円卓の騎士
概要
アーサー王によって支配されていた中世ブリテンにおける最高意志決定機関。単純に「円卓」とも呼称される。
由来は王の間にしつらえられた巨大な丸形のテーブルで、「すべての席は王と対等である」という思想が表現されている。[注 1]
席は王のものを含めて13席あり、全員が超一流の騎士。常に同一のメンバーだったわけではなく、メンバーは入れ替わることがある。
王のエクスカリバーを初めとして神造兵装を所有する騎士も複数おり、規格外の戦力となっている。
本来なら西暦以降世界から失われた神秘が残存していたブリテン島はピクト人を初めとする外部勢力に飲み込まれてすぐにでも消滅してしまうはずなのだが、そうならなかった理由の一つも彼らの奮戦があったからである。
また、卑王ヴォーディガーンや魔猫キャスパリーグ、魔猪トゥルッフ・トゥルウィスのような竜種や幻想種もブリテン島には闊歩しているため、それらに対抗する事も円卓の騎士達の業績に数えられる。
とは言うものの、伝承にあるように、聖杯探索でメンバーを欠き、王とギネヴィアを巡る争いの中で円卓は分裂し、最期にはカムランの戦いで主要メンバーはほぼ失われてしまった。
人物
主君
- アルトリア・ペンドラゴン
- アーサー王として知られている女性。円卓の騎士王。
- アーサー・ペンドラゴン
- 『Fate/Prototype』の系列の並行世界における、男性の騎士王。
席次メンバー
- パーシヴァル
- 第二席。ギャラハッドと共に聖杯探索に向かい、ロンギヌスの槍を持ち帰った。
- ケイ
- 第三席。王の義兄でもある。
- 円卓においては会計などの裏方役を一手に担っていた。
- ガヘリス
- 第六席。後述するガウェインの弟。
- ガレス
- 第七席。ガウェインの妹。
- 最も新しく円卓に加わった者で経験浅き騎士。見習い騎士として数々の修行を経て、正式に円卓の騎士の一員となった。
- パロミデス
- 第九席。
- 『Fate/Prototype』では獣狩りではパーシヴァルに勝るとされており、「唸る獣」を討伐した。
- ガウェイン
- 席次不明。
- 騎士王の聖剣の姉妹剣である太陽の剣を持つ、円卓でも上位に位置する騎士。
- ランスロット
- 席次不明。円卓における最強の騎士。
- 部下達からの信頼も厚く、フランスとのコネクションを持っていることから物資の輸入に欠かせないのもあり、円卓に取ってはなくてはならない人材。
- トリスタン
- 席次不明。
- 「必中の弓」を持ち奏者としての能力も持ち、ランスロットやガウェインに匹敵する騎士。
- アグラヴェイン
- 席次不明。王の秘書的な立ち位置。
- 汚れ仕事も担っており、ケイとは別の意味での裏方役で円卓に取ってはなくてはならない人材。
- その振る舞いから円卓メンバーからの評判はあまり良くなく、特にランスロットとは犬猿の仲である一方、主君からは信頼を得ている。
- ベディヴィエール
- 席次不明。古参の騎士であり、王の世話役のようなことも担っていた。それ故に主君からの信頼は厚い。
- ベディヴィエール (Grand Order)
- 湖に聖剣を返還できなかったifのベディヴィエール。
- モードレッド、モードレッド (フラグメンツ)
- 席次不明。アルトリアの世界では女性だが、アーサーの世界では男性。
- モルガンの手によって作られたアルトリアもしくはアーサーのクローンであり、円卓が崩壊する直接の原因の一人となった。
- ギャラハッド
- 第十三席。ランスロットの息子であり、父をも凌ぎうる騎士とされる。
敵対者
- キャスパリーグ
- 円卓の騎士達が打ち倒したとされる怪猫。伝承によって戦った相手はまちまちで、アーサー王ともケイとも言われている。
- 唸る獣
- 「クエスティング・ビースト」の名前で呼ばれる怪物。パロミデスの手によって撃破されたとされている。
- Fate世界では魔獣などというレベルを超越しており、炎を吐く上に「叫びそのもの」等と比喩されるような存在であり物理攻撃を透過するという無茶苦茶な性質を持ち、パロミデスが深手を負わせた所をアーサーの手によって止めを刺された。
- ヴォーティガーン
- 「卑王」の名を持つブリテン王。後に竜に変じたとされる。
- アーサー(アルトリア)とガウェインによって打ち倒された。
- トゥルッフ・トゥルウィス
- かつてブリテンに居た王であり、魔猪に変じたとされている。
- 巨人の装身具を手に入れるため、および住民を助ける為にアルトリアによって討伐された。
- モルガン
- アーサー(アルトリア)を妬み、ブリテンを手に入れようと画策する魔女。
- アグラヴェイン、モードレッド等自分の息のかかった息子達を何人も円卓に送り込み、マーリンを陥れ、カリバーンを失わせる等悪事の限りを尽くす。
- ルキウス・ヒベリウス
- アーサー・ペンドラゴンの世界において、ブリテンをその手に収めるべく侵略しにきたローマ皇帝。
- 円卓の騎士達を一蹴する程の力を持つが、アーサーの聖剣によって歴史から消滅させられた。
- アルトリアの世界においても存在した事が語られているが、詳細は不明。
その他
- ボールス
- 次期十一席。誰と交代で入ったのかは不明。危なっかしい性格だったとか。
- ペリノア王
- 別の国の王であり、円卓の外部顧問監督官も勤めている。原典によってはパーシヴァルの父親にあたる場合もある。
- マーリン
- 宮廷魔術師であり、円卓のアドバイザーも勤めているほか、彼自身も円卓の一名として扱う描写がある。
- マーリン (フラグメンツ)
- アルトリアの世界のマーリンは伝承通り男性であるが、アーサーの世界では女性。
- マーリン (Grand Order)
- 『Fate/Grand Order』で登場したキャスターのサーヴァント。
- ギネヴィア
- アーサー(アルトリア)の妻。彼女とランスロットの不倫が円卓崩壊のきっかけとなってしまった。
- ペレアス
- 『氷室の天地 Fate/school life』の劇中ゲーム「英雄史大戦」のキャラクターとして登場。湖の乙女とのエピソードから「カチグミ・ナイト・オブ・ラウンズ」と蒔寺楓に称される。
- 読者からの募集イベントの応募にて生まれたキャラであり、その応募者は『Fate/strange Fake』の作者・成田良悟。
- ユーウェイン
- 伝承では円卓の一員であり、冒険の中で助けた獅子とともに戦った事から「獅子の騎士」の異名を持つとされる騎士。
- アルトリア・ペンドラゴン〔ルーラー〕の記述などから存在自体は示唆されているが、直接の登場はしておらず、席次やそもそも円卓に数えられているのかも不明。
言及作品
メモ
- 円卓全体の雰囲気について、初出の『Fate/stay night』ではアルトリア曰く「自分を見る目は冷たく、針の筵のような状態で失敗などできず、自分が現れると場が一瞬で静まり返った」と非常にネガティブであったが、以降の作品群に登場する騎士達の描写を見る限りでは、全員が(方向性は違うものの)アルトリアを強く敬っており、彼女が言う程ネガティブではなかった。
- むしろ彼ら騎士達のはっちゃけぶりを見ていると、王の登場で場が冷え込むのも、「それまで自分たちがやっていた馬鹿話を王に聞かせたくないから」という気もしてくる。
- とはいえ、『Fate/Grand Order』第六章での描写を見ると気が合うもの同士以外では円卓内でも仲がかなり悪く、アルトリアが皆の上に立っていたから彼らの対立が抑えられていた側面もある。
- 『Fate/Grand Order』のカルデアでは同じ陣営として円卓の騎士達が複数人召喚されているが、そういう状況であれば割と互いの仲は良いようで、深刻に敵対しなければ生前をネタにした円卓ジョークを飛ばし合えるくらいには和気藹々としている。
- 円卓の象徴でもある丸テーブルも最後には失われてしまったが、その欠片は後の聖杯戦争が開催されている世界では「全員が強力である騎士達の誰かを確定で召喚できる上、性格の相性が良い人物が選ばれる」というサーヴァントを召喚する触媒として非常に効果的なものであるため珍重されている。
- アーサー王とギャラハッドを除く十一人から、召喚を求めたマスターに最も近い適性の者が選ばれる。別名Sレア確定チケット。
- 『Fate/strange Fake』に登場したリチャードⅠ世の生前の教師だったクレティアン・ド・トロワ曰く「騎士としてはともかく、人間としては多いに問題のあった集団」と非常に辛辣。だが彼がリチャードに騎士達の物語を語り聞かせたことにより、リチャードは円卓の騎士達の大ファンとなってしまった。
- なお、クレティアン・ド・トロワは、史実ではブリテン由来の「アーサー王の物語」に、フランス由来の「ローランの歌」に代表される騎士道の要素を加えて脚色し、聖杯探求を物語のテーマに加えて確立し、今ある「円卓の騎士達の物語」の原型を作って広めた非常に重要な人物である。
- Fateシリーズの顔たる女体化アーサー王を始めとしてあまりにも愉快なメンバーの集う円卓の騎士。その全ての元凶たる我らが奈須きのこだが、スーパーロボット大戦の寺田貴信氏との対談の際、円卓が実在するどころかトランス○ォーマーまで在籍していた2017年度の同シリーズ最新作について「自由すぎる」と評していた。お前が(ry
- 氷室の天地 Fate/school lifeの「僕の考えた最強の偉人」企画で有名な「サー・ペレアス」が、このキャラの投稿者である成田氏の描くFate/strange Fakeでアーサー王配下の「はぐれ騎士」として言及されていた等、外伝等では円卓の騎士とされていながら型月においては円卓に名を連ねてない名ありの騎士も存在自体はしており、彼らの伝説なども残っていることが示唆されている。
脚注
注釈
- ↑ とはいえ、優劣関係はないものの席次はきちんと存在している。
出典