、それに合わせてジョークのキレも苛烈になってゆき、茶化す相手も金持ちや議員や軍人から自国の王族、果ては教皇庁や聖書までと一切の怖い物知らずで知られていた。特に「ライフ・オブ・ブライアン」に至っては「本来の主人公とは全く関係の無い赤の他人のブライアンが一世紀当時のエルサレムで同様の活躍をし、弟子一同諸共に磔刑に処されて死に至る」という聖杯伝説も真っ青な筋書きになっており、全世界から罵倒と称賛の嵐を浴びた。[注 1]
- なお、上記のラムダが絶望の中で笑う事無く死んでいったことが心に残っている為、宗教裁判ですら笑いに転化できる[注 2]彼らの事は真剣に尊敬しているようである。上記ライフ・オブ・ブライアンの有名なエンディングテーマ「Always look on the bright side of life(いつも人生のいいところだけを見ていよう)」も、主人公の最期に詠われるものとは思えないほど明るく朗らかなメロディーで、まるで希望にあふれたような歌である。
- アポロン
- ギリシャ神話における予言や医学を司る神。
- ウォッチャーの影法師の一人(おそらく彼)から名前を聞いて興味を持ったがその理由は「コメディアンみたいな響きだったから」という斜め上の代物であり、影法師から「つまらない男だった」と聞かされた途端に興味を失った。
名台詞編集
- 「本当に、他に特に語ることがないな……」
- ウォッチャーの影たちに自分のプロフィール──とある小国で「魔術使いの兵隊」を作るために非人道的な手段を用いて生み出され、生まれてすぐに母親から引き離され、人間としての名前も与えられずに物心ついた頃から兵士としての過酷な訓練を施されるも、その国の政権が崩壊したため現在は根無し草の傭兵として活動している──などと重いにも程がある人生を淡々と説明した後のコメント。
- 「……チャップリンです。ランサーのチャーリー・チャップリン。それが自分の喚び出した英霊です」
- ファルデウスから、喚び出した英霊は何かと質問されて返した答え。元々、サーヴァントがチャップリンというのはアサシンの襲撃に対する咄嗟のブラフだったのだが、その後彼女と行動を共にし見張られるようになってしまったため、報告のときにもブラフを継続することになってしまった。結果的にシグマの生涯で初めてのジョークになってしまったようだが、ファルデウスが頭を抱えたのは言うまでもない。
- 「そのぐらいは流石に知ってる、モンティ・パイソンの喜劇映画だ」
- 騎士の影法師から「アーサー王の聖杯探索は知っているだろう」と確認されての返答。確かに、モンティ・パイソンはアーサー王をネタにした作品を作っているので間違ってはいないが、いくらなんでもあんまり過ぎる答えである。とはいえその作品も内容はアレだが、時代考証が極めて正確な事でも有名である。
- ――ああ。
――そうか。そうなのか。
――俺は……繰丘椿は俺とは違う世界の住人だと思っていた。
――魔術師ではあるが、ちゃんと親がいる。血の繋がった親がいると。
――関係なかったんだな……そんな事は。
――ああ……なんだ? なんなんだ、この感覚は。 - 娘の自己犠牲に何の感慨も抱かぬばかりか、平然と強力なサーヴァントを強奪するためにその右手を切り取る算段をする夕鶴の魔術師然とした言動と振る舞いに、遠い記憶と無自覚なトラウマを呼び起こされ、椿もまた自身と同じ消費される側だと悟ると同時に自らの腹の内からこみ上げる奇妙な感覚に困惑するが、余人から見ればそれは紛れもなく“怒り”と呼ぶべきものだった。
- 「……椿を護る、と。言ったな。俺が、自分の口で」
- 椿の守護を頼んだ麗人から託された弩を手に名も無き兵士は初めて己自身で意思を定めた。
- 「はい、それと、もう一つ。繰丘殿にも通達する事が」
「これは、聖杯戦争であり、自分も参加者の一人として所属しています」
「私の直接の上司はファルデウスではなく、フランチェスカであり……自由裁量で戦争を行う事を許可されています」
「これは、俺から貴方達に対する……宣戦布告だ 」 - 名も無き兵士の逆鱗に触れたことにも気付かぬばかりか、この場を去ったアサシンをそのサーヴァントであるという致命的な思い違いをしている魔術師に告げる宣戦布告にして攻撃。これまで状況に流されてきたシグマが自らの意思で挙げた聖杯戦争参戦への狼煙。
- 「俺の母親は……こんな奴じゃなければいいなと思っただけだ」
- 母を自称する塊を見下ろしつつ、ウォッチャーから親に対して何か思うことがあるのかという問いへの答え。今さら意味の無い事だと解っていたが、それでも願わずにはいられなかった。
- 「俺は……この聖杯戦争を破壊する」
- 託された弩弓を手に己とウォッチャーに舞台の内側へ躍り出ることを宣言する。
メモ編集
- 「シグマ」という名前は、生まれた国の部隊で自分につけられた記号から。
- ギリシャ小文字では「σ」と表記されるが、これは数学において「置換」を表す表現。彼自身が人の身でありながら「ランサーになる」という事と併せて考えると、本来ならば原作側に反映されることはあり得ないはずのとある設定との関連性も疑われるのだが…?
- 『Fate/Zero』で登場した久宇舞弥に子供がいたという話は原作でも触れられているが、満を持しての登場となった。
- 『Fate/strange Fake』の著者である成田良悟の書くスピンオフでは、この手の「原作で少しだけ触れられた人物」をクローズアップして主役格に据えるケースは多く、「第2巻で名前だけ登場したとあるキャラクターは『■■■』に登場した■■■の■■■である」という情報と「シグマという名前の青年の魔術使いの傭兵」というプロフィールが公開された時点から正体にアタリをつけていた読者もある程度いた。
- 『Fate/strange Fake』のPVでは、「君は、衛宮切嗣が憎いかい?」という台詞が出ていたため、当初は彼に向けられた言葉だと思われていたが、著者である成田良悟曰く、「彼に向けられた言葉ではない」とのこと。
- フランチェスカが当初彼のために用意しようとしていた触媒として「黒髭君の財宝」「パラケルススの奴のフラスコ」「英雄スパルタクスの手枷」などがある。
- 彼とアヤカはエイプリルフール版での「プレイヤー」の役割を二つに分割されている。彼は空席となったサーヴァントの席をマスターでありながら埋め合わせ、言葉を投げかけ姿を見せることしかできない影法師達という形ではあるが複数のサーヴァントがいて常に力あるサーヴァントがいるわけではないという点。
- 重い過去の反動か、はっちゃけた言動が多い事から天然ボケと認識されつつある。
- ブラフの産物である「ランサー:チャップリン」だが、生前煮え湯を飲まされた仇敵らしき人物が「偽りの聖杯戦争」計画の根幹に関わっている可能性が存在しており、今後の展開次第では形を変えたリベンジが成される可能性もある。
脚注編集
注釈編集
出典編集