間桐臓硯
間桐 臓硯
- 読み:まとう ぞうけん
- 身長:145cm / 体重:43kg(しかし、ある程度可変だと思われる)
- イメージカラー:群青
- 特技:株式投資、虫、鳥などの飼育(使役?)
- 好きなもの:できの悪い孫たち、悪だくみ / 苦手なもの:太陽の陽射し
- 天敵:教会の代行者
- CV:津嘉山正種
- 略歴
- 500年前(慎二・桜世代から数えて6代前)の間桐の当主。戸籍上は鶴野・雁夜兄弟の父、慎二・桜兄妹の祖父ということになっている。本名は「マキリ・ゾォルケン」。家名は「ゾォルケン」だが、日本に根を下ろして以来、名前の「マキリ」を日本語姓「間桐」として名乗るようになる。もともとはロシアあたりの家らしい。延命に延命を重ね既に人外の者となっている魔術師で、その身体は人のものから蟲に置き換えられている「妖怪」。
- 200年前の大聖杯敷設儀式にも参加しており、英霊を使い魔にするサーヴァントシステムや令呪の考案者その人である。聖杯戦争をずっと見続けてきた人物で、第三次に行われたアインツベルンの「反則」の影響にもいち早く気付いていた。そのため第四次では様子見に徹するつもりであったが、雁夜の要求を受け参加を承諾。自身は一歩引いた位置から聖杯戦争を監視していた。
- 第五次では桜をマスターとしてライダーを召喚させるも桜のやる気の無さから慎二にマスター権譲渡を許すなどあまり乗り気ではない。しかし桜がアヴェンジャーと繋がり黒い影が出没しだすと一転、自身もアサシンを変則召喚し聖杯戦争の裏側で暗躍する。
- 人物
- 狡猾にして残忍、他者の苦しみを娯楽とする外道。自分の孫達にもほぼ例外なく嫌われているが、間桐の家系に執着心があり、なんだかんだいって臓硯本人は子孫たちに甘い面もある。
- 孫達には死なない妖怪のように振舞うが、実際は魂が年月の経過により腐ってしまい、かつては50年に一度取り替えれば良かった肉体を半年に一度変えねば腐りきって崩壊してしまうほど延命術も劣化し続けている。そのため聖杯に託そうとしている願いは「死にたくない」という不老不死であり、五次の真アサシンも永遠を望む意思への共通点から召喚された。
- 元々は「彼の代でマキリの血は魔術師としての限界に達した」ということに気付いてしまいそれに抗おうとし続けた魔術師。その果てに第三魔法「魂の物質化」により人類という種の進化による、この世全ての悪の廃絶という「理想」を願うようになる。自身では叶えられないことを察し、それでもなお延命してまで求めたのは、理想がいかに困難でも諦めない姿勢が後を継ぐ者を育て、また後世に遺すものだと信じたから。
- しかし積年による魂の腐敗とその苦痛は遂に理想さえも忘れさせ、現在となっては何故そこまでして死ねないと思ったのかも忘れてしまい、外道に堕ちてしまった。
- 能力
- マキリは使い魔に造詣深い家系であり、間桐は「吸収」の属性を持つとされるが、臓硯自身は蟲の使役に全ての魔力をつぎ込んでおり魔術を行使する場面は無い。
- 身体を破壊されても臓硯本体の魂を収めた蟲を破壊されない限り、他者の肉を取り込んで再生することが出来るが、負担はそれなりにある。また、本体の蟲だけでは魔力精製もあまり出来ない上に蟲の性質上日光が苦手。
- サーヴァントシステムの考案者だけはあり、召喚システムには強い。アサシンの肉体から真アサシンを現界させるなど離れ業の召喚もやってのけた。
- 本体の蟲は桜の心臓、その内部に巣くっている親指大の一匹。外で活動している老人姿の臓硯はいわば対外的に意思を示すための触覚。かつては本体の蟲はそんな小さく弱い物ではなかったが、桜の心臓に潜ませるという趣向から変更した。
登場作品と役柄
- Fate/stay night
- 桜ルートのみ。アサシンの身体からアサシンを召喚、聖杯戦争の影で暗躍する。
- Fate/hollow ataraxia
- 聖杯が破壊されて生き甲斐を失ったのかボケが一気に進行。桜との力関係も逆転し、部屋に引き篭もる。
- Fate/Zero
- 雁夜に刻印虫を仕込み即席仕立てのマスターとし、自身は様子見。
人間関係
- 真アサシン
- 召喚したサーヴァント。
- 間桐鶴野
- 表向きは息子。慎二の父親。
- 間桐雁夜
- 表向きは息子。第四次聖杯戦争の参加者。
- 間桐桜
- (表向きの)長男の養子。聖杯戦争の道具として利用する。
- 間桐慎二
- 孫、ということになっているが子孫。その苦悩を娯楽としている。
- 言峰綺礼
- 第四次聖杯戦争の終盤で邂逅。言峰の心中の闇を暴き立てる。
第五次聖杯戦争ではHFルートでのみ10年ぶりに対峙する。
- ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン
- かつての仇敵であり同胞。
名台詞
Fate/stay night
- 「ははは、ははははは!
- なんと救いようのない男よ、いまだ人並みの幸福とやらを求めているのか!
- そのようなもの、おぬしには絶対に
ない 、と理解したのではなかったか!」 - 「そう、お前には永遠にない。綺礼よ、ぬしは生まれながらの欠陥者にすぎん。
- この世の道理に溶け込めぬまま、静観者であり続けるがよい……!」
- HFルートにて。10年ぶりの言峰綺礼との対峙。
- 言峰は確かに10年の時を経て、己の本性に気付きそれを受け入れながら生きていたが、それでもまだ言峰の心の奥底に眠っていた密かな願望を暴き立て、それは永久に得ることが出来ないものであると断じた。
- 「――――だが無念よ。いや、あと一歩だったのだがなあ」
- HFルートにおける最後のセリフ。
- 外法に手を染めてまで生に固執した彼だったが、かつての志を思い出したことで500年の妄執を終わらせる道を選んだ。
Fate/Zero
- 「儂はこう見えても鼻が利く。言峰綺礼、おぬしからは儂と同類の匂いがするぞ。
- 雁夜という腐肉の旨味に釣られて這い寄ってきた蛆虫の匂いが、な」
- 命をすり減らし、もがき苦しみながら戦う雁夜の姿を嘲笑う臓硯。
- わざわざ半生半死の雁夜を回復させ、令呪まで与え、教会での遠坂夫婦との遭遇までセッティングした綺礼。
- お互いに雁夜の破滅に愉悦を感じている同類といえばまさしくその通りだったのだが、綺礼は受け入れ切れず、咄嗟に臓硯の頭を吹き飛ばしていた。
- 「クク、またいずれ見えようぞ、若造。
- 次に会うときまでには、儂と五分に渡り合えるよう、己の本性を充分に肥え太らせておくがいい。クカカカカッ……」
- 言峰に頭を吹き飛ばされても余裕の笑みを浮かべる臓硯。
- 雁夜の破滅を笑うそれこそが言峰綺礼という聖職者の本性なのだと断じ、その場を去る。
その他
- 「うむ。チェンジじゃ、桜」
- トラぶる花札道中記にて。日頃の恨みを晴らすべく散々準備した孫娘に対してこの仕打ちである。
- 「ふう、しかし本当に素晴らしい湯ですね。こうしていると生き返る――――いや、まるで若返るようだ」
- 同上。温泉に漬かったことで、姿も心も若返った。これが長く生きることでああなってしまうのだから、世界は残酷である。
メモ
- 雁夜が禅城葵と幼馴染になったのも、遠坂より先に禅城の優秀な遺伝特質に気づいていた臓硯の手回しによるもの。
しかし雁夜が魔導そのものを嫌悪したことと横から割り込んだ遠坂時臣によってこの企ても水泡に帰した。 - 彼にしてみれば悪影響としか見えない、桜への士郎・大河の影響だが、それでも桜が衛宮邸への出入りを許されていたのは、桜に士郎を監視させるため。魔術師である彼にとって、同じ魔術師である切嗣が後継者を育成し、次の聖杯戦争へ臨ませることは必然だった。だがしかし、切嗣は真っ当な魔術師ではなかったため、その思惑は結局、空振ることになった。
- 第四次からたった十年で、第五次聖杯戦争は開催された。六十年後を見越していた彼にとってこれはイレギュラー極まりなく、本来は第五次にまっとうに挑むつもりはなかった。その気になれば桜を最初からマスターとして参戦させられたのに、慎二に参加を許したのは、それ故である。本来は六十年後の桜の子か孫に期待をかけるつもりだった。
桜ルートでのみ聖杯戦争に参加し暗躍するのは、他のルートと違って桜が「マキリの杯」としての完成を見たため。結局、いずれのルートでも腰の重さが災いして目的を達成する事は適わなかった。 - 「hollow」では桜の料理を「チンせぬレトルトの方がマシじゃのう」と言っている。
脅えながら食卓を囲むか、一人でレトルトかというある意味究極の選択肢。
ボケてからは、寝ぼけて呼び鈴を連打したり、「姉の方がよかった」とボヤくなどしている。 - 堅実な地主なので、経済的には遠坂より安定している。冬木以外の押さえている霊地を他の魔術師に貸して、土地収入で暮らしているとか。なお、劇中(聖杯戦争中)では冬木市に戻ってきているが、基本的に彼の普段の生活は、他所に抱えている霊地を巡っての管理である。もしくは、日光を嫌って屋敷の奥の闇に身を潜めている。
- 人間であったころは士郎や切嗣のように自身の正義を追い求める人物だったようだが、長い延命の過程で魂が摩耗し、その意志も記憶も忘れ去られて変質してしまったようだ。だが桜ルート終盤では死に際してその過去を僅かながら思い出している。
- 武内氏が初期にデザインしたものは、生に執着する様を端的に表すような、もっとギラギラした感じのものだったらしい。
が、奈須氏の指定で今の枯れた感じに変更された。 - 若い頃の顔のデザインも、資料等で公開されている。耳たぶくらいしか面影はない。デザインコンセプトは「デキる慎二」。
トラぶる花札道中記のあるルートでは若返り、目付きが鋭い青年の姿を見せている。 - 遠坂が「うっかり」で失敗し、アハト翁が「立てた作戦が裏目に出て」失敗したのに対し、臓硯は「慎重すぎて動かなかった」事が失敗に繋がっている。
- 人の肉を食らった虫で身体を作り栄養も人から生気を吸って生き長える妖怪だが、実際のところ人としての機能は虫が果たし外見は擬態でしか無いため肉は何でもよく、栄養も普通の食事を食べて補うことが可能であり、人間から得たほうが効率は良いものの必須ではない。仮に人以外の肉で身体を作り栄養を摂ることに徹していれば人間の血液が必須な死徒などよりは人道的な延命法だっただろう。……人間性を保ったまま肉体が虫であることの苦痛や魂の腐敗に耐えられればの話ではあるが。
- 平行世界の第三次聖杯戦争において、ユグドミレニアに敗れ大聖杯を奪われた後の臓硯の生死は不明。だがマキリは既に衰退していたため、大聖杯強奪が決定打となったことで「魔術師」としての間桐はとっくに滅亡しているらしい。