アンリマユ

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アヴェンジャー

  • 真名:アンリマユ
  • CV:寺島拓篤

復讐者」のクラスのサーヴァント聖杯戦争には本来存在しない第八のクラスであり、バゼット・フラガ・マクレミッツと契約する。全身くまなく刺青の施された、少年めいた姿の英霊。

略歴
真名は「アンリマユ」。この世全ての悪なるものを肯定する反英雄の極地であり、もとはその役割を一身に背負わされ、延々と蔑まれ、疎まれ続けた結果、「そういうもの」になってしまった普通の人間。生まれ育った村の呪いによって、人間であった頃の名前は世界から喪失している。
第三次聖杯戦争において、アインツベルンの魔術師が聖杯を得るための切り札として「殺す事だけに特化した英霊」であるこのアンリマユを召喚する。しかし、特別な人間でもなく、宝具も持たなかった彼は最初期に敗退し、大聖杯に収められる。だが、アンリマユは周りからの身勝手な願いで「この世全ての悪であれ」と摸造された「願い」その物であったがために、敗れて「力の一端」に戻り聖杯に取り込まれた際に「願望機」としての機能がその願いを叶えてしまい聖杯は汚染され、以後聖杯戦争は狂っていくことになる。
第四次、第五次聖杯戦争においてその「この世全ての悪」という「願い」は、大聖杯の中に留まりながら、聖杯に満ちる「力」を養分に現界しようとしていた。「器」に応じて「泥」、「肉塊」、そして「60億の人間を呪う宝具を持ったサーヴァント」として、それぞれ現われようとする。
決まった姿や人格を有せず、本来は人型の影として活動する。作中では実体化するに当たって士郎の殻をかぶって(厳密に言うと本物の士郎との同化に近い)現出したのが、この少年型のサーヴァントである。ちなみに昼間は完全に士郎になりきって行動している。
瀕死のバゼットが願った「死にたくない」をかなえるため、彼女と契約。仮死状態にして生かし続ける。その後、繰り返しの4日間の聖杯戦争を行うことで彼女の精神を保っていた。夜の聖杯戦争がバゼットの願いなら、昼間の平穏は彼が夢見たものだった。
まだ見ぬものに対する好奇心を原動力に繰り返しの4日間をまわし続けたが、バゼットを目覚めさせるためにあらゆる可能性をつぶし、最後は『天の逆月』でバゼットを説き伏せることで繰り返しの世界を終わらせた。
人物
もともとのアンリマユは虚無のものであるため、確たる性格というものはない。「hollow」のそれはある人物の暗黒面を現出させたものに等しい。だが本来の好奇心や夢など根底的な衝動などは有するようだ。逆に言えば、契約を結んだ相手や被った殻によって善人にも悪人にもなりうる。第五次の彼があそこまで人間に親身になったのは士郎に反感を覚えたから(魅せられた、とも言う)アンリ曰く、士郎は化け物。良きにしろ悪きにしろその愚直なまでの歪さが報われなかった者の心に届いた。
能力
本人曰く、「この世界すべてを探してみても俺より弱い英霊は存在しない」最弱の英霊。マスターであるバゼットの方がずっと強いと認めており、作中でセイバーと闘うも数回斬り合うのが精一杯であっさり倒された。
しかし、「英霊クラスの超人であろうと、人間である限り俺には勝てない」とも豪語する(しかし、速さで「」と「蜘蛛」には敵わないとも述べている)。
武装は「右歯噛咬(ザリチェ)」と「左歯噛咬(タルウィ)」という奇形の短剣。現界する際の元となった人物の特徴が色濃く出たもの。

宝具

偽り写し記す万象(ヴェルグ・アヴェスター)
由来:ゾロアスター教経典「アヴェスター」の写本
「報復」という原初の呪い。
自分の傷を、傷を負わせた相手の魂に写し共有する。仮に右腕がなくなった場合にこの宝具を使うと、相手の右腕が同様に吹き飛ぶことはないが、感覚がなくなり、動かすことも出来なくなる。条件さえ満たせば、全ての相手に適用できる。高い魔術耐性を持つサーヴァントであっても問答無用である。また、「共有」であるため、アヴェンジャーが自身の傷を癒さない限り、相手の傷も癒えることはない。
しかし、発動は対象一人に対して一度きり、放つのは自動ではなく任意発動。自分が軽傷ならば敵にもさしたる効果は与えられず、かつ今後同じ相手には使えなくなり、一方、致命傷を受ければ使う前に自分が死亡してしまうので発動できない。使いどころが非常に難しい上、互いに重傷を負って動けないという困った状況が出来る。アヴェンジャー曰く「傷を負わねば攻撃できない、クソッタレの三流宝具」。ただし、足止め用としての性能はこの上なく高いため、止めを刺せる相棒と組めば、それなりの効果を発揮する。
なお、この宝具はバゼットのサーヴァントとしてのアヴェンジャーを形作った際に得たもので第三次に召喚されたアヴェンジャーは持っていない。

無限の残骸(アンリミテッド・レイズ・デッド)

繰り返される四日間の中で、四日目の夜を経過・それまでにアヴェンジャー、バゼットのいずれかが死亡した場合に現れる知性を持たない怪物。
アヴェンジャーの変異体であり、彼を妨害し、彼の根底的な望みである「繰り返される四日間」を延々と続けさせようとする。

登場作品と役柄

Fate/stay night
「hollow」とはまた異なった姿で登場。物語の核であり、聖杯とはいかなるものかに大きく関わる存在。
Fate/hollow ataraxia
バゼットとともに夜の聖杯戦争を戦うサーヴァント。全ての発端とも言える物語の核。
フェイト/タイガーころしあむ アッパー
ふと気が付くと、アヴェンジャーは何故か現界して冬木市にいた。目の前にはバゼットと、そしてネコアルク。アヴェンジャーはロケットに点火して逃げ去ったネコアルクを追う。
ちびちゅき!
学校一の“ワル”。士郎とよく似た外見のせいで、大河に士郎がグレたと勘違いされ、教育的指導を喰らわされてしまう。
カプセルさーばんと
コスト:40 / 戦闘力:D / 突破力:E- / 移動力:B / 体力:E / 忍耐力:- / リキャスト:A+
さーばんとの一匹。全ての能力値が低いが召喚コストも最召喚時間も非常に低く、素早い展開が可能。また、即死しないダメージを相手に跳ね返すことがある。
バゼットが六つの召喚枠全てをアヴェンジャーで埋め尽くして使ってくることがあるが、環境を利用して大量展開して攻めてくる。カレンもレベルが途轍もなく高いアヴェンジャーで強襲を序盤から積極的に仕掛けてくるので、甘く見ていると痛い目を見る。

人間関係

バゼット・フラガ・マクレミッツ
第五次聖杯戦争終了直後に契約したマスター。アヴェンジャーの能力の都合、メインに戦うのはバゼットの方。また、「偽り写し記す万象」に見合った「トドメを刺せる相棒」でもある。
カレン・オルテンシア
とことん相性の悪い相手。
衛宮士郎
「殻」。士郎から見るとアヴェンジャーは輪郭のはっきりしない影に見える。
アイリスフィール・フォン・アインツベルン
かつて被ったことがある「殻」。後に『タイガーころしあむアッパー』にてまさかの邂逅を果たす。
弟子ゼロ号
『アインツベルン相談室』にてアイリの殻を被り、教え導いた相手。これがきっかけで、彼女に「全てのバッドエンドを救う」という望みが生まれる。

名台詞

Fate/hollow ataraxia

「さあ、聖杯戦争を続けよう」
打ち捨てられた洋館で目覚めたバゼットにかけられた最初の言葉。
「始めよう」でも「再開しよう」でもなく「続けよう」。その真意が、この物語の肝でもある。
「その荷物は誰も持ってやる事はできない。自分で抱えるしかない。
 人間に支え合う事ができるのは荷物じゃなく、荷物の重さで倒れそうな体だけだ」
天の逆月にて、バゼットに対して。アヴェンジャーが「この世すべての悪」を背負わされたことを考えると重い言葉である。
「……バゼット、世界は続いている。
 瀕死寸前であろうが断末魔にのたうちまわろうが、今もこうして生きている。
 それを―――希望がないと、おまえは笑うのか」
クライマックス。生きることが苦しいと心の内を吐露するバゼットを、外の世界へと送り出す。

トラぶる花札道中記EX

「え、いいの笑って!?ラッキー、いいかげん我慢の限界だったんだ!」
「ぎゃはははははははは!いやもう、ホント信じられねー!配管ぶち抜くウエイトレスってなに?テロ?」
「だいたいどこのギネスだよそれ!漫画じゃあるまいし、喫茶店を半日でクビになるってアンタ何歳ですかっ、ぐぎゃ!?」
のーまるモードにて。「いい、笑いなさい」「今はいつものように馬鹿にされた方が救いになる」と言われたので励ますのを止め、素直に本心を曝け出した。そしたら頭を掴まれ体が浮いた。
「――上等。よし、頑張れバゼット。オレは後ろで、いつでも逃げられるよう応援してるから」
同上。サーヴァントがマスターに戦うよう促す。これにバゼットは不満がるどころか「任せなさい、貴方は私が守ります……!」と男前なことを言いやる気満々だった。
「あ、あと娘さんをボクにください」
同上。神父にさらっとこんな事を言っていたりする。
「ああ。お互い辛いねぇ、都合のいい悪役はさ」
同上。言峰の「欲したものをこそ掴めない」との指摘に対する答え。顔グラフィックでは笑顔だが、人間だった頃の彼の生涯を思えば『都合のいい悪役』という言葉がどれほどの重みを持つのかは言うまでもない。
「ひひひ、甘いぜ遅いぜ押し倒すぜー……って、なんだぁ!?」
同上。混浴なのだから男として入らなくてどうするかとバゼットの許可なく入ろうとしたが、思わぬ邪魔が入る。

フェイト/タイガーころしあむ アッパー

「獲物をおびき寄せる食中花がキレイなのと同じでさ。どこぞの悪魔憑きのシスターも、ま、似たようなものかねえ?」
自分ルート。カレンへの発言。
「……ったく。マスターの危機だってんで戻ってきてみれば、ひでえモン見ちまった」
「……まあ、なんだ。人の趣味にとやかく言う趣味はないんだけどさ。なに、たまってんのアンタ?」
カレンルート。魔法少女衣装のカレンを見ての感想。ひどい言いぐさである。
「ええー?うっそだあ、これアンタの趣味だって!いつも通り悪趣味全開じゃんか!」
「そうだろう?おもしろおかしく、世の中をかじるのがあんたの起源だ。別に、それを恥じることはない」
「本当、素直じゃねえんだから。楽しい事は楽しいって認めていいんだぜシスター。そうじゃないと、肉をもって生きている意味がないんだから」
カレンルート最終戦。再現された天の逆月にて、暴走を続けるカレンに対して、バゼットにそうしたように諭す。
……が、このときは言ったタイミングが悪すぎた。事の本当の発端はアヴェンジャーに対する追慕だったのに、見事なまでのフラググラッシュである。
おかげでカレンは完全に意固地になり、アヴェンジャーの殺した数でカレンとバゼットで勝負するハメに……こんなところでも生贄ですか?
「うん?いや、その芸風はいいんじゃない?
 痛々しくても可愛いんだから。アンタはそれぐらいの方がいいのかもしれないし」
同上。カレンの想いに気付かず地雷を踏んできたが、ここにきて可愛いとやっと良い事を言った。
「いや、色々あるけど……いいのかこのオチ?全編通して設定違いとか矛盾とかはらん――ごべ!?」
同上。カレンに何か文句あるか問われて、メタい事をつっこんだ。
「うひゃあ、人を見た目で判断しましたよこの男!
 正義の味方っぽいのが偏見持ちとは恐れ入った。よっぽど前世で嫌なことがあったんですか?」
アイリルート。何故か衛宮邸の土蔵近くでアーチャーと口論していた。そういうアヴェンジャーの過去こそ悲惨極まりないけどな……。
「この身体の元になってるヤツがどうしようもない俗人なんでね。まあ、恩恵にあずかってるワケさ」
同上。アイリと会って楽しそうでよかったと言われた際の台詞。

メモ

  • アヴェンジャーのクラス特性及びクラス基本能力は明らかになっていない。
  • 本人曰く「この世界すべてを探してみても俺より弱い英霊は存在しない」最弱の英霊。しかし、具体的な描写が無い為に詳細は不明だが「英霊クラスの超人であろうと、人間である限り俺には勝てない」と語っている。
  • 殺人の質においては最高と自負する一方で、速さでは「犬」と「蜘蛛」には敵わないという。ここで比較して「より速い」といった「犬」「蜘蛛」とは、死徒二十七祖の第一位プライミッツ・マーダーと、第五位ORTの暗喩であると推定される。
  • 繰り返される日々が「四日」なのは第三次での「この世全ての悪」が四日目に敗退したのが原因。この世全ての悪は聖杯戦争を四日間しか知らないため、五日目以後は再現もくり返しもできないためである。
  • 本来、性格と言えるモノが無いので第三次に参戦した際の姿と性格は「hollow」に登場した彼とは当然違う。宝具も上記の宝具は使えなかったらしい。
  • 平行世界の第三次聖杯戦争で、アインツベルンはアヴェンジャーではなく、終盤まで状況を混乱させた「ルーラー」を召喚した。そのため、大聖杯は「この世全ての悪」には汚染されておらず、神々しい輝きを保っている。
  • 身体の刺青はこの世全ての悪を示すものであり、時代によって悪を示す基準が変わったりするのでモニョモニョ動く。

話題まとめ

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