巌窟王 エドモン・ダンテス
アヴェンジャー | |
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真名 | 巌窟王 / エドモン・ダンテス |
外国語表記 | Edmond Dantès |
性別 | 男性 |
身長 | 185cm |
体重 | 75kg |
出典 | デュマ著『モンテ・クリスト伯』? |
地域 | フランス |
属性 | 混沌・悪 |
一人称 | 俺・オレ[注 1]/私 |
二人称 | おまえ/貴様 |
三人称 | 奴/彼/彼女 |
声優 | 島﨑信長 |
デザイン | 小松崎類 |
設定作成 | 桜井光 |
レア度 | ☆5 |
初登場作品 | Fate/Grand Order |
概要
- 略歴
- 第四特異点の定礎復元の後、監獄塔に魂を幽閉された主人公を待ち受けていたサーヴァント。主人公に現在の状況と脱出の手立てを示す導き手であり、自らも主人公を仮のマスターとして戦いを促し、共に七つの「裁きの間」へ挑む。
- しかし、本来の「シャトー・ディフ」がそうであったように、この監獄塔も脱出できる者はただ一人。七つの裁きを打ち破った後、彼は最後の敵として主人公の前に立ちはだかる。
- 主人公に敗れた彼は、しかしかつて彼を導いたファリア神父の如く、そして最後には復讐を成し遂げずに生涯を終えた己が知ることのなかったもの…罠に落ちた者を導き救う「勝利」へと至ったことを喜びながら、称賛と共に別れを告げた。
- その後は終局特異点『冠位時間神殿 ソロモン』では冠位時間神殿に召喚され、それまでの他の座に姿を見せなかったサーヴァント達の筆頭として、Ⅹの座を統括する廃棄孔アンドロマリウスに強襲を仕掛ける。
- 亜種特異点Ⅰ『悪性隔絶魔境 新宿』では最後の最後で主人公の元へ馳せ参じて助力し、主人公の戦いが続く限り力を貸すことを告げた。
- 亜種並行世界『屍山血河舞台 下総国』では主人公の身に起こった異変が監獄塔の時の症状に類似しているとホームズに促され、風魔小太郎と同じくカルデアから召喚されたサーヴァントとして下総国に赴き、宣教師を装い主人公達のサポートに回る。
- 人物
- ポークパイハットを被った色白の肌をした青年。
- 「運命と現実への復讐者」であり、常に世界に遍く理不尽と悪意を憎んでいる。
- 一見すれば自己以外の世界すべてを憎悪しているようにも映るが、決して無辜なる人々を憎む悪鬼ではなく、不道徳と悪逆に満ちながら君臨する現実そのものをこそ、彼は憎み否定し続ける。
- 自己を「永劫の復讐鬼」として定義しており、近寄る物の全てを傷つける荒々しさと暴威に満ちている。非常に尊大で苛烈な性格であり、恐ろしげな振る舞いを見せる事も多い。
- 一方でアヴェンジャークラスの先輩同様に人間の事は悪し様に言いつつも愛しており、主人公に対しても最大限に協力しようとしてくれる。
- 能力
- 超高速行動を用いた格闘戦や怨念の魔力投射攻撃を行い、青黒い怨念の炎を以って敵にダメージを与える。基本的には毒系であり、本来であれば直接ダメージに加えて持続ダメージやステータス異常を与える事が可能。
- スキル「鋼鉄の決意」により痛覚の完全遮断、超高速行動に耐えうる超人的な心身を有しているほか、「窮地の智慧」は危機的な状況で幸運を呼び込み、また「窮地の智慧」とクラスの特殊性が合わさることで、「道具作成」も可能となっている。
生前はただの生身の人間であり、ファリア神父に授けられた知識で相手の行動を予測し拳銃やナイフ、毒や爆薬といった罠で相手を追い詰め、負傷の痛みは秘薬で抑えるという戦術を駆使して来た他、東洋の体術をも会得し侮られていたとはいえ代行者とも辛うじて戦闘になる身体能力を得ている。 - 復讐相手であるプラーガ神父やタランテラといった「神秘」に属する存在には敵わなかったが、モンテ・クリスト島の秘宝を手にして以降は超常の存在へと転じることで魔術刻印と魔術回路を発現し、黒き炎を燃やして空を舞った。だがそれも一時のことで、英霊として召喚されない限り、二度と炎が燃えることはなくなっている。
ステータス
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
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アヴェンジャー | 主人公 (Grand Order) | B | A+ | C | B | ? | A | 復讐者:A 忘却補正:B 自己回復(魔力):D |
鋼鉄の決意:EX 黄金律:A 窮地の智慧:A |
宝具
- 巌窟王(モンテ・クリスト・ミトロジー)
- ランク:C
種別:対人宝具
レンジ:-
最大捕捉:1人 - サーヴァントとして現界した彼は後悔と改心の果てに救われた存在ではなく、復讐心滾らせてパリへと舞い降りた「巌窟王」そのものであり、復讐の化身である。
- それ故にエクストラクラス・アヴェンジャーとして現界した肉体は、その生きざまを昇華した宝具と化している(一説では、生前に邂逅したという「14の遺物」が関係しているとも)。
- あらゆる毒を受け付けない強靭な肉体、精神干渉系の効果の軽減、死に至る毒炎を怨念の魔力として行使することによる攻撃に加え、自らのステータスやクラスを隠蔽、偽の情報を見せることも可能な常時発動型の宝具。
- 後者では『空の境界/the Garden of Order』において姿が真っ黒にしか映らなくなる他、情報も隠蔽したこともあってかマシュやカルデアのマスターが混乱していた。
- 真名開放の効果は溜め込んだ怨念を一気に周囲へと撒き散らされ、敵を疑心暗鬼に陥らせて同士打ちさせるものだが、その効果が『Grand Order』で使用されることはない。
- 虎よ、煌々と燃え盛れ(アンフェル・シャトー・ディフ)
- ランク:A
種別:対人 / 対軍宝具
レンジ:1~20
最大捕捉:1~100人 - 地獄の如きシャトー・ディフで培われた鋼の精神力が宝具と化したもの。肉体はおろか、時間、空間という無形の牢獄さえをも巌窟王は脱する。
- 超高速思考を行い、それを無理矢理に「肉体」に反映することで、主観的には「時間停止」を行使しているにも等しい超高速行動を実現するのである。
- 『Fate/Grand Order』に於いては、魔力によって形成された黒い怨念の炎が複数の分身から放たれて、対象にダメージを与える。
- 待て、しかして希望せよ(アトンドリ・エスペリエ)
- ランク:B
種別:対人宝具
レンジ:1~50
最大捕捉:1人 - 悪逆と絶望と後悔に満ちた暗黒の中に在って眩く輝く、一条の希望。
- 人間の知恵は全てこの二つの言葉「待て、しかして希望せよ」に凝縮される。
- 自陣のうち一名を、瀕死(戦闘不能状態)からでも完全回復させる上に、全パラメーターを一時的にランクアップさせる回復宝具。
- 『Fate/Grand Order』には実装されていないが、亜種特異点Ⅰで霊核に致命傷を負ったはずのジャンヌオルタがその後登場して戦えていたので、助けた際にこの宝具を使用して治療したものと思われている。
真名:巌窟王 / エドモン・ダンテス
- エドモン・ダンテス。「復讐者」として世界最高の知名度を有する人物。「巌窟王」として知られている。
- マルセイユの海の傍らで働く誠実な男で、この世が邪悪に充ちているとは知らずに生きていた。19歳の時、悪辣な陰謀が導いた無実の罪によって孤島にある牢獄、
イフの塔 に囚われてしまう。
- 鋼の精神によって屈することなく十四年もかけて監獄島から生還し、彼は復讐鬼となった。
人間が持つ善性を捨て、悪魔が如き狡猾さと力を、そして自らに希望を与えたファリア神父より授かった救世主の島、財宝の城――モンテ・クリスト島の財宝を得てパリへと舞い降りた。それと同じ名「モンテ・クリスト伯爵」を名乗り、憤怒のままに復讐に耽って、かつて自分を陥れてフランスに君臨する有力者の人々を一人ずつ地獄へと引きずり落としたという。
- その苛烈な生き様と正体を隠した復讐劇、踏みにじられ奪われた恋人メルセデスへの想いと愛執、そして苦悩と後悔から改心へと至る道程は、フランスのみならず世界中の人々に喝采され「世界で最も高名な復讐者」として人々の記憶に刻まれた。
- 巌窟王の物語はアレクサンドル・デュマによる創作とされるが、イフの塔に収監されたエドモンを導く「ファリア神父」の実在が現実では確認されている。
- 「エドモン・ダンテス」を真名として持つものの、マルセイユの海の男であった「エドモン・ダンテス」と自分は別人であると彼は認識している。
- なぜなら「エドモン・ダンテス」とはパリに於ける血塗られた復讐劇の果てに自らを構成した悪性を捨て、善性を取り戻した男の名だから。
凄絶な復讐鬼になり果てるも、最後には愛を取り戻して旅立った彼の隣には、彼を愛する異国の姫エデがいた。 - だが、サーヴァントとして現界した彼は人類史に刻まれた悪鬼の陰影、永遠の復讐者であるが故に「復讐鬼の偶像」で在り続けている。
巌窟王 ―――それは復讐のためだけに生み出された、悪魔の名。
- なぜなら「エドモン・ダンテス」とはパリに於ける血塗られた復讐劇の果てに自らを構成した悪性を捨て、善性を取り戻した男の名だから。
- 自らを愛も情も知らず憎悪と復讐のみによって全てを灰燼に帰するアヴェンジャーと定め、隣にエデがいないならば、この身は永劫の復讐鬼と在り続けるまで―――
関連
- シャトー・ディフ
- フランス・マルセイユ沖に位置するイフ島に造られた牢獄。「モンテ・クリスト伯」の舞台となった。
- この世に在りながら「地獄」とさえ称され、許されざる大罪を犯した者どもを収監する、死の牢獄。地上の苦しみが集った場所であり、囚われれば最後、脱出など不可能と言われていた。
- 唯一生還したエドモン・ダンテスも、無限の怨嗟を背負った「暗黒の鬼が如き者」と化してしまった事から、その過酷さが伺い知れる。
- ダンテスは病死したファリア神父の遺体と入れ替わり、海に捨てられたことで死を偽装しながら脱獄に成功した。
登場作品と役柄
Fateシリーズ
- Fate/Grand Order
- 『監獄塔に復讐鬼は哭く』の開催に伴い期間限定でガチャに追加。イベントガチャ限定サーヴァントであり、恒常的な入手手段は現状ない。
- 「空の境界」コラボイベントの際に顔見せとして登場し、続くイベント「監獄塔に復讐鬼は哭く」にてキーキャラクターとして登場した。
その他
人間関係
Fate/Grand Order
- 主人公 (Grand Order)
- 自分が住まう監獄に落とされた主人公に対して人間の悪業を見せることで導き、最後にはその命を以て送り出す。
- 人類史を焼却から救うマスターに、「悪辣な運命と現実に翻弄されるエドモン・ダンテス」の写し身としての姿と、ファリア神父やエデのような「憎悪の偶像として現界した巌窟王に寄り添う者」としての姿、二つの象を見出す。
- しかし、戦いの中で、ファリア神父やエデとも、ましてや自分自身の写し身とも異なる存在であることを認識する。自分と共に歩むマスターはただひとりであり、過去現在未来他にいない。ならばそこに抱く想いも唯一のものでなければならない、と。
- 主人公の意識の裏側に存在しており、現実と夢の狭間に迷い込んでしまった際には姿を表して現実に戻れるよう道を示した。
- 両儀式
- オガワハイムで戦った「殺人鬼」。彼女からは「人間好き」と評されている。
- ジャンヌ・ダルク
- 同郷の存在だが、彼が苦手とし、相容れぬと位置付ける人物。悲惨な最期を遂げたにも関わらず、人間に対する憤怒・憎悪を否定した彼女の存在は、彼の芯にある激情を否定するものだったためである。
- エドモンは世界に裏切られたが如き彼女が、復讐の炎を抱いていない訳がないと彼女の在り方を疑っている。
- ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕
- 同じ復讐者として色々思うところがある模様。アヴェンジャーとして現界した彼女の行く末を静かに見守る。
- 亜種特異点Ⅰではヘシアン・ロボの攻撃により致命傷を負った彼女を救助した。
- ファントム・オブ・ジ・オペラ
- 監獄塔において「嫉妬」を司った英霊。彼の慟哭を聞き、彼こそ人間であると讃えた。
- フェルグス・マック・ロイ
- 監獄塔において「色欲」を司った英霊。巌窟王曰くこれは本人というわけではなかったらしいが…
- ジル・ド・レェ(キャスター)
- 監獄塔において「怠惰」を司った英霊。一見ミスキャストに見えるが、この場合の怠惰は「やるべきこと(騎士としての役割や振る舞い)をやらずに自分の好きなことに没頭している」という意味合いと、「神への祈りを怠ること」が当てはまる。
- ジル・ド・レェ〔セイバー〕
- 「憤怒」の間にてジャンヌと共に現れるが、あくまで巌窟王を救おうとするジャンヌの抑えも聞かずに巌窟王を倒そうとして返り討ちにあう。イベント中で各ボスに用意されている特殊スキルをジャンヌではなく彼が使うため、実際には彼が憤怒の担当だったのかもしれない。
- カリギュラ
- 監獄塔において「暴食」を司った英霊。今回は主人公の状態を逆手に取り、意外な姿を見せた。
- 天草四郎時貞
- 監獄塔において「強欲」を司った英霊。彼の望みや考え方をいたく気に入っているらしく、機嫌よさそうに彼のことを主人公に語る。
- 世界を救わんとするその強欲、まぎれもなく人間性の顕れであると、彼の生き様をエドモンは高く評価している。
- アンリマユ
- 元祖アヴェンジャー。自身と同類でありながら、自身とは違う在り方をする存在。その在り方を尊重している。
- 作家サーヴァント
- 自身の人生を作品にされたことで思い入れがあるのか、執筆に取り組んでいる彼らにコーヒーを差し入れてほしいとマスターに要望する。彼自身も時折自分で入れたコーヒーを持っていっている模様。
- なお、現在彼の人生を著作にした本人はまだ実装されていない。可能性はあるため、実装された場合の反応が期待されるところである。
- ゲーティア
- 「空の境界」イベントではオガワハイムを新たな特異点にさせようと巌窟王を召喚するも、魔術王が恩讐を持たないことを理由に断られた上、オガワハイムを特異点ではなくサーヴァントを変質させる空間として勝手に利用されてしまう。
- 続く「復讐鬼は監獄塔に哭く」でも最終的に主人公を殺させるためのサーヴァントとして巌窟王を再召喚し、こちらはある程度は思惑通りに進んでいたと思われるが、最終的には巌窟王が望んだ通りの形で失敗に終わる。
- 一度拒絶されたにも関わらず再召喚していることから、ゲーティアからは一定以上の評価を受けていたと思われるが、巌窟王の方は全く好ましくは思っておらず、噛み合わない関係である。
- ナイチンゲール
- 記憶喪失の彼女と「復讐鬼は監獄塔に哭く」にて共演。記憶の無い彼女に何か思うところがあったのか、かつての恋人メルセデスの名を名乗らせる。
- 後に最後の裁きの間で対峙。死霊を味方に付けた彼女を「お前の刃は優しすぎた」と一蹴する。彼女の正体にはっきりと気づいてはおらず興味もなさげであったが、前述の言葉や「いずれ名のある英霊になるやもしれぬ」と評するなど暗に迫りつつはあった。
- 英霊として個別に認識してるわけではないまでも、彼女が秘めた揺るぎない信念、偶像の域にまで至った魂のあり方に眩きものを垣間見る。
- カルデアで記憶が戻った彼女と再会した後も、普段は「バーサーカー」と呼ぶものの時折メルセデスと呼んでしまっている。このため、彼女からは青髯やファントムと同類の精神負傷者扱いされ、要治療者として追われている模様。
- シャーロック・ホームズ
- 亜種特異点Ⅰでの彼の変装相手として姿を借りられる。
- その理由は「巌窟王の姿と名前であれば、見破られることを前提にしても主人公の信頼をある程度勝ち得た上で接触・忠告出来る」というもので、その無二の信頼関係があったからこその選択であったらしい。
- ジェームズ・モリアーティ
- 彼からは「悪を以て正義を為した」として興味を抱かれているものの、フランクに接しようとする彼を無視し全く相手にしていない模様。
- ウィリアム・シェイクスピア
- 亜種特異点に現れた本来の目的は、囚われていた彼の救助を依頼されたからとのこと。
- 依頼主は彼のファンとのことだが、これに該当するもので巌窟王と縁があるのは「ハムレット」に感激して劇作家を志したとされるデュマその人である。
- マリー・アントワネット
- 同郷の者で「王妃」「伯爵」と呼び合う。
- なお、巌窟王が投獄された間接的な原因にナポレオンの存在があり、父がボナパルト派だったため収監時に余計に話が拗れたという背景が原典にはある。
生前
- メルセデス
- 愛した相手。しかして二人の仲は第三者により引き裂かれた。
- フェルナンに体を許しアルベールという一人息子まで産んだが、心は決して折れておらず、生きているかも分からぬエドモンを愛し続けていた。
- 『モンテ・クリスト伯』においては唯一モンテ・クリスト伯の正体がエドモン・ダンテスだとひと目で気づき、また彼女の子アルベールの存在がモンテ・クリスト伯をエドモンに引き戻した。
- ファリア神父
- シャトー・ディフで偶然から出会った老賢者。
- ブラーガ、タランテラら三賢人によって「イタリア統一を企てた重大犯」いう濡れ衣を着せられ、シャトー・ディフに送り込まれた。
- 第八秘蹟会やその裏で蠢く陰謀に気づき、モンテ・クリスト島の秘宝を守ろうとしたために危険視された事、つまりその善良さが投獄に繋がった。
- 代行者などではないが「神秘」の領域についても知識があり、ダンテスにはその存在を示唆していた。
- 彼に様々な知識、モンテ・クリスト島の秘宝、最後には自らの死により自由を与えた。
- 「人々は愛され、救われるべきである」と心から信じていた、敬虔で高潔な人物。
- ダンテスとは互いを親子と認め合うほどの絆を結ぶ。
- エデ
- 復讐の過程で救い出した少女。
- 元はさる王族の姫だったが、巌窟王の復讐相手フェルナンの裏切りにより家族も地位も全て奪われ、奴隷になっていたところを巌窟王に救われた。
- 巌窟王を深く愛しており、最後は彼女を置いて去ろうとする彼に愛を打ち明けて彼の心に救いをもたらし、共に新しい人生へと旅立っていった。
- 「英霊伝承異聞」においてはエドモンと念話のような会話を可能としており、エドモン以外の人間には存在を感知されていない。エドモンの「お前の眼は運命さえ見通すのかも知れない」という言葉やただの幻だという認識も相まって謎に包まれた人物。
- モレル氏
- 投獄される前のダンテスの雇い主であり、彼の乗っていた船「ファラオン号」の持主。
- ダンテスが投獄された際には残された彼の父親やメルセデスを気にかけつつ復古したナポレオンに彼の解放を願い出るなど懸命に動いてくれていたのだが、ナポレオンの再度の失脚によりそれらの行動が「熱心なボナパルト派」という疑惑に変わり苦境に立たされてしまう。
- その後不幸が重なり負債が膨らみ、自殺による名誉の維持とそれに伴う同情による遺される者達の状況の緩和を覚悟するほど追い詰められるが、裏から手を回したダンテスにより苦境を脱する。
- 死の間際に家族らに「きっと墓から出てきたエドモンが助けてくれたのだ」と語り、穏やかに天寿を全うした。
- 「英雄伝承異聞」では上記の事情に加え、ダンテスへの攻撃の一環としてタランテラにより縁者を殺害されるという不幸にも合っている。
- ジョヴァンニ・ベルトゥッチオ
- モンテ・クリスト伯の家令。
- コルシカ島の密輸業者であったが、濡れ衣を着せられたところをダンテスに救われ、以後モンテ・クリストに仕えるようになる。
- 元陸軍中尉であった兄がいたが、不審死を遂げたその兄の捜査を「ナポレオンの部下だったから」という理由で無視したヴィルフォールへと復讐を目論む。
- 結果的に彼が引き取って育てていたヴィルフォールの私生児が、その復讐を果たす一因となった。
- フェルナン・モンテゴ、ダングラール、ジェラール・ド・ヴィルフォール
- 復讐対象となった三人の男達。
- フェルナンはメルセデスへの想い故に、ダングラールは若き船長という約束された未来への妬みに、ヴィルフォールは己と父の保身の為にエドモン・ダンテスを陥れた。
- 後に帰参したダンテスにより社会的破滅や経済的痛打、時には家族までも巻き込んだ報復を受け、自殺、茫然自失、発狂と悲惨な末路を遂げる。
- しかしダンテスはこの中の誰一人として直接手にかける事はなく、逆に罪なき家族を巻き込んでしまったことで深い後悔に苛まれてしまう。
- カドルッス
- 準復讐対象とでも言うべき相手。ダンテスのかつての隣人であり、ダンテスの父が窮しているのを知っていながら借金を取り立て、餓死するのも放置していた。
- ダングラールとヴィルフォールが悪事を企てていた現場に偶然居合わせていたものの、酩酊していたために看過。その後ダンテスが逮捕された時は二人に真実を暴露するよう訴えたものの、逆に現場にいた自身を巻き込むと脅迫されて黙秘してしまう。
- この「間の悪かった」出来事に端を発して二転三転の人生を送った末に殺害されており(ダンテスによってではない)、自身の再度の妨害に現れたジャンヌにダンテスはそのタイミングの悪さを「カドルッスにも匹敵する」と罵倒している。
- コンチェッタ
- エドモンの従者。
- モンテ・クリスト伯の家令ジョヴァンニ・ベルトゥッチオの従妹。ダンテスを「おじ様」と慕う。
- コルシカ人の密輸業者の娘であり、幼少の頃からエドモンに面倒を見てもらっていた。またエドモン・ダンテスの本名も知っている。
- 不審な死を遂げた従兄(ジョヴァンニの兄)の捜査を「コルシカ人だから」という理由で無視したヴィルフォールへと復讐を目論む。
- ダンテスに秘宝の在り処を語らせるため、タランテラによって殺害されてしまう。
- アンジェロ・ブラーガ
- ファリア神父を陥れた三賢人の一人であり、復讐対象。
- エドモンは屋敷へ招いて毒殺を謀るもブラーガが「特殊な訓練を受けている」為に効き目はなく、黒鍵と聖書のページで構成された籠手により逆に追い詰められてしまう。
- しかし、奥の手である「地中に埋めた爆薬の炸裂」で致命傷を負わせ、最終的に持ち主に返す形で、黒鍵を心臓に突き刺し殺害した。
- タランテラ
- ファリア神父を陥れた三賢人の一人であり、復讐対象。代行者であり、『月姫』世界におけるミハイル・ロア・バルダムヨォン。
- ダンテスの接近に気づいて数多くの人間を惨殺しはじめ、その犠牲者の中には伯爵のかつての恩人であるモレル氏の縁者も含まれている。
- ファリア神父曰く「出会いの無かった存在」であり、『月姫』世界より弱体化しているが、死徒という「神秘」の存在であったためダンテスは一方的に蹂躙され、コンチェッタを殺されてしまう。
- しかしモンテ・クリスト島の秘宝で超常の存在へと化したダンテスの黒炎により、魂まで焼き尽くされて消滅した。
- 枢機卿
- ファリア神父を陥れた三賢者の一人であり、復讐対象。
- タランテラを葬った後、ダンテスによって失脚させられた。
その他
- アレクサンドル・デュマ
- 自身の人生を著作にした男。エドモンは「性質の悪い小説家め」と毒づいている。
- 彼を作品にした事に対しては悪びれる気持ちはないようだ。
- 遠野秋葉
- コハエースの学園回で初登場した際、あまりのキャラ崩壊ぶりに彼女に登場数コマ後まで誰なのか気づいてもらえず、そのくせカッコつける時だけ普段の服装に戻って決め台詞を口にした結果「うるせえバカ!」のお言葉をいただく。
名台詞
- 「──待て、しかして希望せよ」
- 口癖。『モンテ・クリスト伯』の最も有名な名台詞。
- 「慈悲などいらぬ!」
「我が往くは恩讐の彼方…『虎よ、煌々と燃え盛れ 』!」 - 宝具解放。この世の地獄を脱する過程で培われた鋼の精神力で以て、巌窟王は現世に存在するあらゆる縛めからも脱する。
- 「俺を呼んだな!復讐の化身を!そうとも、俺こそ黒き怨念。エクストラクラス、
復讐者 である!」 - 召喚時。アヴェンジャーとして召喚される事に喜びを抱いている様にも思える。
- 「作家系のキャスターがいるな。よかろう…ウェイター! 彼にコーヒーを!」
- マイルームにて。元ネタは2004年放送のアニメ「巌窟王」第一話のモンテクリスト伯の台詞「ベルッツィオ! お二人にコーヒーを!」か。
- 「ほう……俺以外のアヴェンジャーとして現界した者がいるか。俺は人の性を怒り、奴は人の性を笑う。なるほど。人間とは、分からぬものだ」
- マイルームにてアンリマユ所持時に。
- 人の犠牲にされた同類でありながら、自身とは違う在り方を示す彼に感慨深げな言葉を漏らす。
- 「……おまえは、何だ? この俺にこうも付き合うなど、まるで……いや、エデとおまえは違う。おまえは、おまえだな」
- マイルーム会話「絆Lv5」。主人公を生前結ばれたエデとは違う存在とするが、その声には確かな信頼が込められている。
- 「調停は俺から最も遠い言葉だ。その推測、挑戦と解釈した。」
- 『空の境界/the Garden of Order』にて。7つのクラスどれにも該当しない黒い影のサーヴァントに「じゃあルーラーか!?」と言う主人公に対しての返答。
- 後に監獄塔のイベントにて正体が判明するのだが、彼の言う通り、その在り方もクラスの特性もルーラーとは完全に真逆と言っていい物だった。
- 「ここは地獄。恩讐の彼方たるシャトー・ディフの名を有する監獄塔!
そしてこのオレは……
英霊だ。おまえがよく知っている筈のモノの一端だ。この世に陰を落とす呪いのひとつだ。
哀しみより生まれ落ち、恨み、怒り、憎しみ続けるが故にエクストラクラスを以て現界せし者。
そう―――アヴェンジャーと呼ぶがいい。」 - 『監獄塔に復讐鬼は哭く』冒頭、監獄塔に囚われた主人公の前に突如現れ、窮地を救った後の台詞。シャトー・ディフでの七日間の地獄が始まった。
- 「黙れ。黙れ、黙れ!!
黙れェ!!」 - 第四の扉にて。「憤怒」に当たるはずだった第四の支配者に対しての激昂。憤怒を否定することは、同時にそこから起因する復讐と復讐者を否定することに他ならない。故に、悲惨な最期を遂げてもなお憤怒を含めた負の感情を抱かず、救いと赦しを口にする彼女と相容れないのは必然なのかも知れない。
- ジャンヌが「人間や祖国に対する憤怒と憎悪を抱く」というありえないイフをある人物が復讐のために聖杯に願い、新たに「復讐者」として誕生したのは、余りにも皮肉と言える。
- 「違う、違う違う!!」
- 第六の扉にて。「強欲」に当たる第六の支配者のことは何やらお気に入りのようで、主人公曰く「楽しそうに話す」様子で裁きの間へと向かったのだが――そこに待ち受けていたのは第四の支配者として既に一度戦った忌まわしきジャンヌ・ダルク!思わず激昂する巌窟王であった。
- なお、ちゃんと本来の支配者も一緒に居たため、そちらに向き合ってからは平静を取り戻していた。
- 「我が恩讐を語るな、女!」
「我が黒炎は、請われようとも救いを求めず!我が怨念は、地上の誰にも赦しを与えず!
"虎よ、煌々と燃え盛れ。汝が赴くは恩讐の彼方なれば"
オレは巌窟王 !人類史に刻まれた悪鬼の陰影、永久の復讐者である!」 - ジャンヌの指摘に対して吠える巌窟王。復讐の怨念として召喚された彼の執念を感じる。
- 「さあ、征くぞマスター。おまえとオレは最早、一心同体だ。
あらゆる救いを断たれたシャトー・ディフに於いて、しかして希望し、生還を真に望むモノは!
導かれねばならない のだよ!
お前を!導けるのは、このオレだけだ!」 - 天草、ジャンヌというWルーラーとの戦闘前にて。それに対し主人公は「何を、今さら!」「……必ずカルデアに戻る!」と返す。
- この辺りで巌窟王に対して一種の相棒の様な感覚が芽生えたプレイヤーも多いはず。
- 「そこを退け、女。オレは積極的に女を殺しはしない」
- 第七の扉にて。立ちふさがろうとするメルセデスに対して言った言葉だが、主人公から「どの口で!?」「ジャンヌさんの時は全力でしたよね」と突っ込まれる。返答は「あれはルーラーだ。人間城塞だ。女というには心身ともに堅すぎる」とのこと。
- 「―――はは、○○よ!
オレたちの勝ちだ !」 - 主人公との一騎打ちに破れた彼は監獄塔での真意を語る。彼――
巌窟王 にとって主人公が牢獄から解き放たれる事は、生前自身が果たせなかった「勝利」と等しい事だった。
- 「あの時、おまえは見逃されたのではない。もう”終わるもの”と見捨てられたのだ。
だが―――はは、ははは! 結果はこの通りだ! 残念だったな魔術の王よ!
貴様のただ一度の気まぐれ、ただ一度の姑息な罠は、ここにご破算となった!
オレなんぞを選ぶからだバカ者め! ざまあない!
歩むがいい! 足掻き続けろ! 魂の牢獄より解き放たれて―――おまえは!
いつの日か、世界を救うだろう!」 - 自身を見事に打ち破り、シャトー・ディフより脱獄する主人公への最大の賛辞と、魔術王への侮蔑。
- いつかの恩師のように、外界へ希望を送り出す喜びを胸に。
- 「……再会を望むか、アヴェンジャーたるオレに?
はは、ははははははははは! ならばオレはこう言うしかあるまいな!
”―――待て、しかして希望せよ”と!」 - 主人公 (Grand Order)に「―――キミは、永遠に消えるのか?」問われての返し。自らの消滅を悼んでくれるマスターに、幾度となく口にしたかけがえのない言葉で応えて、彼は一時の別れを迎える。
- 「ハ。ハハハ。クハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
「笑わせるな、廃棄の末に絶望すら忘れた魔神ども! 貴様らの同類になぞ、その男(女)がなるとでも!」
「そうだ!
この世の果てとも言うべき末世、祈るべき神さえいない事象の地平!」
「確かに此処は何人も希望を求めぬ流刑の地。人々より忘れ去られた人理の外だ。だが―――
だが! 俺を呼んだな、○○!
ならば俺は虎の如く時空を駆けるのみ! 我が名は復讐者、巌窟王エドモン・ダンテス!
恩讐の彼方より、我が共犯者を笑いにきたぞ!」 - 終局特異点『冠位時間神殿 ソロモン』にて。予測外の魔神柱の出現により絶体絶命の状況の中、いつか聞いた高笑いと共に参上する。
- かつて自身とは違う存在としたエドモン・ダンテスの名を名乗った巌窟王は、七日間の悪夢を生き抜き脱獄を果たした共犯者を再び救済する為に時空を駆ける。
- 「……ふん。礼には及ばん。及ばんが、そうだな……」
「見ての通り、戦い尽くめで手が塞がっている。煙草に火を付けてくれ」
「―――上出来だ。少しは大人になったな、○○」 - 同上。監獄塔での別れから久々の邂逅だったが彼の主人公への信頼は揺らぐことは無く、かつてと同じく賞賛と共に主人公を決戦へと送り出したのだった。
- 主人公「……巌窟王?」
「誰だ、それは。俺は宣教師だ。
それよりも、だ。
そこの男、告解したい事があるならば話してみろ、特別にこの俺が聞いてやろう。」
おぬい「こっかい???」
「…………話したい事があるなら話せ、と言っている。」 - 亜種並行世界『屍山血河舞台 下総国』にて。宣教師を装って主人公達の前に助言を告げに現れる。……が、いつものもってまわった意味深な言い回しはおぬい達どころか主人公にさえいまいち伝わらず、「もう一声分かりやすく」と言われてしまうのだった。
- 「気にするな、南蛮渡来の燃える水という奴だ。天竺の更に西に進んだあたりではよく採れるらしいぞ。」
- 彼の出す黒い炎を村正に「初めて見た」と言われた際の返答。流石にそれは無理がある。しかし、その答えに村正は「宣教師以外の何物でもねえな!」と納得する。南蛮渡来(の印象)恐るべし。
- 「…………待て。」
ナイチンゲール「いいえ。措置します。」
「左手にメスを、右手に拳銃を握るな。せめて利き手にメスを握れ。いや違う。そうではない。」 - 幕間『悪夢、或いは恩讐の呼び声』より。普段の彼からしたら珍しいツッコミ。監獄塔での一件でナイチンゲールとは何かと縁があるが、ナイチンゲールからは要治療対象と見なされ追い回される日々を送っているらしく、流石の彼も押され気味な様子。
- 「―――は。はははは……殺人鬼、代行者、吸血鬼……はは、はははは……
知った事か!お前が正真正銘の吸血鬼であろうと、オレにとっては大差なき事であろうよ!
代わりと言ったな……お前は!神の!
否、否、違う!それは、オレにこそ相応しい名だぞ!ミハイル・ロア・バルダムヨォン!」
「何故ならば……オレは恩讐の化身!ああ、そうだ、そうだとも!
お前達の聖典に曰く!『復讐するは我にあり』!」
「―――はは!地上に在って怒りを具現するのは!このオレ以外にあり得まい!」 - 『英霊伝承異聞』にて。ロアとの戦闘中にモンテクリスト島の秘宝によって黒い炎に目覚めるエドモン。代行者は何も聖堂協会の人間のみではなく。神の
復讐 を体現する人間は既に地上に存在していた。
メモ
- アンリマユから12年を経て登場した二人目の「復讐者」のサーヴァント。アンリマユの特殊性を鑑みれば、真っ当な英霊としては初となる。
- 『Grand Order』ゲーム中のセイントグラフ等に表記されている名前は「巌窟王 エドモン・ダンテス」だが、正式な真名は「巌窟王/エドモン・ダンテス」。これはヘンリー・ジキル&ハイドの「ヘンリー・ジキル/エドワード・ハイド」等と同様の表記であり、真名を2つ持っていることの表現だと思われる。
- マイルーム会話では「俺の真名は“巌窟王”だ」(要約)と語る、ステータス画面右上や戦闘時に表示される名前が「巌窟王」となっている等ゲーム中では主に前者が使用されるが、「監獄塔に復讐鬼は哭く」でボスとして対峙した際の戦闘画面での表記は「エドモン・ダンテス」となっていた。
- 彼の担当声優が決定した背景には、「島崎氏によるアルジュナの演技を聞いた武内氏が巌窟王のCVも追加でお願い→島崎氏これを快諾」という経緯があったことを島崎氏がカルデアエースの座談会で語っている。
- 竹箒日記によれば、「青年としての巌窟王」を目指した[出 1]ということで(「モンテ・クリスト伯」原作において、脱獄時には33歳、復讐を本格的に開始した頃には40代になっている)一般的な巌窟王のイメージに比べて、外見が若々しい。
- キャラクターデザインが『ダンガンロンパ』で有名な小松崎類氏であることから、奈須氏や一部ファンからは「超高校級の英霊」と呼ばれることも。同ゲームと『巌窟王』の間には「地獄のような閉鎖空間からの脱出」という共通項があるが故の人選か。
- 『モンテ・クリスト伯』はデュマの創作ではあるが、元ネタとなった実話が存在する。ピエール・フランソワ・ピコーという靴屋がそれである。大金持ちの娘と婚約していた彼は、それを妬んだ四人の友人に陥れられ「王党派のスパイ」(当時、フランスはナポレオンの第一帝政であった)として投獄されてしまう。獄中生活の中、ピエールはイタリアの聖職者に献身的に尽くし、彼の莫大な遺産を手にした。そして、その遺産と変装術を駆使し、自分を陥れた四人に復讐し始めたのである。しかし、4人目の復讐に取り掛かったところ正体を見破られ、逆に殺されてしまったという。
- 彼の生前を描いたドラマCD『英霊伝承異聞』にて、本シリーズにおける"巌窟王"(モンテ・クリスト・ミトロジー)とは、彼の師たるファリア神父が「知識」、「財宝」と並んでエドモンに託した「神秘」として描写され、ファリアが聖堂協会から奪取し隠し持っていた、モンテ・クリスト島の真の秘宝——死の王として人を作り替える「14の遺物」であった事が判明する。その力は魔術の素養の無い人間に一時的に魔術回路と魔術刻印を植え付ける神話の域にある代物であり、モンテ・クリスト伯は正しい意味で「巌窟王/エドモン・ダンテス」と呼ばれるべき存在となっている。
- この『英霊伝承異聞』はエドモンがパリに降り立ち本来の復讐を行う前のもう一つの復讐譚を描いた話なのだが、エデの正体や上記の14の遺物等多くの謎を残した作品となっている。サーヴァントの生前を描いた『英霊伝承』に巌窟王にのみ『異聞』という題が付けられている所も、『Grand Order』第二部で言及されたキーワード「異聞帯」と少なからず関連があると思われるが詳細は不明。しかし異聞帯Ⅱにて意味深すぎる登場をしたことから今後最重要の存在となる可能性が高い。
話題まとめ
- 小説「モンテ・クリスト伯」と無数の翻案作品
- 「巌窟王」という名称で有名だが、実はこの名称は日本で最初に出版された際の邦題であり、原作内では使われていない名称である。訳者の黒岩涙香は本作の他にも「モンテ・クリスト伯」フォロワー作品の一つであるマリー・コレリ作の「Vendetta! or The Story of One Forgotten」を『白髪鬼』という邦題で翻訳しており、これが「監獄塔に復讐鬼は哭く」の第一の扉・黒髪鬼の元ネタと推測される。
- 翻案作品『虎よ、虎よ!』とアニメ『巌窟王』
- 「虎よ、煌々と燃え盛れ」という宝具名や、瞬間移動を使うことなど、『モンテ・クリスト伯』をモチーフとしているSF小説『虎よ、虎よ!』のオマージュと思しき要素が見受けられる。
宝具開帳の口上は『虎よ、虎よ!』の別題『我が赴くは星の群』、宝具名はタイトルの由来であり小説冒頭にも引用されているウィリアム・ブレイクの詩『虎』 (The Tyger) の冒頭「虎よ、虎よ!ぬばたまの闇に燦爛と燃え(Tyger, Tyger, burning bright)」からか。 - そのエドモン・ダンテスのイメージには全くそぐわないダイナミックな戦いのインパクトもあって、「エドモン・ダンテスではないと言うが、ならガリヴァー・フォイル(『虎よ、虎よ!』の主人公)なのでは?」などとネタにされたりも。実際、『虎よ、虎よ!』の主人公フォイルは体をサイボーグ化しての高速戦闘を行う他、最終的には人類史上最強のテレポート能力者として覚醒するため、エドモン・ダンテスのモーションはかなりフォイルの描写に近い。
- ぶっちゃけ、2004年放送のSFアニメ『巌窟王』の影響を大層に感じるキャラクターである。この宇宙を舞台にしたスペースオペラ版『巌窟王』も、元々は『虎よ、虎よ!』のアニメ化が著作権問題で頓挫したためモチーフ元の『モンテ・クリスト伯』を大幅アレンジする形になった作品である。
- 「暗黒の鬼が如き者」
- 礼装の説明における「暗黒の鬼が如き者」と化したというのは原作上でもあながち間違いではなく、原作で彼を見かけた貴族の婦人からその顔の青白さにより「ルスヴン卿」呼ばわりされている。
- ルスヴン卿とはジョン・ポリドリ作の「吸血鬼」に登場する吸血鬼のことで、ブラム・ストーカーが「ドラキュラ」を執筆する以前に執筆された吸血鬼小説。この作品をフランスで舞台化したのが「巌窟王」執筆者であるデュマが慕っている「シャルル先生」と目される「シャルル・ノディエ」であったりする。
- また、作者のボリドリはこの吸血鬼を書く以前に「フランケンシュタイン」を執筆したメアリー・シェリー(当時は結婚による改名前のパーシー・シェリー)と面識を持ったことがあるなど、他のサーヴァントの関係者と意外な接点を持った人物である。
脚注
注釈
- ↑ 意図的に使い分けている節がある。