ムリアン

ムリアン
外国語表記 Murian
性別 女性
種族 妖精國の妖精/翅の氏族
デザイン ワダアルコ
初登場作品 Fate/Grand Order
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概要編集

Fate/Grand Order』に登場する妖精

略歴
Lostbelt No.6『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』で妖精國の都市のひとつ、グロスターの君主として登場。
「楽しむならどの氏族の妖精も人間も分け隔てなく受け入れる」という法を敷いてグロスターを統治しており、オークションの開催などで娯楽を提供している。
前編では女王モルガン抹殺のため単身キャメロットに乗り込むも、妖精騎士ランスロットに返り討ちにされた千子村正の身柄を預かり『予言の子』と称してオークションに掛けていた所へ、一連の情報をオベロンから聞いた主人公一行が「その人物こそ未だにはぐれたままのマシュかもしれない」という一縷の望みをかけ本物の『予言の子』を連れてやって来る。そして同じく目玉商品を聞きつけ現れた妖精騎士トリスタンと一緒にステージに上がらせると、『どちらが商品村正を競り落とすにより相応しい価値力量を持っているか決める』という名目で魔術勝負をけしかけ、敗北した妖精騎士トリスタンの方は女王モルガンを盾に言いくるめて帰らせる追い出すと、今度は領主として改めて一行に対面。そこで如何にモルガンの女王としての統治体制や「愛娘」である妖精騎士トリスタンの暴挙を放置している様に不満を持ち、どれほど迄『予言の子』に期待を抱いているかを粛々ととなえるも、今のアルトリアには到底それを見出せないので自分を含めた他の氏族も納得出来る位の力をつけて来たならば協力は惜しまないと告げる。
後編ではアルトリアがノリッジで鐘を鳴らし、続くウェールズの森炎上で妖精騎士ガウェイン、ロンディニウム防衛戦でウッドワスに打ち勝った事を機に自らの意思表明として一行を妖精舞踏会フェアリウムに招待。だが、その裏はグロスターの鐘を探す主人公とアルトリア達をオークション会場に誘導し、ベリル・ガットと妖精騎士トリスタンを対戦相手とする公開試合が目的であり、予想通り『予言の子』側が勝利すると喜んで鐘を提供する。
実は1200年前に「牙の氏族」に滅ぼされた「翅の氏族」の最後の生き残りであり、その出来事から牙の氏族への復讐心だけをずっと抱いていた。モルガンに反発しつつも予言の子…強いてはカルデア側に期待していると言いながら当初はハッキリと力を貸す素振りを見せず中立な立場を保っていたのも、自身の『真の目的』を果たすためなら予言の子を利用する方が単に都合が良かっただけに過ぎない。
終編ではウッドワスの敗走によってその千載一遇の機会が巡って来たと看做し、反乱軍側に手を貸す事にしたのでその為に必要な傭兵と警備隊にする名目で、氏族長を失った牙の氏族全員をグロスターに呼び寄せると自らの妖精領域で創り出した『箱庭』に閉じ込めて殲滅するものの、所詮人間で言う所の「破滅の前兆となる賢者の愚策」かつ「一時の激情と衝動に駆られた末の愚行」でしかなく、事実『目的』が果たされると後述する理由が原因で心を壊してしまった。
その状態でもなお「妖精國の厄災を解決する方法」の研究を続け妖精國の『真実』へ独自に至るが、そのあんまりな実態[注 1]に愕然としている様を黒幕に暗殺されてしまい、満身創痍のまま倒れていた所を戴冠式の騒動から戻ったコヤンスカヤに発見され、今際に全てを思い出し自分と妖精達の愚かさと罪深さを嘆くとともに「妖精國ブリテンを無惨に滅ぼされるの壊れるべき世界としてではなく緩やかに終わらせるために繁栄を尽くし終えた世界として守ってほしい」という遺言を託して死亡した。
人物
「翅の氏族」の一員らしく透き通った緑色の翅を持ち、紫色の髪に緑色の服を着ている小柄な妖精の少女。
子供のように感情表現が豊かで、自分も楽しんで人を楽しませるのに考えを巡らせる、活発で研究者肌な蕗下の出逢いの姫君。
その一方で上記のように「牙の氏族」に対する復讐心という『目的』に極度なまでに取り憑かれており、彼らを滅ぼすための計略をずっと練り続けていた。そのため実のところはモルガンも予言の子も二の次三の次であり、本懐を遂げられるなら為政者が誰になろうがどうでもよかった節がある。
というのも、「牙の氏族」への思いには恨みと同時に「何故気に入らない弱者だからと言って自分たちを滅ぼしたのか」という純粋な疑問もあり、実際に彼らを蹂躙した際には嫌悪感しか感じなかったことで「自分の復讐心には意味などなかった[注 2]」事に気が付いて精神が崩壊し、遂には「牙の氏族を滅ぼした」という自分の行為をすら認識できなくなってしまった。
能力
妖精としての高い能力に加え、グロスターの君主を務められるほどの力を持つ。
都市の君主を務める妖精、特に『亜鈴返り』は皆独自のルールを敷く「妖精領域」を持つがムリアンのそれはひときわ強力で、グロスター内では上記のルールに違反した場合には自分の身に付けた強さを剝奪されて生物としての始点にまで退行させられてしまい、これはモルガンも例外ではない。その為か妖精國ブリテンの領地ながらも、実質上は一つの独立自治区と化している。
さらに対象を絞ることで物理的にサイズを小さくすることもでき、それによって牙の氏族たちは文字通り蟻のように踏みつぶされた。
学ぶことを自己目的とする「翅の氏族」に相応しく博学であり、調査研究の果てに妖精國の真実へと独自に到達できた。また、妖精眼は衰えているもののある程度の内情を『色』として見る能力はまだ残っており、これで異邦の魔術師の本質を一目で見抜いている。

登場作品と役柄編集

Fateシリーズ編集

Fate/Grand Order
Lostbelt No.6『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』で現地人として登場。

人間関係編集

タマモヴィッチ・コヤンスカヤ
異邦から来たビジネスパートナー兼用心棒。主人公に関しての情報を主に提供してくれた人物。自分に並び立つ位の頭脳明晰さと『世界にただ一人の孤独な者同士』という共通点から次第に信頼関係を築いた友人[注 3]となり、最期に「願い」と云う名の遺言を託した。
千子村正
妖精騎士ランスロットと交戦した後に穴に落とされてボロボロだった彼を捕え、カルデアや異聞帯に関する事を洗いざらい吐かせた後グロスターの街でオークションの目玉とした。
彼が「予言の子」であるという触れ込みでオークションを行ったが、本気でそう信じてはおらず「3割くらいは予言の子」とのこと。
アルトリア・キャスター
妖精國ブリテンを救う『予言の子』。
最初はブリテンの「希望の星」として淡い期待を抱いており、力量を確かめるべく村正とオークションを利用した罠にかけ本物だと認めるも、初顔合わせの時はただ威勢のいいだけの彼女に肩入れは出来ないと突っぱねる。
そして一行が「巡礼の旅」を始め二度目にやって来た際はベリル・ガットと妖精騎士トリスタン、妖精舞踏会を利用した罠を仕掛け、勝利すると喜んでグロスターの鐘を提供したが、結局の所はアルトリアもまた自身の『目的』を遂行するための足がかりにしか過ぎなかった。
オベロン
かつて資金提供をした相手。最初は外見の特徴から「翅の氏族」の生き残りだと思っていた。
実は「牙の氏族」を裏でけしかけていた張本人でもあり、終盤では妖精國ブリテンの核心に迫る真実に気付かれてしまったため本性を露にして殺害されてしまった。
モルガン
妖精國ブリテンの女王。
一時は偉大な統治者として期待を抱いており、その評価も高かったが、妖精に対する冷酷な態度と娘の妖精騎士トリスタンを優遇し好き勝手を許している有様を「ブリテンを私物化している魔女」と呼んで露骨に嫌っており、あからさまに反抗的な態度をとっている。
ウッドワス
自分達「翅の氏族」を滅ぼした憎き「牙の氏族」の現氏族長。
憎しみに凝り固まっていた当人は傍から関わろうともしなかったため気付くことはなかったが、実は同氏族に菜食主義を徹したのはこの「翅の氏族」を無差別に殺戮した件を、次代の彼が反省・戒めとして受け止めた故の行動であった。この事実をもしムリアンがもっと早くに知っていたならば、彼女も愚考に走る事はなかっただろう……

名台詞編集

Fate/Grand Order編集

メモ編集

  • 緑を基調とした服と外見、さらには対象を無力化して甚振る様子がカズラドロップに酷似していたため話題を呼んだ。
    • 裏設定としてカズラドロップのハイ・サーヴァント要素には「妖精ムリアン」が組み込まれているそうなので、逆輸入する形でムリアンの造形をカズラドロップに似せたとのこと。
  • 一般の妖精としてのムリアンはイギリスのコーンウォール地方の伝承に登場する妖精であり、他の生き物に変身する能力を持つがそれを繰り返しているうちにだんだん小さくなっていき、最後には蟻の姿になってしまうとされている。

脚注編集

注釈編集

  1. 恐らくは『はじまりのろくにん』の失態とその果てに起こした罪状に加え、一連の発端となる原因がかつて自分が「牙の氏族」にされたこと、そして自分がした事とさほど変わらない理由だったことに二重の意味でショックを受けてしまったのもあると思われる。
  2. そもそも牙の氏族による翅の氏族強襲と殲滅の実態は、『気に食わない』という些細な理由で狩猟同然に皆を狩り始めたことに加え、やがて後始末が面倒になったのと収拾がつかなくなった故に「(翅の氏族の存在と)襲撃そのものをなかったことにする」べく、生き残っていた全員を捕食という形で殺害したと云うもので、ムリアンが疑問に思うような感情自体全く持ち合わせていなかった可能性もある。
  3. 全ての収拾後はカルデアそのものに興味が無いにもかかわらず、『コヤンスカヤ大事な友人の敵』と云うだけで自分が妖精國の王となり、真っ向勝負を挑もうと目論んでいた。

出典編集


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