冬木市
冬木市
- 周囲を山と海に囲まれた自然豊かな地方都市。(作中描写および設定から西日本日本海側に設定されていることがわかる)
中央の未遠川を境界線に東側が近代的に発展した「新都」、西側が古くからの町並みを残す「深山町」となっている。
「冬木」という地名は冬が長いことから来ているとされるが、実際には温暖な気候でそう厳しい寒さに襲われることは無い。適当に掘ったら温泉の一つや二つ湧き出るのではないかといわれている。
- 日本でも有数の霊地であり、根源に至るほどではないが「あと一押し」というレベルの歪みを抱えている。この質の高い霊脈と、魔術協会や聖堂教会に目を付けられ難い極東の地ということでアインツベルンによって聖杯降霊の地に選ばれ、時の管理者である遠坂が協力を承諾したため聖杯戦争の舞台となる。早くから諸外国に開かれた影響もあって多くの魔術師達が移住してきており、その魔術師達を管理者である遠坂が束ねている。
深山町
- 衛宮邸
- 衛宮士郎の自宅。純和風建築でかなり広大な面積をもつ元武家屋敷。
もともと曰くつきの物件で買い手が付かず放置されていたところを第四次聖杯戦争時に衛宮切嗣が予備の拠点として確保(その際に切嗣は藤村組との交友を得た)。
終戦後、切嗣と士郎による修復と改装を経て今の状態になった。本邸の他、離れや道場、土蔵まで備える。大邸宅といっても過言ではない。
士郎以外に数多くの女性が住み着いたり入り浸ったりしているが、まだ部屋には余裕があるらしい。
- 藤村邸
- 士郎の姉貴分、藤村大河の自宅。作中に描写は無いが衛宮邸のお隣であるそうな。
大河の祖父である藤村雷画が親分を務めるヤクザ屋さん「藤村組」の本拠ともなっており、かなりの大所帯。ルートによってはイリヤが住み着く。
- 遠坂邸
- ヒロインの一人、遠坂凛の自宅。西洋建築の館で丘の頂上に立っており、周囲一帯も遠坂の地所となっている。冬木で2番目に格高い霊脈で、遠坂は代々この地から冬木の魔術師達を束ねてきた。
第二次聖杯戦争での聖杯召喚地。
- 間桐邸
- ヒロインの一人、間桐桜の自宅。西洋風の建築で割れた窓ガラスなどがそのまま放置されているおばけ屋敷。それっぽく、内部は常に薄暗い。何年も花を咲かせない桜などが植わっている。
何気に管理者・遠坂邸よりでかい。遠坂の魔術が金食い虫であるのに対して、経済的に安定しているためである。
- 穂群原学園
- 主人公達が通う学園。自主性を重んじる自由な校風を旨としている。
山の中腹に立つため通学路は上り坂地獄。立派な弓道場を備え、すぐ裏は雑木林となっている。
とことん親しみやすい教師ととことん厳しい教師がおり、上手くバランスが取れている。なぜか戦闘能力の高い教師が多い。
外国人が多く居住する町としては意外だが、生徒に外国人はいないらしい。
- 柳洞寺
- 円蔵山中腹に立つ寺院、士郎の友人柳洞一成と、その兄・零観らの自宅。
開山以来住職は代々柳洞家の人間が勤めてきており、現在は五十名もの修行僧が生活している。裏手には遊歩道の他、深山町屈指の霊園がある(ちなみに切嗣の墓もここ)。
冬木最高の霊地であり、「あまりにマナが濃いため後継者育成に支障が出る」という理由で遠坂家が本拠地を置けなかったという経緯がある。地下には天然の鍾乳洞が構成されており、大聖杯の設置場所とされた。
第一次、第五次聖杯戦争終結の地。
裏手の池はバブル期に放生会を開催したせいで外来種が大量に流入して蟲毒壷のような有様になっている。
- 詠鳥庵
- 老舗の呉服屋。陶磁器を中心に骨董も扱っている。蒔寺楓の自宅。読みは「えいちょうあん」であり、決して「えいどりあん」ではない。深山町きっての大商家。
呉服屋の前の家業が海賊であったためか店の蔵には怨念が籠った曰く付きの品が大量に保管されている。
- 紅州宴歳館 泰山
- マウント深山にある中華料理店。その麻婆、外道。
店長の名は「魃」(CV:田村ゆかり)。
- 海浜公園
- 海を臨む、冬木市最大の海浜公園。冬木大橋への近道であり、周辺にはバッティングセンターや水族館、カフェテラス等がある。人気のデートスポット。
- 双子館
- エーデルフェルトの双子館(西)。西洋建築が立ち並ぶ丘の山中に立てられており、遠坂邸からすぐ近く。
第三次聖杯戦争において、時のエーデルフェルト双子当主により立てられた館で、今現在では魔術協会に譲渡されている。管理は行き届いており、第五次聖杯戦争に参加した外来の魔術師もここを拠点としようと考えていた。
新都
- センタービル
- 新都で最も高いビルで、新都開発を担った企業のオフィスが詰め込まれている。
- 冬木市ハイアットホテル
- センタービル近辺にあったホテルだが、Zero劇中で爆破されてしまった。その後再建されたようで、バゼットが分譲で滞在している。
- 冬木教会
- もっぱら「言峰教会」と呼ばれることが多い。聖杯戦争の監督役を務める人物の拠点で、サーヴァントを失ったマスターが保護を求める駆け込み寺。
孤児院としても機能しており、冬木大災害で出た多くの孤児を引き取った、とされているが……。
冬木市第三位の霊脈にあり、もとは移植してきたマキリが居を構えたのだが、後に一族と霊脈の属性が合わないことが発覚し、引き払った。そこを聖堂教会が聖杯戦争に介入するにあたり確保した、という経緯がある。
第三次聖杯戦争の聖杯召喚地。
- 外人墓地
- かつて移住してきた異邦人達の墓所で、洋風の墓石が並ぶ。
- コペンハーゲン
- 蛍塚家が経営している酒屋。夜には居酒屋を兼ねる。士郎のアルバイト先。
- ヴェルデ
- ショッピングモール。ゲームショップや電器店、ブティック等のテナントがあるが、ホームセンターは入っていないらしい。
- ファンシーショップ
- ぬいぐるみ専門店。セイバーを一日連れ回した士郎が最終的な解答として選び出した場所。野生の王国、バービー帝国、軍事産業ファンシーIVの三つのセクションに分かれて売り上げを競っているとか。
hollowではセイバーのぬいぐるみを見てうらやましがったイリヤをつれてくることにもなる(本当はそんな可愛い動機ではないが)。
- わくわくざぶーん
- 全天候型室内ウォーターリゾート。命名は冬木市市長。hollowにおいてヒロインとのデートイベントに使われる。完成したこのプールをあのやたらと金回りの良いヤツが買い取ってちゃっかりオーナーになっていた。
- 冬木中央公園
- 駅前中心街から少し外れた場所にある、さっぱりした広めの公園。聖杯戦争のための霊脈加工によって後天的に霊地と化した土地。
第四次聖杯戦争の聖杯召喚地。冬木市民会館が建設途中であったが、戦闘の余波で焼け落ち、周囲一帯も火の海となった。その後、復興計画で自然公園として生まれ変わった。
火災の犠牲者の怨念が染み付いており、ある種固有結界じみた特異空間となっている。
- 港
- 漁港ではなく貨物船舶用の船着場。かつて切嗣が密航に利用し、hollowではランサー他2名の釣り場となった。
- 双子館
- エーデルフェルトの双子館(東)。深山町にあるものと作りは全く同じ。
- アーネンエルベ
- 境界線上の喫茶店。Fate側の入り口はこの町にある。
中央
- 未遠川
- 冬木市中央を分断する川で、深山町と新都の境界線。竜神が住む川という言い伝えがあり、それを鎮めたのがかつての柳洞寺住職であったという伝もある。
- 冬木大橋
- 未遠川にかかる大橋。片側二車線、歩道は車道とは別の段に備えられている。
郊外
- アインツベルンの森
- 深山町の西側郊外に広がる森で、全てアインツベルン家の所有地。森全体をアインツベルンが管理する結界に覆われており、魔力と気配を遮断しない限りすぐに見つかってしまう。
第一次聖杯戦争時にマキリや遠坂と同じ地に拠点を置くことを嫌ったアインツベルン当主により買い占められた(手続きや根回しなどには管理者である遠坂が奔走させられたという)。
柳洞寺や遠坂邸には劣るがそれなりの霊地。
- アインツベルン城
- アインツベルンの森のいずこかに存在するという西洋風の城。別名「風雲イリヤ城」。城壁には低級霊などの侵入を許さない結界が張ってある。
その他
- 平行世界の冬木市(プリズマ☆イリヤ)
- 『ドライ!!』以降で舞台となる平行世界における冬木市。
地球全体で地軸がねじ曲がるクラスの天変地異が起こったらしく、海岸線の形も変わり、夏に雪が降る有様になっている。(おそらく日本そのものが南半球に移動している)
住民が「夏には雪が降る物だろう?」と言っているあたり、変動が起きたのも昨日今日ではない様子である。
数年前に深山町に直径数kmの巨大なクレーターができたせいで、深山町からは住民の大勢が避難し、半ばゴーストタウンと化している。
そのクレーターの中央にはエインズワース家の魔術工房が姿を隠す形で鎮座ましましている。
関連する用語
- Fate/Zero
- 第四次聖杯戦争の舞台。
- Fate/stay night
- 第五次聖杯戦争の舞台。聖杯戦争は完全決着し、二度と開かれることは無い。
- Fate/hollow ataraxia
- 聖杯戦争終結後、再び現界したサーヴァントたちと過ごす偽りの四日間。
- 氷室の天地 Fate/school life
- 物語の主な舞台。主人公氷室鐘の父親は冬木市市長。
- Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
- 物語の主な舞台。『ドライ!!』以降は平行世界の冬木市が舞台となる。
- Fate/Grand Order
- 物語の舞台の一つ。「炎上汚染都市」なる不穏な呼称をされている。
- 遠坂凛
- 管理者(セカンドオーナー)。
メモ
- 深山町には大邸宅がやたら多い。衛宮邸、遠坂邸、間桐邸、藤村家、詠鳥庵、双子館(西)と最低でも六つ。
- 市長は氷室鐘の父親、氷室道雪。
- 聖杯戦争が開催されていること自体は一般には秘されているものの、引き起こされている異常の全てを隠蔽することはできないため、一般人にとってもあまりまっとうな土地ではない。『氷室の天地』では、氷室市長が「冬木市はいい過去を持ってない」と語っている他、蒔寺楓が文化祭の出し物が「歴史研究」ではつまらない、「平々凡々な『郷土史』とかに落ち着いて2日間を無為に……」とゴネた際には、氷室鐘から「大災害と連続殺人事件にまみれた冬木史が、平々凡々?」と返され、言葉に詰まっている。
- 氷室の天地単行本5巻の帯で、Fate/zeroの作者虚淵玄氏は、
こんなに楽しい冬木市にヒドいことしてごめんなさい!
冬木ハイアットごめんなさい。
未遠川に沈んだ国防予算ン十億円ごめんなさい。
でも大火災は俺のせいじゃないから!
とコメントを寄せている。冬木市の未来に幸あれ。
話題まとめ
- マスコットキャラクター
- 2010年のエイプリルフール企画「fuyuki.com」では、『ごーるでん冬木くん』『聖杯くん』という市のマスコットキャラクターが紹介されている。
『ごーるでん冬木くん』はギルガメッシュを某平城遷都1300年記念事業マスコットキャラ風にデフォルメしたデザインで、頭には無数の刀剣が刺さっている。紹介記事によれば『当初は「きもい」「呪われそう」「なんで頭に剣が刺さっているの」と非難轟轟、対抗キャラが生み出されるまでに至ったが、現在では冬木市の顔として定着。休日にはショッピングモール等に出現して子供たちと楽しくふれあっており(そのイラストでは冬木くんの出没に逃げ惑う子供たちが描かれている)、人気にあやかったキャラクターグッズは市への経済効果も十分期待できると専門家(匿名)も分析している。』となっている。
一方『聖杯くん』の方は汚染された冬木の聖杯を無理矢理ゆるキャラ化したようなデザインで、口からは常に得体のしれない汚泥を垂れ流している。紹介記事によれば、「あのキモい金ぴかを何とかしよう」という事で対抗キャラを作ろうとしていたところ、柳洞寺在住の若夫婦の奥方が名乗り出てデザインしたキャラクターらしい。市民は名前の由来は何か、何をモチーフにしたか等がさっぱりわからず当惑する毎日とのこと。なお聖杯くんは『カーニバル・ファンタズム』にも出演。声は間桐桜と同じ下屋則子氏で常に「う~ふ~ふ~」と不気味な笑い声をあげている。死の運命を回避する方法をランサーに教えたり、サーヴァントに手を焼くマスター達に秘密道具(名前は違うがいずれも出刃包丁)を渡したりする。