タマモヴィッチ・コヤンスカヤ

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タマモヴィッチ・コヤンスカヤ
本名 タマモヴィッチ・コヤンスカヤ
性別 女性
声優 斎藤千和
デザイン ワダアルコ
初登場作品 Fate/Grand Order
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概要

略歴
『序/2017年』ゴルドルフの護衛としてカルデアにやってきたNFFサービスの秘書。だが実はカルデアの制圧、凍結をするために取り入っていた。
『無限氷焔世紀ゲッテルデメルング』ではスカサハ=スカディの城に滞在しており、オフェリアと対話している。ロシア異聞帯での「また会いに来てあげる」という約束通り城から脱出しようとする主人公たちの前に現れ、巨人達を嗾けて妨害した。その後は特に何もせずに鑑賞していた。
最終的にスルトの復活とオフェリアの顛末を見届けて北欧異聞帯から撤退した。
『人智統合真国 シン』では、自分のプレゼントを律儀に身につけていたゴルドルフ・ムジークの縁を使って彷徨海に侵入、主人公宛の毒入りケーキで主人公の毒殺を試みるも、ゴルドルフが先に見つけて半分食べてしまったため予定が狂い、解毒の見込みが唯一ある中国異聞帯に先んじて移動[注 1]。これまで同様傍観者の姿勢をとるが、途中で始皇帝に敵視されてしまい、捕縛され力を削ぐための拷問を受ける。程なくして、同じ場所に収容されたカルデア職員を救出するために現れた主人公らによって解毒と引き換えに救出され、「敵の敵は味方」理論によりまさかのカルデアとの共闘体制となった。最終的には自身の安全優先で雲隠れしたものの、こっそりシャドウ・ボーダーに侵入して不足分の解毒薬[注 2]を置いていく形で約束は果たした。
人物
有能な秘書感を漂わせているものの本性は残忍非情な模様。趣味は人間の剥製を作って飾る事。
「必需品の値段を釣り上げることで、自分では狩猟ができないヤガ達を唆して金の奪い合いをさせる」という行為を行う、灰かぶり姫の姉たちによる虐めから始まるところは最高と評し最後に因果応報で勝利する部分には虫唾が走る、北欧異聞帯の愛多き状況を趣味と真逆と言う、「憐れなニンゲン三名残り滓のペット一匹が氷雪の城から脱出するのを見逃す代わりに5000兆QPを請求し、無いのだったら断末魔の悲鳴で代引きする」など、非常に悪趣味。
そして、中国異聞帯でフルネームがタマモヴィッチ・コヤンスカヤと判明する。
始皇帝からは妲己と呼ばれ、芥ヒナコからは「貴方と同じ女狐が大嫌い」「どんな流転をしたのかは知らないが今回は随分と回りくどい顕現」と言われている。
能力
身の丈ほどのサイズの狙撃銃やRPGなどの魔術近代兵器を持ち、雪原を滑り落ちるコンテナに直撃させられる程の腕前を有する。
人間の感情には敏感で、オフェリアが秘めた考えを見抜いた。ただ、これには「相手の顔が見える」ということが前提になるため、顔が見えない相手が天敵となる。
また「単独顕現」により、異聞帯から異聞帯に転移する事が可能で、霜の巨人やクリチャーチを他の異聞帯に連れて行くこともできる。
霊基の重さは十万トンに達し、自身の髪に息を吹きかけるだけで霜の巨人を出したりしていたので、「自分の肉体の一部」という扱いにしている可能性もある。
出自故か仙術に属する技を使いこなし、毒薬「仙衰冥脈」を作り出したり、房中術の類いも使用可能。

NFFサービス

2017年6月頃から活動し始めたロシアのPMC。NFFとは、「ナイン・フォックス・ファウンデーション」の略称である。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/EXTRA CCC
名前は直接登場していないが、タマモナインの一人として登場。
Fate/Grand Order
第2部のプロローグで、敵対勢力として登場。

人間関係

Fate/Grand Order

異星の神
直属の上司。
グレゴリー・ラスプーチン
同じく異星の神に使役されているサーヴァント。共謀しカルデアを制圧した。また、お手製の魔術近代兵器RPGを渡している模様。
アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ
共謀してカルデアを制圧した。
ゴルドルフ・ムジーク
彼の依頼で競合相手の暗殺等のサポートをしていたが、それもすべてはカルデア内部に侵入するためであった。過程で多額の資金をむしり取った模様。
フォウ
彼のことを踏んづけて虐めている(ただし先に手を出したのはフォウ)。
その際彼を「昔はどうだったか知らないけど今じゃただの小動物」「フォー君」と、正体を知っているかのようなニュアンスで呼んでいる。
主人公 (Grand Order)
「想像以上の雑魚」と評して見下している他、手足をもいで剥製にしたかったと語っている。
カドック・ゼムルプス
クリプターの一人。殺戮猟兵の指揮権の一部を移譲してもらい、彼の手助けをしつつ自分の「趣味」にいそしんでいる。
彼女自身はあくまでも異星の神の直属であるので、あくまでも手助けであり彼自身の為に尽くしているわけではない。
オフェリア・ファムルソローネ
クリプターの一人。彼女の部屋でウォッカを飲んだりしている。偶に会話をしている。
彼女が無自覚に全てを台無しにする、無自覚な被害者スケープゴートと評して、特に好きではないが面白がって見ている。
芥ヒナコ虞美人
クリプターの一人。同じ古代種として近しい物を感じているが、彼女からは忌み嫌われている。
始皇帝
中国異聞帯の王。
自身の素性を把握されている上に、相手の「顔」が見えないため内心を推し量れないという点で天敵に近い相手。
陰陽師のアルターエゴ
どういう訳か、インドの異聞帯から離れようとしない彼に呆れを見せる。

名台詞

Fate/Grand Order

「閣下。その発言は少々セクハラかと♡ あのサーヴァントは仮にも所長代行。
 田舎の町工場レベルとはいえ、所長不在のままカルデアを一年まとめ上げた人物です。
 仲良くなったほうがお得ですわ。まずはお世辞から入るべきかと。」
第二部序章、初登場時の第一声。ゴルドルフの背後から彼に助言をする場面。
典型的高官の有能秘書、といった風だがいかにも腹が読めない底知れぬ雰囲気を漂わせる。
ゴルドルフよりも警戒すべき人物とはダヴィンチも初見で感じた印象。
「ええ。そういう触れ込みで、閣下にこの商品カルデアのご紹介をさせていただきましたわ。
 ですが、申し訳ありません。私の報告ミスのようで♡
 あのサーヴァントは自分の立場を弁えず、私ども魔術教会に従わない極悪人のようですわ……。」
魔術教会の許可もない独断での引き連れた部隊NFFによるカルデア占領に打って出ようとしたゴルドルフだったが思わぬ論理的反論をダヴィンチにされてしまい、彼女に助けを求めての当のコヤンスカヤの返答。
悪びれもない様子で既にゴルドルフへの忠義心が怪しい。しかもコメディパートに使われるBGMがこの場面でかかったこともあり彼の威厳もコヤンスカヤの不穏さも一時的に吹っ飛んでいる。
「いけません、閣下。威厳を示していただかないと。強気でいきましょう、強気で。
 ご安心ください。そんな万が一のための、私どもNFFサービスです。
 いざとなれば私どもで、はい。閣下の体には傷一つ付けさせません。
 ただし特別サービスとなりますので、またちょっと、閣下の懐が痛むくらいですわ♡」
うろたえるゴルドルフを宥めながら身の安心を約束しつつ、代価はきっちりせびる。まさに悪女。
ゴルドルフも金の話をされて青い顔になっており、今までも大概足下を見られ私財をむしりとられてきた様子。
「お疲れ様。顔色が悪いわね、ボク/仔ネコちゃん。
 こういうオトナの世界の事情は初めて? でもそろそろ慣れちゃってね。何事も経験、きゃっ!?」
「なに、キミの飼い猫? ごめんなさい、つい反撃しちゃった♡」
「あ、ついでに踏んづけちゃった♡ でも仕方ないわよねぇ? 弱っちいクセに襲い掛かってくるんだもの。
 昔はどうだったか知らないけど、今じゃただの小動物。
 なら、より強い動物に踏み潰されるのが自然の道理じゃないかしら?」
査問を受け、色々と疲れた主人公と廊下で出くわしての場面。
フォウは問答無用で飛び掛っており、それをコヤンスカヤは二度目で叩き落として床に踏みつける。
そして意味深な言葉でフォウを語る。
「うそ。ホントに知らない? 魔術属性はおろか、彼らの名前さえ?
 信じられなーい、〇〇(主人公名)クン/チャンったらはっくじょーう!
 これじゃあ彼らが目覚めた後、恨まれても仕方ないかもね? だって―――
 キミは彼らから、活躍の場も・・・・・その存在意義も・・・・・・・カルデアという居場所すらも奪ったんだから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
Aチームについて主人公にどの程度知っているのか問うも、彼/彼女はそれに答えられなかった。
今まで存在すら知らなかった彼らにとって、自分がどのように思われているだろうか、否が応でもコヤンスカヤは嫌味ったらしく主人公に教える。その目的は…。
「さっすが召喚の盾持ち、サーヴァントの気配には敏感のようね。
 でも安心して? 私、サーヴァントに興味はないから、苦しませずに殺してあげるわ。
 私が丁寧に仕込みたいのは人間だけ。気に入った人間は剥製にしたいぐらい。
 っていうか、コレクションにしてるんだけどね? 狐狩りならぬ人間狩り、といったところかしら。」
カルデアをイヴァン雷帝殺戮猟兵オプリチニキと共に襲撃し、ゴルドルフを間一髪で救出し脱出コンテナに向かおうとする主人公達に立ちふさがる。
マシュから強い殺気を指摘されての己の趣味を交えての返答。
極めて悪趣味であるが、「気に入った人間」と表現するなど、根底には彼女の人類への「無関心」というわけでない「何か」を感じさせる。
「はーい、ヤガのみなさんコンニチハー! 今日も今日とて自転車操業ライフご苦労さま♡
 生態的に、どんなに働いても貯蓄は不可能。どんなに努力しても出世は不可能。
 そんなお先真っ暗ブリザードな皆さんの生活を助けるキュートな天使がやって参りました~☆
 さあさあ、どうぞ近くによって商品をご覧ください。
 食料、医療器具、ご禁制のお酒まで、NFFサービスにご用意できないものはございません♡」
二部一章。ヤガ達の村で物資の有料配給を行うコヤンスカヤ。具体的にはクリチャーチの肩肉一塊で50万ルーブル程のぼったくり(ヤガ達にとって家財一式と引き換えにしても届かない)。
この声を通信越しに聴いたゴルドルフ曰く「蜂蜜に蜂蜜をかけ、さらにアイスを乗せた後にやはり蜂蜜をかけて焼いたような甘い声」。
アコギな商売だと思われていたり憎たらしい視線を村のヤガ達に向けられている自覚はコヤンスカヤにもあり、その上でふてぶてしくボロい商売を笑顔で行う。
「体も醜ければ心も貧しい。機転もきかない、空気も読めない―――
 ほんとう、つまらない歴史になったわね、アナタたち。
 動物と人間を掛け合わせるなんて愚策も愚策よ。動物の無垢さも、人間の豊かさも失われた。
 互いの良いところを打ち消しただけの、ただの環境適応で『新種』とか笑わせるわ。」
ヤガという存在を指しての彼女の評。辛辣極まりなく、その言葉を紡ぐ表情には関心が見られず冷ややか。
この後、ヤガ達を法外な配給の値段からそそのかしておぞましい仲間割れを誘発させてようやく彼女は少し楽しげになる。
「キャー☆ 必要ないとか、そんな、みっともなーい!単体ひとりじゃ生きていけない人間イキモノのクセに、このこのー!
 ああ……これではキリシュタリアさんも失望するというもの……
 あの方の綺麗事も大概ですが、その根底にあるのは紛れもない人類愛。
 人間の基本原則……その野生ほんしつは、助け合い、認め合い、殺し合う事だと受け止めていますのに。」
二部二章。氷の城のオフェリアの私室にて。主人公一行を取り逃し女王からヨトゥンの団を取り上げられながらも悪びれもなくマシュと分かり合えないで悩むオフェリアの部屋に無断で入室。
当然彼女は勝手に入るなと言うが、そのように壁を作っているから友人がいないと煽る。それにオフェリアは魔術師に友人などいない、いらないと反論するが、キリシュタリアに縋る様を持ち出される。
その上でキリシュタリアという拠り所があっても心がざわつくのを、「他人に助けられた事がない人間だから」と核心を突く。
「よろしくて? 人間は思慕や陶酔ばかりでは生きられない種。
 精神こころがあるのですから当然です。共感や親愛あたりもバランスよく得ませんと、ねえ?
 家族に期待ができなかったりすると、もう尚更。身近な結婚チャンスに飛びついても良いでしょうに。
 それとも、矜持プライドに蓋をする事もできないのですか?
 それとも怖いのですか? 今さら、親しい隣人がいない自分の惨めを直視する事が?」
上記より続けて。コヤンスカヤが語る人間という生き物についての持論に絡めてのオフェリアという人物の容赦のない分析。
オフェリアは最早聞いていられず「騎士を呼びます」と述べ、彼女の口を閉じさせる。
「風評被害、やめてくださいません!?
 ワタクシ、お尻重くないんですけどぉ! 軽いんですけどぉ!」
カイニスに北欧異聞帯も終末が見えたがどうするか問われ、もはや商売も出来なさそうだがオフェリアの顛末を見届けてから撤退すると述べたコヤンスカヤ。
「気軽に転移できる分、けつが重いってワケか。」と言われての返答。食えない女を気取るが、慣用句とはいえ「尻が重い」と言われるのは心外らしい。

メモ

  • 帽子やイヤリングに狐マークや、声優と絵師の組み合わせからタマモナインの一人ではないかと推測されている。
    • そもそも「コヤンスカヤと言う名前自体がコヤンスカヤ→ko ya n su ka ya→ya na kya su ko→嫌なキャス狐のアナグラムでは」とユーザー間で噂されている。
      • その他かなりこじつけくさくなるが、伝承において玉藻の前に誑かされた鳥羽上皇の史実における皇后藤原泰子の院号は「高陽院(かやのいん)」であり、これもコヤンスカヤの由来アナグラム説を挙げる考察もあった。
    • ロシア異聞帯での登場時からTV・コヤンスカヤと名乗っていたが、中国異聞帯で本名がタマモヴィッチ・コヤンスカヤと判明。タマモナインの一人に「敏腕美人秘書タマモヴィッチ」という存在が居たため、タマモナインであることがほぼ確定した。
    • その後のイベントにおいても、明言こそしていないものの「タマモ属の株を下げる」として同じタマモナインのタマモキャットには嫌われていることが示唆されている。
      • なお、彼女が所属しているÑFFサービスも、正式名称は「ナイン・フォックス・ファウンデーション」であり、どう見てもタマモナイン関連である。
  • 初登場から早々、作中での所業からその存在は大いに賛否が分かれるキャラクターとなった。カルデアの襲撃や二部一章でのヤガの仲間割れを誘ったことももさることながら、フォウを踏みつけた事が特に槍玉にあがっている。
    • しかし、主人公を煽っていたとはいえフォウが先に執拗にタックルという手を出してきた事や、カルデア襲撃も猟兵が勝手に暴れただけで彼女はあくまでカルデアの英霊霊基のデータが目的(「無差別に殺して探しにくくなった」と彼らに愚痴っている)、ヤガの仲間割れにしても事前に「人としても獣としても良さを捨てた」と嘆いて失望している様子から、「コヤンスカヤは正当防衛で別に悪くない」「大局的な見地から見ると、彼女は「汎人類史の敵」とは言い切れない行動が多い」という擁護意見もある。
      • 彼女の存在はオリジナルのファンの間でも中々に意見が割れているが、元々『CCC』にて根源たる「金毛白面」が「あれは今たまたま善性が表に出ているだけ」「いつ怪物になるか分からぬ、いつ破滅を呼ぶか分からぬ災害」と述べていた事実もあり、彼女の存在が「玉藻の悪性」と見られており「それでも、最後まで一緒にいる」「どんな姿でもキャスターが好きだよ」の選択肢を選んだイケメン魂な古参ファンからは既に覚悟が完了されている感もあって彼女に好意的なファンも多い。
      • 「異星の神の直属」という宣言についても、仮に彼女が玉藻の分かたれた分体の一人であるならば一万四千年前の地球の神々の屈辱を忘れているとは考えにくく、「地球人類を守る為の二重スパイ」説を唱えるファンもいる。
      • 『無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング』でカイニスに「『愛玩』のケモノ」と称されたため、ビーストなのではないかと推測されており、異聞帯を移動できるのは「単独顕現」によるものではないかと考察されている。
  • 始皇帝からその正体は「妲己」であると指摘されているが、芥ヒナコからは「貴方と同じ女狐が大嫌い」「どんな流転をしたのかは知らないが今回は随分と回りくどい顕現」と言われており、完全に妲己本人なのかは疑問が残る。そもそも本体である玉藻の前も幕間の物語「物騒な人々」で哪吒に妲己扱いされているので、それと同じ事例なのかもしれない。

話題まとめ

脚注

注釈

  1. 「中国異聞帯なら解毒できる」という条件は別に意図したものではなく、自身の得意とする仙術由来の毒を使った結果そうなってしまったため。
  2. 救出された時点で手持ちの解毒薬を譲渡したが、自分用の一人分しか持っていなかったため、主人公の解毒は改めて解毒薬を調達するまで先送りとなっていた。

出典


リンク