ウェイバー・ベルベット

ウェイバー・ベルベット

  • スペル:Waver Velvet
  • 誕生日:10月3日 / 血液型:B型
  • 身長:157cm / 体重:50kg
  • イメージカラー:ウォームグレイ
  • 特技:推察、要点の整理
  • 好きなもの:パズル全般、推理小説 / 苦手なもの:腕力
  • 天敵:自分
  • CV:浪川大輔

第四次聖杯戦争ライダーサーヴァントを召喚した魔術師の青年。

略歴
時計塔の学生でありケイネス・エルメロイ・アーチボルトの門下生。祖母から数えて三代目と、魔術師としての歴史が浅い家柄の出身で、それを努力と才能でどうにか補おうと奮闘していたが周りからは相手にされていなかった。
名門魔術師に対してコンプレックスを持っており、特にケイネスとは確執がある。
時計塔管財課の手違いで、直接ケイネスに手渡されるはずだった聖遺物が手中に転がり込んできたのを機に聖杯戦争への参戦を決意、朽ち果てたマントの布一片を触媒としてライダーを召喚する。
当初は自らが望んだサーヴァント像とは何もかも正反対のライダーと反りが合わなかったが、次第とライダーのカリスマ性と度量に感銘を受けるようになり、一方で己の卑小さと非才を自覚させられ深く葛藤する。
最終的には自らマスターとしての立場を放棄し、征服王の臣下としてその生き様を語り継ぐ使命を負うこととなる。
人物
自信過剰で自分を優秀だと思っているが、実力が伴っていないことも自覚しており、魔術師として大成したいという強い思いを持つ。そのため、魔術師らしさに拘っている。
その思いの源には自分の家、ベルベット家が魔術師としては浅い歴史しか持たないことへのコンプレックスがあり、聖杯戦争に参加したのも周囲に自分を認めさせるため。
また、家柄の他に貧弱な体躯にもコンプレックスを持ち、体格の良い人間を嫌っている。理屈が通じない脳筋や強引な相手も苦手。
一般家庭で育ったためか、魔術師には毛嫌いするものが多い機械やホッカイロなどの現代技術を用いることを躊躇わず、コストパフォーマンスの面では魔術より優れているものがあることも理解している。
原作である奈須きのこ、武内崇、著者である虚淵玄の三人曰く、「Fate/Zero最萌えキャラクター」らしい。
能力
「優秀である」と自負しているが、魔術師としての力量は平凡。この時点では一般人への暗示も失敗してしまうくらいに非才である。
しかし、実践方面の才能は無い代わりに、研究者としての洞察・分析の能力は秀でたものがあり、テキストの読解や記憶にかけては時計塔でも便利な見習い司書として扱われていたほど。ケイネスの教え子であるため、専門ではないが錬金術の心得もそれなりにある。
かなりの強運の持ち主でもある。魔術師としての未熟さや軍資金不足が、本人の与り知らぬところで幾度となく生命の危機を救うことになり、結果として第四次聖杯戦争の参加者中、唯一無傷で生還するという快挙を果たす。
後に教育者としての才能を開花させ、学べば間違いなく大成するとまで讃えられる名講師となる(後述)。しかし、ウェイバー自身はそうなっても魔術師として一流になることを望んでおり、教師としての手腕に誇りは持っていない。

ロード・エルメロイⅡ世

後の世界における彼の通り名。

他にも「プロフェッサー・カリスマ」「マスター・V」「グレートビッグベン☆ロンドンスター」「女生徒が選ぶ時計塔で一番抱かれたい男」などの異名を捧げられる名物講師である。「絶対領域マジシャン先生」を考案した生徒は「死ね!」の一言で撃退。

略歴
第四次聖杯戦争から帰還したウェイバーは見捨てられていたエルメロイ教室を受け継ぎ、三級講師となった。一般的な時計塔の講師がせいぜい見込みのある生徒を助手に引きこもうとする程度で真面目に授業を行わない中で、彼の異様に分かりやすく実践的な授業は時計塔で居場所のなかった新世代たちの間でたちまち話題となり、あげく権力争いに敗れた講師たちを何人も説得して登壇させ、これまでになかった多角的な教育体制を実現した。
その後、他の講師たちに失点や弱みを一つも見せず奇跡的に教室を三年間存続させたウェイバーはそれを面白がったエルメロイの次期当主ライネス・エルメロイ・アーチゾルテに拉致され、ケイネスの死に責任を感じていた彼にそれを盾に「エルメロイ派の借金を返済する」「エルメロイの源流刻印を修復する」「エルメロイの君主を代行する」ことを要求され、ロード・エルメロイⅡ世の名を贈られた。
第五次聖杯戦争の10年後、大聖杯を完全に解体し、冬木の聖杯戦争を真の意味で終結させる。
人物
いつも不機嫌そうな顔をしており、実際不機嫌。弟子たちへも容赦なく悪態を飛ばしまくるが指導は的確、面倒見もかなりいいため「デレ期の無いツンデレ先生」と慕われている。
他人をプロデュースすることに関しては当代一の傑物だが、彼にとってはそんなことはどうでもよく、自分自身が魔術師として名を成したいのに教え子ばかりがどんどん伸びていくという事実にイライラしている。
日本も日本人も大嫌いだが、唯一の娯楽が日本製のゲーム。私服のTシャツには『大戦略』(アドミラブル大戦略)の文字がプリントされている。ゲームオンチの凛とは相性が悪いらしい。
能力
魔術師としての階位は第四階位の「祭位(フェス)」。それも優秀な生徒を育てたことが評価されてのもので、ライネスの見立てでは彼自身の純粋な魔術の腕前は第五階位の「開位」の下位レベル。自身は魔術師としてどうしようもないほど平均的で凡庸だが、他人の埋もれた才能を見抜き、鍛え上げることにかけては時計塔随一。ゆえに彼の元で学んだ魔術師の全員が大成している。
彼の講座には在学生ですら位階持ちが何人もおり、OBともなれば全員が「色位」か「典位」持ちで、うち数名は時計塔の歴史上でも数えるほどしかいない「王冠」の位階に至るのではないかとまで言われている。彼が教え子たちを集めれば時計塔の勢力図が変わる、とまで言われることも。
もっとも、彼にそんな野心などはなく「笑い話にもならん。いまだ四階級どまりのこの私が、何で他人の面倒を見てやらなきゃいかんのだ」といった感じで教え子たちとは必要以上に関わりたくもないらしい。
常に愛用している葉巻は使い捨ての魔術礼装であり、それぞれに結界など簡易な魔術が施されているが、その事実は内弟子であるグレイすら知らない。

キャスター (Grand Order)

  • 真名:諸葛孔明〔エルメロイⅡ世〕
  • 身長:186cm / 体重:68kg
  • 出典:『三国志演義』
  • 地域:中国
  • 属性:中庸・善
  • 性別:男性

魔術師」のクラスの擬似サーヴァント。

略歴
中華は三国時代に謳われた天才軍師・諸葛孔明がロード・エルメロイⅡ世の肉体を器にすることで現世に召喚されたモノ。諸葛孔明は「カルデアの召喚式では霊基が作りづらい英霊」に該当するものと思われ、英霊そのままではなく、エルメロイⅡ世の体を霊基に擬似サーヴァントとして顕現した。
なお、このエルメロイⅡ世は『Grand Order』世界の人物ではなく、『Grand Order』世界では起こってすらいない第四次聖杯戦争を経験していることや各発言から、いわゆる正史に沿った世界のエルメロイⅡ世であると思われる。
人物
思考と感情こそ寄り代であるエルメロイⅡ世に準じているが、厳密に言えばこのサーヴァントはエルメロイⅡ世でも諸葛孔明でもない。エルメロイⅡ世に起因するスキル「鑑識眼」を持っているなど、両者の力が混ざり合い本来のサーヴァントではない力を発揮している。本来は乗り移られた人間側の人格は英霊のものに上書きされるのだが、自分の計略を十全に使える者がいるならば自分自身が活躍する必要はないという孔明の判断により、現代に詳しいエルメロイⅡ世が肉体の主導権を持つことになっている。孔明自身の詳しい性格は不明だが、数分間会話をしたエルメロイⅡ世曰く「史実以上の化け物」「人間と話している気がしなかった」。
ビジュアル面では、霊基再臨第一段階の時計塔講師の赤コート姿から始まり、霊基再臨二段階目でメガネスーツ姿に。そして、三段階目ではなんとウェイバー・ベルベット時代の姿に若返る。その肩には征服王のマントが羽織られている。もちろん声や台詞もちゃんと若い頃のものになるという他にない手の込んだ扱いである。
能力
エルメロイⅡ世に起因するスキル「鑑識眼」を持っているなど、両者の力が混ざり合い本来のサーヴァントではない力を発揮している。
諸葛孔明の計略を十全に扱う。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
キャスター 主人公 (Grand Order) E E D A B+ A+ 陣地作成:A
道具作成:B
鑑識眼:A
軍師の忠言:A+
軍師の指揮:A+

宝具

石兵八陣(かえらずのじん)
ランク:C
種別:対軍宝具
由来:諸葛孔明が自軍の敗走が決まった際に仕掛けておいた伝説上の陣形。
諸葛孔明としての力。巨岩で構成された陣であり、侵入した者たちを迷わせ死に追いやる。

真名:諸葛孔明

登場作品と役柄

Fate/stay night
ゲーム版では出番はないが、アニメ版『unlimited blade works』最終話の倫敦編にて、士郎と短時間だが言葉を交わしている。
Fate/Zero
ライダーのマスターとして参戦。
聖杯戦争を通じて人として著しい成長を見せた。
Fate/strange Fake
ロード・エルメロイⅡ世として登場。
フラットにゲームの懸賞品を渡す。これはフラットの勘違いにより召喚触媒として使用された。
Fate/Apocrypha
ロード・エルメロイⅡ世として登場。聖杯大戦の対策に当たる魔術協会の重鎮となっており、優秀なフリーランスの魔術師を集めるため奔走する。
この世界でも10年前行われた亜種の聖杯戦争の一つに参戦、朽ちかけたマントの切れ端を触媒として征服王を召喚している。
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿
主人公にしてタイトル・ロール。内弟子グレイをワトスン役に、さながら探偵のごとく魔術がらみの謎を解き明かす。
Fate/Grand Order
キャスターの疑似サーヴァントとしてまさかの参戦。レア度は最高位のSSR(☆5)。イラストレーターは武内崇。
ストーリーでは第2章において登場。本来はマスターを持たないはぐれサーヴァントとしての現界だったが、少年の姿で現界した征服王と遭遇し彼に力を貸すことを選択する。
補助に特化したスキルを持ち、当初は今一つ評価されなかったためかアップデートで性能のテコ入れが行われて以降は☆5最強サーヴァント候補としても挙げられるほどになった。
Fate/Labyrinth
亜種聖杯戦争の調査のためにグレイを伴って迷宮に赴いていた。
アーネンエルベの一日
謎の観光客として登場。自己紹介はCDの終盤にて。
開店から閉店までテーブルについていたのに注文はいっこうに取りに来ず、五次のライダーをはじめ様々な女性陣に絡まれた挙句、精神的・経済的な意味で深刻な被害を蒙る。
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
番外編にて、ロード・エルメロイⅡ世として登場。ある二人が起こした惨状にしばし言葉を失う。
アニメ版では宝石翁の代役として、凛とルヴィアに冬木行きを指示している。
氷室の天地 Fate/school life
London☆STARの名前でボイスチャットの向こう側にだけ登場。
氷室鐘の「英雄史大戦」の指南役を務め、統一性も無く使い辛いカードたちを、高度なプレイングテクニックで駆使して見せた。
単行本6巻特典の『MINIMUM material』では沙条綾香の魔術の師であることが明かされている。
戦車男
ヒロイン。男の娘とか、展開上ヒロインに見えるとかじゃなく、本当に性別女性。
図書館で変なおじさんに絡まれていたところを助けてくれた戦車男と運命の出会いを果たす。
コハエース
男性マスターとしては珍しく頻繁に出番がある。琥珀秋葉から「ウェイバーきゅん」と呼ばれたり床下での仮名が「萌ェイバー」になってたりと散々だが意外とdisられてはいない。「コハエース+」以降はほぼライダーの所持品と化している。
カーニバル・ファンタズム
ラストのアーネンエルベのシーンで、ランサー共々バーサーカーのおもちゃにされていた。
ウェイバーにとって、アーネンエルベは鬼門か?
Fateゼロカフェ~Fate/Zero Cafeに集う英霊達~
「ゼロカフェ」店員その1。家に転がり込んできたライダーの面倒を見るため、ほぼ毎日シフトを入れて働く勤労少年。
程度の差はあれ周囲がボケばかりなため、基本的にツッコミで忙しい。
ちびちゅき!
第1話からたびたびモブや背景キャラとして姿を見せてはいたが、まさかの初台詞付き登場がアイドル発掘オーディションでの女装姿という憂き目に。
学園内には将来の姿であるエルメロイⅡ世も同時に存在するが、かなり残念な感じの成長を遂げてしまっている。
カプセルさーばんと
敵マスターの一人。天才カプさばマスター(自称)で正義のマスターだが、素直になれない性格で「僕にこそ聖杯は相応しい」とか悪ぶっている。
アルバイトでカプさば講師をしたところ大人気となり、全国大会レベルのマスターを量産するまでになった。だが本人は嬉しく思っていない。
TMitter2015
ロード・エルメロイ二世として、闇のカプさばの調査を依頼され、日本へと向かう。
だが、何故か登場人物のうちで唯一カプさばについて何も知らない。

人間関係

Fate/Zero

ライダー
召喚したサーヴァント。対照的ながらもなかなかいいコンビ。後のウェイバーを形作る要因の一人。
聖杯戦争終了後も召喚の際に用いた聖遺物を大切に保管しているとのこと。
グレン・マッケンジー & マーサ・マッケンジー
第四次聖杯戦争時、冬木市での拠点を得るため、孫と偽って潜り込んだ一般家庭の老夫婦。実は暗示は早々に解けてしまっているのだが、グレン氏は妻の表情が明るくなった事を喜んで、騙された振りをしている。
『アーネンエルベの一日』での台詞によると、その後も親交は続いているらしい。
ケイネス・エルメロイ・アーチボルト
かつて師事した人物。一方的に目の敵にしていたが、向こうからは歯牙にもかけられていなかった。
しかし『戦車男』の世界ではなぜか父親である。
ロード・エルメロイの名を継ぐこととなった後年にはその才能を素直に評価し、無為にこの世から失われたことを惜しんでいる。
ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリ
本編では全く接点がなかったが、『戦車男』の世界では母親。
ランサー
本編では戦場で接近遭遇したり伝言を伝える程度しか関わりがなかったが、『ゼロカフェ』では職場の同僚だったり『戦車男』で兄だったりと、妙にスピンアウトでの共演率が高い。

弟子

遠坂凛
後見を引き受けた学生。
『Character material』では「いっさい魔術の指導をしない」と断言していたが、『TYPE-MOON Fes.』パンフレットの一問一答コーナーによれば結局はエルメロイ教室に所属することとなった模様。
ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト
剥離城アドラでの事件におけるひと悶着を経てなぜか指導役チューターとして指名される。
フラット・エスカルドス
『Fate/strange Fake』の時点では最古参にあたる。
非常に稀有な資質を持ちながらも、一般社会人としても魔術師としても常識外れにユルい彼に対し、やや肉体言語寄りの厳しい指導を喰らわせている。
しかし厳しい指導をしつつも決して彼を見捨てようとはせず、そのためかフラットには慕われている。
スヴィン・グラシュエート
『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』の時点では最古参。その後に離籍か卒業したのであろうか。
フラット同様の天才児だが、同じくらい問題児でもあり、頭を痛めている。
沙条綾香
『氷室の天地』世界では弟子。彼女の中のフォーマルクラフトの素質を見抜いていたが、まずは現在習得しているウィッチクラフトをものにした上で乗り換えさせるべく指導したところ、アドバイスが的確すぎて予想以上にウィッチクラフトの腕前が上がり、立派な森ガール系魔女となってしまった。
グレイ
とある霊園より見出した少女。内弟子として公私にわたるサポートをしているが、師匠の私生活がだらしないことには呆れ気味。
普段は灰色のフードを目深にかぶって顔を隠すように言いつけている。
ヴェルナー・シザームンド
「蝶魔術の後継者」と呼ばれる。「色位」か「典位」持ち。
下記のオルロックの後継者であろうか。
ローランド・ペルジンスキー、オルグ・ラム、ラディア・ペンテル、ナジカ・ペンテル、フェズグラム・ヴォル・センベルン
全員が、ここ数年で「色位」や「典位」を手にしている。
『Fate/Apocrypha』に登場した「赤」のメンバーの親族。

魔術協会関係者

ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ
ケイネスの生前には継承候補の中でも末席にあった少女。アーチボルト家が没落の憂き目にあった際、復興に尽力したウェイバーへエルメロイの名を与え、その功績を称えると同時に自らの下へと縛り付けた。
エルメロイⅡ世を「兄上」「我が兄」などと呼び、その強面の下に隠れた甘っちょろさを存分に弄り倒しつつ懐いている。
キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ
『プリズマ☆イリヤ』の世界では彼の下で働いているような描写がなされている。
アニメ版では凛とルヴィアにクラスカード回収任務を言い渡すところまで代行しており、更にはゼルレッチを「大師父」と呼んでいるなど、やけに設定上の謎が増えた。
ロッコ・ベルフェバン
時計塔の召喚科学部長。協会内における保守派と革新派という立場の違いはありながらも、職務上の能力という意味でか、それなりに高く買ってくれてはいるらしい。
ブラム・ヌァザレ・ソフィアリ
同僚。非常にプライドが高く、ベルフェバンに噛みつくこともあり、双方の取りなしを担当する事も。
獅子劫界離
フリーランスの死霊魔術師。本来の依頼人であるベルフェバン老が一向に近代的な通信手段を導入しないため、代理の窓口として携帯電話による簡易報告などを受け付けていた。
その誼でなのか、事件の終結後にとある礼装を託される。
オルロック・シザームンド
蝶魔術パビリオ・マギアの大家たる老魔術師。剥離城アドラにて最期を看取る。
後年には彼の後継者らしき魔術師の指導にも携わっている。

その他

諸葛孔明
『Fate/Grand Order』にてエルメロイⅡ世に宿った英霊。
祖母
魔術師としてのベルベット家初代。とはいえ、さる魔術師の愛人をしていた際にピロートーク感覚で初歩魔術を習ったに過ぎず、娘に遺した魔術刻印や魔術回路も大したものではなかった。
ベルベット家の二代目だが、「母親の思い出を大事にしよう」程度の覚悟で秘蹟を継承しており、更には魔術師社会のヒエラルキーを鬱陶しく思っていたため、通常の魔術師の血統でならば欠かせない魔術回路や魔術刻印の増強を行っておらず、それらは全くお粗末なままで息子のウェイバーに受け継がれることとなる。

名台詞

Fate/Zero

“令呪に告げる───聖杯の規律に従い───この者、我がサーヴァントに───”
「魔術師として正当な評価を得る」という望みをライダーに罵倒され、物理的なダメージまで蒙った上、「他人に畏敬されたいなら身長を伸ばしてもらえ」と馬鹿にされて屈辱に打ち震え、衝動的に令呪の使用に訴えようとするも寸でのところで踏み止まる。脱・ワカメルートの第一歩。
なお、アニメ一期のニコニコ動画放映版ではこのシーンで「使わないの?」という真っ赤なコメントの弾幕が入ったという。
「そ――そう! ぼぼぼボクが、いやワタシが!
 オマエのマスターの、ウ、ウェイバー・ベルベットです! いや、なのだッ! マスターなんだってばッ!!」
ライダーとの契約において。どう見てもヘタレです。初対面でこんな自己紹介されて平然と契約できるライダーに呆れるべきか……
「何を――考えてやがりますかこの馬ッ鹿はあああ!!」
いきなり自身の真名を堂々と名乗ったライダーへの魂の叫び。この時から、ウェイバーの苦労が始まった。
「ら、い、だぁぁぁ……」
「ど~すんだよぉ。征服とか何とか言いながら、けっきょく総スカンじゃないかよぉ……
 オマエ本気でセイバーとランサーを手下にできると思ってたのか?」
セイバーとランサーへの勧誘が失敗し、単なる身バレ損に終わったライダーへの恨み言。これに対し「“ものは試し”」と答えたものだから……
「“ものは試し”で真名バラしたんかい!?」
殺伐とした『Zero』での数少ないコミカルな場面だが、アニメ版ではカットされてしまった。
「オマエだって不満だろうが! こんなボクがマスターだなんて!
 本当はもっと違うマスターと契約してれば、よっぽど簡単に勝てたんだろ!」
絶大な宝具「王の軍勢」を、死してもなお幾万もの英雄たちに慕われるライダーの姿を見たことでウェイバーの小さなプライドは根底から覆される。
偉大すぎるサーヴァントに比して、卑小で無力な名ばかりのマスターである己を思い知らされた彼は、新都からの帰り道でつい癇癪を爆発させるが――返ってきたライダーの答えは、この契約を「快い」と肯定するものだった。
「いいや。不味い。日本の食文化も底が知れるな」
野外で休息中、ライダーに食事が旨いかと聞かれて。
現在から20年前のコンビニ弁当で、しかも冷めきってるとなれば仕方が無いが、「イギリス人に言われたくない」というコメントが殺到。
後に『Fate/Zero黒』でもケイネスから嫌味たっぷりに弄られるハメになった。
「我がサーヴァントよ、ウェイバー・ベルベットが令呪をもって命ずる」
「ライダーよ、必ずや、最後までオマエが勝ち抜け」
「重ねて令呪をもって命ずる。――ライダーよ、必ずやオマエが聖杯を掴め」
「さらに重ねて、令呪で命ずる」
「ライダーよ、必ずや世界を掴め。失敗なんて許さない」
自分は勝者たる器ではない、だが負け犬には負け犬の意地がある、と、ライダーにとっては当然な事を、令呪を浪費して命ずることによってマスター権を放棄するウェイバー。だがライダーは「マスターじゃないにせよ、余の朋友であることに違いはあるまい」と、笑って共に征くことを選ぶ。
なお、この台詞を見てもわかる通り、ウェイバーはこの時点まで令呪を1回たりとも使っていない。
「あなたこそ――」
「――あなたこそ、ボクの王だ。あなたに仕える。あなたに尽くす。どうかボクを導いてほしい。同じ夢を見させてほしい」
ライダーに初めて「坊主」ではなく「ウェイバー・ベルベット」と名を呼ばれ、滂沱の涙と共に臣下の誓いを口にする。それは、ウェイバーが聖杯戦争で得た最高の報酬だった。
「……オマエに挑めば、ボクは死ぬ」
「それはできない。ボクは『生きろ』と命じられた」
ライダーを失い、ただ一人で最強のサーヴァントに相対して。
ライダーの臣下として命令に従うため、勝ち目がない事を知りながら眼差しだけで不屈を訴えるウェイバーの姿は、あの英雄王でさえ「忠道、大儀である」と認めた。

Fate/strange Fake

「ファック」
ロード・エルメロイⅡ世になってから、何かと出てくるスラング。主に一人が原因だが。
流石にちびちゅき!では伏字となったが。
「魔術師同士の闘争というのがどういうものか理解しているのか?
 死ぬよりも悲惨な目にあった挙げ句、何を成すこともできぬまま惨たらしく殺されるかもしれんのだぞ?」
聖杯とか超カッコイイ、見てみたいなどと非常に軽い気持ちで聖杯戦争に挑もうとする教え子、フラットへの苦言。
第四次に参戦した自分以外のマスターはほとんどが「そういう死に方」をしたのだと、今の彼は知っている。
「死ね!一生卒業出来ないまま、死ね!」
フラットから、「絶対領域マジシャン先生」と呼ばれて。実にもっともなセリフである。
「他のサーヴァントを従え、世界征服とはな……」
「まさか、私の弟子からそんな馬鹿げた、懐かしい響きを聞くことになるとは」
「どうしても止められぬようならば、これを渡すことも考えたが、そうならずにすんだことに感謝すべきか」
フラットが勘違いで懸賞品のナイフを持ち帰った後に、物理的な鍵と魔術で厳重に施錠された戸棚から取り出した朽ち果てた布切れを見つめながら。
かつて「そんな馬鹿げた」夢を語る一人の男が、彼の人生を塗り替えていった。
「しかし、私が言えた義理ではないが、個人宛の荷物を他人に届けさせるというシステムも考えものだな。
 別段重要なものでもなんでもないが」
自分宛のゲーム会社からの小包をフラットが勝手に透視して欲しがった件に関するコメントだが、確かに全くもって「お前が言うな」である。
はからずも、「ロード・エルメロイへの届け物を横から頂いて聖杯戦争に飛び出す」という展開を師弟で見事に天丼してしまったことを彼はまだ知らない。

Fate/Apocrypha

「Ⅱ世だ。私を尊重したがるご老体の下心はありがたいが、Ⅱ世をつけてくれ。
 そうでなければエルメロイの名など痒くてとても耐えられない」
召喚科学部長ベルフェバンに「ロード・エルメロイ」と呼びかけられての第一声。
一つの台詞の中で、敢えてなのか失礼な物言いをやたらに重ねているが、言われた相手のベルフェバンはあっさりと流した。
なお、『TYPE-MOONエース』付録として先行発表された試し読み版では一人称は「俺」だったのだが、『Apocrypha』第1巻では上記のように修正されている。この世界ではちょっとだけワイルドに成長した、という訳ではなかったようだ。
「そもそも神父が純朴かどうか決まった訳でもないだろう。
 俺の知る限り、聖杯戦争に参加するような聖職者は誰も彼も信仰者かどうかすら怪しい、胡散臭い連中だ」
「純朴な神父であるシロウ・コトミネが反旗を翻したのはセミラミスに誑かされたためではないか」と発言したベルフェバンに。
不信感と嫌悪感アリアリで、かつて参加した亜種聖杯戦争で余程嫌な教会側の人物に出くわしたのだろうか。
あれ、でもまた「俺」……?気分によって変えているのだろうか。
「……分かった。白状する。理由は極めて私的なものだ。
 ……かつて未熟だった頃の私を、友と呼んでくれた人物がいる。
 そんな男を裏切れるほど、私は賢しい老人ではなかったという話だ」
大事にしまいこんでいる征服王の召喚触媒をなぜ聖杯大戦に提供しなかったのか、とライネスに問われ、幾つか建前を並べた後で仕方なく折れて漏らした本音。
「覚えておきたまえレディ。
 友を売りとばすほど困窮するようなら、とっとと人生をやり直した方がいい」
「征服王の触媒を手放せばアーチボルト家の負債が一気に減るだろうに」と愚痴ったライネスに。
聖杯戦争を共に駆け抜けた友との思い出はいつまでも色褪せない。
《失礼、お互い’’’サーヴァントには苦労させられるな》
ベルフェバン老の代理に獅子劫と連絡を取っていたら何故か戦闘時でもないのに実体化している赤いサーヴァントに電話越しで恫喝された。
自分がサーヴァントの勝手を許していることが魔術協会に知られたらと気が気でない獅子劫は不自然な強調部分に気付かずスルーしたが、確実に何かの点で同類扱いされていることを彼はまだ知らない。

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿

「だいたい、何かを救って得られる満足感など、脳の誤認でしかない。
 誰かを助けても自分が救われるわけじゃないし、自分が助けたと思っても本当に相手が救われたかどうかなんてしれたものじゃない。
 誤解で勘違いですれ違いで思い違いで、ひたすら滑稽なだけの繰り返しが、私たちが生きている世界だよ」
「それでも、私たちはその誤認の世界で生きている」
「誤認こそが我々だ。誤解こそが我々の世界だ。
 私たちが触れられるのは多種多様な事実であって、たったひとつの真実じゃない。
 どれだけの賢者がどれだけの歳月を捧げても、そこに辿り着いたりはしない。
 いや、本来の魔術師とはそれを拒否し続ける生物なのかもしれないが」
「それを忘れて、無闇に真実だけを求めようとするならば――レディ、それこそ本当に最悪’’なのだと覚えておきたまえ」
死んだ野良猫を埋葬した際、グレイからの質問に答えた言葉。自虐と諦観とツンデレが同居するあまりに、自らも属するはずの魔術師という生き方さえも否定してしまっている、このスピンオフにおけるロード・エルメロイⅡ世という人物を象徴するような台詞。
「お前は悪魔か」
絶対に逆らえない弱みを握った上でわざわざ厄介な仕事を持ち込んできた、可愛い義妹への負け惜しみコメント。
「Ⅱ世をつけてくれ。そのまま背負うには、私の肩には重すぎる名だ」
ハイネ・イスタリから「ロード・エルメロイ」と呼びかけられて。
『Apocrypha』1巻でのベルフェバンとのやり取りと同じような台詞なのだが相手に他意がないからか、もしくは親しくはないからか、随分と丁寧な仕様になっている。
「ケイネス師を殺したのは私じゃない。とある剣の英霊セイバーとそのマスターだ。
 私はケイネス師の死に様を見てもいない。――だけどね、後から知ったとき、やはり悲しかったよ」
「あれほどの才が無為に失われたことも、あの人の見ていた景色を結局私には一度も共有できなかったことも、ただただ悲しかった。
 それだけだ、気の利いた物言いが出来なくてすまないな」
ルヴィアから「ケイネスが死んだときどう思ったか」と問われて。実際、死に様どころか第四次聖杯戦争が大惨事のうちに幕を下ろした翌朝ですらケイネス一行の安否を把握していなかったわけなのだが。
かつては青臭い劣等感と敵愾心ばかりを抱いていた師への、その年齢を超えた今となってようやく認めることのできた尊敬と哀惜。
ボク’’は、もう十分な栄誉を受けたんだよ」
「その栄誉は後払いでもらったものだ」
「だから、ボク’’はその栄誉にふさわしい人物にならねばならない。
 順序が逆になってしまったけれど、あなたの見る目は間違えてなかったのだと証明しなければならない」
「……生きろ、だとさ」
「見届けて、生き存えて、語り継げだと。本当に我が儘で滅茶苦茶だろうが。
 そもそもあいつのせいで死にかかったってのに、ギリギリでそんなものを押しつけてくるなというんだ。
 後のがどれだけ困ったと思っている。それこそ一晩中文句を言っても言い足りないぞ、あの馬鹿」
「私は自分のしたいことも、自分のできることも分かっている」
「どうだ、幸せな人生だろう。それをお前なんかに指図されてたまるか」
アッシュボーンの怪物の<歌>を受け、精神世界に捕らわれたエルメロイⅡ世は人の心を抉り、蝕んで死に至らしめる呪いに対し「勘違いだ」と告げる。
彼の魂に刻みつけられた唯一の王からの言葉は、数多くの魔術師たちをも毒牙に掛けた呪いすらも跳ね除けた。

氷室の天地 Fate/school life

アレキサンダーはもっと豪快ででっかい男なんだよ日本人め!
 なんでこのゲームじゃデザインがこうなんだ日本人の(放送禁止)!」
カードゲーム「英雄史大戦」をプレイ中、ボイスチャットで。細マッチョ風に描かれたアレキサンダーのデザインについての文句を、沙条綾香が訳した台詞。まるで見てきたかのように言う彼に、氷室は当惑する。
もっとも後に出てきたアレキサンダーの方は本当に美少年だったが…。
「君らは特殊なバカなのか?」
「英雄史大戦」のレクチャーを行った時の言葉を沙条綾香が訳したもの。戦術やデッキ構築にばかり気を取られ、肝心のプレイングテクニックを軽視していた氷室達はグゥの音も出せなかった。

アーネンエルベの一日

「なんというツンギレぶり、伝統芸能だな」
腹を空かせて入った喫茶店で、なぜか真祖の姫最優の騎士王死を視る和服少女の三人のうち誰が一番アイドルなのかを審査させられる羽目に。
そんな中、店長殺害容疑を揉み消す代償に新たな臨時店長となった和服少女の見せた、突っ慳貪極まりながらも渋々律儀に仕事をこなす様を評して。そんな伝統芸能はありません。
「この国ではあれかな、腕力に物を言わせた恐喝をナンパというのかな?
 君たち、知り合いならこの女性を引き取ってもらえないか?」
「そうしたいのは山々なんだが、君、以前どこかで会ったことはないか? 妙にこう、嫌な汗が湧いてくるんだが……」
五次のライダーにロックオンされ、蛇に睨まれたカエル状態に。グラマラスな美人に密着して迫られてはいるがちっとも羨ましくない。
「あれ……? ねえ、無視された? もしかして、今、ボク、無視された?」
臨時ウェイトレスの翡翠にまるっと無視されたショックのあまり、モノローグが年齢退行を起こす。
だが、そのサンドイッチは地獄への片道切符なので、見えなくなっているのは隣の人の親切心である。
「だいたい、君は何だ? さっきからでかい図体で隣に座って!
 壁か!? 書き割りか!? スタチューか!? 退いてくれないとトイレにも行けないじゃないか!」
「というか、さっきからなぜ君の注文が私の伝票に入っている?
 美人だからといって気安く奢るほど、わたしは安い男では……」
「う……うん? 何だ? 何だこのデジャ・ヴュ!?
 君……い、いや、ご婦人、やはり、以前どこかでお会いしたことが!?」
全然来ない自分の注文と、勝手に伝票に追加されていくライダーの注文に、流石に一瞬キレるも、地雷を踏まれて凄む彼女の迫力に負けてあっという間に尻尾を巻く。
ところで、この時点で第四次聖杯戦争から何年後の彼なのかは定かではないが、未だ170cmを下回っているのだろうか?
「私が知るか。
 だがまあ、スーパーツンデレ大戦があったら間違いなくラスボスだな」
ヒロイン談義が明後日の方向へ行きっ放しの隣のテーブルから「最近流行りのツンデレヒロイン」としての判定を求められた際の、魔術師としてもイギリス人としてもちょっとどうなのか……な返答。
「ん? ああ、君たちの中で誰が一番魅力的か、という話か。
 さて、一日同席した程度の私には判らない話だが、君たちは三人で談笑していた時が、最も輝いていたように思うがね」
「それでは少し禍根を残す感想を。
 強いて言うなら、アルクェイド・ブリュンスタッドは淑女らしさを、セイバー嬢は自由奔放さを、
 両儀くんは素直さを付け足せば、文句の無いアイドルではないかと。
 これはまあ、お世辞ではなく、正直なボクの意見だぜ」
今日一日、無理矢理押し付けられたパリスの審判をなんとか無難に乗り切ってオチを付け、三大ヒロインとついでに腹黒シスターにも感心される。
「ああ君、領収書を頼む。『魔術教会・秋葉原支部 会議費代』で」
それはそれとして、ゴルゴン三姉妹に好き放題飲食されたお会計がすごいことになっていたのでカードで支払い、なおかつ経費で落とす大人の裏技に訴える。ハイテクとは相容れない魔術協会が秋葉原に支部を置いて何をやっているのか、あんな金額が本当に会議費で通るのか、短いセリフの中にツッコミどころが満載だが誰も指摘する者はいない。

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ

「講堂Dは壊滅 地下7階と8階が吹き抜けになりました。
 負傷者は14名 被害総額は概算で… にっ…200万£ほどかと……」
無印の番外編1『彼女たちの事情』より、宝石翁への弟子入りを巡ってあかいあくま金ドリルがぶつかり合った挙句の損害報告書を青筋立てつつ読み上げるセリフ。
小説版によると、この世界でも彼は遠坂凛の後見人を引き受けている模様なので、そりゃ眉間のシワも深まろうというもの。
余談だが、1£=約200円なので、被害総額は日本円で約4億円に相当する。場所が場所なのでまともに業者を呼べないことを考えると、復旧には相当に手間がかかったことであろう。
『言ってみればマップ兵器だな。 同じフィールドに存在しているだけで危険な手合いだ』
小説版の1巻にて、キャスターのクラスカードを攻略中の凛が回想した時計塔での一場面。この世界の冬木では第四次以降の聖杯戦争が行われなくなってしまったため、サーヴァントのクラスについて知らない凛にエルメロイⅡ世が個別レクチャーしているのだが、例えがいちいちRPGやSLGだったりするのでゲームに疎い凛には余計解りにくくなっている。魔術師が魔術師に魔術師のカードのことを説明しているというのにスパロボのボスユニットの話か何かに聞こえるというこの不条理感。

とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦

「アッハッハ! そうだよな、バカがここにいたよ! もう嫌だ帰りたい!」
自ルートオープニングにて。聖杯温泉への誘いのチラシを敵対陣営の罠と警戒するが、こんな胡散臭くてしょうもない罠に引っかかるバカなんて……と考えている間に速攻で温泉に向かって飛び出したライダーの戦車に乗せられていた件に対する、涙のノリツッコミ。
「う……う……う……うるさ―――――――い! お前なんかなぁ、サーヴァントに比べりゃ怖くないんだよ!」
「ああ、そうだよ! こちとら、空を翔ぶわバーサーカーを轢くわ大怪獣と戦うわで大変だったんだ!
 今更なぁ、お前なんかぜんっぜん怖くないんだよバーカバーカ!」
勇気を振り絞ってこのルートのラスボスであるケイネスに立ち向かうが、どう見ても小学生のケンカです。
「大変だった」内容の一部に魔術工房をテロでフィナーレされた直後のケイネスチームとの大幅な時系列のズレがあるが、ギャグ時空なので気にしてはいけない。
「ボ、ボクは成長期なんだ! まだまだ伸びる余地はたっぷりあるんだよ!」
「フン! そうだな……その頃には、ボクはもう大魔術師。そして時計塔の一流講師だろうな。
 プロフェッサー・カリスマとか呼ばれちゃったりして。赤いコートで、時計塔を闊歩しちゃったりしてな……」
名前も知らないアインツベルンのボディガードのロングコート姿を見て、自分もコートの似合う大人の男になってやる、という決意からのやけに具体的な未来予想図。いきなりコートが赤くなった理由はお察しである。

戦車男

「ライダーさんって面白い方ですね」
戦車男に向けた、煌めくような笑顔。他の作品のヒロイン達が霞んでしまいそうなヒロインレベルである。
これに限らず、彼女のリアクションには清純派特有の艶っぽさがある。
「イスカンダルさんがくれたプレゼントを悪く言うのはやめて!! 兄さんのばかぁ!!」
漫画版『戦車男 A True Tank Story』にて。戦車男サイドから見ると「エルメロイちゃんまじ天使」と言うほかないのだが、かわいい妹がヨソの男から美少女&バイクのフィギュアなどとオタク丸出しのアイテムを貰った上、生まれて初めて「ばか」とまで口答えされ、もうディルムッド兄さんのライフはゼロである。

Fate/Grand Order

「私が仕える主は一人だけ。あくまで使える駒の一つと考えておけ」
「私はあの征服馬鹿以外に仕える気は毛頭ない。しかし、君とは良い関係でいたいものだ」
たとえどんなに歳を重ねようと、サーヴァントになろうとに対する忠義は忘れたりはしない。
「すまん、ライダー。貴様の名を汚したかもしれん」
消滅時。自分の身よりも真っ先にイスカンダルの名を挙げる辺り、やはり彼らしい。
「ライネス…? いや、私は諸葛孔明だ。何のことだかさっぱり分からないな…おい、時計塔に連絡しようとするな。おい!」
絆レベル3。ライネスについてしらばっくれようとするものの弄られる。
「ところで、極東地区は歴史改変に関係無いのか? 秋葉原とか。ゲームの歴史が…あ、無いか。…すまん」
絆レベル4。つい零れてしまった一言。……もっとも秋葉原は「ゲームを扱う方面」なのでゲーム自体の歴史には心配しなくともそこまで響いたりはしないのだが。
「……はは、あはははッ、はっはっはっはッ!」
「済まない主人公、我がマスターよ。これが一度かぎりの我侭だ。」
「あいつと戦わせてくれ。使命も、世界の命運も、全てを忘れた上で……。」
「あの男だけを見据えて、この私に、勝つか負けるかも分からない競い合いをやらせてくれ!」
期間限定イベント『Fate/Accel Zero Order』にて。イスカンダルから「ぜひとも制覇せねば気が済まぬ猛者」と評されたことに対して。
大聖杯の災厄を前にして名軍師にあるまじき選択ではあるが、かつて彼に仕え、今も色褪せることない憧憬を抱く者からすれば、これほど嬉しい言葉はなかったのだろう。
「そう言ってくれるか。フフ、これがもしうちの生徒なら大馬鹿者と叱り飛ばすところだが……。」
「私を従えるとなれば、それでいい。あいつや私に負けず劣らずの大馬鹿者なればこそ、使える甲斐がある!」
同上イベントにて、一度かぎりの我侭を「面白そうだ」とマスターに賛同されて。
若かった頃に憧れた『男の浪漫』を共有してくれた大馬鹿者への感謝と最大の賛辞である。

その他の作品

「進路ねえ……そうだな、君の行動力、指導力は目を瞠るべきところがある。
 それが空回りすることもあるけど、それすらも、君の魅力なんだろうな。 それは長所として伸ばしていくのもいい。
 もしかしたら、君は人を導く職業が適しているのかもしれない。 たとえば……教師とか」
『ノケモノたちの共演』より。夜道で出会ったポニーテールの女子高生に散々振り回されはしたものの、彼女の人間性については感じるところがあったようで、進路に悩んでいるというセリフを受けてアドバイスを与える。
この一夜の邂逅が、将来ふたりの名教師を生むことになるとはまだ本人たちも知らない。
「それと、前回のタイころは、シナリオは最高でしたがアクション部分はぶっちゃけ」
タイガー師匠に「おーい! そこまでぇ!!」と中断されたので続きはありません。
フェイト/タイガーころしあむ アッパー』公式サイトの特設コーナー「タイガー道場出張版・アッパー編」にお便りを送ってきたP.N.時計塔のⅡ世さん、隠す気/Zeroレベルで正体がバレバレすぎな上に本題のコメントがぶっちゃけすぎている。ところでこのメール、ドイツから送られてきているとのことだが、何かの仕事で出張中なのだろうか……?
「うぅ… 何で僕がこんな恰好をー」
『ちびちゅき!』7時限目にて赤セイバーたちが開催した型月学園アイドル発掘オーディションに無理やり女装姿で出場させられて。
「親衛隊(本物)」のオチに持っていかれて赤セイバーならびにエリザからのコメントはなかったが、司会進行のザビ子からは「確かにかわいい」との評価を頂戴してしまっている。
「よ よかったらそのTシャツ 私にくれないだろうか…」
「誰!!?」
「なんだったら言い値で買おうじゃないか ど どうだ?」
『ちびちゅき!』11時限目にて。身体測定の持久走でヘロヘロになっていたウェイバーに、ライダーは「余のように屈強な男になれるよう」着ていた大戦略Tシャツを渡し去って行く。余計なお世話に憤っていたら、突然現れた不審者から筋肉男の脱ぎたてTシャツ買い取り交渉が。
まあ将来の貴方なんですけどね!
「理解に苦しむな。せっかく厄介な闘いから生き延びたと言うのに君は何の為に時計塔に来た。何の為に魔術を学ぶ?」
アニメ版『Fate/stay night ubw』最終話の倫敦編にて、士郎に時計塔に来た理由を問う。そして士郎の「正義の味方になりたい」という決意に「バカげた話だが笑い話ではない。正義の味方か…たしかにこの場所は狭かろう」と呟いている。

メモ

  • キャラクターコンセプトは「慎二リベンジ」。ヘタレ男だって輝けるときがある筈! だそうで。
  • 非公式設定のドラマCD『ノケモノたちの共演』によると、まだ教師ではない、第四次聖杯戦争中に冬木市に滞在していた時、ポニーテールの女学生の人間性を見抜き、彼女が教師の道を進むきっかけを作ったとかいう話もある。
  • 第四次聖杯戦争中、マッケンジー宅に暗示の魔術を使って転がり込んだのは、単にホテル等に泊まる資金がなかったから。だが、衛宮切嗣の「魔術師は工房を構えるもの」という固定観念の裏をかく結果となり、聖杯戦争終盤まで所在を隠すことに成功する。まったくの偶然の結果だったのだが、これをもって切嗣はウェイバーを高く評価した。
    • 切嗣に限らず、ライダーやギルガメッシュといった規格外の人物に評価される一方で、ケイネスや時臣など、まともな魔術師からは評価されなかった。
    • 切嗣はウェイバーが自分を出し抜いた結果を高く評価したが、一方で予め集めた情報や少ないながらも戦場でウェイバーの人となりを見聞きしていたためウェイバーが情報戦で切嗣を出し抜くに至った経緯が想像できず「あれが、はたして本当に自分を出し抜く難物か」という疑念からウェイバーの行動が単なる偶然、という可能性も拭えず(そして実際に偶然と幸運の産物だった)マッケンジー宅を狙撃出来る位置にて貴重な時間を潰される羽目になった。
  • 結果的にはライダーに振り回されるものの、ウェイバーがマスターとしての考えた戦略は、基本的には慎重策である。
    当初はライダーと共に戦場に立つことは考えず後方援護に徹することを想定していたり、ライダーの能力を鑑みて絡め手を得意とするアサシンやキャスターを警戒するなどしていた。
    だが後半になるとライダーの影響もあってか、バイクで追いすがってきたセイバーに対し、彼我の戦力分析と自身の陣営の状況を鑑みて、敢えてライダーの覇気に賭ける采配を行うなど、柔軟性を見せるようにもなった。
  • 強運さでは、おそらく藤村大河と同格と思われる。
    • 事実、奈須氏曰く「虚淵玄の固有結界によって登場人物の幸運が一律ランクダウンしている」とされる『Zero』において、何も失わずに済んだはこの2人だけである。
    • ちなみに、ライダーの幸運値は第四次最高のA+。もともと破天荒な征服王であるので、最初からそれなりに高かった可能性もあるが、サーヴァントの常として、マスターの適性の影響は受けていると思われる。
    • 『Fate/Zero アニメビジュアルガイドI』内の虚淵・鋼屋・東出誌上コメンタリーによれば「ウェイバーは幸運のパラメータに255ポイント振ってますから」とのこと。TRPGのキャラメイキングにおいて255ポイントとは、即ちまるっと全部である。
    • もっとも彼本人が疑似サーヴァントとして参戦した『Grand Order』での幸運はB+と微妙な所。Ⅱ世の頃にはもう全盛期程の幸運はないのか、あるいはあくまで諸葛孔明としてのステータスなのか。
  • 原作者曰く、「(ライダーかウェイバーの)どちらかを女の子にしてたら、その、なんだ。Fate2だぜ、マジで!」。
    実際、「低階位の魔術師と最強クラスのサーヴァント」というコンセプトで見れば、旧Fate主人公の設定に近いようにも思える。
    • ちなみに対談などでこの手の話題になる時、虚淵氏や武内氏を含むほとんどの人は「ウェイバーを女の子にする」前提で話しているのだが、奈須氏だけは「ライダーを女の子にする」方向性で揺るぎない。なんでも、女性版イスカンダルとウェイバーで某ハルヒとキョンみたいな感じになるそうである。
  • キャラクターとしての初出は虚淵氏が奈須氏に提出した『Fate/Zero』のプロット段階であるが、キャラクターデザインを起こされたのは『Character material』におけるロード・エルメロイⅡ世が先である。その後、TYPE-MOON版『Fate/Zero』でのウェイバー・ベルベットがエルメロイⅡ世を若返らせる形でデザインされた。
  • アーチボルト家の再興に尽力した彼ではあるが、そもそもの発端である「イスカンダルのマントの切れ端」は返還していない。盗品であることや、単純に稀少かつ高価な資産という意味でもアーチボルト家が所有するのが筋なのだろうが、やはり譲れないところがあるのだろう。
  • 英語しか話せないので、日本人との会話には通訳がいる。必要な場合は現代の知識を聖杯から与えられているライダーが通訳を行っている。
    • ウェイバーがライダーの助けを借りず会話に参加している場合は、基本的に会話は英語で行われていると推測される。作中で主に関わりを持った人物(マッケンジー夫妻、ケイネス、衛宮切嗣、アイリスフィール)は皆、元からの英語話者もしくは母国語以外にも英語を堪能に操る人物ばかりだったので会話に支障はなかった。長じてロード・エルメロイⅡ世となった時点でも日本語はできない様子(日本人とボイスチャットで会話した際は、通訳を必要とした)。なお『アーネンエルベの一日』は状況が特殊なため考慮に入れない。
    • Fate/strange Fake』では「大英帝国ナイトウォーズ」というタイトルのゲームをnightとknightを勘違いしてポチってしまったエピソードがあるため、日本語の読み書きだけは多少できる可能性がある。
  • 自身の体格が貧弱なため、頭脳や魔術を働かせるよりも早くこちらに攻撃を加えてくる可能性のある、屈強な肉体派を忌み嫌っている。
    しかし、十数年後の『strange Fake』ではアホな事をしでかした弟子に対してアイアンクローや膝蹴りなどの物理的指導をたびたび喰らわしている節があり、何か色々と主義主張の変遷があったらしきことが窺える。
    • なお、ライダーにからかわれた身長に関しては、『アーネンエルベの一日』では時計塔講師となってもまだ小柄であるような言われようだったが、10年後相当の『プリズマ☆イリヤ』小説版では「長身の男性」と表現されているため、その中間あたりで型月的第三次成長期が訪れたものと思われる。
    • 『Grand Order』で公開されたエルメロイⅡ世(諸葛孔明)の身長は186cm。ライダーに言われた30cmにはギリギリちょっとだけ足りない。
  • 冬木市のスーパーマーケットで購入した使い捨てカイロの値段に衝撃を受け、魔術師として産まれた時代の悪さにへこんでいる。(10個パックで400円。同じものを魔術で再現した場合、数十倍ものコストがかかるとのこと)
    • コストや効率を気にしている点は他の魔術師と一線を画しており、切嗣とは違う意味で魔術師の常識から外れている。
      『アインツベルン相談室』によれば、ウェイバーは旧来の魔術の全てを否定しているわけではなく、現代の状況(社会)に則して時代遅れとなった魔術を廃止したり、逆に古いものでも尊重し良い物は復活させたり新しく構築を行う、といった手段を模索する新時代の魔術師、と説明されている。
    • のちに小説『2015年の時計塔』にて存在が明らかにされた時計塔12番目の学部、「現代魔術論」はまさしくその新時代の魔術を体現するものであり、作中に描かれた2014年時点での学部長(ロード)には新世代最大の出世頭・エルメロイⅡ世が就任している。
  • イスカンダルとの絆は本物で、大きく歴史が変わった平行世界でもその関係は変わらない。
    ライネスに征服王の触媒を聖杯大戦に出さなかった理由を問われて返した答えは、「触媒の選定を任されたブラムへの配慮」と「十四騎のサーヴァントが二つのチームに分かれて競い合うという、イスカンダルの趣旨にこれ以上ないほど合った形式の聖杯戦争で、テンションが最高潮となった征服王がそのまま世界征服を成し遂げてしまう危険性」。
    だがこれらはあくまで表向きの物で、ライネスにもすぐに見破られており、本当の理由は極めて私的な物。
    世界各地で聖杯戦争が行われるようになった今の状況で、イスカンダルの触媒を所持していることがが周囲に知れ渡ってしまった場合、魔術師達はこぞってその触媒を手にしようとするだろう。そして触媒は「強いサーヴァント」を求める魔術師達の手から手へと渡り続け、英霊への敬意など何もない唯の「道具」として聖杯戦争が開催されるたびに利用され、使い捨てられる。
    そんな暗い未来を防ぐためであった。
    現在、イスカンダルの触媒の価値は世界的な聖遺物の散逸によって暴騰しており、何とアーチボルト家の負債を状況次第では7割返済する事が可能な額との事。だがやはりエルメロイⅡ世にそれを売る気など毛頭なく、「己の矜持」として今も大切に保管している。
  • 『Character material』で「どの話であろうと、舞台がロンドンよりになるとちょこっと顔を出す」と書かれていた通り、時計塔が登場する作品のほとんどに出演している。
    • 彼の上に働く世界の修正力的なものはよほど強固であるらしく、第四次聖杯戦争が行われていない『Apocrypha』や『プリズマ☆イリヤ』などの平行世界にあっても必ず「ロード・エルメロイの名を継いだ」「深紅のコートと長髪がトレードマークの」「ゲーム好きな」時計塔講師として登場する。
      魔術協会の中枢に属しながらも、出自と能力の低さゆえに庶民的かつ一般人寄りの感性を持っているキャラクターが説明係として便利だからという説もあるが。
    • 実は彼(及びケイネス)の物語において「冬木の第四次聖杯戦争」でなければならない要素は殆ど無い。
      極端な話、どこのどんな背景でどんな面子で行われた聖杯戦争であろうと彼らは参戦でき、どんな流れでどんな結末を迎えたとしても「ウェイバーがイスカンダルを召喚する」「ケイネスが死亡して魔術刻印が失われる」「最終的にイスカンダルが敗北する」という3点さえ満たせばロード・エルメロイⅡ世は誕生しうる。
    • とはいえ、上記の条件を満たすためには、どのような形にせよ必ず「イスカンダルの触媒が手違いでウェイバーの手に渡り」、「ケイネスがその実力にも拘らず敗退(死亡)し」、「ウェイバーはイスカンダルに振り回されながらも友情を育み、最終的に彼が敗北する様な聖杯戦争から生還する」というレアカードが揃わないといけないため、この件に関する世界の意向はかなり強固である。そして主にケイネスにとって理不尽である。
  • 『Character material』では「彼の弟子になって王冠の階位を得なかった魔術師はおらず~」とされていたが、FakeにてOBは十年以内に一人残らず『典位』以上を得ていることに改められた(もっとも王冠ではなくとも王冠に次ぐ『色位』『典位』を多くの生徒が授かり、ロードの大半よりも階位が高い王冠に至るのではと囁かれる元教え子もいるなど名物講師なことには変わりないが)。
    この件についてはあとがきでも
    奈須さん「昔『エルメロイの弟子は全員『王冠』グランドの位を得ている』と言ったな……あれは嘘だ」
    成田「ぎゃあああぁぁキ ャ ラ マ テ[1]ーッ!」
    奈須さん「こいよ、成田!過去の設定なんて捨ててかかってこい!」
    成田「設定の齟齬なんて怖かねぇ!野郎、ぶっ壊してやる!」
    …とどこぞのアーノルド・シュワルツェネッガー主演映画な小芝居風に触れられている。

話題まとめ

映画『戦車男』
TYPE-MOON公式サイトの2009年エイプリルフール企画の「ムーングループの映画館情報」の映画作品の1つ。元ネタは『電車男』。
図書館で危ないところを救ってもらった戦車男にお礼として高級ブランド「エルメロイ」のティーカップを贈ったことから大型掲示板「英霊の座」ではエルメロイの女と呼ばれることになる――女装とか男の娘とかじゃなくて、なんか普通にヒロイン。ちなみに両親はケイネスソラウ、兄はディルムッドというすごい家族構成である。
『Fate/Zero』のアニメ制作をしたufotableも、2期放送開始直前頃の2012年エイプリルフール企画に劇場版『戦車男』をやっている。何故なのか、胸部はぐっと控え目になった。

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脚注

  1. 再版版で確認

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